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 こんにちは。フリーランスで、”自分の人生のオーナーシップを握り続ける人を応援する”をモットーにライフデザイン講座を提供しています、伊藤知子です。ワークショップデザインや、ファシリテーション、異文化コミュニケーションが専門です。

 さて、本日は、私が今、一番力と情熱を注いでいる、Kitchen Dialogue(キッチン・ダイアローグ)という新規事業について、思いの丈を語ります。

場創りを通して目指すこと

 キッチン・ダイアローグを一言で言うと、「地産地消の食材を使った料理を通して、自分と、地球と繋がる、最高の自分時間」を提供するサービスです。詳細な事業内容を語る前に、キッチン・ダイアローグという場を通して、私が実現したいと思っていることについて、まずお話させて下さい。

 そもそも、「キッチン・ダイアローグという場を創りたい!」と思ったキッカケは、昨年4月〜8月まで通っていた、lululemon川崎のヨーガレッスンです。毎週月曜日の朝、1時間程ヨガレッスンをした後、”モグモグタイム”という軽食を頂きながら、参加者有志で歓談する時間が設けられていました。何回か通うと、私と同じ、リピーターの方と会うようになり、レッスン前後に雑談をしたり、常連メンバーの方が不在だと、「今日は、〇〇さん居ないね〜。どうしたんだろう?」と自然と互いを気遣うようになったり。LINEやFacebookなどのSNSで連絡先を積極的に交換し合う程の関係ではないけれど、月曜朝のヨーガレッスンが、生活をちょっと豊かにしてくれる居場所、ルーティンになりました。深入りし過ぎず、でも、その場に行くと受け入れて貰える、適度な距離感を保った関係性が、とても心地よく感じました。これまで、10年以上、ワークショップの企画・ファシリテーションをしてきました。しかし、このヨーガコミュニティーにおける人と人との関係性、繋がりは、私が企画又は参加してきた場では感じたことのない、新しい関係性で、とても新鮮でした。ワークショップを企画する際、細心の注意を払って、年齢や性別の違いを超えて多様な参加者に参加して貰える場にしよう、と苦心してきました。ヨーガという共通体験は、そんなことを自然と飛び越して、お年寄りから赤ちゃんまでを繋いでしまう、不思議な力を持っていました。

 勿論、ワークショップや対話の場、を開く時、それぞれの場の目的を主催者として設定しています。でも、それ以上に場創りが面白いと感じるのは、場を通して、人と人との新たな関係性が生まれた時なのです。だからこそ、キッチン・ダイアローグの場では、食を通して、今までのワークショップでは生み出せなかった、新しい人と人との繋がり、居場所を創流ことに挑戦します。部屋の中ではなく、自然に囲まれた屋外を舞台にする予定です。

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キッチン・ダイアローグが生まれた背景

 キッチン・ダイアローグには、お手本としている場があります。それは、昨年訪れたアメリカのポートランドにある、Able Farm PDXという企業のFarm to Tableランチ(農園から食卓へをコンセプトに、地元の食材で作られらたご飯)です。 昨年6月、クーリエ・ジャポン主催のポートランドスタディーツアーに参加したのが、初めてのポートランド訪問でした。スタディーツアー3日目のお昼、元々予定していた昼食場所がNGとなり、偶然受け入れて貰ったのが、Able Farm PDXでした。Able Farm PDXは、元料理人で、ソムリエの資格を持ち、現在は、家畜の養育方法等についての指導資格もMeganさん、という女性が経営している農園。(Meganさんは、写真で黄色いジャケットを着ている女性)Meganさんは、E.F.シューマッハの著書のタイトルである、『スモール・イズ・ビューティフル -人間中心の経済学-』を経営の中心に掲げて、自分の農園を経営している。自給自足、地産地消、コミュニティー、サステナビリティーをとても大切にされている方なんです。

