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年中休業うつらうつら日記((2023年2月4日~2月10日)

関東でも大雪の予報が出ています。ただいまぼたん雪になって積雪中。せいうちくん会社に行っちゃったけど、無事に帰ってこられるのかしらん…心療内科を毎週から2週にいっぺんに減らせる程度には調子が戻りつつありますが、まだまだしんどい。せいうちくんに甘やかしてもらって何とか毎日過ごしています。

23年2月4日

薬のせいか、前夜のZOOM飲み会のことはあまり覚えていない気がする。
「もう寝るから」と何度も落ちては眠れなくて、またZOOM入り、といった具合で何度か出入りし、夜中になったらいつものように長老とGくんしかいなかったような。

早寝したかったのは、今日、友人2人と我々夫婦で恒例の「喬太郎さんを聴く会」をおこなったからなんだ。
年に2回のこのチケットを取るのがだんだん大変になってきている。
PC2台をフル稼働させての10分間の激闘に今回も無事勝つことができたのは何よりだが、いつか1人2枚限定のチケットを4枚入手するのは困難になりそう。
(10分で完売してしまうので!)

ここ数年膝を悪くしているらしい喬太郎さんは今日も演台付きで、でもそのわりには座布団の上で暴れてた(笑)。
前座から皆さん元気よく、明るい話ばかりの楽しい会だった。
柳家一門の「食べ物を食わせたらピカイチ」なところを堪能させてもらった。

聴いていておなかがすいたので、駅前を散策して見つけた雰囲気のいい書店に溺れたあと、これまたいい感じの喫茶店で香り高い曳きたてのコーヒー。
蕎麦屋さんの開店まで時間をいい感じにつぶすことができた。

蕎麦屋さんでは私以外の3人は最初っからぬる燗で始めてた。
日本酒党でない私だけ、シークワーサーサワー。
ウドの天ぷらやウドの味噌がけでウドかぶりだったが、ちょっとふらっとくる麻薬的な美味しさ。
牡蠣としめじの揚げ炒めも素晴らしい。
だいたいこの店は牡蠣がとても大粒で調理法も上手なんだ。

静かに流れるビートルズの生演奏BGMも含めてあれこれ堪能し、〆の天ぷらそばやとろろそばまで注文しすぎなほど食べたのに、頭割りしたら1人3500円。
いつものように「会計、間違ってないかねぇ」とひそひそやりながら落語代も割り勘にして各人6千円のコスパのいい日だった。

20時に家に帰りつく健全な会だったのだが、そこからあにはからんやの息子、泊まりの打診。
今日もMちゃんは実家か。お兄さんの子供たちの面倒をみるのも大変だね。
夜中に来た息子に、せいうちくんが飲みすぎて酔っ払って私が具合悪くなった話をしていたら、
「そんなにしたたかに飲んだの?」と言う。
「『したたか』は『したたかに酔っ払う』『したたかに打ちつける』というように『強く』、または『したたかな人』のように『粘り強い』意味で使う。飲むのは『しこたま』飲む、というように言う。なのでこの場合は『しこたま飲んでしたたかに酔っ払った』が正しいと思う」と伝えておいた。
息子はちょっと難しい言葉を好んで使い、時々やや間違っているので訂正は大事。
落語とか藤沢周平とか司馬遼太郎みたいな時代物を読むといいのではないだろうか。

「いつか老人ホームに入るとすると年金だけではまかなえない」話をしたら「入居一時金」と「毎月の支払分」を聞かれたので、それぞれ「2千万ぐらい」「40万円超」と事実を告げたら、「信じられない額だ」とつぶやいていた。
せいうちくんは「声に富裕層への憎悪がにじんでいた」と振り返る。
私が手取り15万円ぐらいで働き始め、退職して生活費をせいうちくんが稼ぐようになり、親からの援助は受けずに自分たちで貯金してマンション買ってやってきたその結果の話だ。
恨まれる筋合いはないぞ。

自分が実家の金銭的な問題に参加させてもらえず「おみそ」のままこの歳まで来たのがつらいので、息子にはできるだけきちんといろいろ話しておきたいと思っている。
しかしやはり、不安定な芸人として月10万稼げるかどうかの彼と同じ目線では話せないのかもしれない。
「一生の悲願として『世界一周の船旅』をしたいと思っている」と知ったら何と言うだろう?

