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年中休業うつらうつら日記(2023年5月27日~6月2日

23年5月27日

せいうちくん、MRAを受けに行く。
すごくうるさくて寒かった、というのが初MRAの感想。
小さな脳梗塞などを調べるもので、結果は2週間後。
人間、この歳になると何度かは気づかない程度の脳梗塞等を起こしているそうで、それほど心配はしていない。

帰りに買い物に回ってくれたおかげで私は出かけずに済んだ。
待ちに待った何もない週末だ。何しよう。
結局、録画してあるTVドラマとか観て過ごしてしまう。

先期にやっていた「女神の教室」というロースクールを舞台にしたドラマを観てたら、学校の建物や周辺にどうも見覚えがある。
果たして、エンドロールの「撮影協力」の中にICUが入っていた。
前にも「空飛ぶユニコーン」で使われていたなぁ。
学生が少ないのでロケが楽で、広くてちょっと日本離れした雰囲気があるからだろうか。
「大学時代にもっと自分の大学にいて、勉強しておけばよかった」などと遅すぎる反省に襲われる。
せいうちくんの大学の部室に通い詰めていたおかげで楽しい青春だったから、あまり後悔すまい。

せいうちくんはせいうちくんで、ロースクール制度のアカンさを述べ立てたうえで、退職したら法律の勉強をもっとしたいなどと恐ろしいことを言う。
せっかくヒマになるんだから、遊ぼうよ。
もちろん1日に数時間、互いに本を読んだりする時間はあるだろうが、それ以外は他愛ないおしゃべりをずっとしていたい私なのだ。
でももしかして、そんなの3カ月で飽きちゃうものなのかな。
どうもせいうちくんの引退後のイメージが持てない。
本人はなおさらそうらしく、「とりあえず1カ月ぐらい好きなだけ寝倒す」ぐらいしか考えていなかったそうだ。
勉強したいのもいいが、データ化しまくった本を、その時こそ読みたまえよ。

昨日の定例ZOOM飲み会ではGくんとせいうちくんが車中泊用の車を共同出資して買う話が再燃していた。
というか、2人ともすっかり買う気になっている。
車種の相談とか、たくさん走ってて安い中古とあまり走ってなくて高い中古とどっちがいいか、熱論がくり広げられていた。
長老が時々、
「新古車(事故などで、いきなり売り払われた真新しい中古車)はやっぱりちょっとなぁ」などと意見をはさむ。
やっぱりいきなりぶつかってガタが来てるからだろうか。

いずれにしてもネットを見て今そこに出ている車をポンと買うわけではなかろうから、実際に中古屋に通って「おっさん、今日はいい出物ない?」とかツーカーの仲にならないといい中古車には当たらないだろう。
オトコノコたちは車が好きだなぁ。

こないだ息子に会った時、「車買うかも」と言ったら、
「せっかく車を売った意味がないじゃん」とあきれていたが、いや息子よ、用途が全然違うのだよ。
家で使っていた車は毎週の買い出しとか近所に行く用が圧倒的に多かったが、今回は「車中泊」というレジャーを楽しむために買うのだ。
実用品ではなく、娯楽用品だ。
おまけにうちのマンションの駐車場はべらぼうに高いので車をあきらめたが、今回買う車はGくんちの庭先に置いておいてもらえる。
車検なども2人で出し合うにせよ、所有するための費用はずいぶん抑えられる。
まあ、今の若者は車を持つことに興味がないそうだから、しょうがない反応かもしれない。

いっぺん師匠抜きで車中泊をやってみようと思って、6月末にハイゼットを借りてひと晩過ごしてみるつもり。
車中泊用の装備(カーテン等)はGくんが貸してくれるそうだ。
その前に横浜に用があるのでそのあと埼玉のGくんちに行くと言ったら、
「それで群馬の山奥に行くんだろう?どうしてそんな無駄な動きをするんだ!」と叱られた。
彼は「ひと筆書き」のように同じ道を通らずに車を動かすのが大好きなので(むしろそれ以外のやり方を憎んでいるかも)、同じ道路を2度通るなどという行為は無茶苦茶いやがる。
午前中に横浜に用事があるから、車借りるついでに行こうと思っただけじゃん。
師匠、厳しい…

23年5月28日

本日も何の用もなく、買い物まですませてしまったのでひたすらごろごろする。
せいうちくんとこんなにゆっくりするのも久しぶりだなぁ。


彼は今、山下和美の「不思議な少年」全9巻を読んでおり、あまりに内容が深いので時々「うーん」とうなっている。
私は何度目かの「鬼滅の刃」を読んでる。煉獄さん、やっぱりカッコいい。


