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ここ最近観た映画あれこれ。

 ここ最近観た(といっても数ヶ月前のもありますが💦)映画のレビューです。面白い表現の作品もあれば、面白さをあまり理解出来なかった作品などありますが自分なりに雑感を書いてみます。

『マルケータ・ラザロヴァー』
 チェコニューウェーブと言う映画運動が起こった時期の作品。チェコというとヤン・シュバンクマイエルや『ひなぎく』を連想してしまい『マルケータ〜』もその系譜の作品かと思いきや(チラシがそれっぽさを醸し出していたので勘違いしたのもある)、マルケータとミコラーシュの壮大な恋愛劇だった。
 実験的な表現が多めなのと人物の相関関係が分かりにくい(役者の造形が似てる人が多いので)ので状況を把握するのに時間がかかるけど、上映時間も長めなので忙しく追っかける必要がない。
 個人的にはパンフレットやチラシでストーリーなり世界観なりを頭に入れておいた方が楽しめるかなと。修道女達が出てくるシーンの白黒のコントラストは映える。

『リコリスピザ』
 実は初見のPTA作品。Paul Thomas Andersonを略してPTAというのも初めて知りました😅
 初めてのPTA作品なので他も観てみたいと思いますが、「リコリス〜」は個人的に合わなかった。決してつまらない作品ではないが作品が表現しようとしている面白さを理解できなかった。"面白げ"なのは分かるがその面白さを理解できなかったというべきか。例えば、時代背景を表すべく使われている楽曲の意味がアメリカのカントリー音楽に詳しくない僕としては少し理解しにくかった。タイトルの「リコリスピザ」も楽曲の名前が使われているのを知ったので最初はピザ屋の話かと思った。
 主人公がオタク気味なキャラの割にはいくつもの事業を手がけているやり手だったのも、それなら仕事を頑張れば良い恋愛もできそうじゃないかと思えてしまい、人物がぼやける感じもした。
 今回は監督自ら撮影もしているというのでカメラワークを気にしながら観てたのですが、手持ちのカットが個人的には好きな感じでした。

『キャメラを止めるな』
 大ヒットインディー映画「カメラを止めるな」のフランス版。サイレント映画『アーティスト』のM・アザナヴィシウスが監督なのでどんなアレンジがあるのだろうかと思ったが基本的な部分は原作を踏襲していた。
 日本でヒットした作品のリメイクという実際の設定もストーリーに盛り込んでいたりと幾つかのアレンジはあるが長回しや人物描写も本家に合わせていて改変という感じがしなかった。こういうアレンジは個人的に好きです。
 だけど、機材や規模は凄いですね。。。準備期間も相当あったようで映画作りの違いを感じた。それだけ日本のインディー映画は大変な思いをしながら作っているということか。もう少しサポートがあっても良いのかなとしみじみ思いながら劇場を後にしました。
 あと、この作品には配給会社のWILD BUNCHが関わってました。映画を観るときに冒頭のクレジットを要チェックしてますが、配給や制作でWILD BUNCHが関わっている作品はハズレがないのでオススメです。(トリッキーな作品を見たい人には。)

『シン・ウルトラマン』
 庵野秀明の脚本&企画による特撮映画。特撮に愛着がある人が作るとこうも違うのかと思った。今回は監督は樋口真嗣さんに任せて脚本と企画、一部の特撮のみという関わり方だったが、作りは『シン・ゴジラ』に類似していて(カメラの構図、特撮の質感など)、殆ど庵野映画だった。
 「シン・〇〇シリーズ」を見る度に思うのだが実相寺昭雄が好きなんだなとつくづく思います。トリッキーなカメラ位置は「曼陀羅」を思い出します。
 特撮のレトロ感はリアリティにはかけるかもしれないけど昨今のCG描写と違った良さがあって怪獣映画以外でも導入したら個性的な作品が出来そうな気がするなと自分の制作に当てはめながら観てました。


 という感じで映画のレビューでした。秋に向けて公開する作品でも面白そうな作品が多いし、マシュー・バーニーの作品も公開中なので引き続き追っかけていきたいなと思います。

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