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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年7月2日~7月8日)

更新遅れ、申し訳ありません!せいうちくんの忙しさ、息子の来訪、安倍元総理が銃撃されて死亡したニュース、その他もろもろでもう頭の中がしっちゃかめっちゃかな1週間でした。出かけた息子が帰ってくる真夜中まで頑張ってもどうしても間に合いませんでした。定期的に来てくださってる方々にはご心配をおかけしましたが、今の我が家のぐちゃぐちゃ加減も伝わっていてご勘弁いただけると甘えています。今後も定期更新を心掛けますので、どうぞよろしくお願いします。

22年7月2日

前日の定例ZOOM飲み会で「クラブハリエ」のバームクーヘンの話をした。
名古屋のCちゃんから「せいうちさんの会社の株配当がぐっと伸びたから」とお礼に12個入りが送られてきて、あまりにおいしいので食べ尽くしたあとつい自分で18個入りをポチってしまったと。

そしたらSくんが自分とこに来た配当の書類を見て、「ホントにすごく多い!利率にするとコスパよかった!」と驚いてたから、
「じゃあSくんもうちにクラブハリエ送ってくれる?」と冗談で言ったら、
「いや、これは本当にバームクーヘンぐらい送ってもいいぐらい儲けさせてもらった」とクラブハリエをググり始めた。
「ああ、このバームクーヘンminiってやつね。12個入り、18個入りときて27個入りが最高かぁ。1万円ちょっとだね。じゃあこれ送ろう!」と今しもポチろうとした。

しかしいくら何でも友達にポンと1万円使わせるわけにもいかない。
「冗談だよ~」と必死に言い、あまり執着しないSくんは「そっか」とポチとりやめ。
「今度、何かで手土産をもっていく時に『クラブハリエのバームクーヘン』がいいんだな、と思うことにする」とのこと。
ほっとしたが、一方惜しくもある。もらっとけばよかった?
まあそのうちまた遊びに来る機会もあるだろう。

せいうちくんは頑張ったけど連日の忙しさで先に落ちて寝てしまった。
「明日、K子ちゃんが来るから」と私も抜けようと思ったら、最近日記をよく読んでくれてるSくんとしばらくK子ちゃんの話に。
「何か言われて泣いちゃった、とか、うさちゃんは本当にK子ちゃんに弱いんですね」とあきれられた。
「それって、嬉し泣きの方?悲し泣きの方?両方しょっちゅうあるからなぁ」
「そんなことまで覚えてませんよ!」とSくんさらにあきれる。
しょうがないじゃん、惚れた弱みよ。

で今日、そのK子ちゃんが来てくれた。
もともと漫研の知り合いだったところ、結婚して最初に住んだ社宅時代に近所だったので仲良くなった。
と言うのは表向きの話で、私はその何年も前からK子ちゃんと仲良くなりたくてなりたくて、直情型にしてはめずらしくいろいろ考えをめぐらせていたのだ。

結局、その後ずっと娘の写真を撮ってもらったり、元旦の午後に「小さな新年会」を一緒に持つ暗黙の了解ができてたりする、家族ぐるみの良き友となってくれた。
カレンダーもここ20年以上毎年もらっている。
三が日のどこかで彼女の顔を見なかったのは、コロナ直前に我々が正月クルーズに行っていた年と、そこから始まるコロナの年々だけじゃないだろうか。
会い方を見てるとまるで親戚のようだ。
彼女がいないと1年が始まらない。

暑い暑い中、少しでも歩きたくないので工夫を凝らしてどこかの駅からバスで隣の大病院目指してやってきたK子ちゃん、気の毒なことに入り口がわからなくて少し屋外に長くいすぎたようだ。
連絡を受けてせいうちくんが大通りまで出て見つけてきてくれた。
色白の顔を真っ赤にして死にそうになってたK子ちゃん。
エアコンを強くして、扇風機を勧め、へたり込んで風で背中を冷やしているところに氷水で絞ったおしぼりを渡すと「ありがと~、うあァァァ~…」と気絶寸前。
私だったら水風呂に飛び込むよ。
(夏はいつでもバスタブに水を張ってあるのでいちおう勧めてみたが、当たり前に断られた。そりゃそうだろう、人んちでいきなり風呂なんてかえってめんどくさい)

