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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(22年12月3日~9日)

今週は元いた会社の同期会、遠方からの友人との食事、それから2件の通院があり、わりと活動的な週でした。日頃外に出ないので、くたくたです。それなのにこれから年末年始にかけての忘年会や新年会の企画を立て始めています。せっかくせいうちくんが8連休でも、4分の3、6日がなんだかんだと費やされる予定なわけで。気の毒なせいうちくん。でもまとまったお休みで気分だけでもリフレッシュしてもらいましょう。

22年12月3日

せいうちくんのお誕生日。プレゼントは特になし。ご馳走もなし。
私からの「誕生日おめでとう!」は0時を過ぎたとたんにZOOMメンバーに声をかけて一緒に放った。
画面の向こうから数人が「おめでとう!」と言ってくれて、せいうちくんも「ありがとう」と言っていた。
しかしこの歳になるとそろそろあんまり嬉しくないのかもね。来年は還暦だ。
ちなみに私はよしながふみ「きのう何食べた?」のケンジのように日が変わったらすぐに言いたいタイプで、せいうちくんは「朝になったら言おう」と思っていて忘れるタイプである。

金曜定例ZOOM飲み会では、北海道に転勤してるUくんが来週また仕事で東京に来ると言うので宴会のセッティングがなされていた。
来週の日曜か。私は金曜にコロナワクチン5回目を打つ予定だから、派手な宴会は避けておこうかな。
熱が出るかもしれないし、そもそもだるくなると聞くし。
そしたら長老に「そんなもんにひるむな!」と叱られ、うちのノルマとしては年末に我が家で忘年会することになった。
今年もZOOM忘年会かな、と思っていたが一番用心深かった長老がシンガポールから娘さんが帰ってきてひと月滞在して以来、「パリピと暮らしても大丈夫だった!」と妙な自信がついたらしくて、元のリアル宴会好きに戻ってしまっているのだ。

そうすると私も「朝からカラオケしましょうよ」って言っちゃうし、長老は「朝からなら、前の晩から泊まる。もちろん飲み会のあとも泊まる」と言い出し、どうやら2泊3日の宴会が成立してしまったらしい。
せいうちくんの正月休みが8日あると思って喜んでたんだが、そのうち3日が溶けるか。
年始には個人的に新年会もやりたいし、夫婦になってるかもしれない息子とカノジョが泊まりに来る約束もしてるし、ああ、忙しい。
「宴会だらけだ…」といささか茫然とするせいうちくん。
しょうがないじゃないか、休める時に遊んでおかないと、いったいいつ遊ぶんだ。

朝早起きして、来年上から下からの内視鏡検査を受けるクリニックに診察に行っておかねばならんので、早めにZOOMからは撤退。
しかしそれでも遅すぎたのか、朝、目覚ましが鳴った時2人ともとても眠かった。
「病院の予約、ネグっちゃえ!」と言い出したのはどちらだったか、いずれにせよ9時前に予約変更の電話を入れたのは私。
年末で混んでるんで、2週間後ぐらいの予約になった。
まあどうせ年内の検査は無理なので急がないよ。
今日は寝倒す!

せいうちくんが起きたのは18時半。
さすがに1人で起きてるのが退屈になった私に起こされた。
寝たの2時だよ!人間って16時間以上も眠れるものなの?
「こんなに寝ちゃった!休日が、溶けちゃった!」と驚き悲しむ本人だが、実は「身体がすっかり軽くなって、バリバリに調子いい」のだそうだ。
どうやら彼は疲れやストレス、不機嫌まで全部「眠い」に変換して、あとは充分眠りさえすればすべての不具合は解消してしまう体質のようだ。
ここんとこ年齢相応にしょぼくれてきたなーと思っていたのは睡眠不足だったのか。
仕事辞めて1日中寝ていられるようになったら、ものすごく元気でやる気のあるせいうちくんに戻ってくれるのかも。
楽しみに待とう。

ではこれからの時間を有意義に使ってNetflixで今観ている「ザ・クラウン」の続きを、と思ったところに息子から「お父さん、お誕生日おめでとう!」のメッセージが。
事前に息子には因果を含めてあったのになかなか言ってこないから、「忘れた?昨日言ったのに?!」とハラハラしてたんだ。
「息子も優しくなったねぇ」と喜ぶせいうちくんに、
「実は昨日、知らせておいた」と言って水ぶっかけてしまう私。
「ガッカリなんかしてないよ。キミと息子がそういう仲良しだってわかって嬉しいよ」と答えるせいうちくんは本当に人間が出来ている。

