発話、対策の余地♪
同時発話問題についての対策の話
※自分が卓を囲む時は「CoC7版」「Discordのボイスチャット」「ココフォリア」「いあきゃら!」を利用している。その為、その環境を前提に話を進めている。
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■同時発話問題とは
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オンライン中の特にボイスチャットを利用するボイスセッションで起こりやすい現象。
具体的には、4~6人くらいPLが一斉に話合うと「誰が」且つ「何を」言ってるのかわからなくなる事があり、一般的にボイセ特有の「同時発話問題」と言われている。
オフセではこの問題化はあまり発生しない。
少ないのは、GM側からした時、音の方向がわかる事、PLの身振りや手振り等によって誰がしゃべっているのか特定できる事が考えられる。
オフセでも同時発話は発生するが、問題となる状態はオンセと比べて少ない(ないワケではない)。
そして、卓全員の意見を聞きたい・汲み取りたいと願うGMにとっては解決したい問題となり、これが「同時発話問題」化する事になる。
もしボイスセッションがテクノロジー的な観点で3D音響とVRやカメラ(ライブ)のような身振りで表現出来ればオフセのような形で問題化は軽減するかもしれない。
しかし現状のボイセは、VRもカメラも使用はないし、3D音響も当分ないのでこういう技術的な解決は見込めない。
つまり現実的には「発声する人数」を制限するしかないのに、それが出来ていない事で「同時発話問題」が起きる。
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■同時発話が発生する要因
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そもそもの原因は「多くの人が同時に発声し続ける事」でおきる。
PL達は同時に「はやる気持ち」「しゃべりたい気持ち」「テンションの高まる気持ち」等の衝動が突発的に発生して、それを満たそうと発声している。
そして「同時に発声」する事で「同時発話問題」が発生する。
この問題が発生すると、「誰が」且つ「何を」言ってるのかわからなくなるダケでなく…
更に各PLは「割り込み」「声を大きくする」「発言し続ける」等が発生して、よりコミュニケーションが阻害されてしまう。
これにより勝者はしゃべり続け、敗者や遠慮するモノは発言が減っていく。発言が減る人は時間の経過と共に更に減っていく事になる。
誰かの発言が減る事で、勝者は拍車がかかりより発言し続ける事になる。
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■同時発話問題を軽減する手法
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「PL達の発話を衝動を満たす・抑える形で同時間でのボイス量(発声量)を減らす事」で解決する。
アプローチとしては未然に防ぐ予防と、起きてしまった時の対処の2つあり自分が知る限り7種考えられる。
このアプローチの個数を多く実施する程、同時発話問題を軽減かさせられると思っている。
【イ】テキスト利用する(予防)
【ロ】質問回数を減らす(予防)
【ハ】サイクル制(予防)
【ニ】手番(発話)の周知(予防)
【ホ】挙手or代替(対処)
【ヘ】待機(対処)
【ト】発散する(予防&対策)
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【イ】テキスト利用する(予防)
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GMもPLもボイセはボイスだけでなくテキストも利用する事をお勧めする。
テキストを利用しない人は様々いると思う。
・人によってボイセでは全て音声じゃなきゃいけないと思う人
・テキストは劣っている為、利用を嫌う人
・文字入力が面倒臭いと思う人
・スマホのみの利用の人はテキスト入力も閲覧も嫌う人
コミュニケーションの方法をボイスとテキストの2つにする事で、ボイス利用が減る為、結果として同時発話問題は軽減する。
その為、卓参加者全員に「ボイスチャットだけでなく、テキストチャットも多用する事をお勧めする」と周知するのが良いと思う。
●GM対応:テキスト貼付&朗読がオススメ
発話が活発になる時は「状況がわからずPLがあれこれ知りたい」時に起きやすい。
だからその「知りたい気持ち」を満たせば、同時発話問題は軽減しやすい。