息絶え絶えの中、差し出す紙袋には引っ越し祝いであろうプリザーブドフラワーが。
わぁ、触ってみるのは初めてだよ!繊細な、でも丈夫なものだね。
さっそく食卓の中央に飾り、K子ちゃんの火照りがさめるを待って、せいうちくんがお料理を出し始めた。

今回はね、ホントに最低限。
ブロッコリーとにんじんだけは茹でたけど、きゅうり、セロリ、大根、パプリカはひと口サイズに切っただけ。
Amazonで買ったキユーピーのバーニャカウダソースを卓上IHヒーターで温めてるのをつけて食べる。
専用のソースポットすらないこれを「バーニャカウダ」と料理名で呼んでいいのだろうか。
あと、太いソーセージを茹でてぶつ切りにしたのに粒マスタード添えて、ザウアークラウトと一緒に出す。
ビールはK子ちゃん火照りがひどくなるからと今日は飲まないと言われ、しかしせいうちくんは飲みたいのでとにかく出てくる。
そんな歓迎の食卓。

夕方から1件仕事が入ってると言うK子ちゃんがいる時間は限られていた。
5時間ぐらいの間に、涼しさと食べ物で落ち着いたからまずは家を見て回る「新居探訪ツアー」。
家や家具や細かい工夫を見るのが大好きなK子ちゃんにいろいろ見せまくる。
彼女が一番喜んで実際動かしてみたのは、部屋を仕切るウォールパネルとこないだ買った車椅子。

ウォールパネルは「なるほど、ここで直角に回すのか。会社の会議室とかでよく見るけど、角を作ってみたことはないかも」と夢中で部屋をこさえていたし、車椅子は骨折した時に通院してた病院で移動に使ったことがあり、自走は「初めてなのに上手ですね、と驚かれたよ」と得意そうで、うちでも座り心地を試すだけでなく存分に動かし始めてもらった。
果敢に狭いキッチンにも入り、バックでは戻れなくなってせいうちくんが後ろの介護用ハンドル使って引っ張り出したのもご愛敬だ。
私より度胸あるな、K子ちゃん。

狭い書斎は、意外なことに彼女には好評だった。
「窓際の穴倉感がいいね。落ち着いて仕事できそう」だって。
図書館によくあるキャスター付きで移動できるラックはマンガであふれそうになってるんだが、自炊反対派の彼女は苦笑いしながら「そうか、これが断頭台行きを待ってる場所なんだね」とひと言。
「うん、そうだよー」と明るく返すしかない。
ムツカシイ思想や信教の自由にはあんまり触れない方がいいのだ、お互い。
ベジタリアンの人と肉好きの人同士の友人だって、一緒に食事をするしそこは互いに突っ込まないだろう。

「死刑囚房」に並んでいた三宅乱丈の「Fish」全3巻を目ざとく見つけ、「あっ、これは読んでない!」と言うので貸し出す。
「秘密の新選組」から三宅乱丈に入ってる私としては、K子ちゃんが「ぶっせん」を強く勧めてくれたのはありがたかったからね。
それで三宅乱丈をコンプリートしようと集める途中の「Fish」だ。
いい意味での蒔いた種を、存分に収穫してくれたまえ、と貸出票がわりに3冊をトランプみたいに扇型に持つK子ちゃんの写真を撮る。
「我々が若い頃にはなかったね、この文化」とさらに話題にひと花。

K子ちゃんは最近私がハマっている中村明日美子をちゃんと知っていた。
コミックスも何冊か持っているらしい。
何かにとてもディープだが、いわゆる「腐女子」では全然ない人なのに。
K子ちゃんの「細く狭く、ひどくあちこちにある穴ボコ」にたまたま私も足を引っかけてしまったのか。
マンガ浜で磯遊びしてると突然ずぶっと足がはまる底知れぬ海溝のような。

