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年中休業うつらうつら日記(2024年8月3日~8月9日)

24年8月3日

年に2回の「柳家喬太郎さんを聴く会」の日。
毎回、2か月ぐらい前に申し込み開始後10分で終わってしまうチケット争奪戦に、2台のPCで猛烈な勢いで参加している。
10時きっかりに申込窓口のURLが開き、即座に入っても必ず「ただいま回線が混み合っております。のちほどお試しください」ってメッセージにぶつかる。
「のちほど」なんてあるわきゃないので、何度も何度も入ろうと試み、たいてい8分経過後ぐらいにそれぞれ上限の2枚ずつをゲットできているのだが、すでにほとんど満席だ。
「取れたー」「こっちもー」と声をかけ合い、落ち着いてから覗いてみると大概10分の時点で完売している。
友人2人の分も合わせて取るのはなかなか苦労があるのだ。

1回だけ、この申し込みで失敗し、2枚しか取れなかったことがある。
これは会員申し込みなので、ダメ元で別の日の「一般申し込み」に突入したことがあるが、なぜか奇跡のように取れてしまい、結局4人で出かけられた、という経験もした。
さすがは「今、一番チケットの取りにくい噺家さん」と呼ばれて久しい喬太郎さんである。

先週書いたように水曜に息子がバイト先の上高地でコロナを拾い、木曜には山を下りて病院に行き、コロナ確定と薬をもらうのを済ませてきたのだが、問題はそのあと「実家で療養させてもらいたい」と言う彼を、友人たちと会う土曜日までは家に入れるわけにはいかないことだった。
近くの駅前にホテルを2泊とってやり、とりあえずそこでの休養をお願いする。

土曜の今日、ホテルのチェックアウト時間に合わせて我々が出かけるのと入れ違いに、彼は前もって渡しておいたカギで家に入ったようだ。
リビングの隅のパネルで仕切れる小部屋を作って、布団を敷いてエアコンつけてきたぞ。
カレーとごはん、飲み物各種も用意してあり、快適に暮らせるはずだ。

さて、13時半入場の落語会はるか以前に家を出るのを余儀なくされた我々はというと、こういう時は図書館だ。
カフェでいつものようにせいうちくんはプリン、私はパンケーキだが、普段より1枚増やして3枚食べてしまった。
今日は体力使うからなぁ。

その後はそれぞれ図書館内をうろうろし、私は主に調べもの席で自前のiPad Pro 13でマンガを読んでいた。
図書館にいるのになぜ自前のマンガ?と自分でも思うのだが、最近、めっきり小説が読めなくなった。
人生の残り時間を考えても、小説は20歳ぐらいまでに一生分読んだ気がするので、ここからはマンガメインで行こうと思う。
読み返しが多いのではかどらないが、森恒二の「無法島」「自殺島」シリーズなどは何回読んでも新たな感動の涙が出る。


せいうちくんはどうやら社会学や政治学の棚を回って時間をつぶしていたようで、いつ見まわしてもその辺の棚の前にいた。
でも終了間際に集合してお互い借りた本を見ると、眺めるばかりで本気で借りて読む本は少ないのがせいうちくんだ。
「だって、そんなに読めないもの」
図書館は、借りてなんぼだろう。
私なんか、島田荘司の新刊がある!と喜んで借りたら「すでに買って、家にある本」だったりしたぞ。
あとは加納朋子と服部まゆみの未読のを見つけたので、読めるかどうかわからないがとりあえず借りた。
まことに図書館は文明の偉大な発明品である。

13時になったので自転車で市民ホールに向かう。
今日は割と涼しいので、暑さに弱いKちゃんでも無事に来られるかと思っていたのだが、やはり昼間の日差しは暑い。
15分ぐらいで着いてみると、まだ集合時間前なのに遅刻の女王様、Kちゃんが先に来ていた。めずらしい。
続いてこれまたかつては遅刻の王様であったNくんも現れた。
お母さんの介護をしながら同居を始めて以来、すごくしっかりしてきた気がする。
人間、いくつになっても成長だ。

「暑いねー」以外の挨拶を交わしようもなくみんな少しぼーっとしているところに開場のアナウンスが入ったのでそれぞれのチケットを配り、入場する。
我々は真ん中あたりの前から4列目、NくんKちゃんの2人は端の方とは言え2列目といういい席だ。

「開口一番」は前座のおい太さん。
元気の良さと姿勢の良さは好感が持てるが、緊張しているのかしきりに手拭いで汗をぬぐう。
もちろんそれほど大ネタをやるわけではないんだが、やはり最初のうちは緊張するんだろうなぁ。
精一杯の好演に拍手で応える。

