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四国のひとに聞いてみる!Vol.7 〈三瀬賢太 氏〉 -芸術に今、これから出来ること-

三瀬賢太(みせけんた)氏 
東温市地域おこし協力隊(アートヴィレッジ構想推進担当)/ 日本最大のクロースアップマジシャンの協会「JCMA」の四国第1号JCMA公認パフォーマー 

〈プロフィール〉
愛媛県を拠点にクロースアップマジックを中心としたパフォーマンスを行う。 テーブルを回りながら観客の目の前で行うマジック”テーブルホッピング”を専門とし結婚式等のパーティや地域のお祭りなど様々な場面で活動している。 
2013年に劇団コバヤシライタを立ち上げ、文学とマジックを融合させた公演作品を発表している。
立ち上げ頃から活動の幅が愛媛県を飛びだし始め、2015年には韓国ソウルで行った。


-三瀬さんのこれまでと現在の活動、四国での活動についてお聞かせください-

愛媛県でプロのマジシャン として活動してきました。
2018年からは東温市地域おこし協力隊としてアートヴィレッジ構想に携わっています。
2013年から「劇団コバヤシライタ」という劇団を作り、マジックを取り入れた演劇作品やコント作品を制作しています。
基本的な守備範囲としてはマジックなどのお客様の目の前で表現すること、コントなどのシンプルな設定演出の舞台作品、あと最近は作詞もやってます。

-昨今の新型コロナウイルスによる影響をどう捉えられていますか?-

どう捉えるか…。
最初の方は怒りやガッカリより無力感が強かったです。
「あー私がやってることってこんなことで無になるんだな」みたいな。
収入自体は協力隊の報酬がある一定数いただけるのでいきなり無収入ということはないにしてもこれからどうしていこうという不安は広がりました。
ただ冷静に考えると社会が変わるタイミングがとても強引にショッキングに訪れた一面もあるのかなって思います。

テレワークの普及とか学校のありかたとか行政サービスの電子化とか。

冷静に考えてみたらコロナショック関係なく家でできることは家でも出来るし、学校だって学校に通うのが苦手な人もいるんだから柔軟な教育体制があっていい。

今までなんとなく後回しにしてた問題に対してみんなで向き合う時間が出来たし、コロナショックがあって良かったとは微塵も思いませんがここから社会が変わっていく気配を感じています。


-ご自身の活動で実際に影響を受けていることはありますか?-

2月の終わりくらいから仕事にキャンセルが入り始め、3月の中旬にはゼロになりました。
影響を受けてないとは口が裂けても言えないですね(笑)
劇団の公演も事実上のキャンセル、活動そのものが機能不全です。
制限付き解除となりましたがまだまだ活動が出来るとは言えないですね。

マジックもそうですけどコントもお客様同士の距離や本人の安心感も楽しむためには重要だと思います。
「コロナウイルスにはめったにかからない。たとえ感染しても医療体制がしっかりしてるから大丈夫」
とユーザーが安心してチケットを買ってくれるまでは私たち職業芸人が過ごしていた日常は戻ってこないですね。

-この状況下に置かれた芸術がなせることは何だとお考えですか?-


私は表現活動を仕事にしてるのでビジネス的な観点からしゃべりますが、商売の基本って「あいての困りごとを解決して対価をもらうこと」だと思ってます。

この定義から考えればやることの”量”は変わらないはずなんですよね。
いくら外出しなくても「エンタメを楽しみたい」という感情を奪われたわけではありません。
”我慢してる”だけです。
その人たちの要望を叶えるために出来ることを算盤をはじいてする。
ネット戦略が得意な人はオンラインショーや生放送での交流をしているでしょうし、物販が出来る人はそちらで勝負をするでしょう。

でも私はやっぱりライブでお金をもらうのに特化してきたし、そこが唯一業界で勝負になると思ってます。
実際何回かテレビに出ましたが毎回「私っておもろないなぁ」って思ってます(笑)

だからとにかくそういうことは得意な人に任せて、私はとにかく生き延びてユーザーに忘れられないようにしながらライブが出来るところまで社会が戻ってきたら「やっぱライブは違うな」というショーをできるように、休んでる間にむしろパワーアップしてやろうと思っています。

だからSNSでの発信もちっともパフォーマーぽくないですよ。
いつもご飯と味噌汁の写真ばかり。
あ、料理はとっても上達しました(笑)


-愛媛、四国での今後の活動についてお聞かせください-

今後。
2ヶ月後の状況を確実に言い当てられる人がいたら紹介して欲しいですが、そもそも私のようなフリーランスのパフォーマーは2ヶ月先の生活だって保証されてなかったので、不安とかは特に変化はないです。
もともと将来に対する安定への欲求が少ないのかもしれません。
日常が戻れば以前に作ってた目標に向けてまた動き始める。

もちろん変わってしまうことも出てくるでしょうし、しばらくはイレギュラーだらけでしんどいでしょうが、どんな時代でも状況でも表現者はやりたいことをやりたいようにやって需要を待つのが健全だと思ってます。
だから今のところ大幅に変わることはありません。

劇団の活動も予定してた新作の発表のタイミングを模索しますし、コントライブの新作も作っていきます。
今年からもともとやろうとしてたのですが、劇団の初期の頃にやっていたどっぷりマジックだけをストイックに楽しんでもらう公演なんかはアフターコロナ初期の人数や来場者情報管理を徹底しないといけない時期に行いやすいスタイルだと思いますのでこれはすぐ皆さんの前で出来るかもしれません。

とにかくやれないときはやれない。
やれるようになったらやれることをする。
ここは変わらないです。

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三瀬さんありがとございます!

インタビュアー:田中直樹(東温市 地域おこし協力隊)


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