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創業3年目。解散の危機は必要な時間だった。

こんにちは、Your Verse長谷川です!

今回はタイトルの通り、資金が底をつきかけ、解散の危機に直面した経験から学んだお話しです。

この経験が、苦境に立たされている人の役に少しでも立つかもしれないと思い、書いてみました。

本当に苦しい経験でしたし、完全に業績が回復した!とは言い切れない状況が続いていますが、忘れないうちに書いておきたい!と思い筆をとりました。

お話をすすめる前提として、会社の状況を簡単に共有します。
・売上はほぼ0。社員6名。
・銀行の残高が22年1月末にはこのまま尽きる。
(2021年11~12月あたりの振り返りです。)

正直、苦しかった・・・
このときは、自分のことを本当に信じられなかった。社員さえも敵に見える。
車が突っ込んできたらどれだけ楽だろう、みたいなことまで考えちゃうくらいでした。

事の発端。社員から「給料減らしませんか?」

「長谷川さん、そろそろ資金繰り不味くないですか・・・?」
メンバーから、ふと声をかけられました。

2021年11月。2021年8月に2期目をスタートし、意気揚々と新サービスを2つリリースしたものの全く売れず、どうしたものかと悩んでいた時です。

僕自身は、まだまだ大丈夫。まだやりきってない。と、どうしたら売れるか?ばかりを考え、行動し続けていたタイミングでした。

そんな中だったので、僕は、「え?そう?まだなんとか頑張れるんじゃない・・?」と答えました。

でも、そのメンバーは、「いや。多分今のうちに手を打たないと、開発はもちろん、本当にやるべき事に集中できなくなると思います。だって・・・」と、理論的にちゃんと話してくれたあとに・・・

「僕らの給与もカットするぐらいまで、やんないとダメです」

・・・まじか。そうなの???そこまでやばい?と。ようやくそこで、危機感を新たにしました

ここからは、資金繰りを改善しよう!と行動しました。
キャッシュフローを改めて見直し、人件費以外の経費を見直し、銀行やシステム会社さんや税理士さん含めて相談に回りまくりました。

メンバーを信頼できない

しかし、これで話は終わりませんでした。
キャッシュフローを見直し、経費等を改善しても、やはり厳しい状況だったのです。

そこで大きな決断を迫られました。「社員の給与をカットする。」という判断です。

給与カットを社員からあらかじめ言ってくれてはいたものの、社員の給与をカットするというのは、僕にとって本当に不安でした。
「Your Verseに、本当に残ってくれるのか・・・?」
「今まで頑張って積み上げてきたものが全て無くなってしまうんじゃないか・・・?」
「そもそも信頼していると思っているのは僕だけなんじゃないか・・・」

想像の中でどんどん膨れ上がっていく不安・・・押し潰されそうになりながら、夜も眠れない日が続きました。

この記事を書く時点では、これは僕が抱えている恐怖だったんだと認識できていますが、この当時は、ただ漠然と違和感くらいに感じていました。
ポジティブが売りの僕としては、不安はもちろん、恐怖なんて感じることはないと思っていたので・・・
振り返って思うのは「恐怖」を「恐怖」と認識することも大切だということ。これは、最後にまとめとしても語りたいと思います。

漠然とした不安を感じつつ、何度もメンバーとミーティングを組み話し合いを重ねました。

「これから、どうしたい?やめても大丈夫だし・・・。でも、お金は・・・」と、全く要領を掴めない話を延々としていました。

だって、ベンチャーで、給料もなくて、開発も進められない。夢もおえないベンチャーになんの魅力があるんだよと、内心は思っていたんだと思います。

しかし、そこで、また。

「もうわかっとるから。俺らは残るって言ってるんやから、ごちゃごちゃ言ってんじゃないよ!」

そうあるメンバーが言ってくれました。

ハッとさせられました。そうなの・・・?実は焦りでいっぱいで、みんなの声を聞こうとしていたけど、全然聞こえていなかった。そこで、少しだけ冷静さを取り戻し、一人一人とゆっくり話しをしていくことがようやっとできました。