しかし、息子のメッセージは単なる前振りだったようで、すぐに続きのメッセージが来た。
「そして、今日の夜お邪魔することは可能かしら?」
ああ、やっぱり週末にカノジョが実家に帰ってて寂しいから実家を宿代わりに使おうって算段なのね。
「今日は疲れてるから、断る?」
「いや、僕としてはやはり嬉しさが勝つ。カレー作るからおいで、って言っておく」ときっぱりしたせいうちくん。さすが還暦直前の男。(関係ないか)

ここんとこ、毎週のように来るなぁ。
特に長期滞在が増え、前々回は3泊していき、前回は2泊。今回は1泊で止まるといいのだが。
わりと早い時間に来た息子は、今やってるパフォーマンスパブでの揉め事の続きを少し話してくれた。
よく話し合ってなんとか状態をキープしてるみたいだ。
疲れてるらしく大喜びでカレーを食べたあとは風呂入って寝ちゃった。
明日も、朝11時にはこちらを出なくてはならないらしい。
皆でそこそこの早起きをしよう。

今週のマンガは「誰もが知ってるあの名作」で行こうと思う。
通して読んだことない人でも名前は知っており、おそらくそこから派生したギャグや言い回し、パロディも知ってるような。


最初の1作は石森章太郎(描いた時は石ノ森じゃなかったから!)のあまりにも有名な作品、「サイボーグ009」全10巻。
聖典はこれだけだが、別の版だと全28巻あったりする。実はよくわからない。
初期作の全10巻だけでもせいうちくんに言わせると「6巻の『地底王国編』以降はいらない。あそこで終わっていたら本当に名作だった」のだそう。
戦争を起こし武器を売って商売する「黒い幽霊(ブラックゴースト)」にさらわれて改造人間にされ、兵器として売り出される予定だった試作品の009までのゼロゼロナンバーたちが科学者ギルモア博士を中心に反乱を起こす。
さまざまあってついにブラックゴーストを宇宙空間で倒した009を救出しに来たジェットで空を飛べる002も燃料切れ。
「ジョウ、君はどこに落ちたい?」の名セリフと共に大気圏に突入する2人。
地上では「戦争がなくなりますように」と流れ星に願いをかける姉弟。
このシーンのせいなのか、いまだに002と009に関して喜んで腐ってる人は多いようだ。
個人的には004が一番好きなので、とりあえず「ハインリヒ総受け」とかつぶやいてみる。

22年12月4日

息子を10時に起こして、カフェに朝ごはん食べに行く。
息子はいつものタイカレー、ライス大盛り。
私はクラシック・パンケーキ2段重ねでせいうちくんはプリンだった。
「お父さんに質問したいんだけど、資本主義はいつ頃からうまくいかなくなったの?」と聞かれたのはなぜだろう。
せいうちくんの答えも覚えてない。

ただ、息子は自分たちの活動を大きくしようとすると人やお金が集まったり動いたりする、それをコントロールできなくなると思うと不安みたいだ。
まあねぇ、集団ができると必ず参加だけしてみたいオッチョコチョイとか甘い汁を吸えないかと寄ってくる人とかズルして利益を得ようとする輩が出てくるのは避けようがないだろう。
そんな話を聞いて、
「純粋な気持ちで始めたことが純粋なままでいられないのをどうしたらいいんだろう」と嘆く彼に、とりあえず水野英子のマンガ「ファイヤー!」全4巻を勧めておいた。
読んだことある人なら私の言いたいことはわかると思う。

思いっきりハグして別れ、買い物して帰ってせいうちくんとぐんにゃりした午後を過ごす。
息子が来るのは嬉しいけど、いると話をしようと身構えてしまって疲れるのも確か。
せいうちくんにはそういう悩みはないようだけど、「うさちゃんと2人きりになりたいなぁ」とは非常に思うのだそうだ。
午後はゆっくり2人きりで過ごしたよ。


