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釣行記-11【GT-1実釣編DAY1】

もくじというか釣行記
https://note.mu/tonuma/n/n9c3618aa34ec
GT編
GT-0準備編

どうもこんにちは。釣行記の第11回目。宮古島二日目、実質一日目の釣行。実釣編です。

今回3日間お世話になるのが、LEOさん。

船名登録の際、LEOがダメだったのでRにした、とのこと。RとかLとか、よめりゃあいいだろ、的で、東シナ海のようにおおらかでとても斬新。

8:30過ぎにゆったりとしたペースで出航です。船の構造上、フルキャスト出来るのは3人なので、じゃんけんしてローテーションを組みます。1-3が前から順番に立ち、4番が最初は後ろ、流し終わるごとに時計回りにスライドしていく方式です。うしろではジギングを楽しめます。ぼくは3番でした。

7m/sとなかなかに風が強く、というか関東であればたぶん出ていない強さ。肩慣らしな前半戦のキャスティングでは強風のためやりにくいかというとそうでもなくて、逆に風を味方につけることでルアーがとてもよく飛びます。もしかしてだけど、もしかしてだけど、位置的に頑張れば台湾まで届いちゃうんでは?くらいに。

昨年、まぐろを始めた時に最初にとまどったキャスト。さっぱり上手くありませんが、つりになる程度は飛ばすことが出来て、というのも風のおかげですけども、サンキュー、風。今年、予定を滑らせ続けてくれた強風にこんなところで助けてもらえるとは思ってもみませんでした。一通り投げてみて、次はジギングにシフトします。

興奮する人

ほどなくポイントに到着。40-60mくらいの深さを探っていきます。と、早々にMrTに「何か」がヒット。あがってきたのはまさかのバラクーダ。

美味。食べれないことはない、くらいか。シガテラあり。

和名はオニカマス、です。実物をみたことがなかったので、その存在を疑っていたわけではありませんが、身近ではなかったため、遠い存在でした。

知ってるバラクーダはこれ。でもよく見るとバラクー「タ」

けれど、同船した仲間が釣ることで、その遠さというか距離感が縮まったような、気になるあの人と共通の話題が見つかって親密度が増したようなそんな感じがします。でも、これって大抵勘違いなので、バラクーダとの距離は永遠に平行のまま保たれると思います。

MrTは続けてアオヤガラを釣り上げます。なんで昨日から長い魚ばっかり釣るのでしょうか、この人。なんか凄いので、苗字を勝手に「長宮さん」と改名しました。長宮さん、引き続き順調で、アオチビキという高級魚、ツチホゼリという超レアな高級魚までもキャッチ。

究極の美味。

非常に美味。長宮さん、ハタみたいな魚はそんなに好きでもないみたいで、ツチホゼリの名前を覚えられず最後までスナホジリとかアナホジリとかなかなかギリギリのネーミングで呼んでおりました。

しかも全て「あまり得意じゃない、というかそんなに好きでもないんですよね」的に話していたメタルジグでキャッチ。この人すごい。敬意を込めて御尊名は、長宮さんから「ジグ宮」さんに再度変更されることが閣議決定されました。漢字だと慈具宮さん、とかですかね。なんか沖縄っぽい!!

一方こちら、事前情報を鵜呑みにしてというか、きちんと裏取りしないで準備したため、リールが実釣二回目のこんなんです。

AVET SXJ6/4 MC RAPTOR。ジギングリール。ハイパワー。

ハンドルと本体の間にあるレバードラグでラインの放出を調整する仕組みです。レバーを手前に引いて放出、奥に押し込み放出停止。一般的なベイトリールはクラッチを押し込みライン放出、ハンドルを巻いてクラッチをカットし放出停止させます。これに慣れているぼくにとってはなかなか難易度の高い機械。バーティカルのジギングで、特に今回のように根が荒いところでは海底に着いた瞬間に巻き上げる必要が出てきます。そうしないと根掛かりしやすくなるためです。鯖の味噌煮に味噌をいれるのと同じくらい、宿命的に必然とされる動作です。

クラッチリールの場合だと、着底→ハンドル巻いて放出停止&巻き上げ開始の1挙動で済むのですが、こちらのAVETさん、着底→レバー操作で放出停止→ハンドル操作で巻き上げ開始と2挙動になります。なので、輸入車ばかり運転している人がたまに国産車を運転して、焦って右左折しようとしてワイパーを動かしてしまうあの謎の挙動というか操作ミスがここでも発生するわけです。巻き上げ開始しようとしてもラインの放出が止まっていないのでくるくる空回りしちゃうやつ。

で、このくるくるエアリーリングのために救出が遅れ、ジグが2本程殉職。。。慈具の屍を超えてぼくは進まねばならないのですが、なんかもったいないというか、明日以降の戦力に不安を感じたため、今回遠征に備えた新参者の中で一番期待していなかったこちらを投下。

