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リビング・ニーズ特約?指定代理請求人?

まずはリビング・ニーズ特約とは何かについて記載します。リビング・ニーズ特約とは日本語にすると………
「生きるために必要なもの」と言う意味になります。

リビング・ニーズ特約(LNB)の誕生

米国プルデンシャル元社長のロナルド・バーバロは、1989年当時、仕事のかたわらボランティア活動にも多くの時間を割いていました。

ある日、彼はエイズ患者が入院するホスピスを訪問し、死を目前にした人々の姿を見て、「何かできることはありませんか?」と尋ね歩きました。すると、ある患者が「私は尊厳のある死を迎えたい」と答えたのです。

実はその患者は医療費など多額の借金を抱えていました。生命保険に加入していましたが、亡くなるまでは保険金は受け取れません。

バーバロは保険業に携わるものとして何かできないだろうかと考えた末に、いずれ支払われる保険金であれば、生きている間に前払いできないだろうかと考えたのです。

そして、彼は社内や行政当局を説得して、「リビング・ニーズ特約」を実現させました。保険金を受け取った患者は借金を清算し、クリスマスには故郷に帰り、プレゼントも買い、家族と一緒に過ごすことができました。



そして、最期まで自分で身の回りの世話をできるように洗濯機を買い、余った保険金を教会に寄付したそうです。

その患者は息を引き取る直前に「ありがとう。私は今とても安らかな気持ちです」とバーバロに言ったそうです。
その後、リビング・ニーズ特約は世界に広がりました。

日本で初の導入

そして、1992年10月、プルデンシャル生命が日本に初めてリビング・ニーズ特約を導入したのです。

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新しい保険を導入するには金融庁の認可が必要です。
当時は大蔵省になります。

担当部門の人間が大蔵省に認可を得るのに何年もかかったようです。

大蔵省の担当者は当初から生命保険は死んでから払われるものと言うのが常識だ。
生きている間に自分の死亡保険金を自分が受け取るなんて何を言ってるんだ?そんなものは前例がない。

ここは日本だ。日本人には馴染まない。

何をバカな事を言ってるんだ。
日本では認可する事は出来ないと言われていた。

アメリカでは請求をするのは本人となっていた。
当時の日本では告知の問題もあった。
余命6ヶ月となっても、本人には知らせずに家族にだけ告知する事と言う事も問題となっていた。

そこでプルデンシャルの担当者は指定代理請求人と言うものを考えた。
余命6ヶ月となった場合には本人には知らせずに代わりに配偶者、あるいは家族が請求する事が出来ると言うものだ。

しかし交渉は難航した。
その時にたまたま日本医師会の会長が代わったのである。
当時の会長はホスピスについて非常に理解のある会長であった。

そしてこの会長の一言により、やっとリビング・ニーズ特約が認可されたのである。

今ではどこの保険会社も、当たり前のようにリビング・ニーズ特約、指定代理請求人(ともに保険料は無料)については自動的に保険に付加されているがどうしてこの2つのものが誕生したかについて記事にしてみました。

実際、現場ではどのように手続きをしていくのかについて、また新たに記事にしたいと思います。

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