23年2月5日

息子はめずらしく朝から打ち合わせがあると9時過ぎに家を出て行った。
来ると嬉しいが帰ってまた嬉しいのが孫と聞いているが、息子もどうやら同じようだ。

息子も今夜は大宮の自分ちに帰るし、今週は水曜あたりまでヒマなので結婚式についてとか語り合う時間をたくさんとれそうだと言っていた。
Mちゃんからも、せいうちくんが接待でもらったお菓子を回したお礼の中で、「今週はゆっくりできそうなので、式について話し合います」と言ってきた。

「アフロ田中」シリーズのひとつ「結婚アフロ」で職場の先輩が田中に、
「結婚式はオンナの風俗だ。オマエが友達に『どっちの店がいい?』って聞いて、『安い方でいいんじゃない?』と答えられたら気分悪いだろうが!いろいろ見比べて、選ぶところから楽しみなんだ!」と教えてくれるんだが、今の息子のまわりには若い人しかいなくてそういう血のにじむような生活の知恵を教えてくれる人がいなさそうなので困る。

せいうちくんもやっとアフロ田中シリーズを全部読んだので、息子とも私とも何なら息子妻Mちゃんともバッチリ話が通じる。
そう言えば、息子はアフロ田中と同じ29歳で結婚している。
アフロ田中の奥さん(Mちゃんよりは多少年下である)は結婚式の時すでにおなかが少し大きくなっていたので、こないだ会った時に、
「アフロと同じように事態が進むとすると、秋に結婚式を挙げる時、Mちゃんはウェディングドレスのデザインに少し悩むことになっちゃうねー」と言ったら、
「あら、ホントですね!(笑笑)」って感じだった。
まあ自由なタイミングでお願いする。

2人で少しごろごろしてもうひと眠りしてから、買い物に行ってみる。
来週はいつもの水餃子と、豚バラと白菜のミルフィーユ鍋、それ以外は全部ピザで行っちゃおう。

23年2月6日

1日何もしないのもナンなので、そろそろシップがなくなりそうだからと整形外科へ行く。
本当は早く両手指の腱鞘炎に注射打って治してもらいたいんだが、まだそこまでの症状ではないと言って毎回鎮痛ジェルをくれる。
朝晩よく擦り込んでおけって。
注射で劇的に治りたい~!

マンガ友達ミセスAから陣中見舞いのマドレーヌとフィナンシェのセットが届いた。
ここ数週間、日記がどうも不穏なのを心配してくれたらしく、LINEを使ってギフトを送るという難しいことをしてくれたのだ。
最近はアイスバー以外の甘いものを食べてなかったんだが、やはりマドレーヌとフィナンシェは洋菓子の王様だ。
ミセスA、いつも見守っていてくれてありがとう!

「アフロ田中シリーズ」を読み終えたせいうちくんは、精力的に山田芳裕の「望郷太郎」既刊8巻を読み始めた。
息子に勧められて私が読み、その私からの強いおススメである。
想像してたのと全然違う冒頭部に衝撃を受け、人類の文化史に思いを馳せながら爆読中。

23年2月7日

今日はホントに何もしなかった。
1日中宮部みゆき読んで、「ザ・ファブル THE SECOND CONTCT」最新巻が届いたのをいいことにマッハで読み終え、ついでに第一部第1巻から読み返し始めた。
せいうちくんはあいかわらずあきれている。
「最新巻が出るたびに、第一部の最初まで戻るの?すごい手間だね!」
だって何度も楽しめるんだもん。話はほぼ忘れてるから。

寝る前にせいうちくんが手渡してくれる薬を部屋の隅へ「ぶん」と投げやり、カランカランと錠剤が散る音を聞いて楽しんでいたが、もう気が済んだ。
私の中の子供なんだろうか、そういうことをしたがるのは。
毎晩寝る前にせいうちくんの胸に顔をうずめて泣き、嗚咽しているが、せいうちくんはぼんやりさんなので涙でぐしょぐしょの顔の私から、
「どうして『お薬のもうね』って言わないの?!」と詰問され、
「ああ、すっかり忘れてた」と答えるありさま。
でも、この慣れなさが彼の良いところかもしれない。
困っている私に寄り添い過ぎているせいで適切な処置を忘れてしまうんだろうから。
悪びれもせず一生懸命薬を選り分けてのませてくれるせいうちくんを見ていると妙に安心する。

23年2月8日

昼から元のマンション近くの古巣の皮膚科へ、そのあと心療内科へとカケモチの忙しい日。
間に大好きなパン屋さんで思いっきりパンを買おう!
天気は快晴。電動自転車でGO!

