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年中休業うつらうつら日記(2023年2月25日~3月3日)

気になっていた上から下からの内視鏡検査も無事に終わり、大きい以外は特に問題のない私の腹。コロナにかかる気配もなく、基本健康なのか不健康なのか、自分の揺らぎを感じます。せいうちくんの留任が正式に決まり、今なら何でも買ってもらえそうな勢いですが、宝石もバッグも興味ないからなぁ。「全巻買ってあげようか」の方がよほど目が輝きます。でももう欲しいマンガは日常で買いまくっていてスペシャルなものは残ってないんですよね。平和です。

23年2月25日

年に1度ぐらいは胃と腸の内視鏡検査を受けておいた方がいいと主治医に言われ、内視鏡専門クリニックに行ってきた。
前日の検査食から始まり、夜は錠剤の下剤をのみ、今朝は早起きして5時から2時間かけて2リットルの下剤を飲む。
ほぼ理想の状態に出来上がり、タクシーでクリニックへ。(鎮静薬を使うため、自家用車も自転車も禁止なのだ。どのみち車は持ってないが)


血圧を測り、おくすり手帳と突き合わせて薬剤の相談をし、既往症などを聞かれて、いざ股割れパンツに着替える。
不織布で織ったようなこのパンツを、もう何回履いただろう。
心配そうなせいうちくんにスマホと腕時計を預け、狭いベッドに横たわったまま診察室に運ばれていく模様。
せいうちくん、ちゃんとついてきてくれてるかなぁ。
喉に軽い麻酔液を使ってマウスピースを嚙んでの口からの胃部内視鏡、下からの大腸内視鏡、両方とも鎮静剤を入れての検査だったのでぼんやりしていて全然苦しくはなかった。

経鼻と経口、どっちが好きかは非常に好みがわかれているらしい。
喉の奥を突っつかれてもあまりえずかないタイプなのでそっちの方が楽に感じる。
逆に、鼻の奥はなんかつーんとするって言うか、くしゃみが止まらなくなりそうなんだ。

下からの内視鏡は四の五の言わずに入り口は一つしかないわけでそういう悩みはないんだが、今回、寝る前に本来禁止のバウムクーヘンを2切れ食べたのが未消化だったのか、はい、正直言って「腸壁にへばりついた便を夫に見られた女」になりました。
「掃除しなきゃいけないせいか、下水道をブラシで洗う時みたいにえいえいって出し入れしてたよ」との証言もあり、道理で前の時はせいぜい押される感じぐらいしかしなかったのにやけにぐいぐいくるなぁと思っていた。
まあそんなのも鎮静剤下のことで、あまり気にしていない。

結果もすぐに聞けて、胃はまったく問題なし。
大腸は前回に比べて少し色が悪いそうだ。「大腸の顔色が悪い女」(笑)
普段のんでる薬の影響などもあるそうなので気にするほどのことはないと。
大内くんがつきそってくれていたのでとても安心して受けられた。
股割れパンツ代と思われる500円を余分に取られたが。

知人の経験談を聞くと「看護師さんを押しのけて病院のトイレに駆け込んだ」「激しい腹痛で自宅トイレから出られなくなり、その日の検査は中止となった」「腹が破けるかと思うほどの激痛を感じた」などつらい経験があるようだが、日頃から非常に消化の速いタイプなせいか、そういう困り方はしなかったなぁ。
皆さんも積極的に内視鏡検査を受けてくださいね。怖くないですよ。
でも、前日のおやつは消化が良く見えてもほどほどにね。

23年2月26日

昨日、大腸内視鏡の検査のあと、
「なにしろ空っぽにしたわけですから、1週間ぐらいは便が出ないこともありますが、ご心配なく」とわざわざ言われたのに、翌日からもう平常運転の私の腸。
いいことなのか悪いことなのか。
1週間出ないような人は宿便が溜まるんだろうか。

外出が堪えて少しだるい以外は何事もないのでせいうちくんとテレビ見て遊ぶ。
先期の「死神さん」というのが非常に面白い。
「おっさんズlove」で一世を風靡した田中圭が、今回は暗~い不気味な警察官を演じている。
あのチワワタイプの坊ちゃんからは想像できない人物像だ。

ついでに観てる浦沢直樹の「漫勉neo」も面白い。
おかげで渡辺航の「弱虫ペダル」読み始めちゃったよ。
島本和彦の熱気の正体も見た気がする。
実は稼業の社長を継いだホノオモユル。
まずは見た目からなのか、手塚治虫にそっくりのメガネにベレーで、アシスタントを叱咤激励していて、何となく笑った。
しかしやはり絵は上手い。