おい太さんが高座裏に隠してあった釈台を座布団前に上げ、座布団上に小さなクッションを置いて去りながら、めくりをめくると「柳家喬太郎」とここで御大登場。
わっと沸く拍手の中、落ち着き払って釈台の前によっこらしょという感じで身体を斜めにして胡坐をかき、釈台に小さく手をついてお辞儀をする。
また割れんばかりの拍手。

この体勢から両肘を釈台について、少し前のめりになって話しかけるように始まるのが最近のスタイルだ。
「なんだかんだ言ってね、やになっちゃいますね」とかひょうひょうと言われていても油断はできない。
突然大声で「SNSに上げんじゃねえぞ!」とか言うからなぁ。
どうやら最近ボヤがあったらしい。
「それをさ、また、高座見てない奴らが読んで『きょんきょん、荒れたらしいよ』とか拡散するんですよ」
ごめんなさい、今、私、一枚かんでるかも。

「ペットのお好きな人もいらっしゃるでしょうが、犬猫なんてものは、昔は冷やごはんに冷たいみそ汁かけて、家族が食べたアジの干物の残りが乗ってて、それで充分だったもんです」あたりから入る「猫久」。
髪結い床で会う武士の「いや、それがし感服つかまつった」の威厳が素敵。
大笑いしてオチまで楽しんだが、よく考えたらこれって、問題の猫久なる人物は描写されるばっかりで出てはこないんだよね。
終了後の飲み会で「猫久はベケットにおける『ゴドー』」との話題の素が、もう生まれてる。

仲入りを挟んで、さきほど喬太郎師匠からも告知のあった、来秋真打になるという今は二つ目のおとうと弟子、やなぎさん。
「ま、先の話ですからね、私が何か言やあふっ飛ぶんですよ」と笑み交じりに脅されて、これが1年続くんじゃ寿命が縮むだろうに、やなぎさん。
我々も、これでやっと「前座の頃から目をつけていた噺家が真打になって感慨無量」と言える立場になったわけで、実際、彼は目立ってたもんね。
今後、寿命の許す限り聴きに行く所存です。


大トリは例によって私にはさっぱりわからない喬太郎さんお得意の物真似混じりの「落語界裏話大会」。
くわしいNくんなんかは聴いてて面白いんだろうが、こちらはあいにくと教養が足りない。
どこかの師匠が「ぴゃっ」とか言ってもわかんないよ。
ひたすら「若い頃の喬太郎さんは、タバコが吸いたくてしょうがなかったんだな(前座のうちとかは酒やたばこは師匠がイカンと言ったらイカン)」って感想ばかり浮かぶ。
おかげで、新作落語「孫帰る」の表情芸に完璧にやられて涙腺がじんじん言ってるのに、頭の中はタバコでいっぱい。
他の人たちとは17時半に居酒屋現地集合にしたので、自転車で駅方向に走りながらせいうちくんが「いくつか候補はある」と言うのにまかせてついていく。

候補1軒目はガスト。
入り口が盛大に階段なのでせいうちくんが斥候に行ってくれて、上から両手でバツ印。
あそう、喫煙室ないのね。
続いてはロイヤルホスト。ここも同じ。
最後は「サイゼリヤ」だったが、結果は同様。
「あー、考えてたのを全部使っちゃったよー」と叫ぶ彼と、だいぶ時間も迫ってきたから、もしかして居酒屋にちょっと喫煙席があれば開店前に借りられるかも、と向かってみたら、お店のおねーさんがにこやかに指し示す看板の根方に鋳物製の灰皿が置いてあった。
なーんだ、ここにあったのか。
「青い鳥は結局、家にいたのでした」的な結末に私がタバコを吸う間、せいうちくんはすぐとなりのコミュニティセンターに避難。
私もあとから行ってみたけど、涼しいし最近では珍しくなった冷水器が置いてあって、水分補給もたっぷりできた。

店の前に戻って2本目を吸っていたら、2人がそろって登場。
どうやら歩きの暑さを紛らわすために喫茶店を2軒もハシゴしてきたらしい。
夏はいろいろお金かかるね。
コミセンの水はただだったよ。

いつも喬太郎さんのあとはこの店を予約しておいて好きなだけつまみを食べる。
とても料理が美味しい店なのだ。
「馬刺しは外せない。マグロのねぎとろも食べたい。野菜の天ぷらもいいな」とせいうちくんの食欲は止まらない。
私はカツオ刺しがあればいいっすよ。
わやわやとつまみを決めながら、まずは最初のビールを注文。
瓶で頼むんだったら私も一杯いただこう。
そのあとは梅酒ロックで。

