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年中休業うつらうつら日記(2023年1月14日~1月20日)

今週ははっきり言ってケンカが多かったです。せいうちくんの出社日が多くなり、テレワークが続いていた頃よりゆとりがないのかもしれません。いったん仕事に出かけたら夜まで会えないのがあたりまえだったのに、毎日のように昼間も顔合わせたり話せたりしたから、中毒になってるのかも。彼が働き続ける限り、あと数年は夜しか会えないのを我慢するしかないのでしょう。そしてやたらとドラマを観る我々。「エルピス」残してあった自分が偉すぎる。

23年1月14日

前日の定例ZOOM飲み会の話から。
わりと早い時間からSくんやHくんも来て、何やら音楽の話をしていた。
ジェフ・ベックが亡くなったせいらしい。
かなり洋楽に詳しそうなHくんにしゃべらせようと、Sくんが話を引っ張っていた。
Hくんはジェフ・ベックはそれほど好きではなく、フランク・ザッパが好きなのだそうだ。
もー、何が何やら。

私が唯一興味を持って聞くこの手の話は「高見沢さんはどれぐらいギターが上手いのか」。
日本の3大ギタリストの座をCharとかと奪い合っていると思っていたが、今回ネット上で見たアンケートでは12位だった。
しかし洋楽派のHくんにはそのへんどうでもいいらしい。
試みに「高見沢さんは、世界ではどの辺の位置のギタリストですか?」と聞いてみたところ、
「よくわかりませんが、300位ぐらいでは」だって。
まあそんなもんであろうが、何を根拠にしての300位?
しかもHくんは高見沢さんの曲を真面目に聞いたことがほとんどないそうだ。
特徴あるメロディラインや速弾き、けっこう上手いと思うんだがなぁ。

いろいろ話を聞いてるうちに「この感覚、覚えがあるぞ」と思った。ので言ってみた。
「自分の好きなものについて話せば話すほど、相手が引いていくっつーか、『あ、ふーん、そうなんだ』とか反応が薄くなる感じってない?」
いやー、「普通の人」と話してるとさ、いくらこちらが大好きなマンガの話をしてても「へー、今それ、流行ってるんだ」「萩尾望都、まだ描いてるんだ。すごいねー」という反応しか返ってこない。
これはもう、何らかのオタクである以上どうしようもない運命だと思うようになったんだが、みんなはないの?

SくんHくんは音楽や虫、スタトレなど話の合う友人が多いようで「あまりそんなことは感じない。好きなことはどんどん話しちゃうものじゃないか」的なスタンスであった。
それでもね、敢えて言うよ。
君らはオタクだよ。
妙に細かい知識を持ち、一般人には不要なほどの蘊蓄を垂れる、そしてそれが気持ちいい。
立派なオタクだ。
私もオタクの中では薄い方だと思うものの、「対一般人」となればマンガオタクに過ぎないと自分で認めよう。

そんなオタクな会話をしてる間に息子から連絡が来た。
「突然なんだけど、今日そちらに泊まってもいいかしらん?」
何の用意もしてないし、今週は珍しく何にもない週末だからのんびりしようと思っていた。
でも息子に会いたい気持ちが勝り、「いいよー。カレー作るねー」と返事してしまうせいうちくんであった。
「じゃ、息子が来るんで落ちます」と報告したらGくんがあいかわらず怒っていた。
「なんだかんだ言って毎週来るじゃないか、あいつは」
「まあ、こないだは新婚の奥さんと正月に来たって格好ですから。今回は『結婚後、初めて1人で実家帰り』ですよ」
「そんななんたら記念日みたいにあれこれ名目をつけたって、年がら年中来てるのに変わりはない!」
はい、そのとおりでございます。
まあ、息子なんてこれからどんどん実家には帰ってこなくなるもんだからなぁ。今のうち今のうち。

で、カレー作って息子が来て、抗原検査は陰性でやっとハグ。
「結婚生活はどう?幸せ?」
「うん、とっても幸せだよ!」
今日はMちゃんが実家にお手伝いに行ってるからいないんだって。
留守だとてきめんにこっちに来るなぁ。

その直前、せいうちくんとくだらないケンカをしていた。
「カレー作ることになっちゃったから晩ごはんは全員カレーにしようね。ごはんも、サトウのごはんじゃなくて炊こう」と炊飯器を出してきて3合炊いた。
これで明日の朝に息子が食べる分まで大丈夫だろう。