Megabass スラッシュビートバックスライダー150g

左右非対称形状ですが、バランスはフツーなため、先行して殉職したブルーブルーのスピンビットや、一匹も釣らず、さしずめ童貞のまま儚く南洋に散ったTGガトリングに比べ真っ直ぐ落ちていく感じがします。

おとします。おちていきます。そして着底。心の中で「ミスらないようにレバーをもど」とつぶやいた刹那、ガクンガクンとジグが揺さぶられながら引ったくられていくバイト。モーレツすぎる。

ほぼ船べりの真下でバイトし反対の弦側に突進していったため、ロッドが引き込まれそうになりますが、10kg程度まで想定していたタックルですので、すぐに反撃。

つれた。バラハタ。40cmくらいだけどかなりパワフル。
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ロッド マングローブスタジオ ブルーアイアスTZ
リール AVET SXJ6/4 MC RAPTOR
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でもこれ、あれっす、毒っす。ていうか、毒のある個体もいる魚。
https://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/poison/animal_02.html
築地でスジアラ(アカジン)と間違えられて売られていたやつですね。

毒の成分が強くなると身体に黒い斑点が出るらしく、そうなった個体は「ヤクザ」と呼ばれるそうな。。。

みなさん釣れたようなので、再びキャスティングに戻ります。しかし、このキャスティングが疲れるのですよね、とても。8ft(2.5m)超で200-300gのロッド、600g程度のリール、150gくらいのライン、100gのルアー、合わせて1kg超える棒を振り続けるのですよ。他の「振る」系と比較しますと

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【野球のバット】
・ イチロー:85cm、910g
・ 松井:86.5cn、870g
・ 王貞治:87.5cm、930g

【テニスのラケット】
・ ジョコヴィッチ:335g
・ フェデラー:340g

【日本刀】
1.5kg

出自:いろいろ
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らしいです。もうちょっと掘り下げると、例えば野球で9回までで平均4.5回打席が回ってきて打席あたり4.5回フルスイングしたとすると、1試合で20回フルスイングするわけですね。テニスでフルセット戦ったとして、サービスを1ゲーム6回、1セットで36回したとすると1試合で216回フルスイングするわけですね。日本刀は一の太刀で決まるので除外。

翻ってGTキャスティング、一流しで4.5回程度、一日で18回くらい流しますので81回ほどフルスイングでキャスティングします。数字上だけで見ると、一試合で振り抜く重さは野球が20スイングx0.87kgで18kg、テニスが216スイングx0.35で76kg、つりが81スイングx1で81kg。。。様々なファクターあるだろうから単純比較はできないと思いますけれど、まぁそういうことです。慣れてないと途中で嫌になります。翌日、指が動かなくなったりしますしね。しかも足場悪い中でやるもんだから、もう大変なんですよ。

「なんでそんな思いまでしてやるんですか?」

「そこに山があるからだよ」

登山家ならそういうのでしょうが「なんでそんな思いまでして釣るんですか?」と聞かれたら、「他にやることがないからだよ」ぼくならこう答えます。絹のように優しく、春風のように微笑みながら。半笑いで世田谷示現流を駆使しロッドを振り続けます。

とはいえ、楽しいんですけどね。知識と経験をベースにした予測と、船長のアドバイスを融合させた仮説に基づいて、身体全体で何かをする、結果として魚がかかり、技術を持ってして釣り上げる、と他のスポーツもそうなのでしょうが、心技体全てが整わないと成果が出ない、という活動は非常にチャレンジングで魅力的だと思うのです。

で、疲れたなぁ、と思いつつ、船の先端のミヨシ(一番揺れるけど一番有利)なポジションで苦労しながら投げてましたら、隣のF氏のルアーにアタック!!GT!!!船べりから15-20mほどの位置で突然水しぶきが吹き上がりました。このアタックはGT側にとっても釣り上げたいF氏側にとっても失敗に終わりましたが、別の個体が再度アタックしてきてルアーをバイトします。と、同時にF氏のロッドが海面に向かい一瞬のうちに引き込まれるようにカーブします。おぉ、これは、と見ていましたが、ラインが緩んでしまったようで無念のフックアウト。

ほんのわずかな時間ではありましたが、とてつもなく濃密な時間。わずか数秒、長くても数十秒でしたが、それが終わりなく伸ばされて、他の何物とも替え難い時間であった記憶がぼくたちに植え付けられます。

ごくごく短いのですが、手触りは彼に残り続け、もしかしたら時の経過とともにその感触も多少は薄らぐかもしれませんが、永遠に残り続ける、粗い粒度なのに同時に繊細でこれまで触れたことのない柔らかな感触が全身に刻まれちゃったんでしょうね、美しい経験として。時にふんわりとして時にひっぱたくような潮風の感触、リールがラインを巻き上げる際に、ラインに纏わり付いた海水を跳ね飛ばして散る飛沫が顔に当たる感触と口に入る味わい、波が船を揺らすバイブレーションと体に伝わる振動、吹き上がった水しぶきの残像。そうした全てを融かして一つにした形状し難い記憶として。

