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TRPGとは?♪

 初心者の為の話ではない。ある程度TRPG自身を知っている人、経験している人を対象にしている。
※初心者の為の「TRPGとは?」についてはリンク先をご覧いただけたら嬉しい。

 そして、これはTRPG含めた様々な定義(概要)の話になっている。
 元々はTRPGでオリジナルゲームを作ろうという機運が自分含めた身内にあって、その時の為に作ったモノ(そういうと身内の為に作った感じダケど、そうではなくその機会に自分の為に作ったモノ)。

 1999年頃にオリジナルゲームを作った事があり、その後ファンタジー系ランダムシナリオソースを作った後に、ホラーシナリオを簡単に生成するツールを作ってほしいと依頼されて調べた。

 しかしホラーシナリオをランダムで生成出来ても、当時それを実現するシステムがない事がわかった(ホラー映画の多くは逃亡中アクションで盛り上がるのだが、それを再現できるゲームが当時なかった)。そこでホラーシナリオではなく、オリジナルのホラーゲーム内で自動生成出来る仕掛けを作ろうという話になった。しかしながら頓挫。

 その後もサイコロフィクションコンテストなどへの応募の機運が上がったりした(といっても仲間内で提出したのは結局、自分だけだったけど。2010年頃)。

 そういう経緯の中でそれぞれゲームそのもの、TRPGそのものについてゲームデザインの観点で規定しておく必要があった。その頃にまとめたモノになる。
オリジナルゲームでTRPGを作る際に、様々な要素でそれぞれ定義(概要)していっている。

 様々な定義(概要)に対して多岐にわたってるケドもとっちらかっていたので、TRPG→ゲームと深度に倣って記事としてまとめ直した。

卓

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・TRPGの定義(概要)
・シミュレーターの定義(概要)
・テーブルゲーム(マインドスポーツ)の定義(概要)・特性
・ローン(屋内)の定義(概要)・特性
・ゲームの定義(概要)

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■TRPGの定義(概要)
 アンチクライマックスで先にTRPGから紹介していく。
 また「定義(概要)」と記載しているのは、多角的に説明する為に1つダケの定義にこだわらない事にしている為だ。
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TRPGの「定義(概要)」は3個ある。

【定義1】:TRPGは、誰か(複数人)と話しながら、空想しながら、登場人物(PC)の人生を通して、世界(観)や物語(事件)を体験(体感)する遊び。
【定義2】:(1)GMはフリーワードで状況・試練を創造・提供する。(2)PLはカウンタープランを考え、フリーワードで選択肢を創造&選択肢の実行を申告する。(3)選択肢の実行を申告を受けたGMは行動結果をシミュレートした上で(1)に戻る。
※2021年現在、フリーワードはあった方がいいが、GMの負担、PL(プレイヤー)の負担が大きい。その為、フリーワードではないゲームの存在も増えていった。
【定義3】:GMは「ツアーガイド」となってツアーを企画し、旅行者となるPL/PCを引率し、より濃密な楽しさ(冒険)を提案する。
※2021年現在、GM不要のゲームもそれなりにある。KPレスシナリオやシナリオクラフトというだけでなく、「20の質問(現在だと“水平思考クイズ”)」「汝は人狼なりや?」等をTRPGとして認める傾向もある為、GMが企画するという概念は「TRPGの必須事項」から外れつつある。

《所感》
 定義1は傍から見た時の説明。定義2は卓に参加した時の説明。定義3はGMの存在を伝える時の説明のような感じになっている。

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■シミュレーターの定義(概要)
 TRPGのTを取った状態の、ボードゲーム、シミュレーション、RPGとして概要をまとめる。
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シミュレーター

 定義は9個ある。

【定義1】:TRPGやコンピュータRPGはシミュレーションゲームである。シミュレーションは「目標に向って状況を予測しながら決断を下す事を楽しむ」特性を持つジャンルである。
ゲームによっては1回のみ決断を下す場合もあるが、多くは複数回下す場合が多い。

