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わが家の子育て日記【初めての出産】

~日記の前に~

3歳になった娘が目の前を通ります。

てくてく てくてく

小さい子が歩く姿は、とんでもなく可愛い。。

てくてく てくてく

「髪じゃま」と前髪を払いながら歩いていきます。

「パパ、髪をピンでとめて」

「お、オッケー😓」

自分の想像する3歳像とかなり違います。。

でも、可愛いから受け入れてしまう。。


「出産予定日になり・・」

妊娠生活も順調に過ぎます。妻も妊婦の状態にすっかり慣れ、お腹の子どもにどんな服を着せようか、どんな食器で食事をあげようかなど、いろいろと妄想しています。

たまにお腹を激しく蹴るようで、お腹の中で動いたのが触らなくてもわかるくらいです。元気に成長していることを実感できます。

お腹の子は、ママの声にはとてもよく反応します。そこで私も声をかけてみます。

「今日も元気だねー」

「もうすぐ会えるねー」

「・・・・・・・。」

子どもは、なぜか蹴ることを止めます。

ママだけ大爆笑。。


そんな、平穏な日々を過ごしますが、いよいよ出産日も迫ってきます。やはり緊張もしますし、何よりいつ産まれるんだろうという心配が大きく、楽しみよりも病院に行くタイミングを考えたり、いろいろ気にしながらの生活になります。

私は、仕事もしながらでしたので、妻との連絡は常に取りあっていました。

赤ちゃん

「出産予定日を超えて・・」

出産予定日を迎えて、だいぶ緊張感も高まっていましたが、妻の身体の変化も特になく、いつも通りの平穏な日々が過ぎていきます。

出産予定日が一つの区切りになっていたので、いよいよくるかな?という期待感と緊張感が高まっていましたが、1日1日と過ぎていく度に気持ちも落ち着いていきました。

予定日を過ぎると、目標にするものがないので、不安な気持ちも薄れていきながらも、どこか緊張感も残っているような、変に落ち着けない日々を過ごします。

妻は、「本当にいつ産まれるんだろう?」と、とにかく待ちの姿勢です。

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「陣痛のはじまり。。」

予定日から1週間程たった平日です。

「もしかして、きてるかも・・。」

というので、ちょうど検診日だったこともあり、いつもの産婦人科に向かいます。

先生に診てもらうと、

「陣痛始まるかもね。このままベッドにいこうか。。」

ということで、そのまま産婦人科のベッドで待機することになります。


陣痛の痛みかわからないくらいの状態から、徐々に痛みが強くなってきます。時間の感覚はまだ空いているので、本人もまだ余裕があります。

そのまま破水もおこり、いよいよ出産がはじまります。

思った以上に予定通りに進むので妻にもあせりが無く、あとは子宮が全開になるまで待機です。

※子宮が開かなければ、出産を始めることができません。

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「予定外の展開に・・」

出産を始めるためには、子宮が全開大にならなければなりません。この陣痛が続く時間の妻は、とても辛そうです。

初産ということもあり、妻は未知の辛さと戦っています。夫である私は、何をしていいかわからず、「大丈夫?」と声をかけてあげるのが精いっぱいです。時々、妻から「ここさすって!」と指示があるので、それに従いポイントをさすります。


たまに先生が診にきてくれますが、子宮がなかなか開かないのでとにかく待機させられます。


ベッドに横になってから、3時間もしないうちに妻に変化が起こります。

「痛いっ!出てくるかも!(産まれるかも)」


慌てて、先生を呼びます。

子宮がほとんど開いていないのに、出産が始まろうとしているそうです。

これには先生も予定外だったようで、自分たちで対応するよりも近くにある大きな病院で対応してもらおうという判断が下されました。

万が一のことを想定して、何か起こってもすぐに対応できるようにするためということだったようで、後々この判断が的確なものだったと理解できました。


妻はとにかく痛がっていて、その状況を理解する余裕もないようで、私一人がどうなるんだろうという不安でいっぱいです。

そのまま、救急車に乗せられて、病院に向かいます。

先生も付き添いながら、救急隊員に状況を説明します。


私も現状を受け入れる余裕はなく、状況の変化に合わせて、妻の行く先にただ着いていくだけです。

とにかく妻の手をにぎり、「もうすぐ着くからね」と声を掛けます。

15分程で、目的地の病院に到着です。

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「いよいよ出産。。」

病院につくなり、そのまま分娩室に運ばれます。

「付き添いはここまでです。別室で待機してください。」

と、急に別々にさせられます。

立ち合いを予定していたため、気持ちは一緒にいれるはずでは?という状態だったため、突然離されてやる事がなくなりました。そこでまずは、お互いの親に連絡しなければと電話を入れることにします。

連絡が済むと、ここからとにかく待ちました。妻が急に運ばれたこともあり、担当者がいるわけでもないので、誰からも何の説明もありません。

仕方ないのでとにかく待機します。

出産にはとにかく時間がかかるものと聞いていたので、夕方だったのですが、日をまたぐことも覚悟しました。


感覚的に、3時間はたったかなと思って時計を見ても30分もたっていません。情報がない上に、気持ちにも余裕がないため、何をするも考えるもできず、携帯をいじったり、テレビを見たりする余裕もないので、ひたすら待ちます。