新居探訪ツアーをひととおり終えて食卓に落ち着いてからはいつものように四方山話。
K子ちゃんやせいうちくんの仕事の話が多かったな。
無職の私はここでは話題のタネはない。
今、テレワークで職場からの電話が増えているので、せいうちくんがあわてて書斎に行ってPCでひと仕事してる、なんて時間も何度かあって、あわただしいことこの上なかった。

しかもその真っ最中にせいうちくん個人のスマホのアンテナが全然立たないのに気づき、「壊れちゃったかも!」ともう即座に買いに行こうと焦り始めた。
今、急に彼のスマホが使えなくなると、いつ何時重大な連絡が入るかもしれない(仕事用のスマホは会社以外の人は知らないから)ので焦ったみたいだ。
それでauショップに電話しようと「au」でググったらいきなり「大規模な電波障害」が一番に出てきちゃったわけ。
その時その場までは「キャリアの不具合では?」とは誰も思わなかったんだよねー。

私のスマホに電話がかかってくるのは珍しいし、たいていせいうちくんか息子がSNS電話を通じてかけてくるから、auスマホが使えなくなったら、なんて考えてなかった。
せいうちくんも同じぐらい考えたことがないらしく、大恐慌に陥っていた。
2人ともがauだし、家電は仮住まいに入った時からもう置かないことにして、それでもまったく困ったことがないもんだから。

かろうじて会社のスマホが別のキャリアだったようで、それだけはつながる。
とりあえず、お父さんが入所したばかりで今は毎日連絡を取っている特養に知らせとかなきゃいけないんだが、会社の番号がうろ覚えになってたせいうちくん、たまたま居合わせてくれたK子ちゃんに「ちょっと会社のスマホからK子さんの番号にかけますから、表示された番号を教えてください」とお願いしていた。
そうか、私に頼んでもしょうがないわけだ。同じauだから。

そうするとたまたませいうちくんがいる時のトラブルでよかった。
もし会社スマホと一緒に出かけて留守でしかも何か起こったら、私は息子とかK子ちゃんとかミセスAとか誰かにSNS通話して、救急車なり警察なりを呼んでもらわねばならないところだった!
家電を置かないことのリスクはこんなところにあったのか!

今後こういうことがあって、上記のような状態だったら、動ける限りは隣の病院に駆け込むのがよさそうだ。
ただなぁ、110番や119番にかけたい時ってたいがいは動けないような時なんだろうからなぁ。
それ言ったら、スマホにたどり着けてないかも。たとえキャリアが無事だろうとSNS通話があろうと。

そんなあわてぶりもご披露しながらK子ちゃんとの時間は過ぎた。
久しぶりに会えて、楽しくて、嬉しかった。
次は案外すぐに落語の会で会える。
8月初旬なのでもっと暑いだろうけどね。

6時ごろ、K子ちゃんがスマホ(たった今はauではない人はいいよな)で調べたバスの時間を見ながら立ち上がり、お開きとなった。
長いこと貸し出し中になってたマンガは返ってきた、新居祝いにプリザーブドフラワーといつものカレンダーもらった、こちらからのおみやげは貸し出したマンガだけだ。
ちょっとアンバランスだけど、もしK子ちゃんが引っ越ししたらクラブハリエのバームクーヘン持っていくよ。
いや、たぶんもうずっと引っ越す予定はないし、お互い、次に大きく動く時の移り先は終の棲家だと想像する。

20年ぐらい前に実家から独り暮らしに移ったK子ちゃん、現在までまだ「引っ越し完了」になったことがなく、片づけそこねたまま暮らし続けて何とかなっちゃってるから困るんだそうだ。
その「引っ越し」が終わったら20年の利息付きの超豪華引っ越しそばでもご馳走してあげたい。
万円単位のそばなんて想像がつかないが、きっと日本のどこかにはあるに違いない。