マンガ友達のミセスAから図書館で借りたらしい本の目次が送られてきて、反戦的なその本にはいろんなマンガ家の反戦作品が載っており、その中に「秋元治」の名があった、というのだ。
「こち亀を描く方でもこういうマンガも描かれるのですね」と驚いていた。
我々は驚かないなぁ、何しろ「こまわりくん」で一世を風靡した山上たつひこが「光る風」なんて描いてたのを知ってるから。
(「がきデカ」より「光る風」を先に読んだ記憶がある)
デビューした時のペンネームが「山止たつひこ」だったほどのファンである秋元治が反戦マンガを描いていても全く不思議ではない。
と言うか、昔のマンガ家はみんないっぺんその辺を通過してるのだと思う。

せいうちくんとそう話しながら自分ちの書庫フォルダを見てみたら…なんと我が家には山上たつひこの「光る風」がない!
絶対昔、サンコミックスのやつとか朝日ソノラマの文庫版のとか持ってたのに。
自炊作業の間に紛れて裁断はしたがスキャンせずに捨ててしまったのだろうか。
2人で真っ青になり、すぐにAmazonに飛び込み、サンコミックス版を購入した。
それほど高いものではなかった。
うーん、こんなところに穴が開いていたとは…

「お、この山上たつひこは持ってないね」とついでに買った「枕の千両」が届いて驚いた。
マンガだとばかり思いこんでいたが、小説なのだった。
いがらしみきおとの共著で「羊の木」を描いた時、てっきり山上たつひこが絵でいがらしみきおが原作なんだろうと思っていて、絵を見て「山上たつひこは相変わらず狂気だなぁ。いろんな絵柄にチャレンジし続けていて、エライ」とか思っていたのだが、実はいがらしみきお・作画であった。
「ぼのぼの」しか知らないので、彼にあんなスゴイ絵が描けるとは思ってなかった。

その「羊の木」の一部に山上たつひこが小説を書いていた。
それがあるからよくよく注意して買うべきだった。
なんとなく筒井康隆を思わせるようなツンとくる狂気があったが、さて、「枕の千両」はどうなんだろう。
ついでに発掘した山上たつひこ本から、萩尾望都が描くこまわりくんを上げておこう。


23年5月29日

整形外科へ行く。
両手指の痛みがなかなかとれないので、リウマチか膠原病を疑っての血液検査をした、その結果を聞きに行ったのだ。
幼児の頃にリウマチ熱を患ったのでリウマチにはなりやすい。
しかし、検査結果はどちらも陰性であった。
よかった!

じゃあ、このずっと続く指の痛みは何でしょう?と言うと、こじらせた腱鞘炎ぐらいしか可能性はないみたいだ。
鎮痛ジェルを日に3、4度塗って様子をみる。
もう3カ月は痛みが続いてるんじゃないかな。

23年5月30日

山上たつひこの件で萩尾望都を引っ張り出してきた関係で、彼女の著書「一度きりの大泉の話」と竹宮恵子の「少年の名はジルベール」を読み返す仕儀となった。
出たばかりの頃は興奮してしまったが、今回は少し冷静に読めた。

少女マンガ界の大物2人がもう50年ぐらいずっと、少なくとも萩尾望都の方では口もききたくない関係であると知ったのはショックだった。
少年マンガのトキワ荘のように少女マンガには大泉サロンがあったと無邪気に信じていたし、ほぼ常に並び称されてきた2人の大作家がまさかずっと水面下では無言のケンカを続けているなんて想像もしていなかったからだ。
女子中学生ならそんなこともありそうな話だが、2人とも立派なマンガ家で、少女マンガ界を牽引してきた。

そう、あまりに女子中学生っぽいのだ。
最初はAさんとBさんが仲良しだったのに、AさんがCさんにBさんを紹介したらBさんとCさんの方が仲良くなってしまい、2人で親しく夢を共有するようになった。
Aさんはあまり気にしない性質だったので「ああ、2人は気が合うんだな」と思っていたら、突然いわれもないことで3人の仲良し関係は崩れ、BさんとCさんは共同戦線を張ってAさんを責めた。
わけのわからないAさんは「きっと自分が悪かったのだろう」と黙ってグループを離れ、その思い出を封印して、二度と2人とは口をきかなくなった。
よくある女の子の仲違いだ。

しかしオトナの世界ではそれだけでは終わらず、Cさんは今頃になってあたかもグループの崩壊が自分の狭い嫉妬心から来たことのように反省してみせ、その時代を美しく回想した本を出した。
世間はAさんとCさんに対談やインタビューの申し入れをする。
Aさんとしては「あちらの方とは関わりありませんので」と断るしかない。

