スイングについて考える〈2021年〉
年末の自由な時間を利用して、ヨビノリさんの力学の授業をみていました。
そこで、「角運動量保存の法則」について復習しました。
1.角運動量保存の法則とは
角運動量=回転している物体の質量×回転半径×速さ
回転している物体の運動量に関する法則です。
回旋運動を伴うスポーツでは、必ず理解しておかなければいけない法則になります。
では、この法則を野球にどう活かすのか、それについて解説していきます。
2.角運動量保存の法則の野球利用
野球の打撃は回旋運動です。特に、身体に振られるバットという道具にはこの法則が当てはまります。
角運動量→バット(ヘッド:芯)が持つエネルギー
打撃成績に影響を与える「打球スピード(初速度)」に影響を与えます。
物質の質量→バットの重さ 選手の体重
回転半径→バットの芯のスイング軌道の半径
速さ→スイング(ヘッド)スピード
単純に、運動量を大きくするためには全ての要素を大きくすればいいのですが、バットの持つエネルギーを大きくすることによって、バットとボールが当たらなくなってしまうと「野球の打撃」というスキルでは意味がなくなってしまうので、運動量を大きくしながらそれをコントロールするスキルが必要になります。
3.野球スキルにつなげる
「物質の質量」を上げることが、この総運動量を上げるには一番です。なので、体重(質量)を上げること、扱えるバットの重さを上げることが一番簡単な方法になります。なので、野球選手は体重を重くするためにストレングスのメニューをこなしているのです。ですが、これは速攻性が低い(明日、朝起きたら体重が5キロアップしているなんてことはありえませんし、練習中に「白米」をたらふく食べても意味がないこともわかりますよね)ですし、晩成型の選手はある程度、歳を重ねないといけない(高校生以下の場合は、バット質量を上げることが望ましくない→怪我の元にもなる。加えて、中学生は早熟型の選手でないと筋肉も肥大しにくいので体重を上げることが難しい、という観点から無駄が多い)と思いますのでここでは考えないことにします。
では、この法則を利用できるところは「回転半径」と「速さ」の部分になります。
これは、体修塾BCAのスイング理論も併用して説明していきますので、体修塾打撃理論をご存知ない方は過去の投稿に目を通していただければと思います。
まず、ここからの仮説は物質の質量が変化しないことを前提とします。理由は上記の通りです。
運動量を最大化するためには回転半径と速さを最大化することで大きくなることはわかります。ですが、このスイングは野球界で嫌われている「大振り」と言われるスイングになってしまいます。
では、なぜこの「大振り」はいけないのでしょうか?その理由は、スイング序盤からバットのヘッドが身体から離れてしまうと投球軌道上にヘッドを通すことが難しい(通称:ドアスイング)軌道になってしまうからです。
いくら運動量が大きくなってもバットの芯に当たらなければ意味がありません。これが、運動量と野球のスキルを考える上で大切なことになります。
では、野球のスキルに落とし込む場合には、どのようにこの法則を活かすのか解説していきます。
4.ファーストローテーション
ファーストローテーション中(1R中)は回転半径を最小化し、スイングスピードを最大化する段階になります。
「角運動量」が維持され、体重もバットの重さも変わらないとしたときに、このエネルギーに影響を与えるのは「回転半径」と「速さ」です。
かつ、この「回転半径」と「速さ」は掛け算になっていますので、角運動量・物質の質量が維持されるとこの2つの要因は反比例します。
つまり、回転半径を小さくするとヘッドスピードは大きく(速く)なるのです。
この原則を利用できる段階がファーストローテーション中ということになります。なるべく速く「バッドヘッドを投球軌道上に入れたい!」これが、打撃スキルの基本ですので、そのために回転半径を小さくしながらファーストローテーションを入れていきましょう。同時に、半径を小さくできるということは「インサイド」からバットを出せることにもなりますので、コンタクトフォームもコンタクト率も良くなることが容易に想像できます。
方法については後ほど動画でまとめます。
5.セカンドローテーション
ファーストローテーションでは、回転半径を小さくしヘッドスピードのみに意識を向けコンタクトフォームの安定を目的としてこの法則を利用することを説明しました。では、セカンドローテーション中ではどうでしょうか?
体修塾BCAの打撃理論では、セカンドローテーション中にインパクトを迎えることが理想なので、そこでインパクトをすること前提で解説をしていきます。
インパクトでは、運動量を最大化したいため、体重とバットの重さが維持されている状態で総量を増やすためには回転半径を大きくして、かつヘッドスピードを上げる必要もあります。ですが、ファーストローテーションまでに十分に加速したヘッドスピードをさらに加速させることは難しいと考えます。なので、セカンドローテーションでしなければいけないことは「回転半径」を大きくすることになります。
詳しくは動画で説明しますが、一言で言えば「回転半径を変える」必要があります。そして、当たり前ですが、回転半径を変えるということは回転の中心を変えなければいけません。
6.スイング中に回転の中心を変えるというスキル
まず大原則として、回転半径が最も小さくするためには、中心がバットの真ん中にある必要があります。逆に、回転半径が最も大きくするためには、よりグリップエンド側に中心を移動させる必要がります。
これができているスイング軌道を私は、「インサイドフロント」スイング軌道という用語で説明しています。体修塾BCAの指導を受けたことにある選手であれば理解できると思います。
このスイング軌道を身につけることで、今自分が持っている質量を最大限に活用しながら、コンタクトフォームも安定させつつ、コンタクト率も高められ、かつ飛距離も最大化できるスイングを身につけることができます。
7.最後に
私たちは、地球上で野球をしています。では、地球を味方にしましょう。
地球と喧嘩をしながら野球をやっている選手が多すぎる。
これが、日本野球界の課題だと私は考えています。
※この下記に、動画閲覧可能リンクが掲載済です。文章で説明していない部分、しにくい部分を動画で説明しています。興味のある方は是非ご覧ください。
ここから先は
¥ 200
記事を読んでいただき、ありがとうございます。もし宜しければサポートをお願いいたします。新潟県の野球のために使わせて頂きます。その内容も、必ずnoteで報告させて頂きます。よろしくお願いします。