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ルースニングを学ぶ①

はじめに

この記事は、私が以下に紹介する参考文献を通して学んだことをまとめている備忘録に過ぎないため、理解が間違っている点などあるかもしれません。その点につきましてはご理解ご了承ください。

ルースニングとは

ルースニングとは、脳の力によって非常に精緻に、自身の筋肉、骨格の配置を想像理解し、常識を超える範囲で心身を弛緩させること。弛緩させることを『ゾーン』に入ると表現する。
イチローやリオネル・メッシ(敬称略)がその代表例で、類を見ないほど高いレベルでのルースニングを会得していたため、関節各部に程よい隙間があり、その隙間に潤滑油が流れて動作しているような、スムーズな動きを実現し、さまざまな記録を打ち立てた。

参考文献

著者についての調査

高岡 英夫は、日本の研究者、著述家、企業経営者、武術家。千葉県生まれ。東京大学教育学部卒業、同大学院教育学研究科修了。株式会社運動科学総合研究所所長、NPO法人日本ゆる協会理事長を務める。ゆる体操を提唱。
※引用:Wikipediaより

今までも「ゆる体操」をはじめとした運動科学の著書を多数出版。
緩める動作や、古武術からインスパイアされた体の使い方は、ダンスにおいても非常に有益であることを唱えるダンサーもいるので、信頼に足る、とても興味深いお方だと理解した。10年ほど前の動画も確認でき、確かにゆる体操は真似してやってみるだけでも効果を感じることができて思わず笑ってしまった。


ルースニングに着目した理由

ダンスを踊る際、どうしても力んでしまい本来思っている動きの1%もできておらず、納得いく踊りができた試しがなかった。バランスや柔軟性、筋力など様々な方面からアプローチして練習を重ねたが、16年ダンスを続ける今でも正解が見つからなかった。「力は入れるのではなく抜くもの」「筋肉を動かすのではなく骨を動かす」なんとなく見聞きしたりしたことはあるものの、今まで行ってきたトレーニングや自分なりの理解が先行して、新しいメソッドを勉強し取り入れるまでに至っていなかった。しかし、ルースニングは違った。図書館で偶然目にしたのだが、「ゾーン」「弛緩」「股関節」「潤滑」など私の興味をそそる語句が多用されており、勉強してみたいという強い衝動に駆られたからである。

手のルースニング

それぞれの部位を擦る際、「皮膚→筋肉や腱→骨→心」までほぐれる感覚を持つ。ほぐれたと感じたら手をぷらぷらとさせ、肩→肘→手までが一本の細い糸で繋がっているような感覚を持つ。

  1. 手のひら同士を斜めに擦りながら股関節を左右に揺らす

  2. 手の甲を手のひらで斜めに擦りながら股関節を左右に揺らす

  3. 手のひらをまっすぐ擦り合わせながら股関節を左右に揺らす

  4. 手の甲を手のひらでまっすぐ擦りながら股関節を左右に揺らす

  5. 指の間を第一関節にを深く組んで擦り合わせながら股関節を左右に揺らす

  6. 手根骨同士をさすり合わせながら股関節を左右に揺らす

  7. 手根骨を左右ずらすように握りしめながら股関節を左右に揺らす

  8. 手首を指と手のひらが密着するように握り、握られた手首を180度近く回転させながら、股関節を左右に揺らす

  9. 前腕を前に出し、手首を左右にプラプラ動かす。逆手で手首を支えながら支えている手を動かして手首を動かす。

  10. 手首をくるくる回すように動かす

  11. パタパタとくるくるを複合しプラプラの動きを作る

手首の動きは腕全体から肩甲骨、そして肋骨上部までがルースニングされる。手首を三次元にルースニングできることは基礎運動能力大きく関わる。
「ゆるむように」「ときほぐれるように」「気持ちよく」「通るように」と言いながら行う。