私は元々竹宮恵子より萩尾望都のファンなので、あの物静かな、しかし恐ろしいほど芯の強い女性を怒らせ、あまつさえマスコミの力を使って「政治的」に解決しようとした竹宮恵子を決して快く思っていない。
そう、竹宮恵子は良くも悪くも「政治家」なのだ。
「芸術家」ないしは「職人」の萩尾望都とは発想が根底から違う。
そう簡単に「手打ち」のできる相手ではないのだ、萩尾望都は。

さまざまなチャレンジを経て「ポーの一族」に戻ってきた萩尾望都を、心から尊敬している。
40年前に終わって、それでよかったんじゃないかと考える読者も多いだろうが、私は、今度こそ作者本人が納得するまでエドガーとアランの時を旅する物語を紡ぎ切ってもらいたいと期待している。


23年5月31日

今日はもう6月だと勘違いして夕飯にピザを買ってきてしまった。
まだ5月なので5月分の家計にカウントされるわけで、赤字に拍車がかかるじゃないか!
サザエさんが夜中にちゃぶ台でそろばん片手に苦悩汗をかいていた図がよくわかる。

今はまだせいうちくんに収入があるからいいが、早く彼と思いっきり遊びたいので、あまり収入のない生活に入ることを覚悟している。
とりあえず現在の家計だと年金だけではやっていけないので、あちらこちらから削って数万円を節約しなければならない。

お茶をペットボトルで買うのはやめて「緑茶パック」でポットに作る、スマホは格安SIMにする、マンガを買うのは新巻だけにして、古いものをセット買いするのはやめる、ぐらいしか思いつかない。
昔は緑茶を自分で作っていたのに、数年前からペットボトルを箱買いし、コーヒーや野菜ジュースもAmazonで箱で買っている。
つまらないことだが、これがけっこうかさむんだよね。
ついでに息子の家にもコーヒーと野菜ジュース定期便で送ってるし。

今年でもう64歳になるので、年金生活感覚がどうしてもせまってくるのだ。
せいうちくんはまだ50代にぎりぎりぶら下がってるから私ほど深刻ではあるまい。
夜中にiPad Proを寝転んで見ながら、「ああっ、やっぱり飛鳥Ⅱは高い!MSCベリッシマだったら3分の2の金額でクルーズ行けるのに!」とか思っているのは家計とはまた別の脳みそというやつで、クルーズも行きたいが日々の生活はケチりたい、という矛盾の世界に生きているのだ。
ていうか、毎月の生活が年金内に収まらなかったらどんどん貯金を取り崩すから、結局クルーズに行けなくなるじゃないか!

親の代の年金生活を見てしまっているので「悠々自適」を絵に描いたような想像をしていたが、今のサラリーマンの年金は想像以上に少ない。
国が「夫婦で2千万、自分で用意しろ」と言い出すわけだ。
なのでお茶はペットボトルで買ってはいかん、と。

せいうちくん、「つみたてNISA」始めてくれないかなぁ。
なんとなくお得な響きがするんだが。

23年6月1日

昨日クルーズについて書いたが、私にとって老後の最大の愉しみは客船による世界一周だ。
そのために他の予算を削ってでも貯金をしてきた。
ドライブや寝台列車と同様、せいうちくんと同じ空間でおしゃべりしてるうちに別の場所に運ばれて行くのが大好きなのだ。
10年ほど前にはシベリア鉄道の旅も大真面目に考えていたが、まさか戦争してるからって理由で行けなくなるとは想像してなかった。
どっちにしろ本当に数カ月単位で時間が自由に使えるようになるのは5年後ぐらいなんだが、戦争が終わって落ち着いていたとしてももう自分の体力が許さないだろうな。
シベリア鉄道の旅って結構過酷なのよ。

その点、クルーズは楽。
毎日「くうねるあそぶ」の連続。
もちろん料金は高い。驚くほど高い。
1週間ほどのクルーズに2回乗ったが、貯金が「がくん、がくん」と音を立てて減ったものだ。
それなのに、この夏にまた行こうと思ってる。

日本発着(我々の場合は横浜)のクルーズは、外国船の場合必ず1か所は外国に寄港しないといけない。
飛鳥Ⅱやにっぽん丸のような国内船なら堂々と日本のまわりだけ廻っていられるが、ダイヤモンド・プリンセスなどの外国船は申し訳程度に近くの「海外」に寄港する。
青森や博多に交じって「済州」とか「釜山」が出てくるのはそのためだ。

今回初めて外国船に乗ってみようと思うわけだが、さて、船内は日本語で通せるのだろうか。
横浜発なんだから大丈夫だろう、という気分と、しかし外国船だからなぁ、スタッフも英語じゃないかなぁ、その証拠に「日本人コーディネーターが同行します」と書いてあるじゃないか、って気分の間で不安に揺れる。
我々のように英語のわからないおじさんおばさんに囲まれて、コーディネーターさんに取りつくこともできない絵が浮かぶ。

