1時

午後1時
揺れるカーテンを眺めた
テレビの音は遠くで鳴り
木々の揺れる音が隣で聞こえた
白いテーブルに影が横切る
追いかけるまもなく過ぎてゆく

いつだって
暗闇の中は理想で溢れていて
世界の反対側へ行けてしまう
ここは海が揺蕩う場所
大きな風よ
早く吹いてくれよ

退屈も面倒も
今となっては全部楽しい
過去も未来も見ないよ
今を愛したいから

午前1時
窓に映る読書灯を眺めた
虫の根は遠くで鳴り
最終電車は耳元を通り抜けた
白いテーブルに閉じた本
繰り返すほど愛してはいなかった

いつだって
光源は自身を照らさないし
上手く踊れる人が独り占めしていく
ここは海が揺蕩う場所
誰も来ないで
嘘、早く来て

嫉妬も羨望も
今となっては全部悲しい
過去も未来も見ないよ
今が精一杯だから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?