見出し画像

奥様からの一本の電話…解約したいんです。

家計が厳しくなると真っ先にリストラの候補に上がるのって生命保険が多いですよね。

よく雑誌のコラム等でFP(ファイナンシャルプランナー)が保険の見直しを提案して無駄な出費は控えましょうと言う論調で毎月これだけの出費が浮きます。

この浮いたお金を将来の老後の生活資金になるようにしましょう。例えばiDeCoであればどうのこうの…NISAであればどうのこうの…投資信託であればどうのこうの…

あの方達は相談に乗ればお金が貰えるのです。
雑誌に掲載されればお金が貰えるのです。
アドバイスすればお金が貰えるのです。
提携する保険会社、銀行、証券に紹介すればお金が貰えるのです。

つまりその時だけなのです。

そのあとリアルに起こることには関心がないのです。
だって現場にリアルに立ち会うことはないのですから。

本当にそんなんで保険って雑に扱われていいのか?

俺の担当するお客様の奥様から支社に連絡が入った。

解約をしたいので書類を送って下さいと言う連絡だ。

俺はすぐに奥様に連絡した。

このお客様はもともとは俺の担当ではなかった。
担当者が退職してしまい俺が引き継いだお客様だ。

俺は年に数回、すべてのお客様にcoco通信と名付けた物を郵送している。

年末には近場のお客様には卓上カレンダーを手渡し。
遠方のお客様には郵送で送っているのでほとんどのお客様は俺の携帯電話に連絡が来る。

今はLINE、メールもあるので相談等は直接来ることがほとんどである。

支社に連絡が来るお客様は俺と会ったことのないケ-スが多い。
奥様とはまだ会った事はなかった。
なるべく会って挨拶をするようにしているのはまたいつか書いて行こうと思う。

ご連絡ありがとうございます。
解約と言うことで何かご事情があったのですか?
差し支えなければお話しを聞かせてもらえませんか?

ぇぇ……
ちょっと支払いも厳しくてまとまったお金も必要なんです…

そうですか。
ご主人様いらっしゃいましたらお電話代わって頂いても宜しいですか?

契約者はご主人なので奥様の申し出だけで解約は出来ないのである。

それとその時俺はなんか他の理由がありそうな気がしていたので敢えてご主人の話をふった。

……今主人は実は入院しておりまして……
入院のお金がちょっと厳しいんです……

あっ
でしたら入院の保障もありますので手続き致しますよ。

はい、ありがとうございます。
でももう保険料も払うのが厳しくて……

ご主人様、どのようなご病気で入院されてるんですか?

………
………
奥様が泣いているのがわかった。

主人……
目を覚まさないんです………

そして俺は奥様に話をした。

もしかしたら奥様……

これってとっても言いにくいのですが……

高度障害状態に該当するかも知れません。
まだ確実にとは言えないのですが……

高度障害状態?(´・c_・`)
奥様は?って感じの声だった。

状態を確認しに行きますので私、そちらに行きますよ。

ぇ……だってcocoさん…
◯館ですよ……

ええ。もちろん大丈夫ですよ。
行きますから。

俺の会社はちなみに関東地方である。
行くとなれば羽田から飛行機に乗って向かうことになる。
俺は当然FP(ファイナンシャルプランナー)の資格は持っている。行ったからと言ってお金が貰える事はない。

そう。
踊る大捜査線の織田裕二さんの名言
事件は会議室で起こってるんじゃない!
事件は現場で起こってるんだ!

続きはまた次回に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?