ああ、忙しくとも楽しい日だった。
せいうちくんのオンとオフの切り替えが速すぎて、あまりに高速で両側に移動を繰り返し続けているので、ほぼ静止した状態、つまり平静な状態に見えるのがヘンだ。
その横にいる私にも振動がびんびん伝わってくるから不調なんだろうな。
お互い外からは静止したように見えるまま落下を続けている的な状態がエンドレスな現在。
(たぶん「地球自体が、そもそも銀河系全体がそうだぞ」などの反論をしたくなる人もいるだろう。半端に科学を持ち込んでスミマセン)

今週のマンガ紹介は長くなるのか短くなるのか最後までわからなかったんだが、アップするときに1週間分まとめて書いてることぐらいバレてるだろうから、時間切れということで紹介のほぼいらない「ひたすら長い、100巻超えてるマンガ」シリーズを持ち出す。
前からリストアップしてあってよかった。
「どうして『こち亀』がないんだ!」というお叱りは覚悟してる。
あまりにも興味が持てなくて、10年ぐらい前に自炊を始めた頃に全巻ドットコムやAmazonのお世話になって買うだけ買ったものの、全然読んでないんだからしょうがない。
あの頃、私はただのコレクターであった。
今の方がしみじみマンガが好き。
読んで自分の血肉になっているマンガが。
一生読まないかものマンガを持っていることについては、ミステリだって好きなものは目につく端からブックオフなどで買ってるけど「積読の堆積層の底の方はどうしようもないんだよん」って悟った。
10年で悟りは開ける。

まずはこれ。
「美味しんぼ」既刊111巻。
特に終わったとも聞いてないが、もう10年近くまったく動いてないんだから事実上終わってるんだろう。
父、海原雄山との和解もとっくに済んでることだし。
子供3人育てながら夫婦ともに新聞社の同じ部署でフルタイム働いてることの謎しか残ってない。
今のグルメブームを作った偉大なマンガではある。
登場人物みんな、出てきた時とは別人になってるよ(おチヨさんとかは別格)。

22年7月3日

昨日から始まったauの電波障害、今日の夜の日付が変わる頃、ようやく通じるようになった。
40時間以上に渡る大障害であったらしい。

私としては外と隔絶された気分にもあまりならず、困ることもそれほどなかった。
おう、丁度その頃、息子の配信公演のチケット取ろうと新しいアプリを入れて登録したり料金の支払いをしようとしても入会済みにならず、ログインもできないんで少し困ってたかな。
電波障害が始まってても10時間以上気づいてなかったし、そうと知ってからも私には「キャリアがつながらない時、Wi-Fi下でできることとできないこと」の区別がつかない。

「あ、そのせいかなぁ」とせいうちくんに相談してみて初めて真相がわかった。
回復するまで待とう、って思ってたら今夜はもうくたびれちゃった。
たまには小さく遭難するのもいいだろう、なんて高尚っぽく考えてすぐ寝たよ。
ホントはただ、もう起き上がるのが面倒くさかっただけ。

今日のマンガは超長編シリーズでジョージ秋山の「浮浪雲」全112巻。
副題の漢字はだんだん難しくなって、しかもコミックス本体のどこを見ても書いてない。
今思えばググって「浮浪雲タイトル読み方全網羅!」みたいな奇特な人を見つけたってよかったんだが、10年前の私にはそれほどのネット知識はなかった。せいうちくんにも。
辞書ソフトで調べまくり、途中から最終巻までは表紙にローマ字の読みが入るようになって大助かり。
この巻は「きつ」のまき、だ。
床屋さんやラーメン屋さんにぽつんぽつんとかけらがある、って状態で若いころから来てるもんで、一度でいいから全部通して読んでみたいと思っていた。
漫喫とかで途中まで行けてたから余計にまとめて読みたくて、自炊を始める大きな後押しのひとつになったのは他の作品と同じ。
スケベでモテる強いおじさんの無敵物語。
男の夢って意味では島耕作と同じなのかもね。
島耕作はスケベでも強くもないが、モテるぞ。