1時間程たったくらいで、お互いの親と病院で合流します。

状況を説明します。

とにかく現状はわからないということだけ、みんなに理解してもらい、何をするわけでもなく、待ちます。

出産

「初対面!!」

18時半を過ぎたところで、無事に産まれましたと看護師さんが報告にきてくれました。

何の説明もない中で、いきなり来たので、みんなで「えっ!」という声を上げただけです。

詳しく聞こうと思ったのですが、看護師さんはすぐに走ってもどります。

とりあえず、無事に産まれたという情報だけが入ったので、一安心しました。


思った以上に早い時間での出産だったのにもびっくりしましたが、何の説明もないせいで、状況を理解できていなかったので、無事な状況を聞けただけでとにかく、ほっとしたことを覚えています。

そこから30分もしないで、赤ちゃんを連れてきてくれました。

まだ、血もついているくらいの状態だったのですが、あっさりとした、きれいな顔をしています。

だいたいが、ガッツ石松や田中邦衛に似ているという情報を得ていたので、てっきりどちらかに似た顔をしてるのかなと思っていました。

看護師さんが気を利かせてくれて、私だけが抱っこさせてもらい写真を数枚撮らせてもらったところで、またすぐに連れていかれました。

ほんの一瞬ですが、我が子を初めて抱っこできた瞬間は、昨日のことのように覚えています。2,580gの体重しかない小さな身体です。抱っこするのも怖いくらい繊細に見えました。

正直に思ったことを言うと、「可愛いー!」なんて思う暇もないくらい、妻と子どもが無事であるかが不安で不安で仕方がありませんでした。とにかく無事に産まれたことだけは見て確認できたので、ほっとした感情で精いっぱいです。

しかし、この時点で妻のことに関しての情報が何もないため、不安がずっと残っています。勝手なイメージですが、妻が子どもを抱えたまま対面できるとばかり思っていたので、子どもだけが抱えられてきたことで妻はどうしたんだろうという不安がずっと纏わりついていました。


そこから、さらに1時間程待たされます。こどもを連れてきてからのこの1時間は、何の時間なのかもわからないため、子どもの無事が確認できた喜びと妻のことへの不安など、とにかくすっきりしないもやもやした感情で過ごします。

その時、妻が車いすで押されながら部屋まで来てくれました。

痛みと辛さを乗り越えた妻は、すっきりとした顔で、

「いやー、痛かったー。本当に死ぬかもって思った。」

と、淡々とですが、笑顔で話します。

ようやく、二人の無事が自分の目で確認できたことが嬉しくて、ようやく一安心です。

出産の時間としては、とても短い時間だと思いますが、初めてだったことや、予定していた展開と違くなったこともあり、正直良からぬ想像もした瞬間もありました。出産に関する情報が何もなかったことで、無事かどうかを考えてしまうと、どうしても悪いほうの考えが勝ってしまいます。無事はもちろん信じていますが、頭のどこかでは、もしかしたら・・と考えてしまうんです。

単純に嬉しいという感情よりも「安心」の感情のほうが圧倒的に勝っていました。

とにかく、妻はよく頑張ってくれました。お腹の子どもよく頑張りました。出産に関わってくれた病院・産婦人科の方々には本当に感謝しかありません。本当に素晴らしいです。本当にすごいです。そして、何より無事でいてくれたことが嬉しくて仕方ないです。妻も子どもも関係者の皆様も本当にありがとうございました。

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~パパの気持ち~

出産に関しては、どの方にもドラマがあると思います。テレビ等でみた光景とも違う出産だったこともあり、展開的には、感動する暇もはしゃぐ暇もありませんでした。

本当に無事を祈るだけで、何にもできませんでした。

何かできたかと問われても、その時に時間が戻ったとしても、何もしてあげられることがありませんでした。

ここで無力さを感じることは、どうにもならない仕方のないことではあるのですが、シンプルにハッピーな経験だったわけではありませんでした。

出産は、女性にとっては命掛けの戦いです。男性は、妻の死闘をよくよく理解してあげなければなりません。立ち会って見ることができなくても、奥様から話を聞けると思います。そこで起こったことと妻が体験した痛みや苦しみ、耐えたことがどれほどだったか理解できれば、きっと奥様を大切にしたいという気持ちになると思います。というか、思わされます。

どんなに恰好をつけても、パパさんは出産のフィールドには立つことができません。外野席や応援席で応援するだけです。それしかできません。

私は、亭主関白ではありません。他人からみたら、圧倒的に妻のほうが立場が上に見えそうな雰囲気が出ているくらいでしょう。子どもを産んでもらったパパさんは、妻に生涯感謝して、わがままをいくら聞いてあげても文句なんか言えないくらいの経験をしてもらっています。わがままくらいいくらでも聞きますよ!わたしは!!

※決して、妻に指導されたわけではありませんよ。。

単純に考えても出産に勝るだけのものを妻に返すとしたらと、考えてみても、何をやっても勝るものはないなと思ってしまったんです。

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