GMはシーンの描写や状況説明など情報の多くはテキスト化しておきココフォリアのルームチャットにペーストし、その後、その情報を朗読する。
(セッション前に必要なテキスト情報は全てコピー&ペーストできるようにテキスト化しておくのが良い)
GMの朗読が何かしらの理由で聞こえなかった場合のPL側からツッコミが減る。
整理しずらい情報でも不足のない説明文の朗読&テキストがあればPL側からの質問が減る。
※テキストを貼った時の注意
テキストを貼ってるのだから朗読不要だと思うのは良くない。
テキストを貼ってるのだから、テキトーな朗読でゴニョゴニョ言って朗読した体裁で終わらせるのは良くない。
「GMが朗読をした」は「PLは読んだ」を無言で了承する手段になる。
もし朗読を正しく行わない場合、テキストを黙読前提になってしまう。
するとPLが読んだか読んでいないかの確認が必要になる。しかし読んでいないPLは「読んでいない」とは言わない。
もしくは「面倒臭い」とボソッと言って終了して、読んだ人に任せてしまう。
朗読は時間が掛ると思われるだろうケド、しかし理解解消の質疑を繰り返して時間を使うくらいなら、結果的に時短に繋がると思って朗読した方がいい。
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【ロ】質問回数を減らす(予防)
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TRPGの多くはGMが最初に発言(状況説明)し、それに対してPLがカウンター(応答)を返す事で成り立つ。
会話の多くは「挨拶→挨拶」「呼び掛け→返答」「投げかけ(質問)→応答(回答)」で成り立つ。
質問の回数が増えるのは「状況説明」や「投げかけ」の「情報に不足している時」「質問の意図を正しく汲んだ回答になっていない時」に思わず複数の人間が同時に「質問」の衝動に駆られる。
この質問回数が減れば、必然的に発声数が軽減し、結果として同時発話問題は軽減する。純粋な方法での減らし方は【イ】が良い。時差を与えて同時に発話させる事回避させるという意味では【ハ】【ニ】【ホ】【ヘ】が良い。そもそも自身の表現としてしゃべりたくて質問したがってる場合は【ト】を意識するのも良いだろう。
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【ハ】サイクル制(予防)
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衝動のままに発話をしたくなってしまうのは、自分の手番が保障されていない為。
「しゃべらない人の意見は無視され、しゃべる人の意見だけを拾い続けて話が進む卓」だと「焦る・はやる」事になる。
卓のPL達には全員、順番に聞いていく事を周知・理解して貰い、必ず手番がくる・順番がくると周知・認識して貰えれば、我慢して貰い、時間差で発声して貰う事が可能になる。
手番とは「戦闘ラウンド」「サイクル制」等の手法を取り入れる事で、GMかコーラーが順々に聞いていく体制によって解決しやすくなる。
また手番と記載したのはゲームルールにある戦闘ラウンドやサイクル制とは厳密には異なる為だ。
サイクル制は 3個 ある。
●〔サイクル制α〕
全員がそれぞれ別行動を取る場合ならPLの手番に応じて各シーンを行う。Aさんのシーンが終わったらBさんのシーンを行い、全員のシーンが終わったら、また改めてAさんのシーンを行い、全員のシーンが終わってないのにAさんが連続で様々なシーンをプレイするの避ける運用法。
この〔サイクル制α〕は加えて〔サイクル制β〕を混ぜる事が出来る。
●〔サイクル制β〕
全員もしくは複数人が同じ場所にいた場合の処置。
言動し判定済みを1つの手番済みにカウントする。Aさんが言動し判定終わったら、Bさんが言動し判定を行い、全員の判定が終わったら、リセットし改めAさんが判定できる。全員の判定が終わってないのにAさんが連続で判定し続けるのは避ける運用法。
この〔サイクル制β〕によって、判定をしていない人に手番が回って来る。判定が終わった人は判定をしていない人に託す事になるので同時発話における問題の根本が解決されやすい。
またこの〔サイクル制β〕について〔サイクル制α〕を用いた〔サイクル制β〕の場合、、主役となる《シーンPL》と、脇役となる《同伴PL》を設定してそもそも登場出来る人数を制限する事を推奨する事で、同時発話問題をそもそも起こりにくくするのも良い方法だと思う。
●〔サイクル制γ〕
全員もしくは複数人が同じ場所で同タイミングで会話できる場合の処置 【二】手番のような形で、判定を伴わない発言・行動のみで構成される場合を想定したモノ。