22年7月4日

あいかわらず忙しそうなせいうちくん。
朝は私が寝ているうちに出かけ、夕方帰ってきた時もイヤホンつけて会議しながらだった。
玄関の音に「おかえりなさーい」と言っても「ただいまー」と帰ってこない時はたいがいそうだ。
例外は「聞こえてない時」。
このマンション、内部は妙に声が通りにくい。
廊下から書斎に声かけただけで、もう聞こえてない時がある。
普通のマンションの室内の廊下だよ。
書斎のドアが開いてて、音は2、3メートルの間で1回室内に入る手間しかかからないんだよ。
壁材や床材に吸収されてたちまちすやすや眠ってしまうらしい、空気の振動たち。

息子から「お父さんの忙しいのが終わるまで、泊まりにいかない方がいいのかな?」と連絡があった。
「お母さんが寂しいなら、僕は今週ならいつでも行けるんだけど」と言ってくるってことは、カノジョが留守なのかな?
聞いてみたら案の定、日曜まで沖縄に旅行中らしい。
水曜に私が少し都心寄りの病院に行くからその時なじみの喫茶店で待ち合わせし、一緒に家に帰ってお泊まりにしよう、と相談がまとまった。

思いのほか早く息子と話す機会ができた。楽しみ。
ただ、「2人ともなんだかテンパってるからごはんとか一切期待しないで。食べたいものは自分で買ってきて」と言っておく。
実家に帰るメリットがほぼない、と思われたことだろう。
まあ親孝行精神を発揮してくれ、と自分たちにないものを人に求める姿勢。

今日のマンガは魔夜峰央「パタリロ!」既刊104巻。
90巻あたりで買うのも読むのも挫折してるから、全巻追えてるとは言えない。
いつか終わったらブックオフの百円棚で欠落を埋めよう。
パタリロの顔や体形がつぶれていく、なんて有名すぎる話だろうな。
「花とゆめ」で始まった頃は美しくお耽美なマンガだったんだが、これほどギャグだったとは。

22年7月5日

風強くして涼しく、しかし湿度がだんだん上がってきた日だった。
湿度60を超えると体力を削られるのに、もう80台に乗ってるじゃないか。
除湿だけかけておくか。

息子がいつものようにひと晩泊まりではなく明日から2、3日泊で来てくれるらしい。
カノジョは旅行中だし下北沢に行く用事なんかもあるんだろう、親孝行のついでに都内にいようってつもりかな。
埼玉住まいの彼にとって、うちは都内での活動を支えるスポットのひとつだから。

せいうちくんはまだまだ忙しい。
それでも息子が数日いるのは嬉しいみたいで、料理の時間があるすきに、といそいそとカレーや焼きそばを作っていた。

特養に入所したばかりのせいうちくんのお父さんはガールフレンドができたせいか、落ち着いてきたらしい。
でもコロナ陽性者が出たので各自自室にいてください、とお願いしても「ここに図書室はないのか」と言いながら出てきてうろうろしちゃうんだって。
せいうちくんがお母さんに連絡し、読みそうな本を見繕ってもらって明日出社した帰りに実家に寄ってピックアップし、施設に届ける算段をしていた。
お父さんが本を読みたがるとは思わなかったとか向こうに図書室があるかないかとか、家族の立場でもいろいろ見落としがあるもんだなぁ。

今日のマンガは尾田栄一郎「ワンピース」既刊102巻。
いつか読もう読もうと思いながら最新巻を買い続けるも、いまだ手つかずの未踏の大海原だ。
5年ほど前に読み始めた頃、心臓の手術等で何だか急に忙しくなり途絶してるので、主人公がゴムのように伸びるとか「海賊王になる!」と張り切ってたぐらいしかわからない。
時々聞く評判では、胸アツの仲間愛満載みたいだ。
読んだらきっとすごく元気が出るんだろうな。