今日のマンガは藤子不二雄A「まんが道」愛蔵版全4巻。
意外かもしれないが、全編安孫子が描いているらしく、ちゃんと作者名に「藤子不二雄A」と書いてある。
あの暗い絵柄と太い線は確かに安孫子っぽいとは思う。
富山県高岡の中学で知り合い、同じようにマンガを愛し手塚治虫を神のように尊敬していた2人の少年が、憧れの大巨匠に会いに東京を訪ね、マンガ家になる決意を固める。
有名なトキワ壮も出てくる。
地方から東京に出てきた戸惑い、新人マンガ家としての苦労が実によく描けている。
息子が「最近、仕事がだんだん入るようになってきた」と嬉しそうだった時、
「自分のキャパシティとよく相談してね。『まんが道』みたいなことしたら、二度と仕事もらえないよ」と言うとすぐにわかったようで、
「あそこまでのことはしないよ~」と笑っていた。
浮かれて仕事を受けすぎて、ついに原稿を落としてしまうペアマンガ家「足塚茂道」。
逃げ込んだ故郷に矢のように届いていた電報がぴたりとやむ。
そこから彼らがどのように再びチャンスをつかむか、手に汗握る展開なので、自分が「オバQ」に、子供が「ドラえもん」にお世話になった人たちはぜひ読もう。

22年12月5日

昔に勤めていた会社の同期会、今年は入社40周年にあたるため盛大に行われた。
全部で5、60人は来ていただろうか。
大卒女子も10人ほど参加しており、何十年ぶりかの再会を果たした知り合いも大勢いた。
中でも同じ大学卒のLちゃんがこの同期会のためにアメリカからわざわざ来ていて、会えたのはとても嬉しかった。

その場に男子や9月入学の帰国子女たちを入れれば4、5人の大学同期がいたと思う。
うちの大学は学生数が極端に少ないため、4年生になって就職課に行き、壁に貼られた「前年の就職先」を見て2人入っていれば「ああ、ここは大口の就職先だな」となる。
なぜ82年はこれほど多かったのかわからないが、S社は「超大口の就職先」であったわけだ。

開場の18時半より早く本社ビル1Fのレストランについているつもりが、冷たい小雨が降っていてメガネは曇るし日頃引きこもり状態だから新宿過ぎるあたりでもう不安でドキドキするしで、とどめに品川駅構内で迷った。
35年前、通勤していた頃とは本社の位置も駅の構造もまるっきり変わってしまっているんだもの。
東京駅でも少し迷ったし。
でも、山手線ホームで電車がちょうど出てしまったところだったのを、向かいのホームに滑り込んできた京浜東北線でも品川には行けるはず!と飛び乗ったのは我ながら英断だった。
ちゃんと行けた。

そんなこんなで、レストランに着いたのは開場5分過ぎ。
すでに10人以上が集まって歓談している。
受付で会費を払っていたら一番会いたかったLちゃんがちょうど来た。
「L!」と名を呼ぶと、向こうも「うさちゃん!」と叫んで互いにハグした。
入社7年で退職したあと大学のリユニオンで1度ぐらい会った気になっていたが、彼女は参加したことがないそうだ。
ってことは33年ぶり?
FBでつながっていてMessengerでのやりとりはしたが、いつも彼女の「息子LOVE」な投稿には感激していたのだ。
まずそれを伝えたい。
 
向こうも、「うさちゃんとはすごく話したかったのよ!」と言ってくれるのは、おそらくこっちの息子LOVEもハンパないからだろうと思っていたが、その後ゆっくり話して彼女も娘さんに関して母親としてつらい日々を送った経験があるからだとわかった。
前にちらりと「娘が脳性まひで重度障碍者」と伝えたため、想いを共有してくれるつもりだったんだろう。
ありがとう、Lちゃん。
子供が元気でずっと生きているのがあたりまえじゃないと知っている親同士の絆を深めてくれて。

だんだん人が集まってくる。
最近離婚したとFBで知ったKくんに突撃取材を試みる。
「私に何も聞かれないとは思ってないでしょ?」
「うーん、もうあちらからいろいろ聞いてるだろうから」と言うのは、彼の元妻は大学時代私の後輩ルームメイトだったから。
「どうせあなたが悪いんで彼女は怒ってるだろうと思って、何にも質問してないよ。今日、あなたに会えるから聞こうと思ってた」
「うーん、まあ、長年のツケを払わされたってことですかねぇ…」
「Love affair?」
「いやいや、30年以上たって言うのもなんだけど、性格の不一致ってやつだねー」
このぐらいにしておこうか。

他の人に聞かれた時も、
「真相は永遠の暗黒の闇の彼方に持って行きますよ」と笑っていた彼なので、やはり夫婦のことは当人同士にしかわからないのだろう。
いつか彼女と「ルーム・リユニオン(寮の部屋仲間の集まり)」をして、憤懣があるようなら聞いてみよう。

女性陣で仲良くしてたのはとても同い年には見えない細くて美魔女なBちゃん。
話を聞くとどうもわりと近所に住んでるらしい!
「今度、駅前でランチでも!」と約束。
でもほっとくとKくんやLちゃんと英語でしゃべりはじめるので、「Don‘t speak in English!私はわかんないんだから!」とクレームつけてた。

