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本書において筆者はまず、文学を楽しむための道具とは何か、それはすなわち本であると説く。…
明治29年、森鷗外は、自らが主幹する雑誌「めざまし草」に連載された幸田露伴・齋藤緑雨との…
以前からことあるごとに目にして気になっていた数学者・岡潔と批評家・小林秀雄の対談本『人…
国文学研究者の西郷信綱は、「詩人の命」(『古典の影』収録)という短文で、大伴旅人や山上…
松永伍一『農民詩紀行』(1974年 NHKブックス)は、今となってはほぼ半世紀前の著作であるし…
小川和佑『伊東静雄』(講談社現代新書)は古書店で何気なく手に取って購入したものだったが…
手元に一冊の古書がある。 昭和18年9月に刊行された太宰治の『右大臣実朝』。大阪にある錦城出版社の新日本文藝叢書の一冊として発行されたものである。 太宰は『実朝』執筆と並行して「鉄面皮」という文章を書いていて、その中で『実朝』のあらすじを、本文からかなり引用する形で事前に公開してしまっている。そしてその中で、実朝について書くことはかねてからの念願だったとまで言っている。実朝を主題にした作品は、太宰にとってはそれほど熱の入った仕事であり、気分高揚のあまり筆が走ったという
明治中期に奇行の詩人がいた。ある時その詩人が友人と一緒に酒を飲んでいたとき、自分の盃が…
一人の学徒として、学問に向き合う態度はいかにあるべきか。 人それぞれの考え方はあると…