あるメンバーは1週間考えたいとなった人もいたし(結局戻ってきて好きでも得意でもない仕事に「必要な仕事なので!」と奮闘してくれている)、あるメンバーは一度退職しますが必ず戻ってきますと、言ってくれた。

みんなキャリアも、能力もあるし、人柄もいい人たち。働こうと思えば、どこでだって働ける。稼ごうと思えばやりようなんてある。独立だって考えてたメンバーたち。
でも、Your Verseで働きたいと来てくれた人たちでした。

彼らが信じてくれている未来を信じられていない、みんなを信用しきれていなかった自分にハッとしました。気づいた上で、対話を重ねた先に、本当に目を瞑っても背中を預けて倒れられる仲間だと言うことを確信できた瞬間でした。

Your Verseが世の中から無くなったら、無くなるものは何か?

しかし、仲間の存在を強く意識し、復活か?と思えたあとも何か引っかかる部分を拭いきることが出来ず、悩みは消えませんでした。

正直、本当につらくて・・・
子どもも小さいし、奥さんには迷惑かけてまで本当にやることなの?
「もっと効率的に稼げることをやった方がいいんじゃないの?」
「Your Verseがやってるサービスなんて他の会社がやってるんじゃないの?」
「やる必要なんてないんじゃない?」
という問いに溺れていました。

本当に辛すぎて、道を歩いてて自動車が間違って突っ込んできたら死ぬな〜なんて、普通に感じてしまっていました。(今思うとゾッとする)

今、冷静に思えば、うまくいかないという状況が続く中で「Your Verseのミッション、存在価値」に対して自信を失いかけていたんだと思います。だけど、そのときは、何をしたらよいかもわからず、人に相談しまくったり、もがき続ける日々でした。

そんな究極まで諦めようと思った時、この問いがふと浮かんできました。

Your Verseが、この世から無くなったら、無くなるものは何か?

この問いが浮かんだ時に
「いや、無くなったらダメでしょ」
自分の中で即答しました。やっぱり無くしたくないと思ってると確信しました。

-Your Verseが、無くなったらどんな未来になるのか?
頭がいい人、権力を持っている人にまみれて、ただ無意識にコントロールされ続ける社会になるよな・・・

-Your Verseに、今まできてくれてた人たちはどうなってた?
何かしらのサービスで助かるだろうけど、本当の意味で助かってた?その場しのぎの解決で、また同じ問題に立ち向かうようになっちゃうんじゃない?

そして何より、僕自身がつまらなくなるだろうなと思った。
普通の仕事して、ある程度お金稼いで、こどもを育てて、おじいちゃんになって、孫を持って、家族に看取られて死ぬ。一見普通の幸せだけど本当?と。死ぬ時に絶対後悔する。あの時にやっておけばって。

そうだ。そうだよ。
なぜ、わざわざ会社をやめて、出産直前の奥さんを押し切って起業したのか。自殺した亮輔はどうなるんだよ。
Your Verseの原点に戻って来た気がしました

このことを考えたあとに、奥さんにLINEしました。
会社が大変なんだけど、やらせて欲しい。ちょっと無理な働き方になるかもしれないんだけど、協力して欲しいと。
意外な答えが返ってきた。「そんな長谷川さんが好きで結婚したのよ」って。いい奥さんかよ。。。笑

改めて、Your Verseのミッション(役割)に立ち返る。

こんな出来事を通して、年末年始、子どもと奥さんと、奥さんの実家に帰りながら、Your Verseのミッション、社会の中での役割を改めて考えました。

社会の中で、Your Verseにしかないものがあって、Your Verseでしかできないことがある。

この執筆時は、まだコレ!ってなってないけど、見つかったことはこんな感じ。
・Live Your Verse あなたの物語を生きることを支援する
・全ての人が自分の物語の主人公になる。
・全ての人生にYESと言う。そのままでいんだよと伝える。
・十人十色から、1人10色。もっと多様に。もっと活きあえるように。
・当事者でも、参加者でも、応援者でも。社会をよくするリーダーを増やす。