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 スタディー・ツアー当日、畑に着くと、大麦畑の前で、ビニールシートをそぉ〜っと開けてみてと言われて、少しずつ、ビニールシートをずらしていくと・・・目の前には、藁で出来たテーブルと椅子が!!そして、その上には、全部、Meganさんとの畑の採れたて食材で作られた手作りのお料理が・・・!ケールのサラダを頂くと、今まで食べたことない柔らかなケールの食感、全く苦味もない。鶏のグリルも、Meganさんの畑で飼育している鶏をしめたそう。フェンネルの丸焼きに、畑のさくらんぼ、大麦のサラダに、手作りパン。お皿も、Meganさんのパートナーが焼いた手作り。素朴で、とても素材の味が豊かなお料理の数々。初めて会う知らない人が創ったお料理なのに、口にした瞬間、作り手の温もりや愛と、食材のとてつもないエネルギーを感じる。Meganさんの手作りのお料理を頬張ると、何だかとてつもなく、自分が大切にされている、という感覚が身体中から湧いて来ました。同時に、「いつも自分で料理する時には、食材一つ一つがどこから来ているのか、きちんと想いを馳せる機会が殆どなかったな。」とか、「身体も心も、口にする食べ物からつくられてるって本当にその通りだな。」とか、「安心安全な素材で、心を込めてつくって貰った食事を共にすることで、人と人との心の距離が一気に縮まる。」等、Meganさんの畑で、あのタイミングだったからこそ味わえた感覚や感情が沢山溢れ出て来たのです。そして、私がMeganさんの食事から感じた、「自分がとてつもなく大事にされている」という感覚をもっと多くの人と一緒に共有したい、と強く思いました。そして、Meganさんの畑での食事を日本で囲んでいる絵がパッと目の前に現れたのです。

 「自分がとてつもなく大事にされている」という感覚をもっと多くの人と共有したい、という想いの背景は、沢山の悔しさから来ています。

 私自身も、一時期ストレス性の目眩で会社に行けなくなってしまった経験があります。私の大切な友人や後輩の中にも、様々な理由から、鬱やメンタル不調で社会復帰が難しい状況にある人が何人か居ます。勿論何が原因かなんて、当事者にしか分からないのですが。「こんなに真面目で、一途で、一生懸命だった人が、どうして・・・この才能が潰されてしまう、活かされないことがとても悔しくて悲しい」。私は幸い、早期に会社を休職させて貰うことが出来、紹介された精神科の医師との相性も良く、復帰先の職場の上司にも恵まれ、メンタルヘルス不調から回復し、社会復帰を遂げることも出来ました。しかし、メンタルヘルスや鬱の程度は本当に人それぞれで、重症の場合は、治療にかなりの時間を要する場合もあります。経験してみて感じるのは、一度メンタル不調になってしまうと、立ち直るのは結構大変です。運良く立ち直れたとしても、再発の可能性がない訳ではありません。私は、精神科医でも心理学の知識や資格がある訳ではないので、既に鬱病にかかってしまった人を助けることは残念ながら出来ません。だからこそ、元当事者の立場から、鬱病になる手前で、鬱病になってしまう人を減らせるようなサービスを提供したいと思いました。その一つが、ストレスを溜めないために、定期的に、「自分の心と身体を整える」セルフケアの時間を持つことなのではないか、と思いました。仕事や子育て、家事や介護と何かと忙しない現代の生活。ついつい自分のケアは後回しで疎かになっていませんか。

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キッチン・ダイアローグとは?

 キッチン・ダイアローグでは、ヨーガでまず自分と向き合う時間を持った後、地産地消の食材で作られたご飯を囲みながら、参加者同士、また生産者さんと参加者間で対話の時間を持てればと考えています。また、この場を通して、新しい人と人との関係性、そして、職場や学校、家庭とも違う、地域に変わる新しい繋がり、居場所を創ることが出来たら嬉しいです。本当は、私がお世話になっているヨーガの先生と5月末位に湘南で、第一回トライアルイベントを予定していたのですが、コロナの影響で泣く泣く延期に。どういった形でいつ実現できるかは未定ですが、今、できることは何か、必死に考えます。コロナ前よりもパワーアップした場をお届けできるように、そして、近い将来、キッチン・ダイアローグの原点である、ポートランドのMeganさんの畑でキッチン・ダイアローグを開催できる日を心待ちにしています。今、最前線で命を守ってくれている方々、その他関係者各位に感謝の気持ちを込めて。


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