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四国のひとに聞いてみる!Vol.2〈片山慈 氏〉 -芸術に今、これから出来ること-

今回は東温アートヴィレッジセンターのある愛媛県東温市にて活躍されている津軽三味線奏者の片山慈さんにお話を伺いました!

片山慈(かたやまめぐみ)氏 (東温市文化協会会長)
〈プロフィール〉 
東温市在住/津軽三味線奏者 神谷茂良(かみやたかふみ)氏に師事/津軽三味線「咊胤」会員 

「三味線で笑顔と元気を!」をモットーに、和楽器を身近なものに感じてもらえるようソロ演奏の他、尺八・横笛・和太鼓とのコラボなど東温市内外で活動中。

津軽三味線教室「津軽三味線絢の会」主宰
第16回全国津軽三味線コンクール大阪大会壮年の部優勝
第3回津軽三味線みちのく全国大会壮年女性の部優勝
第12回全国津軽三味線競技会名古屋大会壮年女性の部優勝
第7回津軽三味線津軽民謡inびわ湖一般女子部門入賞
第18回全国津軽三味線大阪大会一般女子の部入賞
東温市 東温きらめき大賞受賞 ほっこり山の音楽会主催


- これまでと現在の活動について教えてください -

津軽三味線を始めたのは、私の子供達がある程度大きくなってから、私も随分大人になってからになります。 

活動としては、津軽三味線教室「絢の会」を主宰。また地域のお祭りやイベントでの演奏、不定期のおさらい会や単独ライブの開催、奥松瀬川では「ほっこり山の音楽会」を実行委員会形式で運営もしています。

三味線を始めてから来年で二十年になります。
ただ一人で好きなように弾いていられたら幸せだったので、誰かに伝えたり人前で演奏することは想像もしていなくて、「気づいたら、こんなことになっていた」のが正直なところです。
二十年でこれくらいかと忸怩たる思いがありますが、生涯をかけて追い求めていくのだろうなと、覚悟でも気負いでもなく普通に思えているところは、二十年重ねてきた今だからこそと、その歳月を愛おしく思います。  


- 新型コロナウィルスによる影響をどう捉えていますか? -

新型コロナウィルスにより、音楽に限らず集客事業による文化芸術スポーツ活動はほぼ全てストップしています。収入源を失った人も少なくありません。

今は、自分の内面や今までの活動・生活を見つめなおし、より深く根を張れるよう自分に栄養を蓄えていく時期と思っています。
が、この状況が長引くようであれば、ライブハウスやホールに限らず、才能ある人材も消えていくことが危惧されます。


- 自身の活動で影響をうけていることはありますか? -

ライブ活動がなくなりました。
今までは、どちらかと言うと人前に出ることを厭い、東温市内だけで動くことが多かったのですが、去年あたりからお声がけいただくこともあり、今年度から愛媛県内各所どこにでも行こうと企画を立てていて、「さあ!」と言うところでした。


- この状況下に置かれた芸術活動がなせることは何だとお考えですか? -

今まで経験したことのないこの状況下で、私達が出来ることは何なのかは常に頭の中にあります。
私は、全ての文化・芸術活動は人生を豊かに彩るものであり、人々の希望であると思っています。それは何故か。人は不安や孤独を抱える生き物でありながら希望を求め続けているからです。文化は人間の生きる根源を支えるものなんです。

震災時であれば、現地に赴いて楽器を奏でたり歌を一緒に歌ったり、直接顔を見てパフォーマンスをすることでお互いが励まされることも多々ありました。

しかし、見せる側と見る側がリアルタイムで空間を共有してこそのライブ活動が難しい今、多くの人がされているように動画配信が一番なのかと思います。が、それを受け取る術のない人達に対してはどうしていくのか、また動画のクオリティを求めると経費も掛かる…など課題はあります。
それでも、何かをせずにはいられないのは私に限らず多くの人が感じていることです。

実際には、私の参加する市民団体「とうおんアート・ラボ」でも、「キャッチミープロジェクト」と銘打ち、東温市内で文化芸術に限らず活動されている方の動画インタビューの配信をスタートさせました。また、その活動とは別に、愛媛県内で活動する音楽仲間によりリモートライブも開催されて参加しました。パソコンの画面を通しての演奏会でしたが、笑いあり涙ありの感動的な時間を共有できたことは、とてもありがたかったし元気づけられました。

何が正解か分からないけれど、とにかく「面白いかも!楽しいかも!」と感じたら動こうと思っています。

先のご質問にも答えたように、今は自分に栄養を蓄える時期と思っています。アンテナを張り、すぐに行動に移せるように頭を柔らかくしておきたいです。来るべき「その日」のために。

先日友人が紹介してくれた作家平野啓一郎氏の文章に「僕は、コロナ明けに行く生のコンサートは、どんな音楽でも泣く自信があります。一曲目から最後まで泣き続けているかもしれない。演奏家も泣いていると思う。今想像しただけで泣いてしまう」とありました。

閉塞感の強い今、社会の灰汁のようなものが見えますが、平野氏の言うような涙を流せたなら、それらは全て流れて消えていくと思っています。
文化芸術にこそ、その力があります。

 

- 東温市・四国での今後の活動について教えてください - 

私の津軽三味線を一人でも多くの方に聴いていただきたいです(その為にも、演奏依頼、どしどしお待ちしています)。

また、学校で邦楽クラブのようなものを作り、子供たちに三味線の魅力を伝えていきたいという願いもあります。
三味線の音色は力強く繊細な音色で心地いいものです。弾いて楽し、聴いて楽し。多くの方と楽しい時間をたくさん作っていきたいです。

ありがとうございました。

片山さんありがとうございました!


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◆片山さんの活動が分かるFacebookのリンクがこちら↓↓↓
https://www.facebook.com/megumi.katayama.737

◆片山さんの思いが動画配信でも掲載されています。
ぜひご覧になってみてください↓↓↓
【Catch ME プロジェクト Vol.1】
「とうおんアート・ラボ × TOON BOX 企画」
もう黙っていられない!私の夢と愛と願いを受け止めて!Vol.1 片山慈さん
~「撮影会やってます」プロジェクトからはじまる三密じゃない「内密」の動き~

動画はこちらをクリック→ https://youtu.be/4KMiLx0NJOE


インタビュアー:田中直樹(地域おこし協力隊)

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