そして、それを実現するための活動ラインナップ。
たくさんの人に方法を提供することを「People'sシリーズ」
深く研究して深く提供することを「TSUMUGIシリーズ」
なんでもやってみる実証実験を「コーチング、コンサルティング」

振り返ると本当にいい経験だった解散の危機。

執筆時22年1月なんですが、資金繰りはなんとか6月まで一旦伸びてひと段落ですが、相変わらず、最低賃金で頑張る状態・・・!まだまだ頑張っていきたいフェーズではありますが、底をついて上向きに上がっている状態になりました笑
結構辛い経験でしたが、本当にいい経験でした。最後にまとめて、この経験からの反省と学びです。

・本当に自分たちがやるべき事に集中する。
社員を信じきれなかったり、よかれと思うアドバイスを受け入れすぎてブレまくったり、売れる気がするで突っ走ったり・・・ことの発端はコレ。
冷静にありのままをみて、今目の前で起きている事、話されている事。その背景にある動機や理由、ストーリーに集中すること。
自分たちにしかできないこと、本当にするべきことに集中して尖らせるべし。
なんでもやりたくなるし、なんでもやらないとダメな気がしてしまうんだけど、急がば回れ。Your Verseで言うと、People'sをないがしろにせず、ど真ん中で向き合う

・どんな人にでも、どんな会社にでも、ミッション・役割がある。
社会的にスキルや認知度がなかったり、人と比べてイケテナイように思えても、必ず役割がある。ミッションに従うには、苦しい経験、捨てないといけないものがたくさんあるけど、意味のない人生や意味のない会社なんて一つもない。それを信じられれば、再浮上はいくらでもできる。

・社長も人間なんだ「社長こそ弱い所を認識して共有する」
私は、社員が言ってくれてようやく気づきましたが、社長しか感じていない恐怖や不安とか弱みがある。そしてその弱みは無意識のプレッシャーや悪手を呼び込んでしまう。
僕自身、ポジティブマシーンと自分を思っていたんですが、どうもキツイ時があり、そんな時は変な行動や発言をして、周囲を傷つけたりしてしまう。
弱い部分をありのままに認識して、できることなら社員にも共有する。理解してくれなかったとしても知ってもらえるだけで、少し安心できたり、社員もそれ前提で補ってくれたり、接してくれるようになりました。むしろ弱みを共有すると喜んでくれた笑
人間臭さを出すことは怖いんですが、出すと気持ちも楽だし、もっと頑張れるようになりました。


最後に

本当にたくさんの人に支えられて、乗り切ることができました・・・!

・最後の最後まで信じてくれたコアメンバー、コアパートナー
・こんなのベンチャーなら当たり前!!と元気付けてくださった投資家のみなさん
・親身に相談に乗っていただいた堀本さん板倉さんパートナーの方々
・飲みに連れて行ってもらい、Your Verseにしかないものがあるよと声をかけてくれたお客さん
・そして、いつも支えてくれて付き合ってくれる紬とはるちゃん

大変な長文でしたが、お読みいただき、ありがとうございました!
逆境に向かっている人の何か励みになれば嬉しいです。

もし迷っていたり、もし誰も頼れなかったりしたら、僕がお話しすることで少しでも力になれることがあれば、気軽にメッセージしてください!

長谷川 連絡先
HP:https://yourverse.jp
メールアドレス:t.hasegawa@yourverse.jp
Twitter:https://twitter.com/TomoyaVerse
Facebook:https://www.facebook.com/tomoya.hasegawa.902

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