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詩と詩人のはなし

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詩についての考え方や、詩人のエピソードをまとめてみました。
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#人文学

詩と情熱によって世界を捉える

 以前からことあるごとに目にして気になっていた数学者・岡潔と批評家・小林秀雄の対談本『人…

垂直居士
3か月前
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詩人の寿命を燃やすこと

 国文学研究者の西郷信綱は、「詩人の命」(『古典の影』収録)という短文で、大伴旅人や山上…

垂直居士
6か月前
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殻を破って迸る(松永伍一『農民詩紀行』を読む)

 松永伍一『農民詩紀行』(1974年 NHKブックス)は、今となってはほぼ半世紀前の著作であるし…

垂直居士
11か月前
65

孤独詩人とロマンの刻印(伊東静雄について)

 小川和佑『伊東静雄』(講談社現代新書)は古書店で何気なく手に取って購入したものだったが…

垂直居士
1年前
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太宰治と鴨長明と蓮田善明

 手元に一冊の古書がある。  昭和18年9月に刊行された太宰治の『右大臣実朝』。大阪にある錦…

垂直居士
2年前
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忘れられた詩人

 明治中期に奇行の詩人がいた。ある時その詩人が友人と一緒に酒を飲んでいたとき、自分の盃が…

垂直居士
2年前
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垂直に生き、論理で乗り越えよ。

 一人の学徒として、学問に向き合う態度はいかにあるべきか。  人それぞれの考え方はあるとしても、自分にとって、学問とは常に生き方の問題であり、自己確認であり、自らの来し方を反芻自問することに他ならない。すなわち、ここにこうして奇妙な回想の類や自己批判の駄文を連ねることも、これまでの経験を振り返り、自分の立ち位置を確認し、吟味して批判するという、ひとつの学問的修練につながるものだと考えている。馬鹿げた考えかもしれないが、修練の成果が出て来れば、駄文が駄文でなくなって磨かれるは