ところがせいうちくん、急に肉を焼いて食べたくなったらしい。
「食事はそれぞれで」って言うのは好きなタイミングでカレーをよそって食べることだと思ったんだけど、彼はキッチンにこもってステーキの準備をし、付け合わせの野菜とか切り始めた。

私も最近不安定で、せいうちくんはADHD気味だから突然何かに向けて突っ走り始める、ってのをすっかり忘れていた。
「何してんの?」
「肉食べようと思って、支度してる」
「今日はカレーじゃなかったの?」
このあたりで本人からも「僕はADHDのケが強くて、急に何かやりたくなると止まらない。今、猛烈に肉の気分になってしまったから」って説明が欲しいところだが、ADHD属性に「頑固」「意固地」が加わった彼はそうはならない。
「食事はそれぞれで、って言ったよね。好きなもの食べようって意味じゃないの?」と言ってきた。

じゃあ何で全員食べる前提でごはん炊いたんだ。(ステーキを食べる場合、せいうちくんはごはんを食べない)
あなたが食べない分、カレーが残っちゃうじゃないか、明日の朝までになくなるかもだから、大丈夫だねって話したのに、と言っても、せいうちくん的には「カレーなんて、僕がいつでもおやつに食べてしまうから残っても全然平気」って気分らしい。
そういうとこの辻褄が合わないのってものすごく気になるんだよ!

まあ結局は性癖の争いっつーか、お互い自分が納得するようにしたい、って陣取り合戦だった。
せいうちくん側に「意固地になった」「聞く耳もたない悪い癖が出た」ってあとからやってくる反省が大きかったもんだから彼が謝り倒す形になったのは少し残念だ。
こうして「私の世界観が少し歪んだままで元に戻ってない状態」で息子と会うことになり、
「雰囲気がヘンだったらごめんね。さっきまでケンカしてたから」と言い訳で始まってしまった。

「へえ、どんな?」
「父さんが、要するに約束を破ってしまってね」と説明し始めるせいうちくん、それじゃなんだか大ごとみたいじゃないか。
私「カレー食べようね、って言ってたのにあいかわらず父さんが急にお肉食べたくなって自分用にはステーキにしようとしたの」
息子「ふーん、それで肉はもう焼いちゃったの?」
私「ううん、焼く前にケンカになったから、そのまましまってカレー食べた」
息子「じゃあいいじゃん。そっかそっか」と自分は自分のカレーを山盛りにして食べ始めた。
子供にとって、ましてもうすっかり大人で自分の家庭を持ってるようなヤツにとって親のケンカなんて宇宙の果てぐらいどうでもいい話題なんだろうなー。

「すっごく疲れた」と言って息子はお風呂に入ってすぐ寝てしまったので、我々も寝る。
まだ少し悲しかったのでお正月の大混乱用にもらって残っていた抗不安薬の頓服をのんで寝たら少し気分がおさまったみたいだ。
さすがは薬。効く時は効く。

で、今朝になって、息子とカフェに行って朝食を食べる頃にはすっかり仲直りもしていたし気分も安定していた。
「昨日はごめんね」と息子に言うと、
「え?別に全然。2人の問題だし」とクールだった。
せいうちくんも私も子供の頃親がケンカしてるとすごくいたたまれなくてイヤだったから、そこは気を遣い過ぎなのかもしれない。
平和に育っていれば家族間の少々のケンカぐらいは日常茶飯事なんだろう。

あいかわらず公道でお別れのハグをしながら、
「今週はずっと東京での活動があるから、週中にお邪魔するかもしれない」と言っていた。
大宮に帰るのは大変だからこっちに来る日が何日かあるのかな。
それはそれでキンチョーするなぁ。
「Mちゃんによろしくね。また一緒にも遊びに来てね」
「うん、彼女も会いたいって言ってたよ。じゃあね」とお別れ。
なんとなくしおしおと家に帰り、さあ、去年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が待っている。
紛失された第32話もNHKオンデマンドで乗り切り、後半戦を駆け抜けるぞ!