※デジタルゲームの場合は、リアルタイム性が高いモノだとシューティングやアクションとの違いがわかりにくいが「状況を予測・判断しながら決断を思案する行為」に重きを置いていると考えられる。
【定義2】:RPGは「旅を楽しむ」事を題材にし、PLは旅行者となる「ライフ(人物・人生)シミュレーター」ゲームである。
※異世界で覇権をめぐるウォーシミュレーションゲームから、 D&Dによって、異世界で世界をめぐるライフシミュレーターゲームになったと言える。
【定義3】:PLは、キャラクターの立場や状況を想像しながら、自分だったら、このキャラクターだったらどうするか、ロールプレイ能力を用いて解決していく事を楽しむ。
※ドライブシミュレーターの“クルマ”を題材にしたように、ライフシミュレーターは“キャラクター”が題材になる。
【定義4】:PLにとってTRPGは「キャラクターの人生を謳歌する事」を目的としている。
※PL/PCはツアープランを通して、PCは勇往邁進し、その事で銀鱗躍動する様をPLやGMは期待している。そしてPCの冒険人生が語り草になる程の豊かになる事を願っている。
※ゲームで繰り返す勝利は、PCにとってサクセスストーリーという形になり、英雄譚を築いていくように見える。
【定義5】:キャラクターにとってRPGは「夢を叶えたいと願うPC(旅行者)が、夢をつかむまでの旅を描いた物語」 になる。
※アナログのTRPGだけでなく、デジタルのRPGも含まれると考えている。
【定義6】:ゲームプレイ人数、GM1人、プレイヤー複数人(3~6)、協力型で、卓全体として採点性のプラスサムゲーム。
※2021年では、GMは必須ではないゲームも多数あり、且つ、プラスサムではなくゼロサムの場合のゲームも多数ある。
【定義7】:RPGはシステム上では、ゲームクリアはシナリオに依存し、ゲームオーバーはシステム上に強く依存する。
※ライフシミュレーターの根幹は、世界においてのキャラクターの存続になる。その為、キャラクターの存続が危ぶまれる事がゲームオーバーとして重要な位置づけになっている。一方、ゲームクリアについては「人生のゴール」という観点なのかシステムに依存しているモノは少ない。但しグランドクエストを設定しているゲームは存在する。
【定義8】:RPGのシナリオは依頼形式が多く、依頼を断る事が出来る。
※TRPGだけでなくデジタルのRPGも含まれる。理由ははっきりしないが、恐らく「人生がゲーム部分」であって「依頼内容がゲーム部分」ではない為であろうと思う。
【定義9】:RPGのゲームクリアは、提示された目標のみがシナリオクリアには限らない。
※例えば「依頼主の依頼目的は解決してないが、依頼主の動機を解決した為、クリア報酬を得られる」等、ゲームのルールの目標が変わってしまう場合がある。これは依頼主の動機だけでなく、この依頼主の仕事をPCが受けなければならない動機が解決された時も発生する。

《所感》
 ※TRPGで、キャラクターメイキングが楽しい、ロールプレイが楽しい、PvPが他のゲーム以上に精神的ダメージを被るなどは、この要素が強いからなのではないかと思う。

 あとココは記載していないが、RPGのルールは特殊な点がある。
「その世界の物理法則」をルールで再現している点がある。
登場人物(PC)が世界で活動・生活する為に、PC自身の生物としての法則や、行動した事による物理法則などを再現する為にルールが存在している事がある。

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■テーブルゲームの定義(概要)・特性・方向性
 TRPGのTを取った状態で、シミュレーションも取り除いた定義の話。
 テーブルゲーム、ボードゲームなど、別名だとマインドスポーツとも言われる。
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 定義(概要)は大きく2つ。でも方向性によって楽しみ方が違うので方向性も示している。

カードゲーム01

【定義1】:数人とテーブルを囲んで、ゲームの小道具を広げて、配置・使用する事を楽しむジャンル・遊び。
特性01。記号化した「盤」「駒」「チップ」「おはじき」「カード」「サイコロ」「紙&ペン&文字」などのコンポーネント(部品)があるダケで、使うだけで、人は楽しいと感じる。
※人にはコンポーネントが魅力的に見える為、用事がなくともさわり続ける。サイコロが良い例。人によっておはじきを触り続ける人もいる。
【定義2】:テーブルゲームは、マインドスポーツとして熟慮・長考を楽しむ為に、手番時の選択肢の種類を多くしたゲームが多い。
特性02。情報は、事前情報・直前情報・進捗情報がある。
特性03。カードの種類・枚数(もしくは山札)、駒の種類・個数、能力の種類・個数にしても数が多い。盤上の大きさや種類がある場合もある。
特性04。考慮する手の価値については、状況によって異なるが、全ての状況を平均した場合は対等・等価を原則とし、簡単には最適解・最善手が見抜きにくい(ミニマックスやマキシミンなど様々な手法はあるケドも…)。

