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入門者が入門者のために書く、カメラの「露出」基礎知識

どうも、トンヌラ王子です。

今日はカメラの「露出」について、私がこれまで学んだことを記事にします。どうぞ最後までゆるりとお付き合いください。

「露出」とは?

露出とは、カメラの感光部分に光を当てることです。昔であればフィルム、今日のデジカメであれば、撮像素子(センサー)が感光部分になります。

「露出の3要素」ISO感度・絞り値・シャッター速度

カメラの露出は、3つの要素できまります。それが、「ISO感度」「絞り値」「シャッター速度」です。この3つが露出の3要素です。

● ISO感度
感度とは、カメラがどのくらい光を敏感に受けるか、を決める数値になります。国際規格で決まっているのでISO感度と呼ばれます。フィルムであればフィルムごとに決まっていますがデジカメではカメラ側で設定できます。大きくすると敏感になり暗所で撮影しやすくなりますが、ノイズには弱くなるという一般的な性質があります。

● 絞り値
レンズを通って、カメラに入ってくる「光の量」を決める値になります。「F値」と呼ばれることもあります。レンズの焦点距離を、レンズの有効口径(光が通れる穴)の大きさで割った数値になります。

絞り値(F値)は、値が小さいほうが取り込む光の量が多くなります。例えばF1.4とF5.6では、F1.4のほうがたくさんの光を取り込みます。値を小さくすることを「開放」と表現することもあります。

絞りを変えると「被写界深度」も変わりますが、本稿には関係ないので詳しい説明は割愛します。

● シャッター速度
文字通り、シャッターの膜が開いて閉じる速度です。一般的なカメラでは、1/8000(または1/4000)~ 30秒 くらいまで設定できます。シャッター速度が早いほど取り込む光は少なくなりますが、その分被写体の動きや手ブレの影響をなくすことができます。

露出を制御するには?

カメラのマニュアル露出を使う場合、上記の3要素は独立して設定することができます。例えば、ISO感度を高くすれば、取り込む光が多くなるので、その分シャッター速度を速くすることが可能になります。また、絞り開放で撮る場合も、取り込む光の量が多くなるのでシャッター速度を速くすることができます。逆に、シャッター速度を遅くしたい、という場合は、ISO感度を下げるか、絞りを絞って(F値を大きくして)取り込む光の量を減らすと適正な露出合わせができる場合があります。

「EV値」と「段数」

露出には、「単位」があります。一般には「EV値」と呼ばれます。簡単にいえば、EV値は、取り込む光の量が2の倍数で変わるごとに1ずつ変化します。例えば、取り込む光の量が半分になると、EV値は1つ増えます。慣例的に、カメラの世界ではEV値の変化を「段数」として何段変わる、と表現することがあります(「1段絞る」「1段開放する」など)。

EV値は、シャッター速度と絞り値の関係で決まります。例えば、シャッター速度が1/1000でF4と、1/500でF5.6であれば、写る被写体の明るさは同じになります(詳しく説明すると、シャッター速度が1/2に遅くなって取り込む光が増える分が、F5.6に絞ることで減らされて同じ露出になります)。

一般的に、カメラでは「露出の3要素」を、それぞれ1/3段ずつ変更できます。従って、例えば絞りダイヤルを3回回すと、露出を1段変更することができます。

ストロボと露出

ここで少し、ストロボを使う場合の露出について書きます。

ストロボは、閃光時間が非常に短いため、シャッター速度の影響を受けません。そのため、カメラのストロボ同調速度の範囲内で、シャッター速度をいくら変更しても、ストロボ光の明るさは変わりません。

一方で、絞りやISO感度については、太陽光などの定常照明と同様に影響を受けます。簡単にいえば、ストロボ光が一定でも、例えばISO感度を倍にする、絞り値を1/2にするとストロボの明るさも倍になります。

普通のストロボは1/1、1/2、1/4~1/256といった具合に、半分、または二倍の単位で変更できます。

つまり、カメラ側で露出を1段変えた場合は、ストロボ光もそれに合わせて1段変えると、ストロボの当たる被写体については同じ露出を得られます。例えば、絞りをF2.0→F2.8に変更して1段絞った場合、ストロボを1/32→1/16というように倍の明るさに調光すると、ストロボの当たる被写体は同じ明るさが得られます(ただし、この場合、シャッター速度を変えずに1段絞っているので、ストロボの届かない背景の明るさは1段暗くなります)。

まとめ

話題がとっちらかってますが、まとめます。

● 露出とは、カメラの受光部分に届く光の量。

● 露出は、「ISO感度」「絞り値(F値)」「シャッター速度」の3要素で決まる。

● 露出は、光の量に合わせてEV値という単位を使うが、一般に「段」で表現される。

● 「段」は、光の量が2倍または1/2になったときに1段変化する。

● ストロボを使う場合の露出は、
「シャッター速度」・・・背景には影響するが、ストロボには影響しない
「絞り値」               ・・・変えると背景とストロボ光の明るさが両方変わる
「ISO感度」             ・・・変えると背景とストロボ光の明るさが両方変わる


いかがでしたでしょうか?これからカメラに取り組まれる方は、本稿を参考にして、マニュアル露出にチャレンジなさってください。きっと写真がもっと楽しくなると思います。

最後までありがとうございました。

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