22年7月6日

比較的涼しく、しかし湿度はかなり高い日の外出。
久しぶりに電車に乗って心療内科の定期通院だ。
帰りに息子とおち合って、一緒に家に帰る手はずになっている。
テレワークで1mmの隙間もないせいうちくんから、追加の食材買い出しも頼まれた。
運搬機であると同時に牛乳の大量消費者の息子とスーパーに寄って牛乳を買い足す。
とても正しい行為だね。

ドクターにここのところのせいうちくんの忙しさ、そのための2人ともの激やせなどについて話す。
「なので今、きちんとお話しできてるかどうか自信がありません。テンションが高くて余裕がなさ過ぎて、自分や外のことが見えてないんです。細い細い筒から世界を見ているような気分です。今日はそれ以外お話する力がありません」となんとか説明した。
ドクターは大きくうなずき、
「大暴風雨の真っ最中なんだね。今はただ、難破しないことだけ考えてください。どこへ流れつくとか方角を見失うとか、今は気にしないで、沈没さえしなければそれでいい」って。
「私は主人に何もしてあげられず、代わりに食事を作ることすらしません。お互い、あるものを適当に食べて過ごす日々です。でも、『うさこが足りないよぉ』って廊下ですれ違う時にぎゅっとハグしてくるので、そこだけは栄養補給してあげられてるかもです」と言うと、
「それで充分。あなたは海の女神で、ダンナさんの守り神。いるだけで力になれるんだから、いてあげてください。あなたが生きていてくれることが僕の願いでもありますと伝えてください」と力強く答えてくれた。

「よくそこまでちゃんとまとめて話してくれました。無事な航海をして、また2週間後に!」と励まされ、薬をもらって病院を出た。
息子からは何度か連絡があり、「もう駅まで来てる。ただ、埼玉の自分ちに投票券が届かない、実家にも届いてない件について、役所に聞きに行ってから喫茶店に行くね」とのこと。
遅れるかもしれないが、混んでて待ちが出ることもある店だから、私が少し早く着くぐらいの方が気が楽だ。

雨が降り出しそうでまだ降らない空の下、駅前の喫茶店に入った。
幸い八分ほどの入りで奥にいくつか空席がある。
入り口が見通せる場所に座って落ち着き、息子にメッセージを入れると、「もうじき着くよ」と返信。
実際、数分で現れた。
私のオーダーしたアイス・オレが来て、まだ口をつける間もないぐらいだった。

「あー、お待たせ―。元気だった?」とニコニコしてる息子は、メニュー見ながら「カレーセットにしようかな」。
「父さんがカレーと焼きそば作っといてくれたよ。これから数日、けっこうカレーが続くよ?」といちおう注意喚起したが、彼の言い分は「カレーは食べる場所ごとに違う食べ物」だった。
まあいいや、ここのはビーフカレーで、うちのはチキンカレーだ。
牛丼と豚丼ぐらい違うんだろう。私には違いがわからない。

涼しい、穴倉のような喫茶店で息子は美味しくビーフカレーを食べ、私はアイス・オレを飲んでのんびりおしゃべりをした。
本格的かつ個人的な話は家に帰ってゆっくり、と思いながら。

1時間ぐらい経ち、これからのロードマップを相談した。
「ここから近いからTOPSのケーキ買って、ついでにいつでもつまめるよう鳩サブレ買って、電車乗って家の駅前のスーパーで牛乳と野菜買って、そこにタバコ売ってたらあなたと私の数日分のタバコ買って、もしなければ途中のコンビニで買う」
「OK!」で店を出る。
財布渡したら支払いをしてきてくれて、ちゃんとレシートもらってくれた。
こういうとこは気が利く。

鳩サブレがウェストに変わるとか、タバコは息子が自分の分は持ってるし私も家にまだあるから、それに彼は毎日どこかに外出するようだから、と割愛しつつ、ロードマップをほぼ相談通りにこなして帰宅。

スーパーで買い物してる時、息子が「お母さん、ちょっと先行ってて」とどっか行った。
飲み物とか好きなのあるのかな、と目で追うと、私も気づいてた車椅子のおばあちゃんに近づき、話しかけてる。
すぐ戻ってきて、
「お手伝いできることないかと思ったんだけど、つきそいの方がいらっしゃるから大丈夫、って」と何でもないように言う。
ボーイスカウトにいたことあるからって何気なくできることでもない。