23年2月27日

心療内科の面談に、せいうちくんが一緒に来てくれた。
今年で閑職に回りヒマになるはずだったのに留任となってしまったため、2人とも少なからずショックを受けているからだ。
もうこうなったらドクターとせいうちくんで話し合ってもらわないと、私には不可知要素が多すぎる。


通り道のパン屋で取り置きのお願いをし、続いて久しぶりのタイ料理屋でパッ・タイとカオソーイをそれぞれ食べ、本丸のクリニックに向かう。
とても具合の悪そうな女性がお母さんと思しき人と来ていて、
「おうちに帰りたい」「こわい先生?」とか細い声で何度も何度も聞いていたのが気の毒だった。
声やしゃべり方を聞いていると中学生ぐらいなんだが、通る時にちらっと見えた横顔は30代ぐらいだった。お母さんも70代に見えた。
親はいつまでたっても子供の心配から逃れられないんだなぁと胸が締め付けられるようだった。
初診らしいその母娘は時間がかかるからだろう、我々あとから来たのに先に診察室に呼ばれてしまった。

ドクターは言う。
「先週奥さんにも話したんですが、僕は辞めるって選択もアリだと思ってますよ。ただ、それだと彼女が『自分のせいで会社を辞めざるを得なかった』ってこれはこれで悩みますからね。あとはどれほど仕事をしないでいられるかです。どのくらい仕事を減らせますか?うさこさんは1か0かの人だから、すべてを失ったような気分になってますよ」
せいうちくんも答えは考えてきていた。
「先生のおっしゃった50パーセントは難しいですが、仕事の時間を80パーセントにすること、夜の付き合いなどは一切出席しない、なるべくテレワークをする、そのへんでもう20パーセントですね。〆て60パーセントです」

「じゃあ、3分の2だね。そこはダンナさんにまかせて、私が残りの3分の1を引き受けましょう。(私に向かって)それでいいですか?」
こくりとうなずくと、
「何もかもダンナさんと僕にまかせください。自分も頑張ろうとか良くなろうとか考えないこと。あなたの場合、心から休養するのが何より大事なんだから」
ううう、そう言われても、2人が私のために頑張ってくれてるんだから何かしなくっちゃって思うんだよね。

「あなたは何も悪くない。ただ、環境が悪くて病気になっただけ。そこをとやかく言う人の方がおかしいんです。病人は寝て、病気を治す。やりたくないことは一切やらないでください。せっかくダンナさんと僕が頑張っても、あなたが休んでくれなかったらなんにもならないんですからね!」
ああ、厳しめに言われてしまった…

というわけでせいうちくんはもう1年働く。
家庭の事情を勘案して、抜ける手は抜く。
そして来年には今度こそ閑職だ!

「いい先生だね。あそこまで患者さんのことをしっかり支えてくれようとしたお医者さんは、僕、初めて会ったよ。先生の気持ちを無駄にしないように僕も頑張るから、キミも思いっきり療養してね。まだまだこれから長い人生の黄金期が待ってるんだから」とやけにハイなせいうちくん。
頼りにされて、使命感に目覚めちゃったのかな?


帰り道で、行きに予約しておいたパンを買って(それ以外の欲しいものは全部買ってあった)、今日と明日はパン祭りだ。
せいうちくんに夕食の支度をしてもらわないで済むと思うと、晴れ晴れするよ。
ただ、パン食べると非常に簡単に太るんだけどね…

23年2月28日

「今日で2月も終わり、明日からは3月だね」と話していたら夜の空気にあたりたくなったので2人でその辺を散歩してきた。
空気が生あったかくてほわ~んとすると同時に心の奥で不調を感じる。
だいたい春は不調なんだ。


「ふるさと納税」の返礼品として「あまおういちご大福」が来た。
こないだ新宿に行く用事があった時に大好きな「鈴懸のいちご大福」を買い忘れたので、帰り道ずっと息子妻のMちゃんに愚痴っていたのだった。
Mちゃんもいちご大福は大好きだそうなので、ぜひ今度鈴懸のいちご大福を食べさせてあげたいと思う。

ふるさと納税の方は、いちご大福の中身がこしあんじゃなくて生クリームなのはいかんと思う。
やはりここはこしあんだろう。
あまおうも思いっきり小粒で、市場に出した高級品の残りを上手に流用してるのかと勘繰ってしまった。
まあ「北海道とろ~りぷりん」は美味しかったし、日頃食べないものを返礼品でもらうと言うのもなかなか面白いものだ。
「自分へのプレゼント」?って感じで。