いやー、しゃべったしゃべった。
落語の感想から日本人のアイヌへの対応まで、いろんなことをしゃべった。
私は個人的にKちゃんと久しぶりに「いい関係」を確認し、「またゆっくり話したいね」と言ってもらえたので天にも昇る心地。
最近お気に入りだと言う林文也の「煙たい話」4巻までを勧めてもらったしね。
さっそく買って読もうっと。

カナダに行ってるはずの息子が今、上高地でバイトしてる、おまけにコロナにかかったので、2日間ホテルに留め置いてこのあとは看病してやらないと、という話をしたら、NくんもKちゃんも猛反対していた。
「ハイリスクの病気もってるうさちゃんがわざわざ家に入れなくっても」
「ホテルにそのままいてもらうのが合理的だよ」
うん、わかる。わかるんだけど、愛妻とも離れて闘病中かと思うと、何かをしてあげたくなっちゃうんだよね。
「そんなリスキィなこと、オレは絶対に反対するね!」と強い口調でNくんに言われても、結局気は変わらないのよ。
昨日のZOOM飲み会でも、「あなたはコロナを自傷のように使ってる」というご意見をいただいたなぁ。
そういう側面もないではない。
たとえ寿命が縮んでも、その分せいうちくんに心置きなく親切にしてもらえるなら、みたいな。
不健全には違いないので、怒られておこう。

2時間ばかり暴れ食い、暴れ飲み、暴れ喋りしたあとで、お会計。
いつもはびっくりするほど安くて4千円ぐらいなのだが、今日はさすがに日本酒党の男性2人が飲み過ぎたと見え、1人6千円になっていた。
2人はたちまち少し酔いが醒めたようだ。

私がKちゃんを、せいうちくんがNくんを熱烈にハグしてから(もちろん事前に「ハグ、OK?」って聞いたよ)2人と別れ、さあ、コロナが待ち受けてるモードだ。
家に帰るとぽつんと灯りが点いており、息子は言われたとおりに小部屋にエアコンかけて閉じこもってる様子。
板壁越しに声をかける。

「具合どう?」
「そんなに悪くないよ」」
「お風呂入る?」
「いや、シャワーで済ませたから」
「ふーん、カレー食べたの?」
「うん、おいしかった」
「じゃあ、母さんたちはお風呂に入って寝るから、水分補給をしっかりしてね。おやすみ」
「ありがとう。おやすみなさい」

で、顔も見ずに終わってしまった。
お互い疲れてるからちょうどいいぐらいだろう。
明日は少し換気や布団干しをしなきゃいけないだろうな。
親バカのメンツにかけても罹患するわけにはいかない。
徹底的にコロナ対策するぞ!

24年8月4日

息子2日目。
コロナ発症は水曜日だから、そこを0日目と考えて、火曜が一応感染力がなくなると言われている6日目か。
じゃあ火曜ぐらいまではいるんだな、
焼肉屋の割引券が余ってるから、元気になってるようなら焼肉ランチ食べに行こう、とかせいうちくんが算段していると、日曜の今日、いきなり、
「オレ、明日帰るから」
「え?早すぎない?」
「火曜からもう働けるから、月曜のうちに帰る」
「せめて月曜のお昼に一緒に焼肉ランチ食べに行かない?」
「そんなことしてたら帰りつけないよ」(何しろ、間に「徒歩2時間」が挟まるからね)
「少しはゆっくり休んでいけばいいのに」
「もう全然元気だし、大丈夫だよ。いろいろ、ありがとっ!」
確かに元気だ。
狭い部屋で寝ているだけの方が苦痛だろう。

というわけで夢やぶれたせいうちくん、せめて消化のいいものを、と晩ごはんに中華粥の準備をしていた。
息子は息子でバイト先の休日は食事が2回しか出ないのでおなかがすくこともあるらしく、うちにあった「サトウのごはん」とか「レトルトカレー」をカウンターの上に山にしていた。
その山にそっとカップヌードルを2個、足してやる親心。美しい。

今回は緊急避難だからお互いに離れた別々の部屋で過ごし、壁板越しに話すのも最低限で、一緒にテレビ観るなんて夢のまた夢だったなぁ。
今度、8月半ばにコントライブやりに帰ってくるそうだから、その時も宿を提供していろいろ話をしよう。

