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『コンプレックス・プリズム』 最果タヒ


最果タヒの沼にはまっている。

優しさを諦めている。

いつの間にか、優しくされることが、愛されていることとはイコールではなくなり、そのせいで優しくされても戸惑うしかなくなった。愛されるといっても、たった1人の人間として選ばれたいわけではなくて、浅瀬の海みたいに適当に好意を抱かれていたらよかったわけで、子供の頃はそうだったはずだ、そうだったと信じている。「好き」ということが、社会や関係性に発展すべきものだという発想がもう憎いんです。私はもっと無責任で無根拠で、なんとなーく、微笑みで見つめてもらえる程度のそういう「好き」が欲しいのです。優しくされても、礼儀でしかなくて、好かれてもいないし、そこを期待すれば、相手はさっと手をひいて「ちがうちがう、そういうことじゃないから」って否定を始めてしまうだろう。そのときの、空気が怖い。

コンプレックス・プリズム


僕は逆に、優しくしたら、愛してくれると思っていた。
優しくして、相手も優しさを返してくれたら、おんなじ気持ちになって。

その愛は、ずっと続いているものだと思っていた。

太陽魚座なので、相手に対しての愛やイメージが大きく広がり、
すごく期待しちゃう。

でも、その愛が自分だけ抱いていたもの。
そう実感したとき、崩壊する。

「あれ、僕と一緒の気持ちじゃなかったの・・?」

そこではじめて、自分と相手の境界線が生まれるのだろう。
相手を尊重する、ということも大事だ。

それは、わかっている。


感情が、馬鹿みたいなもののわけがないだろう、私たちがそれを抱えて生きている限りは、それらを殺さなくちゃたどり着けない。正しさなどハリボテでしかない。君は、怒れ。叫べ。泣け。他人が担ぐ正しさなど、決してそこにはないけれど、君の正しささは、それでもそこにしかない。そこにしかないんだ。

コンプレックス・プリズム


褒められてもけなされても、相手の言動によって自分が左右されない。
そのような状態でいることを心がけている。

だからもう、相手に期待するのはやめた。
寂しいかな。
月蟹座の殻が狭くなっていくのを感じる。


相手に期待するほど、感情は大きく、
期待を止めたら、感情は薄まっていく。


最低限の人間ではいたい。笑


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