23年1月15日

去年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を第1回から観返して、ついに北条義時の死を迎えることができた。
これは大河史上に残る名作のひとつとなるだろう。

封じ手として貯めてあった「どうする家康」をさっそく観始める。
前年の大河が良ければ良いほど翌年の大河には大きな課題が科せられるものだが、うーん、これは…保留!
もうしばらく観てから決めよう。
家康が岡崎にいる頃から信長って魔王だったの?!
「俺の白うさぎ」って何?怖すぎるんだけど!

こちらもNHK、よしながふみ原作の「大奥」も始まった。
原作通りに八代将軍吉宗が間部詮房を罷免するところから始まる「水野祐之進」編からの開始。
袴は最初から普通の丈なので、上司の長袴を踏んでしまうシーンは割愛だね。
杉下が若すぎるとか副島はかなり原作に似ているとか論評しながら、第二話は「万里小路有功」編。
ここでも俳優さんのセリフより先に「君子は泰にして驕らず」とかつぶやいちゃう。
原作読み込みすぎて腐ってる。

よしながふみはもちろんバリバリのBLマンガ出身で、今もLGBTやジェンダー問題に意欲的な作品を描き続けている。(ココハナで新連載が始まってるの、知らなかった。痛恨)
NHKも「日本ホモ協会」の略だと言われるほどそのへん非常に先鋭的・意欲的なのはドラマ群を観ているとよくわかる。
NHKをさわやかに吹き抜けるBLの風を応援していきたいと思う。

こないだ息子の奥さんのMちゃんに会った時、彼の小さい頃の話がウケたので気を良くして、育児日記を読み返してエピソード2つぐらい送ってみた。
5歳になる寸前の息子がクーラーつけた部屋に入ったとたんに「わー、あったかい!」と喜んだ、つまり心地よい温度を「あったかい」と表現していたので「クーラーつけて気持ちいい時は『涼しい』って言うんだよ」と教えなきゃいけなかったとか、食事中に椅子の上で立て膝してるので「息子ちゃん、お行儀悪いっす」と注意したら「ママ、言い方悪いっす」と言い返されたこととか。

ウケたのかお世辞なのかわからないが、「息子少年はなんて可愛いんでしょう。今、横にいる本人に見せたら『僕って昔から面白かったんだなぁ』と言ってます(笑)」と返事が来た。
「息子青年に『子供は誰でもそれぐらいは面白いものです』とぜひ伝えてください」と答えておいた。
何なんだ、息子のそのヘンテコな自己肯定力は。
Mちゃんからも「そのとおりですね(笑)」と返事が来たから、お兄さんの子供たちを毎週面倒みてる彼女には確かに「子供は誰でもこれぐらい面白い」なんだろう。
息子の天狗の鼻は少しへし折れる必要があると思ったよ。

23年1月16日

せいうちくんは出社して、しかも今日明日と人間ドックを受ける。
昨日の20時を最後にごはんが食べられないのだ。
しかも明日は会社で朝イチの会議に出てから内視鏡検査を受けるのだという。
つまり、会議をしてから下剤を飲むわけだ。
2リットルの水に混ぜたやつを、2時間かけて、間にはトイレにも行って。
執務室にトイレがついていないのをこれほど気の毒に思ったことはない。

なので今夜の晩ごはんはなし。
私は息子に作った残りのカレーを食べる予定。
せいうちくん起きてるとおなかすいて気の毒だから、早めに寝ちゃおうかな。

1日中のりつけ雅春の「アフロ田中」を読んでいた。
「高校アフロ」から読み始めて「中退アフロ」「上京アフロ」「さすらいアフロ」「しあわせアフロ」「結婚アフロ」各10巻ずつ。
息子が自転車で北海道に行ったのも日本の最北端でヘンなポーズの写真撮ってたのも震災後の福島にボランティアに行ったのも沖縄が大好きなのも全部アフロのせいだったのか、とあらためて目からウロコが落ちまくる。

男性のアホさ加減がこれほどうまく描かれているマンガがあるだろうか。
人間の活動そのものがひとつの動機に集約されている。
「気持ちよくなりたい」のだ。
わかりやすく性欲を満たせばとりあえず気持ちいいし、若い男性は9割がたそれでスッキリするらしい。
しかし「気持ちよくなる」というなら、人に認められる、高いものを食べる、貯金が増える、海外旅行に行く、これすべて「気持ちいい」の様々な形。
人間ってわかりやすいものなんだなぁと感動し、今日何も人に認められるような活動をしなかった自分も「アイス食べてマンガ読んで楽しかったから、いい」と思って健やかに寝よう。