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【方向性1】:テーブルゲームは、座位を前提として、手と話術を駆使し、時には表情や手ぶりも交えながら、頭脳性に特化していく。
特性05。肉体的技術は少なく、一方、「開示・秘匿された情報」と「人の心理」を基に、次手の策に想い馳せる魅力がある。
特性06。カードだけではないが何かしらで秘匿情報があるダケで、人は楽しく感じたりする。
【方向性2】:ランダム要素の強いゲームの場合、「運だから負けても当然である」と認識するモノが多い。その認識を否定し、プレイヤーの本気を引き出す為に、賭博のような行為によって、敗北時にはリスクを、勝利時には利益を得る事で、勝敗としてのゲーム性を維持するルールになっている。結果、確率計算による長考・熟慮を楽しむ。
特性07。サイコロを振るだけで楽しかったり…思わずカードデッキをシャッフルしたりするので、そういうランダムだけでも楽しいのかもしれない。

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■ローン(屋内遊び)の定義(概要)・特性
 TRPGのT、シミュレーション、テーブルゲームを取り除いた定義の話。
 ただTRPGの論点で、パッシブレジャー/パーティゲームを類語とする。
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※パッシブレジャーとは、受動的レジャー。元気を回復するために、暇な時間をエネルギーをあまり使わずに過ごすこと。シンプルなのはのんびりすることや、なにもしないこと。例として、映画や読書、ギャンブルなど…らしい。

笑う

【定義1】:宴会やパーティなどで行われるゲーム・遊びである。
※集まる事が目的で、余興の一つとしてパーティゲームを行い、共同作業を通して、より一層仲良くなるという目的があるモノが多い。
※余興の目的の場合、その場でルールを説明する事が多い為、そのような場合は、ルールが単純で、覚えたり考える要素は少なめである事が多く、その為、プレイヤー全員が同じ条件で遊べることが求められるゲームになりやすい。またランダム性の強いゲームも多くなりやすい。
【定義2】:3人以上(多人数)で楽しむ事が可能なゲーム・遊びである。宴会やパーティという性質上、屋内で遊ぶ事を想定されたゲームが多い(屋外でも遊ぶ事は可能ではあるが想定が屋内という話)
※特性。「卓にいる各自全員がそれぞれが、GM(かホスト)してるくらいの気持ちで卓の全員を楽しませよう・盛り上げようと思ってゲームをする事で、場や卓が盛り上がる傾向がある」
【定義3】:屋内(ローン)は「儀礼化」や「心理的なコミュニケーションを豊かにする方法」として、同じ屋根の下に集まる。会食や、同好の友達と、飲食や会話(雑談)でくつろぎながら、好きな趣味について情報交換や趣味を興じる。
特性:儀礼の特性を用いり、非日常的行動・手続き・秩序を喚起し、集団と個、個と集団とを一体感をも持つ事で、集団が有意義な時間を得る。

《所感》
 ※CD&Dのある「楽しむのが勝利」と、2021年にある「楽しむのが勝利」は意味が変わってて、このパーティゲームとしての側面が強くなってるように気がする。

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■ゲームの定義(概要)・特性
 TRPGのT、シミュレーション、テーブル、パーティ等の要素を除いた定義の話。
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ゲーム

【定義1】:参加者全員が遊び(規則や損益)の内容を認識(了承)した上で、規則(ルール)を厳守、従う遊び。
【定義2】:ゲーム内に目的が規定されていて、その目的に達成する為に行動する。
【定義3】:参加者はプレイヤーという役割を担ったロボットになる事を求められる(役割を演じるとも言える)。
【定義4】:参加者全員がルールに従う事で、参加者全員が本当の目的である「楽しい」「嬉しい」を得られると信じている。