【二】手番のように「《名前》です。~以上です」とGMの応答が一つの手番としてカウントする。Aさんの手番(発言)が終わったら、Bさんが手番(発言)を行い、全員の手番(発言)が終わったら、リセットし改めAさんが手番(発言)ができる。全員の手番(発言)が終わってないのにAさんが連続で手番(発言)し続けるのは避ける運用法。この〔サイクル制γ〕によって、手番(発言)をしていない人に手番が回って来る。手番(発言)が終わった人は手番(発言)をしていない人に託す事になるので同時発話における問題の根本が解決されやすい。
基本的〔サイクル制γ〕はPL/PC同士の相談に用いる事になるだろう。
※コーラー
卓のPLにまとめ役を作り、PLが1人1人の行動を確認してGMと相談するというモノ。
コーラーはリーダーでも構わない。違いは前者はPLのまとめ役。後者は恐らくPCのまとめ役となる。
PC達のリーダー的存在でなくても、PLの意見をまとめる人がいてくれると卓は助かる。
しかしコーラーに対する理解がPLや卓に乏しいと設定が厳しい場合がある。
ただデメリットとしてはパーティが分割して動く時にコーラーの挙動は不自然になってしまう為、全員がいつも同じ場所で行動している事が前提に成り易い。
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【ニ】手番(発話)の周知(予防)
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会話は人数がいたしても基本的に発言者の交替によって行われる為、同時に複数人が会話する事は望まれていない。
その為、誰の手番でもない、その場で早いモノ勝ちだと思われると一斉に発声がスタートしてしまう。
およそ人の応答シークエンスは0.5~2.0秒くらいで何かしらの返答をしないと特に不自然に感じてしまう為に、衝動的な焦りも起きる。
これについては、【ハ】によるサイクル制が周知されている事を前提に、誰の手番(発話)であるのか、その手番(発話)はいつ終わったかを卓の人に示す事で解決される。
●手番とサイクル(発話)
イニシアチブの高い順で進めるが、PL/PCによってはその順番だと行動が取れない場合もあるので[待機]も認めた方がいい(最後尾)。
その上で、GMは卓のPL/PCにそれぞれ順々に名指しで指定し、名指しされた人が「《名前》です。~」と発言を行い、発言終了後に「以上です」と言う事で、同時発話問題は軽減しやすくなる。
「《名前》です。~」の名前は発言者を表すのでプレイヤー発言ならPL名、PCならPC名が望ましいとは思う。
それで会話を始めて「以上です」で締める。
締めた後、自動的にGMに発言のバトンが移動する。
GMもシーンなど説明終了後「自分からは以上です。PCの言動を開始(再開)してください」と伝える事。
会話は通常「A発言者(呼びかけ/質問)」→「B回答者(返答/応答)」のABを交替で行うが…
TRPGでは「A発言者(呼びかけ/質問)」→「B回答者(返答/応答)」→「C卓発言(回答を求めない意見・発言)」のABCループが良いように思う。
●手番終了時対応
言動が済んだ人は終わった事が指し示す為Discordのボイスチャットのマイクをミュートする。
これ便利ではあるんだけど、スマホ勢は少々面倒だったり、パソコンユーザでも嫌がる人がいる為、キャラ作成会では利用するが、セッション中はあまり使えてない。
キャラ作成中の利用は「ダイスロールが終わったと判断したらマイクをミュートしてください」「技能を割り振り終わったらミュートでお知らせください」等に利用している。誰が終わってて、誰が終わってないかがわかるので便利。
同時発話とは若干違う利用法の話も混ざっているが容赦願いたい。
●手番が発生しないPLについて
シーンに登場していないPCは、そのシーン中登場する事がない。そういうPCのPLは「マイクをミュート」して貰い、シーンに登場していないPLのコミュニケーションは「テキストチャット」で行うという手法がある。
この手法だと同時発話を軽減しやすい。
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【ホ】挙手or代替(対処)
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既に起きてしまった同時発話問題中の状態の時に、対処する方法の一つ。
●挙手
発言したい人がココフォリア上の「ルームチャットへの記載」や「コマの移動」によって「挙手の動作中」をアピールして貰う。
Discordなら「原則マイクをミュート状態で発言時だけミュート解除」してアピールして貰う。