23年1月17日

せいうちくん、人間ドック終了。
やっと好きなものが好きなだけ食べられる。
今夜は水餃子。
先期の積み残し山の録画から、評判がよかった気がする「エルピス」を観始めた。

「シン・ウルトラマン」で巨大化していたのが記憶に新しい長澤まさみ(そもそも「鎌倉殿の13人」のナレーションで毎週お世話になっていた)と千葉真一の息子、眞栄田郷敦の主演が面白そう。
大河ドラマ「西郷(せご)どん」の主役・鈴木亮平も出てるね。

驚くほど真面目な作りだ。
テレビ局の話なのに浮わついた雰囲気は最低限にとどめ、報道する者の責任を描いていく。
眞栄田郷敦の目力もあって久々にギラギラした若者を見た。(本人ヘタレだと思っていて全然ギラギラしてるつもりがないのもいい)
全体に、どこか古臭くて懐かしい。昭和?ATG?東京ラブストーリー?と様々に連想が脳内を流れていく。

まだ半分も行ってないが、先が楽しみで仕方ない。
「エルピス」より視聴率が高かった「silent」や「親愛なる僕へ殺意をこめて」も丸々保存してあるので心強い限り。
しかし現在進行中のドラマはいつ観たらいいんだろう?
こうしてHDに観てないドラマがたまっていく…

人気ドラマの順位を調べてみてトップスリーでやっと平均視聴率が2ケタいくらしき最近の現実に驚いた。
銭湯がカラになるとか渋谷から若者が消えるとか平均視聴率32%とか最高視聴率41%とか、今の若い人には別世界の話で、郵便局の定額貯金が金利8.88%だったよ、って言われるような感じだろうなぁ。

PS. 鈴木亮平って絶対に荒木飛呂彦ジョジョシリーズ「ストーン・オーシャン」に出てくる弁護士にそっくり!

23年1月18日

午前中は心臓の定期検診。
今回は3カ月に1度の採血・レントゲン・心電図もやった。
「採血は検査に回しちゃうからワーファリン値次回になるけど、今日やっとく?」と言われ、「ぜひぜひ」とお願いしたら、左手小指の先をプツッと器具で突いて1滴絞り出し、コンパクトな検査器で測定してくれた。
2.3。ほぼジャストないい値だ。
この検査を気軽にやってくれるのが江口のりこ似の女医さんのいいところ。
「月に1回、検査機関に出すだけ」って決まりになってるクリニックもあるよ。
測定器、ちゃんとあるのにさ。

レントゲンでは心臓の大きさが「肥大と普通の間ぐらい」、心電図では「異常波が出てるけど、これはもうずっと出てる」。
つまり「心臓に難あり」の状態は変わってないわけだ。
毎日薬をのんでやっと保てている。それはそれで仕方ない。
月イチで検診を受けて3カ月ごとにレントゲン撮ってるだけ、普通の人より健康な状態が望めるのかもしれない。

午後は電車に乗って心療内科。3週間ごとの定期通院。
これは、もっと話したければ2週間に1回でも会ってくれそうだし面倒くさければ4週間に1回でも4週間分の薬をくれそうだけど、まあ今ぐらいの頻度が「負担」と「安心」のバランスが取れている気がする。
息子が入籍したとか新年には夫婦で泊まりに来てくれたとか、
「順風満帆だね。息子の収入とかはまあちょっと気になるだろうけど」と言われる程度には家内安全だろう。
「このつらい時代に子供を生んで育てていきたいと思っているらしいのに驚きます。幸せなんだろうな、とも」と言うとドクターは大きくうなずいていた。

せいうちくんとケンカが多くなった、と「私が彼をADHD気味だと思い出せたらこんなにもめないんですけど、つい忘れてしまって」って話をしたら何だか大笑いされた。
「たまにはケンカぐらいした方がいいよ」
「でも、ケンカでもしないとお互いに無関心になる、ってわけでもないんです。毎日、一緒に暮らせる幸運を思いますし、これからもずっと一緒にいられると思うとお互いにとても幸せだと思うし、そう言ってます。ケンカにならないのが一番いいです」
「まあ、近くにいるとケンカはしちゃうもんだよ。それで仲が悪くなるでもなし、どんどんしたらいいじゃない」
ほぼ真面目に受け取られていないかも。ちぇっ。