あとで家でゆっくり聞いたら、特に意識はしないでしてることだそうだ。
「可哀そうに思うんでしょう、とか、人と違うから?とか相手の人が思うかと考えてしまい、自然には手が出ない。困っている様子ならお手伝いするけど」と言うと、
「そんなことまでは考えないなぁ」と心底のんきそうに言っていた。
私たちよりかなり偉いな、と思った。

会議が続いててせいうちくんがなかなか顔を出せない中、「家のカレー」を食べたり、アイスコーヒーを飲んだりする息子よ、世間的にはそれ、2時間ぐらい前に食べてたのと同じメニューだからね。
それと、食事の間が短すぎるだろう。
「カレーはおやつ」なの?

沖縄旅行中のカノジョからマンガ「遊戯王」の作者がちょうど彼女の来てる市内の海で亡くなったと知らされ、大ショックな息子が、
「こんな時は『ブルース・ブラザーズ』を絶対観たい」と言っているのにまとまった時間が取れない。
ゆとりがなくて申し訳ないが、彼も勝手に本やマンガを読んでいる。

うすうすお察しいただけると思うが、このハイテンションの中、息子が何泊もしていくと思うと、嬉しいと同時に荷が勝ちすぎる。
なので、やっとせいうちくんが参加できるようになったあとからの息子との時間をくわしく書いてる余裕がない。
楽しい。
しかし1日目夜、到着5時間後にして、すでに「思ったほどサービスよくないなぁ」と考えてる私がいた。
実家でのびのびする、って経験がほとんどないので、息子の心持ちはわからない。
せいうちくんからは、
「あいかわらず、息子に何を期待してるの。来て帰るだけだよ。僕は彼がいるだけで楽しいけどね」と笑われる。
いつもの家族の像だ。

今日のマンガは水島新司の「あぶさん」全107巻。
これも終わってて、しかも全部通して読めてるので大満足だ。
しまいに仙人みたいになっている安武景虎、通称「あぶさん」。いわゆる酒仙か。
私に野球を教えてくれたのは水島新司だった。
梶原一騎×川崎のぼるの「巨人の星」はむしろ野球を誤解したまま成長するモトだったよ。
(「パ・リーグはセ・リーグの2軍なんだ」とか「阪神とか大洋とか他の球団は、巨人と試合するためにあるんだ」とか思い込んで20歳を越えちゃった)
息子が水島新司の「ドカベン」から入ったのはありがたかったかも。

22年7月7日

七夕。
全然気づいてなかった。
晴れていたのか降っていたのか、それすらわからない。
自分が締切と決めてる時間の4時間前に急いで書いてるからだ。
(この日記はそういうものなの)

日付が変わる頃に仕事終わったせいうちくん、ばったりと気絶するように寝てしまった。
やっと息子と映画を観るまとまった時間ができた。
「ブルース・ブラザーズ」は彼のベストスリーぐらいに入るお気に入りらしい。
私にとっての「ジーザス・クライスト・スーパースター」みたいなもんかな。

真ん中へんでに息子が眠くなったらしく、
「今日はこのへんにしとこうか」とアマプラを消した。
なんだ、中途でやめるのアリなのか。だったらもっと早くつき合ってたのに。
なんだか頭がぐるぐるして何もできないや。

今日のマンガは青山剛昌「名探偵コナン」既刊101巻。
まだ最新巻までは追えてない。途中で買うのをサボってる。
よくこんなにいろんな事件を考えつくなぁってのはTVドラマの「相棒」とか「科捜研の女」と同じ。
そして、いつ高校生に戻れるのか、コナンくんこと工藤新一!

