サンタクロース~06.見知らぬ老人
6 見知らぬ老人
妹のフランを失ったトトの悲しみは深く、あの日以来、感情をほとんど外に出さなくなりました。笑っていてもどこか寂しそうでした。祖父母はそれをとても心配しましたが、いつしかトトは
『他人に深入りしたり、期待しなければ、ガッカリする事も悲しむこともないんだ』
と思うようになっていったのです。本当は、それはとても悲しい事なのです。
それでも、祖父母と居る時は安心できたし幸せでした。二人も今まで以上にトトを気にかけてくれたからです。
それから、当たり前のようにト