ただ拾って貰う事が前提になる為、挙手アピールされたら拾う事を周知しておく必要がある。
※挙手の問題点
また「挙手」の欠点としてセッション中1回程度しかも長くない時間起きた程度だと挙手を使おうという感覚は薄くなる。
同時発話問題が複数回やPLが打開策を検討したくなる程の深刻な問題になってないと「挙手」にまで結び付かない…。
「ココフォのルームチャットに文字を書いてアピールする」はコストが重い可能性もある。
パソコン勢も重いがスマホ勢は特に重いと思われる。ココフォリア部屋にあるコマをマウス操作・ドラッグで対応出来る方が良いかもしれない。
●代替
コミュニケーションを取りたい時は【イ】として、ココフォリアのルームチャットでコミュニケーションを取ってもらう。
内容は「【二】手番が発生しないPLについて」と同じ。
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【ヘ】待機(対処)
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既に起きてしまった同時発話問題中の状態の時に、対処する方法の一つ。
重要なキーマンが沈黙を続ける事によって活発化した会話を一時停止する手法。
GM側は「同時発話が起きている」と気付いた時、GM側はスグに返答はしないで待機する。
PL/PCがGMへの質問や言動宣言であった場合は否応なく反応待ちになる為、この待機によって沈静化しやすい。
「GM⇔PL」間のコミュニケーションが必須な状態になった時なら効果は早く効く。PL同士のコミュニケーションの時、GMが取れる方法は若干放置気味となる。GMが【ホ】挙手して仕切り直すのが良いとは思う。
しかしPL同士が大盛り上がりする場合は勝手に進展する事がある。その場合は沈静化した後に遡って一つ一つ確認を取っていく必要がある。
またPL同士が大盛り上がりした時に勝手に判定を行うPLもいる。その場合の判定は無効もしくは、「成功で5円拾った。失敗で1円拾った」等の無意味な判定だった事に変更した方がいい。
PL同士の会議の場合は、PLやGM問わず議題・要点等テキストに起しながら話をまとめると同時発話数は減るだろう。
沈静化した後に、改めて【ハ】サイクル制を実行して、【ニ】手番を一つ一つ行って解決していくのが良い。
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【ト】発散する(予防&対策)
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消極的な予防的処置、消極的な対策的な処置で、この手法は「しゃべりたい衝動」をセッション前・セッション中に事前に発散・満たす方法。
キャラ作成会の開始時期・終了時期とセッションの開始時期に行う。それぞれPL/PC自己紹介を長めに取って(1人6~7分程度。全体的には30分)、その時にPCを深堀りするような質問をGMが十分に聞いておきPLに発言を沢山して貰う。
PCの自己紹介はPLにとって表現の場でもある為か、効果があるように感じる。
もしかしたらPL同士の雑談も効果があるかもしれない。
シナリオやクエストに関係ない形でシーンを作ってPC同士がロールプレイ的な雑談をするのも効果があるかもしれない。
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■まとめ・所感
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自分がGMの時、同時発話問題は、3人卓では発生した事がないが、5人卓では1セッション中1~2回程度、急に発生し数秒~数十秒後に沈静化する形で、ゼロにする事は出来ていない。
短い時間で回数が少ないと同時発話問題が起きている最中に「起こっている」と認識できない場合があり、振り返りで気付く事もある。
あとは瞬間の出来事には、ついつい大声や長く発話する事でマウントとって支配しようとしてしまったりして、対処法が後手に回る事がある。
その為、起きた時に対処する方法よりも、起きないように未然に防ぐ予防に力を入れた方が良いように感じる。
最後に。この挙げた手法群は加算式になっており、全てを行う必要はなく一つでも効果があると思っているが、重ねる事で効果は強化されると考えている。
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良いTRPGライフを……。
おわり。
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