F氏は悔しがり、いや正確にはどうかは聞いてないのでわかりませんが、仰向けに倒れ、おそらくは苦悶や無念、だがししかし触れることのできた喜びが一緒くたになった咆哮を発しました。そりゃそうだ。この辺はちゅーばーが撮影していたのであとから見直したい。

時間はまだまだあるので、つりは続きます。

続けてのジギングでF氏は希少魚のアカジンを釣り上げます。

究極の美味アゲイン。

こちらは再びバラハタ。でもこれはバラハタではあるがバラハタではない。この当時はわからなかった。

ちゅーばーも巨大怪魚にルアーを食わせて根に潜られて悔しい思いをしたり、ジグ宮さんもハッスル(大和証券では大商いを決めた際に「ハッスル〜」と祝福される。)したり、それぞれに成果を残します。

ここで、ふと、「TGベイター」という自分の本職を思い出し、TGベイト60gを装着しチャレンジ。水深は60m程度なので、とてもギリギリなチョイス。で、やってますと。。。

つれた。クチナジ?

この後、ぼちぼちやりつつ、延長サービスしてもらいつつ、帰港。キープしたアカジン(高級魚)アオチビキ(高級魚)ツチホゼリ(超希少魚)をどうするか問題が勃発したわけです。

現場で船長が血抜き&神経締めまでしてくれていたので、事前準備は万全。あとはどう美味しく食べることができるか。一瞬、自分たちで捌くか、という話にもなりかけましたが、みんな疲れてるので外注を選択。ベースに戻る道中で調べます。ぼくはあまり詳しくないのですが、インターネット、というのがあるみたいで、それを使ったら、調理してくれる料理屋さんを見つけることができました。電話して事情を説明して、調理をお願いできました。翌日なら、って条件付きでしたけどねー。加えて夕飯のお店、ニクな気分にみんななっちゃったので、焼肉屋さんを予約して市街地に戻ります。

まず魚を届けます。道中、どう食べるか、の話になりまして、みなさん夢が膨らみっぱなしです。お刺身は勿論として、ハタなので中華風の酒蒸しだの、唐揚げだの、煮付け、あるいは鍋、等々。どれかなー、全部かなー、と。

どんだけ食い意地張ってんだ??世界には飢えてる人もいるんだから欲張ってんじゃねーよ!!とフツーの人が聞いたら思うかもしれませんが、ぼくはニンゲンを、とりわけオスの個体のイノチを成り立たせてている命題は3つしかないと思っています。その3大テーゼとは、食いテーゼ、やりテーゼ、もてテーゼ、です。これらをきちんとバランスよく満たすために努力することがオスの使命であり、ちゃんとしているオスは優秀だと思っています。できていないオスに限って社会的に敗北しているように見えます。

この3大テーゼは、昔、武富士の武井会長が言ったとされる、「右翼は暴力団に弱く、暴力団は警察に弱い。そして警察は右翼に弱い。これらを見極めてうまくやるのが我々の仕事だ」という言葉同様に、三権分立されているように見えています。そして、それぞれ枝葉になっているテーゼ各論があるようです。その中でも、なにかをどう美味しく食べるか、これは全テーゼにまたがる重要な問題であり、良きものを食べて適切に判断しそれを表現できるというのはオトナとして非常に大事なスキルの一つだと思っています。アホな奴ってすぐに「旨し」とかいうしね。なんだよ、「旨し」って。そういうやつほど、白いシャツなのにボタンの色が赤だったり、変なこだわり見せますよね。さきっぽ尖った靴履いてたりさ。なので必然的にモテなくなって全部ダメになるんですよね。なので、食いテーゼを存分に満たして、きちんと思考すると未来は開けると思うのですよ、多分、根拠なんてないけれど。

そんでもって持ち込みます。お店はこちら。
酒坊
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470503/47007295/

@1,000円くらいの調理チャージが発生するらしいけれど、こちらが持ち込む魚は大物ばかりなので気にならない、というかむしろお得。なんてったって遊びでやってんじゃないからね、ぼくら。

希望を伝えると、

・ お刺身
・ 握り←神!!
・ 煮付け(沖縄風マース煮)
・ てんぷら

の4品で妥結。明日を楽しみにしつつ、焼肉屋へGO。

権兵衛
https://tabelog.com/okinawa/A4705/A470503/47005374/

感想としてはですね、まぁフツーですかね。

量はとても多い。

イチローもきてたんだ。

その後、アイスを食べてベースに戻り、洗濯したり準備して就寝、と。明日も頑張るぜ!

つづく。


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