来週の週末は新宿にいちご大福買いに行って、その足で大宮を訪ねて渡してこようかなぁ。
あいかわらず、女が絡むと俄然やる気が出てしまう。


先日壁に貼った木製世界地図、国と州のピンバッジが届いた。
真っ先に日本にピンを差し、あとは行ったことのある国々に。
・香港はもう中国なのでない(だからって広い中国にピン差しするのも気が引ける)。
・バチカンは小さすぎて差す穴がない(サルディニア島に差しておいた。イタリアの一部だしローマの向かいっ側だから)
・韓国に出張で行ったのは大内くんだけ(私もトランジットで降りたから、いいか)
・息子が行ったニューヨーク州と私が行ったコネティカット州は近すぎてピンが2本立たない。(そのへんの適当な州に差しておいた)
・新婚旅行で行ったシンガポールとマレーシアには堂々と差せた。

寂しいところはいくつかあったけど、ずらりと並んだバッジを見ていると海外への憧れが広がる。
地中海クルーズなんて行ったら島にたくさんのピンが差せそうだ。
知人にはアメリカの州を全部回ったなんて猛者もいるからなぁ。
彼んちにこの地図があったとしたら北米全制覇に旗が林立するだろう。
今後少しでも増やしていけるといいなぁ。

23年3月1日

1日にはいろんな申し込みが始まる。
せいうちくんが年に1回ずっと続けている勉強会みたいなのを、今年は引っ越しもしたことだし図書館のイベント室を借りてやりたいのだそうだ。
その抽選会があるので、一生懸命申し込みをしていた。

それからお義父さんの面会の申し込み。
私も行くつもりだったんだが、会社の帰りに寄ってくるから来なくていいそうだ。
まあ、私の顔もいきさつも全部忘れてるっぽいから、行かない方が平和かな。

青池保子の「アル・カサル-王城-」全13巻プラス外伝1巻を読み終えたせいうちくんは少女マンガの底力にやたらに感心していて、いつかは同じ作者、同じ登場人物が関わってくるスピンオフ的な「修道士ファルコ」と「ケルン市警オド」も読みたいそうだ。
しかし彼の中にも順番というものがあるらしく、とりあえず今読んでいるのはおかざき真里の「阿・吽」全14巻。

これもどストライクだったようで、
「マンガはここまで来ているのか…スゴイ」とうわごとをつぶやきながら相当なスピードで読んで、かなりあっという間に終わってしまった。
「『阿・吽』がスゴすぎて他のおかざき真里が読めなくなっちゃってる人が多いんだけど、OLの恋や仕事を描いた『&』や『サプリ』も十分いい作品だと思うよ。少なくとも『阿・吽』を描く基礎をしっかり固めてると思う」と意見しておいたが、とりあえず沙村広明の「波よ聞いてくれ」既刊9巻を読みたいそうだ。
私が勧めてないのになんでiPadに入っているかと思ったら、彼は彼で沙村広明を買い集めていたのだった。
遅れを取るわけにはいかない。
有り余るヒマを武器に、私も参戦しよう。

23年3月2日

「『このマンションの今の持ち主の名義は今誰ですか?』って聞く電話がかかってきたの。すごい悪い企みに巻き込まれてるんじゃないかしら」とお義母さんが訴えてきた。
せいうちくんが家族信託をしているから、名義人はせいうちくんに変わってるんだよね。

お義母さんが知らなかったのは、登記簿というのは誰でも閲覧することができ、特に不動産屋さんとか業界の人は届を出してPCから一気に見ることさえできる点。
価値の高いマンションであれば全室登記簿を見て、所有者が変わっていれば持ち主が住んでない場合がよくあり、そうすると交渉次第ではその部屋を投機や賃貸の対象にすることもできるかもしれない。
信託に出されているものなんて、誰も住んでなくて空き家だってこともあり得るし。
「眠らせておくのはもったいないですよ。うちにまかせてみませんか?」って寸法。

あと、不審な電話がかかってきたのは「高齢者家庭への不審者電話防止」のために自治体が「この電話は迷惑電話防止のために録音されています」とアナウンスする機械をつけてくれて、そこをかいくぐった強者だけが会話を進められるのだ。
もちろん非通知はシャットアウト。

どうやら先日マンションの修理の関係で停電があった時、その機能がオフになってしまったらしい。
ナンバーディスプレイが出ないので気づいたお義母さんが出入りの電器屋さんを呼んでセットし直してもらった、それまでの間に忍び込んだ非通知の迷惑電話だったのではないか、とせいうちくんがなだめていた。
「セールスの電話なんてかかってきたことないわよ」とお義母さんは言うが、それはほぼすべてが電話機のフィルター機能ではじかれているせいだと思う。

さらにお義母さんはNTTの電話帳はもう何年も前に「ゴミになる」という理由で断っていたが、自宅電話番号を載せないように、とは頼まなかったらしい。
せいうちくんが軽くググったらお義父さんの名前から住所から電話番号から全部出た。
これは、今すぐ止めた方がいいだろう。