22年7月8日

息子は9時に起きて何も食べずにお出かけ。
帰りは夜中になるって。
私は10時に眼科で視野検査。
やはり緑内障だと言われた。すでに暗点が見られるそう。
今後注意深く通院すべし。
「単なる高眼圧症」と診立てた千駄木の眼科医はヤブだったのか。いいおじいさんだったのに。
せいうちくんは6時に起きて仕事。
ほとんど父と息子の会話の時間がないよ。
昭和のお父さんはこうだったのかな。

16時過ぎか、選挙活動中の安倍元総理が銃撃されたとのネットニュースを受信した。
大ショック。
別に安倍さん全然好きじゃなくて、人となりをそれほど知らないのに失礼ながらかなりアホらしく感じていたんだが、テロの標的にされるとは、大きな悲しみと怒りと情けない気持ちがこみ上げる。
日本はそういう国に戻っていたのか?
戦前のように、政治的影響力の高い人が暴漢に襲われる国なのか?
選挙の前日というのがまた考え抜かれている気がする。

息子に速報を流すとやはり衝撃を受けてるようだ。
彼は転居届の隙間に落っこちた状態で、今回は投票券をもらえない。
「声を上げるチャンスを1回逃した!」としきりと残念がって、うちにある選挙公報をじっくり一生懸命読んでいた。
この事件にはあれこれ思うらしく、「また陰謀論があれこれ出てくるね。当分ネットは見たくないな」と言ってきた。
夜に死亡の速報が流れた時も、「おそらく現場での心肺停止状態は『ほぼ即死』だったけど発表できなかったんだろうな」と思いながら知らせた。
「お2人は大丈夫?ざわざわしてない?」とかえって気遣わせてしまったので、とりあえず大丈夫、と返事する。

せいうちくんはきっと今夜、息子と顔を合わせるまで起きてはいられないだろう。
前から休みを入れようと思っていた日で、実際休んだんだが、休んだ日だろうが土日だろうがそこはあまり関係なく、入る仕事は入る。
出かけないで済むだけありがたいのか。
その代わり、休日とも思えない中途半端にたくさん会議が入ってる状態で過ごしてた。

今夜は恒例のZOOM飲み会も無理かもなぁ。
少なくとも始まり方はほぼ決まっているが、誰が、どのように、何を言うだろう。
思想信条が極端に違う人はいないからケンカには絶対ならないだろうけど、不謹慎にはなるだろうな(笑)
(こんなとこで「笑」と書くだけで不謹慎な気分。なんとか吹き飛ばしたいのでZOOM飲み会、ちょっとだけでも参加したい)

今日のマンガは長編シリーズとりあえず最終回の、さいとうたかをの不朽の名作「ゴルゴ13」、なぜか作者本人が亡くなってからも続く殺し屋ゴルゴ13の物語。
すでに「さいとうたかをプロダクション」の作品になってるおかげらしい。
いろんな版があって混ざってるので、ここまでコンプリートできてるかどうかはわからない。
完全終了して、手塚治虫みたいに全集が出るまで待つべきなのかも。
OL時代、近所の貸本に数日おきに通って10巻ぐらいずつ借りて読んでたもんで、しまいに店主のおじさんが「大丈夫ですか?」と心配してくれた、それを自炊以来持つことができるのは本当に幸せ。
もうこれ以上、好きな本やマンガを処分するのに耐えられなかったんだ。

今週紹介した7作のうち、さいとうたかを、水島新司、ジョージ秋山はこの数年で鬼籍に入った。
訃報に接した時は非常に驚き、嘆いたものだが、「子供のころからずっとお世話になってきたマンガ家さん」がバタバタ亡くなる年代だ。
手塚治虫なんて早すぎて大ショックだったが、自分が彼の享年の60歳を越えて3年近い。

長編シリーズは、自分が持ちたい本がスペースの関係で全部持てないという問題を自炊を導入することで完全に解決できた証だ。
当初はデータが破損するのを恐れ、5個ぐらいのハードディスクに毎月ぐるぐる書き換えてたが、今では外部のサーバーを利用することで保存性は増している。(家でのデータ書き換えも続けてるよ)
電脳時代、万歳!

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