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コンポストが創る「人と土」の共創コミュニティ



堆肥は地域の半径1.2マイル(2km)圏内から集めた資材だけを使用し、地域から出るゴミを堆肥に転換し、農作物を流通させる(コンポストマイレージ)


★今日は共創の時代・・・サスティナビリティ(158)

<鴨志田農園>
 鴨志田農園は、東京都三鷹市で野菜を栽培している農園で、年間約40~50品目の野菜を栽培し、ECサイト(食べチョク)や量り売り専門店などの販売に加え、生産者と消費者が連携し、多様な人材の参加によって実現される新たな農業のモデルとして、CSA※を取り入れている。
※CSA(Community Supported Agriculture)は、生産者と消費者が連携し、前払いによる農産物の契約を通じて相互に支え合う仕組みで、1980年代にアメリカで始まったとされ、現在では欧米を中心に世界的な拡がりをみせている。


同農園では、良質な堆肥づくりにこだわってり、堆肥は、落ち葉やもみ殻、馬糞、米ぬかなどを使って作られ、最低1カ月、60度以上の温度で発酵、分解、熟成させ、病原菌や雑草の種子を死滅させた堆肥を使用することで、土着微生物を活かした無農薬、無化学肥料の農業を営んでいる。

減化学農薬・減化学肥料、地産地消に取り組んだきっかけは、東日本大震災以来、地域の防災教育に力を入れており、農業資材である堆肥を活用するだけではなく、地域コミュニティーをどのように作っていくのかという視点からコンポストの循環に力を入れ、普段から顔が見えていない関係性の中で、農家と地域の消費者が普段から手を取り合ってつながっていくことが重要であると考えている。

鴨志田農園

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★ 鴨志田農園の6代目の鴨志田純氏は、13歳のとき、青少年赤十字派遣事業でラオスを訪れ、物質的な豊かさが当たり前ではない発展途上国の現状に直面し、ボランティア活動を行うようになった。大学卒業後、約2年間、地球一周(Peace Boat)、自転車日本縦断、ヒッチハイク、バックパッカー、四国遍路等の旅で、47都道府県と30カ国を訪問し、これらの旅を通じて生身で感じた社会問題を、日常の生活の中で、どうやって解決するかを考えるようになった。

2014年63歳の父親が、くも膜下出血により突然亡くなった。放心状態になりながらも、始めに行ったことは、野菜苗への水やりだった。祖母の葬儀の日、なぜ父が水をやりに行ったのか、今だからこそ、よくわかる。苗を枯らしたら、祖母に「死ね」と言っているのと同じで、もっと悲しくなるはずだから。このときから、彼の農家としてのキャリアが始まったのだと語っている。小学生時代には畑が遊び場で、虫や野菜、機械に魅了されていた。父から野菜の栽培方法を教わることはなく、その後、40冊以上の農業書籍を読み漁り、思い出が詰まった畑を維持しようと決意した。

鴨志田純氏

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◆ 現在 同氏は、コンポスト※アドバイザーとして、日本各地に公共コンポストの設置促進、堆肥技術者養成、学校等での環境教育活動など、国内外で地域循環となる生ごみ堆肥化や有機農業の仕組みづくりを推進している。農林水産省、消費者庁、環境省主催「サステナアワード2020」にて、アドバイザーとして関わった黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクトが「環境省環境経済課長賞」を受賞。2021年、生ごみ問題の解決を目指し、各家庭の生ごみを農場で堆肥化して野菜を栽培し食卓へ届ける、自立分散型コンポストシステム構築向けた小規模実証実験「サーキュラーエコノミー型CSA」を開始。同年、循環経済をデザインするグローバル・アワードで、「Agriculture-as-Commons Prize」と「Wholesome prize」の2部門を受賞。2022年には「ポケマルチャレンジャーアワード2021 〜課題に立ち向かう生産者たち〜」にて、約6600名の生産者の中から年度テーマ「一次産業の現場から、地球を持続可能に」で、最優秀賞を受賞した。

※コンポストとは、家庭で出る生ごみや雑草、落ち葉などの有機物を微生物の働きによって発酵・分解して堆肥を作る容器のことです。コンポストは英語の「compost」に由来しており、堆肥や堆肥にするという意味です。

❤ さて、村田製作所と帝人フロンティアの共同出資による株式会社ピエクレックスという企業が、繊維製品の資源化で “地着地消地循” 可能な真のサステナブルファッション社会の実現を目指す循環インフラ「P-FACTS」の実証実験を開始し、鴨志田純氏をアドバイザーに迎え共創するようだ。
日本では古着が適切に利用されず、発展途上国に送られたが、うまく利用されずに「衣服の墓場」になっているようだ。この問題を解決するための一つの提案として、古着を堆肥化しようと提案しているらしい・・・

うぅ~留まることない斬新なアイデアとその実践の姿が尊い!

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時代の変化を捉え
これからの生き方を
考えてみよう!

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◎鴨志田農園 コーポレートサイト
https://www.facebook.com/kamoshida.farm/
◎サーキュラーエコノミー型CSA
https://awrd.com/creatives/detail/11767240
◎循環型コミュニティの現場、鴨志田農園で学ぶ~循環型農園と公共コンポスト
https://cehub.jp/report/kamoshida-farm-fieldwork/
◎食べチョク~鴨志田農園
https://www.tabechoku.com/producers/20240
◎黒川温泉一帯地域コンポストプロジェクト
https://awrd.com/creatives/detail/11789397

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