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やはり自由に作品を作るにはちゃんとお金の事も考えていかないとダメなのよね

 もう先月のことになってしまいましたが、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督の最新作『MEMORIA』を観てきました。って、かなり前のことになってしまって今更感満載ですが、世界で5本の指に入る独創的な監督の作品なのでnoteに書いておこうかなと思ってあれこれ思いを巡らせていたら一月半も経っていたのです…💦

 タイ映画といえば『マッハ』が浮かびますがメインストリームから大きく外れた(というよりどこの国に行っても異端児だろう)アピチャッポン監督の作品にこれまた独特の雰囲気を持つ役者ティルダ・スウィントンが出るのだから不思議な作品にならないワケがない。

 本編は「脳内爆発音症候群」を患った監督自身の経験が背景にあるようで"音"をモチーフに、テーマに話が進む。多くのシーンが長回しでゆっくりと話が進む。近年の性急に展開する映画と真逆をいくスタイル(スローシネマというのだそうだ。)はノンビリと映画を見ていられて、ある種癒しの感覚もある。個人的にですがテンポの速いハリウッドの映画よりこちらの方が好みです。

 ティルダ・スウィントンの過去作の中では一見普通に見えるキャラクターを演じているけど物語が進むにつれ、やっぱりこの人じゃないと成立しないなと思わせる役だった。ティルダ様に普通の役は似合わないなという結論に至る。。笑

 あと今回の作品で気がつきましたが、アピチャッポン監督作品は意外とPOPカルチャー的なモチーフがちょいちょい入ってくるのね。それが物凄くアンバランスなのでそこで好き嫌いが分かれる事が多いんじゃないかなと思いました。

 毎回、独創的な作品を発表する監督を知ると最近はその背景を知りたくなるのですが、アピチャッポン監督も自身の制作会社を母体として資金を集めて映画を撮っているようです。やはり自由に作品を作るにはちゃんとお金の事も考えていかないとダメなのよねと見終わって痛感したのでした。

 遅ればせながら映画『MEMORIA』について色々書いてみたのでした。


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