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四国のひとに聞いてみる! Vol.9〈ムー・テンジン 氏〉 -芸術に今、これから出来ること-

ムー・テンジン 氏(民族楽器集団DEWACHENのシタール奏者・作曲家/「lotus idea」代表)

〈プロフィール〉
フリースタイルで国内各地の数多くのステージをこなし、様々なセッション、レコーディングに参加。
ひたすらRockでPeaceな演奏で観客を魅了する。
三度の飯よりセッションが好きらしい。多くのジャンルがミックスされた独創的な音楽スタイルは、他のシタール奏者とは一線を画す。

近年はシタールの枠を超えて「情景を映した音楽」の創作活動に力を入れ、音楽にとどまらず映像、アート、ダンス、演劇との融合に挑戦しながら無形の無限を探求している。

自身のアートブランド「lotus idea」を立ち上げ、より真に迫った表現の場をクリエイトしている。こよなく四国を愛するナイスガイ。


今回は民族楽器「シタール」の奏者で、元東温市地域おこし協力隊のムー・テンジンさんにお話を聞きました!

-ムー・テンジンさんのこれまでと現在の活動、四国での活動についてお聞かせください-


音楽に興味を持ちだしたのは小学1年生の頃からかな。エレクトーンから入って吹奏楽、ギターという流れでどんどんはまっていきました。
生まれは松山だけど、レコーディングディレクターを目指して大阪へ行きました。
もう音楽、それしか僕にはなかったんですよね。ずっと音楽で生きてきたから今更選択の余地はなくて、自然とこの道を歩んでました。

大阪でレコーディングの勉強をしつつ、音楽活動を続け、全国をツアーで回ったりなんかしてました。
今演奏しているシタールという楽器と出逢ったのは大阪にいたころ。当時はサブカルチャー、ポップカルチャーが若者の遊びの中で流行ってて、そのカルチャーの中に民族音楽が入り込んでたんです。アニメやクラブミュージック、その当時流行ってた音楽の中に民族音楽が入り込んでて、皆どこかしら民族音楽に触れる機会があったんですよね。商店街のアーケードを歩けば、よく民族楽器弾いている人なんかがいて、そこでシタールとも出逢いました。でもシタールがしたかった訳じゃなくて、ただ自分の音楽をしたかった。そこにたまたまシタールが当てはまったって感じ。

そんな大阪時代を経て、大阪は人も情報も多すぎる、その限界を感じたんだよね。もっと自然環境の溢れた創作場所を求めて、まあ親の介護とかも重なったこともあって愛媛の東温市地域おこし協力隊になったんです。
今は任期も終えて、音楽制作の現場と自治体を繋げる取り組みを目指しています。

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※子どもたちの前でシタールを演奏するムー・テンジンさん

-昨今のコロナウイルスによる影響をどう捉えられていますか?また、ご自身の活動で実際に影響を受けていることはありますか?-


自分がどうあるべきかを考えました。

芸術の中でも今回の件で影響を受けている人もいれば、そうでない人もいる。僕はもともと下積み時代に野垂れ死にそうな状態を経験しているから今回の件はそこまで追い込まれることはなかったかな。でもそれを専門にして、本職にしている人なんかはすごい影響を受けてると思う。

いつも篩(ふるい)にかけられてる感じだよね。
「このまま続けますか、やめますか。」と常に問われてきて、今回もその一つな感じです。
世の中的には大変なことだけど、僕の中で音楽は仕事とという存在だけではないから、僕個人として影響を受けていることと言えば、時間が出来たことで、創作に没頭できているという事かな。個人の活動、自分の創作活動が逆に出来てる。仕事ではないけど。

1回タイミングとして活動は途切れてしまうけど、1週間友達と会えなくて縁が途切れてしまうとかそんなに人間関係はもろくないし、未来永劫会えなくなるわけではない。ビジネスの様な連続性とかではないから、人と人との繋がりはそう簡単には途切れない。
僕がセンターでやってる「軽音楽部」とかを再開させるとかは大変だけどね。
止ったものに対して悲観的にはなっていないかな。


-この状況下に置かれた芸術(音楽)がなせることは何だと思いますか?-


変わらずいつも通りであるべきだと思います。芸術がどうのこうのとかではなく、音楽ってそこにあるだけで良いものだと思うんですよ。安らぎや緊張をほぐせるものが今必要ですよね。それを動画だったり、色んなツールを使って提供出来たらと思います。
イベントとか大きな花火を打ち上げることだけじゃない。即興・ライブが全てではなくてそれはあくまでも1つの手段なだけ。やれることの1つがなくなっただけなんだよね。
逆に自分の作品について長い時間をかけてゆっくり考えられる機会になってます。

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-愛媛、四国での今後の活動についてお聞かせください-


他の四国四県、精力的に出て行って、面白い人たちと繋がることをしていきたいですね。四国は面白い人たちで溢れている。自分が何かをするよりも、人と人とが繋がっていくことが大事やなと思うんです。色んな作家さんなんかも掘り出していきたいです。

田舎の良いところは人が少ないから1つの分野でコミュニティが形成されていないし、色んな人が混ざり合って環境が出来てるんです。だから面白いものが出来やすい。
今後の企画のためにも繋がりをつくっていこうと思ってます。土壌を作り、状況を作る。状況が整ったら自然と何かが生まれる。狙ってやることもあるけど自然に発生する、そこから良いものが生まれてくると思うんですよね。

東温市では色んなとこで録音やら演奏やらをしています。自然の音、環境がとても良い。
これは今回のことでもよく分かりました。


ムー・テンジンさんありがとうございます!

インタビュアー:田中直樹(東温市地域おこし協力隊)

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