FBの広告に何度も出てくるから、どうしても欲しくなってついに買ってしまったウクライナ製のの木製世界地図がある。
どこの壁につけるか慎重に吟味して注文したら、今日届いたので大喜び。
休日にせいうちくんと一緒にゆっくり貼りつけようと思っていたんだよね。

なんとかつての行きつけの皮膚科の待合室の壁にでかでかと貼ってあった。(うちのはMサイズだけど、たぶんXLサイズ)
思わず受付のおねーさんに「あの地図、うちも買ったんですよ!」と無意味な報告をしてしまった。(ただ、そこの地図は日本中心主義だったが、我々はヨーロッパ中心主義で行くつもり。日本は右端の方)
ほっぺのやわらかそうなクールな女医さんに再び会えたのと同じぐらいの喜び。
先生、私のこと覚えていてくれて、
「あれ?今日は文京区の方から?」と聞くのは最後に書いてもらった紹介状が「適当なデカい病院にしとくわね」と文京区のどこかだったからだろう。

「もう仮住まいが終わって、ここからちょっと離れたとこに住んでます。普段は先生が『医大の同期』と紹介してくれた駅前の皮膚科に行ってるんですが、ちょっとそこの設備では難しい案件があってこちらへ来てみました。のんでる薬の中に副作用として『光線過敏』が出るものがあって、向こうの機械では深度とか強度とかが設定できないそうです」と説明した。
クールな女医さんはちょっと得意そうに、「ふふっ」と鼻で笑い、
「うちの設備ならできるわよ。それ以前に、レーザーじゃなくて窒素でなんとかなりそう」と手早く治療をしてくれた。
やはり女医さんはよい…向こうも覚えててくれて、よかった❤

そこから駅へ向かって北上する途中にたいそう繁盛しているパン屋さんがある。
常時行列ができていて、コロナに入ってからは「店に10人入っていたら外で待つこと」になっており、1人出てくると外の1人が入れる仕組み。
ちょっと並んで、ソーセージロングパン1本半、コロッケパン2個、あんドーナツ2個、チーズパン1個、ジャム&マーガリンのコッペパン3個買った。
お買い物袋は幸せでいっぱい。

そのままさらに北上して駅を回り込んでいつもの心療内科。
ここひと月ぐらい毎週1回来ており、せいうちくんが来ないのも久しぶりだ。
少し落ち着いてきた話をして2週に1回に変えてもらおう。

ところが、話していたらやはりぷつぷつと感情のあちこちがキレて涙が出てきた。
裸で風呂から上がってくる母や姉や父がイヤで、バスタオルぎっちり巻いて風呂場の正面の自分の部屋に逃げ込んでいたが、母に「家族なのに水くさい。ヘンよ。たまにはパパにおっぱいぐらい見せてサービスしてあげなさいよ」と言われていた。
女子高生になんてこと言うんだ。
父親は人間としてはまあまあ立派だったが助兵衛で、用もないのに脱衣所を開けたり風呂場を開けて「おう、入ってたのか」とか言うから気が抜けなかった。

「母や姉がベタベタさわってくるのもイヤでした」と悔し涙まじりにそんな話をしたら、主治医は驚いていた。
「そりゃ、もう性的虐待だよ。お母さんもお姉さんも、変だよ」と言ってくれてすっきりした。
腋毛の剃り跡を押しつけてきて「抜いて脱毛してくれ」と妹に頼むのも絶対にヘンだと思う。

眠りが安定しないので睡眠薬をもう少し欲しかったが、このドクターは薬はできるだけ使わない主義だ。
今、抗不安薬を増やしてもらってるだけでも大マケにマケてもらってる。
ガマンしよう。

せいうちくんはこないだの面談の時、
「(自分は)どうしたらいいでしょう」と問うて、
「別居しちゃう配偶者もいますが、そうすると患者さんが死んじゃいますね」との答えが返ってきたことを悔いていた。
「赤ん坊のように甘やかしたり抱きしめたりわがままを聞いたり、そんなことしかできませんがそれで十分でしょうか?」と聞きたかったのだそうだ。
「先生に、僕がビビってると思われた」と屈辱に震えていたのでその話をすると、
「いや、いろんな枝分かれをしていくってことですよ。お宅は一番いい形に落ち着いてますから、安心してます」だって。
でも、普通、こういう状態の妻を連れてくる夫は多少なりともビビってはいるんだろうな。
せいうちくんは私を見守ってくれるキャリアが長いからなぁ。

「あなたはよく頑張ってますよ。とにかくね、死なないようにだけしてください。また私のとこに来てください」と言ってもらって、おしまい。
処方箋をアプリで薬局に送り、また自転車に乗って帰り道で買い物をしていく。
「すがきやの味噌煮込みうどん」売ってるスーパーを見つけたんだ。
家族全員好きな味。(たぶん娘も、食べられたら食べる。今は口からものを食べないからわからないけど、乳児の頃の離乳食には食べてた気がする)