帰りにいつものスーパーでアカギのチョコアイスバーを買い込もうと思ったら、ない。がーん。
冷凍食品の売り場を拡充したために、アイスのスペースが減らされたようだ。
いわゆるマルチパック、細めのチョコバー(味は同じ)が7本入ってる紙箱を売ってたので、5つ買って帰った。
「食いでがない」以外は特に文句をつけるところはないんだけど、気に入りの品が店頭から消える時は寂しいものだ。
思えば同じアカギの「ガツンとみかんバー」も最初は大きめの四角いやつも売ってたのに、途中からマルチパックのみになってしまったのだった。
他にこの近所でアカギのアイスバーを売ってる店はないんだよね。
あー、困った!

23年1月19日

なんだかんだ言って、「今週中はまたお邪魔するかも」と言っていた息子が全然訪ねてくる気配がない。
言ってみただけか。
向こうは軽い気持ちでも、こちらはそれなりに緊張し、彼の好きな牛乳ぐらいはたくさん買っておこうとか思うんだ。
振り回されてるなぁ。

しかしイヤな夢をみた。
息子がお笑い芸人をもうやめたい、と言うので、「自分がやりたいと言ったことも続けられないのか!」とカッとし、息子の首をぐいぐい絞めてしまうのだ。
完全に殺す気持ちになっていた。

起きてからせいうちくんに話したら、
「それは深刻な夢だねぇ。実際、『やめる』って言われたらどうしていいかわかんないもんねぇ」って。
私「でも、よく考えたら絞め殺すんだったら最初にゲーム会社を辞めた時に絞めてるよ。芸人やめてくれても全然困らないけど、会社辞めるって言った時の方がずっと困ったでしょ、我々」
せいうち「それもそうだ。たぶん『アフロ田中』の読みすぎで、『こいつら、人生真面目に考えてんのか!』って密かに怒ってるんじゃないかな。結局息子って何もかもアフロ田中のやったことやっててさ(「高校中退はしてないぞ」と意見をはさむが、「大学時代に読んだから、もう『退学アフロ』には間に合わなかったんだよ」だそう)、29歳で結婚はいいけどこのまま行くと結婚式前に子供ができちゃう」
私「そうだよね。こないだまで山奥にシェアハウス作っててそれが全焼したような人が、賃貸とは言えカウンタやフローリングのあるアパートに住んで子供をお風呂に入れてあげてるってのがどうもリアリティがわかないんだよ」
せ「僕もわかない。でも何かの仕掛けがあってそうなっていくとしか言いようがない。『アフロ、どうやって結婚するのかなぁ』って思ってたら本当に披露宴しちゃったわけだし」

奥さんのMちゃんは我々が渡したご祝儀があんまり多かったもんだから受け取る時に「なんだか分厚すぎませんか…?」と言ってたんだが、息子に聞いたら開けてみて「ひぇ」と小さく悲鳴を漏らしたそうだ。
沖縄でリゾート婚をしたい彼らの金銭感覚が全然わからない。
とりあえず息子には、
「結婚式なんてかなりご祝儀でまかなうもので、一生に一度のことだから、何でもMちゃんがやりたいことをやらせてあげてね。もし金銭的に不安があったらMちゃんがイヤにならない範囲で母さんたちに相談して」とは言ってある。
自分たちが親からはお祝い金以外もらわずに国民年金会館でささやかな式を挙げたせいか、あまりお金に困った覚えはないんだが、何しろ私は寿退社金ももらってたし入社以来の趣味が財形貯蓄だったからなぁ。
若い2人の幸せを祈るよ。

23年1月20日

荒木飛呂彦のジョジョシリーズ最新作「JOJOLand」の連載がウルトラジャンプ2月号で始まるってどこかで読んだ気がしたんだが、いざ1月19日発売のウルトラジャンプ表紙をKindleで見てみたら、全然始まる気配なし。
ググったら、2月17日発売の3月号から載るみたいだ。
2月号には情報の一部が開示されるのみらしい。

コミックス派なのでずっと雑誌を買い続けるつもりはなく、景気づけに連載初回ぐらいは買おうと思ってるが、ちょっと肩透かしを食らってしまった。
そして初めて知る、中村明日美子の「王国物語」もウルトラジャンプで連載されてる事実。
ジョジョ作家とBL作家が並んでいるとは、ウルトラジャンプの懐が広すぎてどうしていいかわからない。