腕のルースニング

前提として股関節の左右運動を行いながら、手と手首のルースニングが終わった状態で行う。

  1. 手のひらを下にした状態で肘関節を真上からさする

  2. 手のひらを下にした状態で肘関節の外側を、逆の手の肩甲骨を肋骨から離し、覆うようにしてさする

  3. 手のひらを下にした状態で肘関節を、手根骨で支えるようにさする

  4. 手のひらを下にした状態で肘関節を下から包み込むように手を回しさする

上記方法を「肘抜き擦緩法」と言う。「ゆるむように」「抜けるように」「通るように」「気持ちよく」と言うワードを唱える。肘関節の緩みは非常にわかりにくく、関節内側に軸が通っている感覚を得るには肩甲骨が立つ、立甲が必要である。

人間なのに、動きがチーターみたいだ。動物的な背骨の動きと肩甲骨周りの動作がとてつもない力を生み出しそうである。

足のルースニング

「足首交又擦緩法」
長座腕支えの状態から足首をクロスする、いずれかの足首を超えるようにクロスさせ、外れないようにフックのような形を作る。そのままダラッと力を抜いて前後に擦る。「ほぐれるように」「ゆるむように」「密着感が生まれるように」と声をかける。
長座腕支えの体勢は、肘のルースニングが終わっていないと効果がない。

足内旋擦緩法」
長座腕支えの状態から両足の踵をつけて脱力、外旋している片足に向かって逆足を内旋させ重ねる。(30度くらいの傾き)重ねた時に、足の裏が足の甲の真ん中に、膝関節同士が密着しているようにする。無理に密着させたり、離れたりすると効果がないので注意。

足首外旋擦緩法」
長座支えの状態から、足を外旋させた状態で片方の膝の上に乗せる、外旋をキープし膝同士が離れない状態で上下に擦り合う。形を作ること自体がとても難しく、内転筋群をルースさせるにはこのメソッドしか存在しない。

「外脛踵擦緩法」
長座腕支えの状態を作り、踵で片足の脛の外側を削ぎ落とすように前後運動させて擦る。「スパー、スパー」というワードを言いながら行うと効果的。

「内脛踵擦緩法」
長座腕支えの状態を作り、踵で片足の脛の内側を、くるぶしから膝の付け根まで前後運動させて擦る。「スリー、スリー」というワードを言いながら行うと効果的。

肩のルースニング

「肩関節周り擦緩法」
片方の腕をプラーンと振って斜め前方に投げ出した状態から、逆肩に巻きつけるように手を置く。ベースの股関節のルースニングを行いながら基本の声かけとともに、肩を擦る。終わったあと擦られた腕に重みを感じ、肩の中心感が感じられるようになればルースニングができてきていることになる。

「肩肋回解法」
肋骨上部をさすりながらベースの股関節ゆらしを入れる。
その後胴回りの動きを『格定』し(身体の一部を固定すること)モゾモゾと全身を揺らしながら肩関節を回し続ける。肋骨下部から胴回りは固定しつつ、肋骨と肩関節をもっともっとと攻め続ける。モゾモゾと格定の意識を抜かない。

「肩関節脳開発法」(左右)
肩関節の中心感を味わうために、肩甲骨を肋骨からリリースさせ、前に出す。前に出したいずれかの肩を逆手の中指と親指で掴む、浮いた人差し指を肩関節につけ、中指と人差し指を合わせた状態にして、指を左右にずらす。ずらす時に「ここだよ。たのむよ。」と声をかけながら中心を意識する。その場歩きで手を振って、左右さを感じ、中心をはっきり感じられるまで行う。

「肩関節脳開発法」(前後)
左右法の指を前後に動かす動作に変える。その際、「活動性が増すように。活動性が増すように。」と声をかける。あとは同じ。

〜体幹を感じる〜

体幹を感じるとは、モゾモゾやスリスリなどの動作を行う際に、ダラッと全身脱力し、胸、腰、背中、腹、どの部位でもいいので、ずるっとズレる感覚を感じること。決して能動的に体幹を動かしてはいけない。

