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評価のわらしべ長者

入社後まず仕事を覚える段階で、平均的にこなせるようになるためには、どのぐらいの期間かかるのか、教育係に聞いてみよう。
30日で出来るようになるといわれたら、それよりちょっと短めの25日間ぐらいで100パーセントの習得を自分の中で目標とする。

ここで、その目標を達成すると、私の評価は「どんな人かよくわからない新人」から「年の割には仕事覚えがはやい新人」にステップアップするだろう。

次はミス率をグッと減らす。
最初はどんな仕事でもミスはつきもの。
ミスはチャンスだ。一度間違えたら二度は間違えないようにする。
この際、「気を付けよう」という解決法だけはしないようにする。
気を付けられてないから、ミスっているのだ。
具体的に、ノートに書き留めて必ず参照しながら仕事をするとか、
チェックリストを作ってどんなに簡単なことでも都度チェックを入れていくとか、
付箋を貼って常に目に入るようにするとか、
指さし確認を必ず行うとか
具体的なアクションを決めてしつこくしつこく身に着けていく。

おそらくミスは減っていくだろうし、私の評価は「年の割には仕事覚えが早い新人」から「仕事に取り組む姿勢が良い新人」にステップアップしていく。

このころになると、少し余裕も出てくる。
飛び切りの笑顔で働くようにしよう。機嫌よく働くということは仕事がしやすいものなのだ。ただし、コミュニケーションは最低限。会社で友達は自分から作らないのが私は好き。ここに書いているような自分がしている工夫も絶対に誰にも話さない。(笑)
次に周りがどんな仕事をしているか観察し始める。
同じ職種でも仕事の習得率によって、任される範囲は違う場合が多い。
よく観察して次の段階はどの人がしている業務なのかを見極めよう。
聞ければ聞いてもいいし、聞けなかったら自分の目線で仕事が出来る人を
さがして、その人の業務の中で自分がまだ任されえていないタスクは何か考えてみる。それがわかってきたら、マニュアル類をすみずみ読み込んだり自分の仕事に関連するニュースや情報を取り入れたりしていく。
インプットした情報は仕事でアウトプット。
ここらへんでようやく、「仕事に取り組む姿勢が良い新人」から「ひとり立ちした良いパートさん」になるのだ。

多くの人はここで止まってしまう。
中には、いつまでも新人状態でひとり立ちもままならない人も珍しくない。
それはそれで仕方がない。

ただ、私はそれが嫌だった。給料を上げたいのではなく、自分の価値を高めたい欲が高かったのだ。
評価のわらしべ長者は、仕事を楽しくするための私なりのゲームのようなものだった。

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