マガジンのカバー画像

詩/歌詞

46
これまで投稿した詩や歌詞たち。
運営しているクリエイター

記事一覧

【詩】デッドエンド

向かい風の先で 手を振り笑っている 歩みを止めた時 空っぽの自分に気づいた 青空を目指して 屋上へ駆け出したんだ この柵を越えれば 飛べるはずと信じたんだ 僕のいない街で 僕がいない街で  輝くピースサイン 世界のすべてが僕を騙しても 死ぬ理由には程遠い 熱を帯びて息を吐いた 深く眠る街を背にして なびく風の先で 白い雲が流れている 目を開けた時 何も変わり無いと気づいた 色褪せた視界で 確かに見えたのは 輝くピースサイン 世界のすべてが僕を愛しても 生きる理由に

【詩】shooting star

夢の中 青に染まった振り返る横顔見てた 風になびく髪で隠す頬は赤いまま 弾けた炭酸の泡がまだほんのりと甘いけど なぜか胸が痛いの 何度も交わした約束だけど きっと一つも思い出せないよ 答え合わせをして間違いだらけの楽園へ行こう もう一度なんて無い それだけは分かってるから 見つめあった夜の海で明ける空を待っていよう 流れ星 輝いて消えた

【詩】初雪

窓の向こう側 灰色の空 泳いでいく雲を見つめていた うまくできなかった言葉だらけでも 「知っていたよ」と笑ってくれた 退屈な日々が色鮮やかに染まっていく おとぎ話のように この街にも雪が降り積もり始めた 明日には溶けて無くなる季節だけど さよならも言わないまま夜は過ぎていった 魔法が解けてしまわぬよう抱きしめあっていよう 白い絨毯に付けた足跡 笑って辿る君の手を取って 分からないことだって君がいるだけで きっと大丈夫だって思えた 「少し寒くなりそう」ラジオが言ってたか

【詩】音楽

溢れてやまない感動を 止まることをしらない激情を 追いかけても追いつけない時代の波を 悪意に包まれた社会の中心を 簡単に扱えない私たちの人生を 誰かのために歩くな 誰かのために間違えるな 自分のために歩け 自分のために間違えろ 愛を持て 自分のために 何があっても生きようとする あなたのため 音楽は今日も鳴り響く

【詩】言葉にはできないけど

立ち止まってはいられない 心はいつでもそうだけど 手招きしてる欲望に ほとんど奪われて過ごしてる 大人になれば分かること 大したことはできないこと 大人になれば分かること 誰かのせいにしたいこと 君はすべてを知ったふりして 目の前を走り抜けていく 頬をつたった涙の跡が 風のせいだと言うように まだ足りない 多分死ぬまで もの足りない 生きるほどには 言葉にはできないけど 明日になれば晴れるかな みじめな僕のこの気持ち 明日になれば消えるかな 弱虫な僕のこの気持ち 君

【詩】馬鹿者

綺麗な生き方を探していた 当たり前に掴めると思っていた けれども今の私は泥に塗れて 誰かのついた溜め息を 更に吸い込んで溜め息をついている 悔しい 何でも上手になろうとして 全てが下手になってしまう 私の生きる道は何なのだろうか 私はどこに向かえば良いのだろうか 私が馬鹿者だと分かるまでに どれだけの時間を無駄にしただろうか 考えれば考えるほど気が遠くなりそうだ 私は、私たちは前に進むしか無い 残された道はそれだけだ だから光のような言葉は要らない ただ、そ

【詩】シーズン

陽の光を浴びて輝く水面 あちらの世界では僕らは何を見ている あの時の言葉を言い間違いにできたら 未来は少しは変わっただろうか 胸の奥底でぐらぐらと 動き出し始めている何かは 燃えている太陽に似ている 絶やすことなく 冷えることなく 生きようとする日々を 瞼を閉じた光越しに感じて眠る 書いては丸めた手紙が部屋中に転がっている きっと既にどれかは完成していたはずだろう カーテンを開ける 街は風に揺れて花びらを連れている 僕らよりも先に季節を知っていた 大きく息を吸