全員、黙々と読書ばかりが進む。
私は木尾士目の「げんしけん」のある意味続編である「Spotted Flower」の最新7巻が届いているので、それを十二分に味わい尽くすべく、「げんしけん」全21巻の最初から読み返すという暴挙に出ている。
せいうちくんは私が勧めた田村由美の「7SEEDS」がスゴイ、と言ってゆっくりずっと読んでいる。(早く読み終わって「ミステリと言う勿れ」の方にも来てくれ)
息子は、田中芳樹原作・荒川弘作画の「アルスラーン戦記」既刊21巻にドハマりしたようで、「これ、すごくいいねー!」と言うので、「原作を読め、何より『銀英伝』の原作を読んでくれ」と懇願する羽目に。
ついでに朝基まさしの「マイホームヒーロー」を「面白かった!」とあるだけ読んで去ったツワモノであった。
ふふふ、次巻でたぶん終了だよ。



せいうちくん、明日の朝作るおにぎりのお米を研ぎながら、そんなにしょんぼりしなくてもいいじゃないの。
こないだ2週間居候された時は「もう当分顔を見たくない。げっぷが出た」って言ってたくせに。

私としては、
「ホテルより実家の方がいい?」と聞いて、
「ホテルでも全然大丈夫だったけど、泊めてもらって助かったし、嬉しかったよ。やっぱ実家はいいね」と言われたのでもうメロメロだ。
今のところ我々にコロナの症状も出ていないことだし、何とかなるかも。

24年8月5日

息子は朝7時に起きてシャワーを浴び、せいうちくんが握ったおにぎり(2個はおかか、2個は手作り豚肉そぼろ)を4個持って、白菜漬けなんかもちょろっと入ってるのを知ってる私はちょっと涙ぐんじゃって、でも元気にお別れした。

そのあとは2人ともベッドにもぐりこんで、
「元気になってたよね」
「うん、すごくさっぱりした笑顔だったよ」
「『もう働きに行きたくない』とか言ったらどうしようかと思ったけど、ものすごくやる気に満ちてたね」
「うん、『今日帰って、明日からバリバリ働く』って言ってたよ」
「彼がああいう顔してる時は大丈夫なんだよなぁ。ありがたい」
「ちょっと親らしいことできて、よかったね」といった親バカ発言を幾度も幾度も繰り返す。
コロナにかかってる自覚症状もまったくない。

それでも緊張して疲れたのか、せいうちくんはテレワークしていたが私はずっとうとうとしていた。
まだまだコロナは終わってないんだなぁ。
なのに、ホテルの費用を出してもらったり入院させてもらったりはもうできない。
けっこう厳しい状態だね。

2日間のホテル代は来るなりカウンターの上に置いてあった。
「そんなにすぐでなくてもいいのに」と言ったのだが、そもそも我々に感染させては申し訳ない、お金は何とか工面するからホテルに泊まってくれ、と心配していたらしい妻のMちゃんが、借りたお金だけでも、とすぐに返すようにびしびしと指令をくれたのだろう。
そりゃあ、いやだよね、夫の実家からなんとなくお金の流れが夫にちょろちょろとあるなんて。
断ち切って自立してもらう所存なので、Mちゃんも無理なく出稼ぎ続けてね。

24年8月6日

なにしろ暑いし、毎晩のようにどこかで集中豪雨が降って警報出てるし、雷はあたりかまわず落ちてるし、落ち着かない夏の夜だ。
こんな時はオリンピック生放送をできるだけ予選のへんから手当たり次第に見るのが面白い、と夕方以降ずっとテレビに貼りついている。

乗馬とサーフィンは早々に終わっちゃったらしいが、見たかったなぁ、とか、ボルダリングやスケボーなど、以前はただの遊びであったものが正式種目になっているケースが多いのに驚いたり。

中でも男子バレー、イタリア対日本は最初から最後まで見つめる結果になり、ものすごく面白かった。
だって、5セットまでもつれ込んで、すべてのセットが24対26とかで終わってるんだよ。
1人黒いユニフォームを着ているのはセッターかと思っていたら、どうも違うようだ。
「YAMAMOTOさん」は1人でものすごい守備を展開している。
どうやら彼の役割は「リベロ」と呼ばれる守備専門のプレイヤーで、周りと区別がつきやすいように1人だけ色の違うユニフォームを着ているらしい。

その「YAMAMOTOさん」が拾いまくるのと、私的には「NISHIDAさん」が頑張っていたので、あそこまで奮戦できたのだと思う。
普段スポーツを全く見ない私が言うんだから、間違いない!
(「ISHIKAWA」はアナウンサーが関係ないとこでまで褒めちぎっていたから、これ以上の応援は必要あるまい)

やり投げも面白い。
投擲競技はテクニックが必要なので、室伏みたいに歳がいってもやれるケースがあるのが味わい深い。
棒高跳びなんかもそうだなぁ。
結局、ブブカとイシンバエワをいまだに誰も越えられずにいるわけだから。