ということで何事でもなかったのだろう、と結論が出て、やっとお義母さんも安心したようだ。
しかし「老女がひとり暮らししているのが知れたら危険。お父さんが特養に入ったなんて、私、誰にも言ってないの。あんまり言わない方がいいんじゃないかしら」と心配している。
老人の1人暮らしは大変だろうなぁ。
日頃せいうちくんに「だんだんお母さんだけでは対処できないことが増えてくるよ。あなたもいろいろ心構えをしておいた方がいい」と忠告しているのだが、「事が起こってから考える」主義のせいうちくんは、今のところお義母さんが静かにしていてくれる自分にとってのつかの間の平和を乱されたくないようだ。
まあ、もめる時はいっぺんにもめるものだからなぁ、と林真理子原作のドラマ「我らがパラダイス」を観たりしながら考えている。

23年3月3日

スーパーでハマグリを売っているからもうじきひな祭りだなぁと思っていた今日この頃。
せいうちくんは「60パーセントぐらいの力で仕事をする」「夜は仕事や宴会を入れない」「妻を不安にさせない」って主治医の前でカッコよく約束したくせに、もう、「ちょっと仕事のメール見てくる」とか言って書斎に引っ込んでしまうようになった。
昔の「風呂敷残業」の頃もめんどくさかったが、会社と同じ型のPCを買って家で仕事をしたりするような時代が来て、今やテレワークで、皆さん忙しいのかなるはやで答えを出してなるはやでメールを読んでもらおうとする。
そうすると夜の12時頃にメールが来てせいうちくんがそれに対応する、ってなことも増えるのだ。

「仕事がプライベートに入り込んできている。オンとオフの区別がつかない。『テレワーク時間が終わったら仕事をしない』ってのもドクターとの約束に入っていたはずだよ」と泣きそうになっている私を見て、せいうちくんも「どうしてもの仕事がある場合は別として、気軽にPCを開けすぎている。これはもう、クセになってる」と判断し、しない方向に努力する姿勢。

日々暮らしていくだけで大変だ。
ただ、今日は1年以上ぶりにマッサージに行ってきたせいもあって体がゆるんで、それに伴って心も少しゆるんでいる気がする。
うまくお金を使って心身のケアを万全にしていかねば。

さらについでに美容院にも行った。
順調に伸びてボブヘアに近づいている。
息子の奥さんも、そのお母さんも、私も、女性軍全員が秋の結婚式を楽しみに髪を伸ばしているのだ。
なにやらほのぼのする状態ではないか。


ところでつい半年ぐらい前に木尾士目の「げんしけん」全21巻を読み返したばっかりだったのに、続編の「Spotted Flower」が出てるのを知らなかった。
マンガ友達ミセスAが買ったというので初めて認識した。
というか、その作品自体は読んでいたのだ、大昔に。
それからずいぶん経って「げんしけん」を買って読んだので、まさか続き物のスピンオフを先に読んでしまったとは全く気づかなかった。
「オタクな夫と非オタの妻の夫婦は大変だなぁ。うちは両方とも半端なオタクだから大丈夫なのかしらん」とのんきに読んでた。
班目さんの牙が出てないのがすべて悪い。

続編と知らされ、あわてて「げんしけん」をまた読む羽目に。
しかもAmazonでググったら、3巻までしかないと思っていた「Spotted Flower」はいつの間にか5巻まで出ており、さらにおまけにもうじき第6巻が出そうな勢いだ。
中村明日美子も描いてることだし、雑誌「楽園」を購読すべきだろうか?!

途中まで買って放っておいてあるマンガがたくさんあり、中には途中からKindle版しか出さなくなっちゃったものなどもある。(Kindleは中古の値引きがないので、集めるのは苦しい)
それに、自分としては家で丁寧にスキャンした画質の方がKindleの画質より好きなのだ。
かなりどうでもいいマンガをなりゆきで買う場合(代表作は庄司陽子の「生徒諸君Kids」)とか希少で生本は手に入らないがなぜかKindleだと時には0円で買える(松苗あけみなどがよく出る)ものは少し持っているが、基本Kindleには手を出さない。

マンガの世界が今もまだ動いている。
しかも予想もつかない方向に。
友人と話していても「ほぼ全巻無料で読めた」などの声を聞くことがあり、電子書籍の宣伝用とは言えバラまくなぁと感心したりする。
我々亡きあと、スキャンしたデータはどうなるのだろう。
とりあえず30年分ぐらいクラウド代を払って外部に預けておいて息子とその子供に読んでもらいたいが、クラウドサービスだってどうなってるかわからない世の中だからなぁ。

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