【詩】おもちゃの兵士

ゼンマイ仕掛けのおもちゃの兵士 今日もネジが巻かれるのを待っている 右にならえ、左にならえ 上を目指し、下を向くな 前に進め、後は振り返るな 斜に構えず、真っ直ぐに 足並み合わせて、手を繋ぎ 口を揃えて同じことを繰り返す ゼンマイ仕掛けのおもちゃの兵士 今日もネジが巻かれるのを待っている いつか銃を手に取って 声を上げて闘うと誓った 正しさなど1つも知らなかったこと 粉々に砕ける仲間を見て知っていく ゼンマイ仕掛けのおもちゃの兵士 今日もネジが巻かれるのを待っている

【詩】遠吠え

最低な夜を選んで 月に吠える負け犬だ 鮮明に色を使って 塗り上げた僕だけの城 当たり前に触るな 泥に塗れた手を 知らずに生きてきた 貴方には分からないでしょう

【詩】篝火

寂しくなった 優しく泣いた 雨の降る方へ 人は進んだ 寂しくなった 優しく鳴いた 風の吹く方へ 船は泳いだ 飲み込まれる 嘘と悪意に似た荒波に しがみついても生きる それだけが希望だ ただ生きる 生きていく 道を見失っても、こうやって生きている 身体が渇いても、心臓は燃えている 目を醒ます頃、 もう海は無くなっているだろう 期待された未来は打ち上げられ、 やがて風化していく 僕たちの身体が燃え上がって消えていくように そしていつか、誰かの篝火となるように 火が揺

【詩】ロスト

悲しみは両手いっぱいに抱えた 喜びはお預けを食らっている 同じ朝 何も変わらない日々を 神様は平等に願っただろうか 白い息が溶けていく さらさら落ちる雪に紛れて 紫に染まる夢の中へ飛び込む 目を閉じたらこのまま醒めないで欲しい 誇り高い愛を擦り減らしてきた いつしか欲しがる事さえ辞めた 空っぽの身体に何を詰めて歩こうか 踵を鳴らして此処にいることを確かめる 歩道橋 流れゆく感情を眺めながら 一歩を踏み出した 空を踏みしめて 宙を舞った 静かに目を閉じて このまま

【詩】ニューエラ

履き慣れないスニーカーで街を歩く 陽の優しい熱で呼吸を感じる 街は吸い込むばかりで吐き出すことができず その身体は膨らみ続けていく 空へ昇るのは生活の果て 期限の切れたパスポートで 迫りくる時間 溢れるきっかけは不確か  生きていく実感 見て見ぬふりしたかった 昨日のこと 明日のこと 明後日のこと この街と同じように 光に幕を下ろしてしまう前に 暗闇に自分を見出す前に 夜明けを背にして 僕らはまた時代を歩き始める 今はまだ 明るい未来のことは必要ない 見たいものは

【詩】同じ空の下

それが何か上手く話せないけど とても大切なことは知ってるんだ 足りないパズルを埋めるように そっと静かに触れて確かめる 君と同じだったら 僕も同じだったら 優しい歌にうなされて なんて僕はわがままだろう 声ばかり大きくなっていって 君の姿が遠ざかっていく 忘れずに取っておいた写真 あの日の夕焼けのように燃えた 揺れる身体 目を閉じたまま 彗星のように燃え上がっていった 君と同じだったら 僕も同じだったら きっと同じ空の下で 風を受け止めている 優しい歌にうなさ

【詩】蒼き日々

探している 探しているよ 橙に染まる電車に揺られ 想っている 想っているよ いつもは乗らないバスでひとり 君はいつも 彗星のよう 燃え上がる 光を放って 僕も連れて行ってくれないか 君の夢の果てまで 意味の無い事で君を笑わせられたら 意味の無い事で君を喜ばせられたら 青い春が咲き誇る どうしてなんだろう なつかしさで涙が溢れて ゆっくりと流れていく 砂時計のよう 僕らも同じ 君はいつも 彗星のよう 燃え上がる 光を放って 逆光で君の顔は見えない さらば蒼き日々