 何故、このような定義にしたのか。
 wiki含めて、ゲームの定義の話をする際に「勝敗を決める為にゲームを行う」かのような表現が見られる。
 しかし、この項目ではゲーム内のルール下に属しているモノとして扱っている。理由は、勝敗がないゲームも存在する為で、そのウチで日本国内で有名なモノの一つに「罰ゲーム」がある。この「罰ゲーム」もこの項目では「ゲーム」として包括している。

 人間は衝動や快楽によって「勝利したい」「敗北したくない」という気持ちが強くある為に「ゲーム=勝敗」という図式になりがちだが、勝敗を決めたいが為に「ゲームをする」という考えを否定し、あくまで勝利・敗北はゲーム内のルールの一つとしている。

 この図式にしている理由は、「対戦相手にハンデを与える行為」「時に対戦相手に最善手を助言する」現在が負けている状態だとわかっていても「勝ちに拘った行動を演じる」これらの行動は「勝敗を決める為にゲームを行う」では成り立たないと判断している為。

《所感》
 ゲームに参加するプレイヤーは、人間ではなくゲームに組み込まれた「勝ちに拘るロボット(役割)」になる。
 このロボットとして専念する事が現在が負けている状態だとわかっていても「勝ちに拘った行動」を演じ続ける事になる。
 プレイヤーは役割でしかない為、プレイヤーの人間同士は「仲良く遊ぶ、紳士/淑女である事」が求められる。
 参加者はあくまでプレイヤーを演じ、ルールに従って勝敗を競い合うからこそ、本当の目的「楽しい」を得られると考えている。
という図式だと思っている。

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■まとめ・全体の所感
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 TRPGは非常に複雑なゲームジャンルだと思う。

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 人は紳士/淑女である事を求められつつ、プレイヤーという役割を演じ切る事が求められている。

 そしてプレイヤーはキャラクターを演じる事が求められている。

 キャラクターも、我々が複数のペルソナを持つように、
 ゲーム世界でより良い人生を謳歌する事を目的に、
 依頼主やNPCに対して、キャラクターはうまく演じ切ってキャラ人生を成功させようとする。

 そしてこういう多重構造を理解しないままプレイされる事を想定して、楽しめるようなセッションを目指すというのは難しい話だなと…。

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 この定義の利用方法は、それぞれのレイヤー毎に「魅力・衝動・快楽・楽しみ」があると考えている。その為、それぞれのレイヤーを意識した魅力を設定する事によってよりよいオリジナル作品が作れると…思ってる。

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※蛇足の蛇足

 TRPGの概念・意味を説明する際に「T」「R」「P」「G」等でそれぞれの単語の意味で説明をする事がよくあるが、個人的にはあまりお勧めしない。

 例えば、日本では「TRPG」だが海外だと「RPG」「PnPRPG」「P&PRPG」「TTPRG」等と呼ばれる。「T」の部分がなかったり違うモノが使われている。
 「PnP」「P&P」は「ペン&ペーパー(紙と筆を使う)」の略。
 「TT」は「テーブルトップ(卓上)」の略。

 またRPの「ロールプレイング」は日本の造語ではなく「RP」が単語として使われる。では「RP」として紹介すれば良いのか?と言われるとそれも少し異なる。というのもTRPGのロールプレイングと、世間のロールプレイングは意味が異なっていたり為だ。
 つまり、単語それぞれを説明してもTRPG自身の説明からは少しズレてしまう。
 TRPGは非常に最近のゲームの為、意味のある単語で合成したジャンル名となっているが、あまり気にせず、実態に即した形でTRPG自身を説明した方が良いように思う。

 この記事はTRPGに限定しているけども、オンセ界隈の用語については「オンセ界隈の用語集」にて記載しているので興味があったらぜひぜひ参照されたい。

 「TRPG自身を説明する」記事は、これで3つ目になる。本当は一つに絞った紹介がいいんだろうと思うケド、当時の自分はそれだけ思い悩んでいたんだと思う。……の自分は説明を諦めてますけど(泣)

 もし他のTRPGに興味がありました下記もご覧いただけたら嬉しい。

●初心者向けのTRPG自身の話


●初心者向けのTRPG自身の話 その2




おわり

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