膝・脚のルースニング

下腿膝擦法「膝コゾ」第一法
仰向けに寝て膝を90°立てる、いずれかの膝の上に逆足のふくらはぎを重ね、アキレス腱から膝の付け根あたりまでを前後に擦るように動かす。5分間は続ける。一番大切なことは体幹がダラーっとズルズルにゆるむこと。

下腿膝擦法「膝コゾ」第二法
第二法は第一法のストローク場所を自ら探し緩めるように動かす。ターゲットにする筋を増やしていくイメージ。

脛プラ
膝コゾと同じ姿勢ながらも、いずれかの足を膝の上に重ね、ふくらはぎの外側が膝と触れていることを実感しながら足をプラプラと動かす。動かすにつれて緩みが広がり足の組み合わせの位置が股関節側に変わってくるが、素直にずらして問題ない。ストロークが大きくなると、膝を中心に長軸で回転し出す。自然にその動きに任せる。

膝プゾ
膝コゾと同じ形の姿勢をとる。ただし足を乗せる時に、ふくらはぎのど真ん中ではなく、膝裏に近いところを乗せる。そのまま重ねた足を外側にずらし、落ちる寸前で止める。(この位置がとても難しいので、修練が必要)動かし方は脛プラの5分の1程度で小刻みに。膝コゾ同様、膝裏から足首までの長さを小刻みに分けながらピンポイントに細かく動かしていく。

膝クル
横向きに寝て、体軸を意識する。股関節を屈曲させ、上腿を30°前にずらす、下腿(膝から下)も上腿に合わせて30°前に出す。すると体軸と、下腿の軸は平行になる。この状態で下になっている脚の膝をさすりながら「これだよね。これだよね。」と声をかける。その後、膝同士を合わせて上の足を回転させるように動かす。絶対に上の脚が落ちないようにする。

膝膝クルクルいい子いい子体操
この体操は非常に文章化するには高度なため、写本をし自身でいつでも確認できる状態にしておく。

股関節のルースニング

  • ナチュラルパラレルスタンスと地下6000Kmに美しいシルバーの地芯を意識

  • 足幅を拳一個にして「ウナ」を意識して立つ

  • 「ウナ」は内くるぶしからまっすぐ下ろした足の裏の幅2:3の位置(内側)に存在する

  • 「地、地、地、地、地、地」と唱えながらウナを踵の後部に押しつける

  • シルバーの地球の芯を意識しながら体を真っ二つに割って、ウナに均等に体重を乗せる

  • ウナの上に立たないと無駄な部分に体重がかかってしまう

中指突擦法
両足のウナの上に転子(股関節)が存在するため「二ウナ二転子」という。その二転子の部分を人差し指で突き刺し擦りながら、「二ウナ二転子」を唱え意識させる。

把由足転子回解法
しっかり、やさしくを意識しながら、片足を90°開き足指でカーペットの毛を掴むように動かす。転子を意識させるための方法。パフォーマンスを向上させるには、しっかりやさしくが必須で、できなければ一流にはなれない。
力まない絶妙なコントロール。

これ以上の解説に関しては文章化するのが困難なため写本し、いつでも確認できるようにする。

大臀筋をゆるめる
両手でお尻をさすり、次第に左右どちらかのみをさする。さする側の足と逆に自然に体重をかけ、さする方の足を少し緩める。

1日目の感想

今日は手、肘、脚、膝、理想の立位、股関節までのルースニングを読んだ。読みながら、少しだけ実践しながら行ったが本書に書かれている内容をすぐに実感することができるメソッドもあり、普段から身体の内部について考えながら行動していたことが効いていたと思う。ただ、ゆるめることの概念が本当にひっくり返された。とにかく明日で最後まで読んで、全て実践した上で、流れを頭に叩き込んで日々のコンディショニングを、ルースニングに置換していきたい。今まで闇雲に踊っていたが、心から自分の体を良くしたいと願い、対話しなければ一流には近づけないことがわかった。

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