ついでに知ったけど、よしながふみが「ココハナ」1月号から読み切り連載を始めていたよ。
これまたどうせ絶対にコミックスを買うのに、1作品読むためだけに雑誌1冊の代金を払っていいのか、と悩んだが、せいうちくんから寛大な「買いなよ」の言葉をいただいて、Kindleストアでポチッ。
「環(たまき)と周(あまね)」、第1回はふんわり百合やBLの香る家族もの。
やっぱりあれかな、「大奥」の連載が終わってヒマができたからの新連載なのかな。
絵や話作りが上手くなると昔ほどの迫力がないというか、「今、初めてこれを読んだとして、私はよしながふみが好きだろうか?」って問いにすぐには答えが出ない。

あまりに毎日毎日マンガばかり読んでるもんだから、せいうちくんに、
「キミは本当にマンガを読むのが好きなんだね」と言われた。
思わず「そんなことないよ。ヒマだから読んでるだけだよ」と言ってしまったが、マンガを読んでいる時だけ得られる高揚感や満足感は確かにある。
小説もたまには読まないと長い文章が読めなくなりそうで怖いから月に1冊ぐらいは読むようにしていて、それでも確実に昔ほどは小説が好きではない。
少なくとも読み始めて興味を持つまでのスタートに時間がかかるようになった。
マンガの方がそのタイムラグは少ない。

昨日は田村由美の「ミステリと言う勿れ」を読んでた。
「子供を産んでから妻が変わってしまった」とぼやく男性に、主人公の久能整(くのう・ととのう)くんは言う。
「目を離したら死んでしまう生き物を育てているんです。変わらない方がおかしいです。なぜ父親は変わらないんでしょう」
また病院で知り合った老人との会話の中で彼は言う。
「どうして闘病って言うんでしょう。『闘病の末、力尽きて』。勝とうと思えば勝てたんでしょうか。勝ったり負けたりするとしたら、その時の医師や医療技術です。患者本人じゃない」

マンガ家さんは、どこからこんな叡智を引き出してくるんだろう。
あらゆる表現者についてこう驚くべきところ、今はマンガの表現の豊かさに一番惹かれているのでついついマンガ家を誉める。
「より理解しやすい形で」出してくれるマンガは、小説ほど「わかるかどうかはあなた次第」と突き放してこない気がするせいだろうか。

おかざき真里の新コミックスが1月30日に出るらしい。
Amazonでうろうろしてたら見つけた。
「阿・吽」の連載が終わったから、新しい話を始めるのかな。
「胚培養士ミズイロ」?お仕事ものにしちゃ固そうだな。リケジョ?

別腹で読んでいた小説で不妊治療専門クリニックで働く人の中に「胚培養士」がいると知って初めて、「おかざき真里はやっぱりジェンダーまわりをやってくれるのか!」と嬉しくなった。
正確にはこういうあたりをジェンダーまわりとは呼ばないのかもだが、「産む性」としてしか生殖に関わってこられなかったので、向こう側(=精子の持ち主)の事情も知りたいし、互いに助け合って社会生活を送り子供を育てていく第一歩となる出産の大元に視点が置かれるのはたいそう嬉しい。

ちなみに読んでいた小説は図書館で借りた秋吉理香子「息子のボーイフレンド」。
高校生と大学生の男性同士が両想いになり、高校生は家族にカミングアウトする。
「異性の場合と同じように、責任を取れるほど大人になるまで肉体関係を持たないこと」を条件に認めてくれた母親も次第に「会うな」と言い始める。
母親の友人が応援してくれて、渡された「最終兵器」は母親自身が高校時代に描いたBLマンガ作品だった。(この「友人」が不妊治療専門クリニックに勤めているわけで)
会社でLGBT関係NPOの講習を仕切ることになった父親は常識的に性の多様性を理解せねばとは思うものの、「自分の息子となったら話は別。誰にでも祝福される人生を送ってほしい」と思ってしまう。
そんな父親が息子のボーイフレンドの存在を知って起こした行動は。

子供には幸せになってもらいたい。
あたりまえに異性を好きになり、あたりまえに結婚して子供を持ってほしい。
しかし、互いに好きだと思い合い、それが続くこと自体がひとつの奇跡なので、そういう相手にめぐり合う以上の幸せはないんじゃないだろうか。
 

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