ああ、スポーツでおなかいっぱいだ。
あいかわらずコロナにかかった気配はないし、のんびり室内にいる限りは、夏もそれほど怖くない。
電気代のことはあとで考えよう。

24年8月7日

今日、せいうちくんが出社のはずだったので貸出マンガを持って行ってもらおうとか1人で静かに日記を書こう、できれば半年溜めてしまった家計簿もつけたい、などと思っていたのに、突然「月曜にコロナの息子と一応同一空間にいた瞬間もあったから、行くと社内に迷惑をかけるかも」と考え付いたようで、急遽テレワークに切り替え。
私の気持ちは切替えが効かず、しかもやはり緊張の糸が緩んだか、非常に調子悪くなってきたので薬をのんでひたすら寝る。


渡邊ダイスケの「外道の歌」全15巻は実は「善悪の屑」全5巻の続編であったのか、読む順番間違えちゃったぜ、とか、落語のあとの飲み会で話に出た「逃げ上手の若君」、結局全巻買いしちゃったぜ、このうえは誰かに貸して(精神的に)元を取りたいなぁ、とかあれこれ考えながら寝ていたので、なんかすごい悪夢をみた。

せいうちくんがヒマな時間になってもまだ具合が悪いのが続いたので、思い切って早めに睡眠薬その他を多めにのんで、早く寝る決意をする。
こういうことは同居人に迷惑がかかるから(いつもと違う動きをすると困惑するだろうから)やりたくなかったんだが、意外とすんなり受け入れられた。
よく考えたらそりゃそうだろう、横で固まってうんうん言ってるよりは、速やかに眠りに落ちてもらって自分は自分で好きなことをするのがいい人もいるだろう。
杓子定規すぎる自分にまた嫌気がさしてきて眠れなくなる前に、寝ようっと。

24年8月8日

力尽きてせいうちくんに歯磨きまでしてもらって、眠りに落ちたのがたぶん20時頃。
ぱちりと目が覚めたのが4時間半後の1時半。
せいうちくんはまだ起きて、本の自炊をしていた。
一緒に寝ようか、となったが、当然私は眠れず、日記を書いて朝になった。
ああ!こういう形で気がかりが片づくとは!

ただ、この頃起こった頃を記録するのが精一杯で、「考えてない」文章になってる。
かつては自動書記のようにどんどん勝手に文章の方からあふれてきたので苦労はなかったが、今は一言一句を絞り出し絞り出しして文章を作っている。
それが当たり前の苦労だ、と言われれば返す言葉もないが、常に「考え事」でいっぱいだった頭が空っぽになって気がつくと「何も考えてない」、ってのは足元の地面が消失するような恐怖だよ。

今夜も調子が悪く、18時頃に薬をのんで寝てしまった。
せいうちくんも少し後から寝たらしく、2人して起きたのが夜の23時半。
そこからステーキ定食食べてお風呂に入り、またオリンピックを見る。
ボルダリングが意外と面白かった。
リードつきのやつはずいぶん高いところまで登るんだなぁ。
4時頃にやっと寝る気になってベッドに入ったが、完全に昼夜逆転してしまった私はなかなか眠れない。

24年8月9日

今日はせいうちくん、「エコ年休」とやらで全社一斉にお休み。
エアコンとかかけなくていいからエコなんだろうか。
昨日の夜更かしというか朝まで起きてたのがたたって、午前中いっぱい寝ていた。
これやると、せっかくのせいうちくんのお休みに一緒に遊べないんだよね。
「どこか遊びに行きたいね。また車中泊行きたい」としきりに言ってはみるものの、この季節に車の中で寝るのは考えにくい。
秋になったら、にしよう。

車中泊を始めて以来クルーズとか海外旅行とかすっかり興味をなくしてしまった。
自分たちで好きなところに移動できるうえ、車の中で寝るという猟奇的な体験もできる。
唯一の誤算は一緒に車を買ったGくんとドライブの趣味が違いすぎて、「あんたらは全然停まらない。あちこちで停まってそこら辺を歩くのが醍醐味なのに」とすっかりへそを曲げてしまい、もう二度と長いドライブには一緒に行かない、と言っていることだ。
Gくんを交えた旅は面白かったんだけどなぁ。
でも、道の駅コンプリートとかいったん通った道を通るのは何としても避けて一筆書きがしたい、というかなり奇矯な趣味なので、つきあえないこちらも申し訳ないが仕方ない。

まあ、また短い旅を一緒にすることもあるだろう。
長老の別荘に行くとか、関東近辺とか、慣れたところなら彼もすでにやることはやり尽くしているだろうから。

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