テレワークのせいうちくんが仕事してる書斎に飛び込んで「あー、くたびれたー!」。
丸々4時間以上のお出かけだったから、私にはキツイ。
仕事が終わるのを待ってピザ買ってきてもらって、今日は「テッパチ!」をラストまで観るぞ。

今、ほぼリアタイで観ているドラマは「どうする家康」「大奥」だけだが、先期以前からの積み残しを大量に持っている。
評判の良かった「エルピス」「silent」「親愛なる僕へ殺意をこめて」と観てきての「テッパチ!」になるわけ。
どれも非常に良かった。
テレビドラマって、盛り返してんの?
この次は「アトムの童」か「中島ハルコ」か。
うっかり「仕事人」と「藤枝梅安」で時間を食ってしまった。

23年2月9日

今日は何もしない日。
南勝久の「ザ・ファブル-The Second Contuct」第6巻が来たのでファーストシーズンの1巻から読み直している。
どうして最初、これが面白いと思えたのだろうか。
どう見てもラーメン屋でおっさんが膝に乗っけて汁よけにしつつ眺めてる系のマンガじゃないか。
勧めてくれたマンガ友達のミセスAの深い深い恩を感じずにはいられない。

今読んでて思うのは、「もう誰も死んでほしくない」ってこと。
どの登場人物も大好きになってしまった。
最初はうさんくさかった佐藤アキラを始め、敵対していたはずのアザミやユーカリだって今は親友のようだ。
組長になったカシラには、もう抱きつきたいぐらい好きだし、オクトパスの社長のタコちゃんもヨーコの想い人だと思うと大切でならない。
クロちゃんですら可愛い。
事の性質上、人が死にやすいマンガだが、今いるメンバーには一人も欠けてもらいたくない。

せいうちくんは山田芳裕の「望郷太郎」既刊8巻を読み終えて、ちょっと唐突に見える移動をして青池保子の「アル・カサル-王城-」全13巻+1を読み始めている。
ずいぶん前からの私の強いおススメだ。
スペインあたりの歴史に興味を持っているらしいからちょうどいいだろう。
2巻ですでに国王ドン・ペドロは病で死にかけたり毒母や悪い大臣らに陥れられたり脱獄して復権したり結婚したり一夜の情事のために離婚してヴァチカンも妻とその祖国フランスもついでに昔からの愛人まで怒らせたり、いやー、忙しいマンガだ。

こないだ息子が来た時、iPadで手塚治虫全集版の「火の鳥」を読んでいるのを見て、胸が痛んだ。
8年ぐらい前に蔵書全スキャンを始めた時、朝日ソノラマ版もほぼ持っていたのに、スキャンを急いで全集版だけ撮り、ソノラマ版は売ってしまったのだった…
今頃後悔し、年金生活に入る前に欲しいものは買ってしまおうと、いきなり大人買い。
化粧箱入り全12巻セット。
思えば鉄腕アトムもサンコミックス版で買い直したなぁ。
手塚治虫全集400巻はけっこうな罠だった…

23年2月10日

東京も大雪の予報が出て、果せるかな午前9時頃から降り始めた。
16時になってもやむ気配はなく、むしろどんどんぼたん雪になりつつあるね。
どうしてもの出社があったせいうちくんが帰ってこられるかどうか、心配だ。

名古屋の友人CちゃんからLINEが来た。
「1月のZOOM会以来ね」って、ひと月に1度ほど私の様子を心配して声をかけてくれる。
ありがたい友達だ。
今回は残念ながら「調子悪い~」と報告せざるを得なかった。

「そうか、しんどかったか。まだ実家のことが貴女を苦しめているんだ。今、いっぱい幸せを持っているのにやっぱり過去のことで苦しくなっちゃう。トラウマってやつか?」と心を寄せてくれた。
「あの実家って、私にとって何だったんだろう」という問いに、Cちゃんは、周囲の人の心を病ませる種類の人がいる、傷つく前に縁を切れ、と今なら言えるけど、家族は愛し合うものだという前提に囚われて、いつかわかってもらえるとかって期待を持ってしまうものだから、貴女が苦しむのも無理はない、でも今とこれからを考えて生きようね、と声掛けしてくれた。
これほど力づけてくれる友人や何よりせいうちくんのために、トラウマにとらわれる生き方、考え方をやめなきゃなぁ。
なかなかやめられないから困るんだけど。

でも最近、前ほど言葉や思考が自分の中をびゅんびゅん飛び回らなくなった。
気がつくとあまり何も考えてない。
こういう状態は経験したことがないので、とりあえず「良い状態」か「疲れ切ってる状態」なのか、様子を見ている。
もっとぼんやりしようとか、元に戻ろうとか、どっち向きにも努力はしない。
ただ、自然な状態を保つように心がけよう。

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