あと、外国船と日本船の最大の違いは「トイレと風呂」に表れる。
ダイヤモンド・プリンセスではジュニア・スイート以下のクラスの部屋には「温水洗浄便座(つまりウォシュレット)」がついてないのだ。
飛鳥Ⅱなら当たり前に全室ついてるのに。
同様にジュニア・スイート以下はバスタブがなく、シャワールームだけ。
露天大浴場がついてるのは感心としても有料で、「1回90分で1500円ぐらい」かかるのだ。(飛鳥Ⅱは「オール・インクルーシブ」で無料)
タダで大浴場に入れてくれる気はないらしい。
しかも水着を着て入るタイプ。(実はこれは大歓迎。せいうちくんと一緒に入れるから)
トイレと風呂について、日本人の感覚は特別なのかもしれない。

安いからって外国船で世界一周に行き、3カ月間ウォシュレットもバスタブもない部屋で暮らせるものだろうか。
大浴場がなくてもプールでごまかす?
ホントに日本人は風呂が大好きなんだなぁ。

何度もやり直せるものならキュナード社の「クイーン・シリーズ」に乗ってみたいとか夢はいろいろあるんだが、お財布の事情で生涯に一度しか行けない世界一周。
飛鳥Ⅱが快適で素晴らしいってのはもうわかってるんだが、世界一周は高いのよ。
バルコニー部屋で、外国船の倍かかる。
コーラル・プリンセスでジュニア・スイート取った方が飛鳥Ⅱのバルコニーより3割ぐらい安いほどだ。
学生時代にあんなにやったはずの英語をすっかり忘れてなければもっと積極的に外国船にチャレンジするんだけどなぁ。あと、風呂問題ね。

23年6月2日

明日は息子のコントライブが開かれる。
他の芸人さんやパフォーマーと一緒にインプロコントをやるらしい。
いつも20人ぐらいの箱でやっているのに、突然290人規模の劇場が取れてしまったらしい。
もちろんスカスカになるのが予想されるので、親も焦る。

興味を持ってくれそうな友人知人に声をかけたところ、快く足を運んでくれる人が12人見つかった。
もちろん木戸銭はこちらでお支払いするつもりだったが、「ただなら行く」と言い切ったGくんはむしろ例外で、「もちろん自腹で見せてもらいますよ」という人の方が多かった。
もう20年以上書いているブログを読んでくださっている人たちの中には、「息子くんはもう自分の甥っ子のような気分です」と嬉しいことを言ってくださる方もいる。

当日は息子妻のMちゃんも仕事が終わったら駆けつけるそうだし、息子に仕事を紹介してくれたことのあるKくんは「相手方の女性も見に来ますから、公演後、一緒に飲みませんか」と言ってくれた。
親の立場で仕事先にお礼を言うのはヘンかもしれないが、感謝し倒してこよう。

90人は入らないと赤字になって息子がかぶることになるらしく、こないだ話した時は「60人ぐらい」までは行ったらしい。
そこに我々が動員したお客さんと我々を入れて14人。
74人か。あと16人はもう埋まっただろうか。
そんなことまで心配したくないので聞かない方がいいんだが、顔見るとつい、聞いちゃうんだよなぁ。

本人曰く、「素敵な舞台になるはずだよ。皆さんに楽しんでもらいたい!」だそうだ。
台風が迫る明日、どうなるんだろう。
息子はかなりの確率で公演時に嵐が来る。
あるライブでは昼夜2回制だったところを、「台風が来て電車が止まるかもしれないから」という理由で夜のお客さんを昼に振り替え可能にしてしのいだ。
我々は頑張って夜の部も観たが、お客さんは5人ぐらいしかいなかった覚えがある。
そんな嵐を呼ぶ男、息子が明日、どんなライブをやってくれるのか、とても楽しみだ。

今週一番の驚き。
えーっ、幸村誠の「ヴィンランド・サガ」って全26巻で完結じゃなかったの~!!?
6月22日に第27巻が出る~!!


二番目の驚き。
6時にパチッと目が覚めて書斎へ行ったら、カーテンの開いた明るい窓の横、PCの前にせいうちくんがいた。
「いるなら起こしてくれればいいのに」と文句を言ったら、
「もう出かけちゃうのに起こしたら可哀そうだと思って」。
え、今、夕方じゃないの?朝なの?
今から1日が始まるの?だるい~!
思い出してみると確か眠ったのは4時なんだよね。
2時間しか寝てない。なのにこの目覚めの良さは何なんだ。
そして、今感じているこの気だるさは眠気というものか。
明日の朝は柳家喬太郎さんのチケット争奪戦に参加しなきゃいけないから、いまのうちに昼寝しておこう。
定例ZOOM飲み会もあるしね。

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