同期で社内結婚したH夫妻、奥さんのNちゃんとは何度も会社リユニオンで会っている。
いつも幹事団に加わってくれるHくんにはせいうちくんが就職する時、大学の先輩ラインってよしみでお世話になった。
結局せいうちくんS社は落ちたけどね。やはり3年留年がまずかったか(笑)

やはり大学も同期のEくん、小柄だが全然体脂肪のなさそうな素晴らしい身体なので何やってるか聞いてると、週2回のテニスは欠かさないうえApple Watchで毎日の運動量を測って健康管理してるのだそうだ。
さすがエグゼクティブなサラリーマンは生活態度が違う。

結婚退職と言いつつ実はメンタルを病んで2度休職して辞めた当時の、同期だけど上長に当たっていたHMくんには当時迷惑かけて辞めたことをあいかわらずよく謝っておいた。
多分同期会で会うたびに謝ってる。
S社を辞めたあと鉄会社のエライ人をやった経験のある彼は、せいうちくんの仕事に興味を持ってくれる。
「あの世界は、いたからわかるけど工場も多いしトラブルばっかり。上は大変だから、早く辞めるのがいいよ」と破顔していた。

全体に、皆よく働く。
おおむね63歳ぐらいだろうメンバーたち、ほとんどがまだ何かしら働いている。
まだS社に勤務している人、と司会者が質問したら、10人ほどが挙手していた。
グループ会社・子会社を含めるとそんなにいるのか。
皆、もう定年過ぎだから外で働いてるんだと思ってたよ。

ピンでコンサルの仕事をしている、と言う同じ課にいたことのあるHUくんとけっこう長く話した。
ここで最初の休職をしたのだった。
「どういうことだったの?」と聞かれて初めて「ああ、メンタル病んで休む人が出ると会社は困るんだなぁ」と気づき、一生懸命に部署も会社もとてもいい雰囲気で、よくしてもらったこと、あくまで自分のプライベートな問題から病むに至っただけで、職場がブラックだったとかハラスメントがあったとかそういうことは一切なかった、と説明した。
「そうかー」と目に見えてほっとした表情を見せたので、やはり大迷惑をかけていたのだなぁとここでも謝り倒した。

「仕事ってものが、わかってなかったんだよね。責任もって仕事をする、自分が休んだり仕事しなかったら他の人が困る、任された仕事には興味を持って注力する。そんな当たり前のことが全然わかっていない子供だった。大学を出てすぐに働くにはあまりに大人になれてなかった」
そんな言い訳をする私に、HUくんは、
「オレもさ、今、1人で仕事してて、もちろん契約先とかはいろいろあるけど、人を使ったり動かしたりってのは向かないな、って思うようになったよ。今の自分はけっこうオレらしいな、って」と話してくれた。
「人生は結局いつまでも『自分探しの旅』の途中だね」と語っちゃったよ。

「マンガまだ読んでるって言うけどさ、どんなの読むの?」
「(あくまで一般向けに)鬼滅とかかな」
「オレ、あれ全然ダメだったよ。劇場アニメも観たけど、全然いいと思えなかった」
「煉獄さんがいいセリフ吐いて死んでも?」
「うん。まったく入り込めなかった。ワンピースもダメ。最初の巻の半分も読めなかったよ」
「うーん、マンガ脳じゃないのかな。じゃあ島耕作は?」
「あれは読めた。だって、わかる世界だもん」
「じゃあさ、同じ作者が描いてる恋愛短編集『黄昏流星群』をおススメするよ。ある1話がドラマ化されたこともある。それだったら50代から70代ぐらいの恋愛する男性の心理マンガだから、読めるんじゃないかな」
「ありがとう。今度、読んでみるよ」
こんなとこまで来て、何を布教してるのだ、私は。

女子が固まってるグループにも突進した。
よく知ってる子は4人ぐらいだったけど、皆、昔どこの部署にいたかとかで盛り上がってた。
男女雇用機会均等法施行2年前に入社した我々は、入社した時から男子とは差がついていた。
年数いれば出世するなんて保証は全然なく、ある部署には初の女性課長がいるそうだ!ってんで皆で見に行ったぐらいだ。
優秀な女性が多かった証左に、私が辞める頃には多くの人が退職し、雇用機会均等法が適用される再就職をしていた。
当時は「派遣社員」という働き方が新しくて合理的に思えたので、そちらに興味を持つ子も多かったように思う。
現在のように「ハケンさん」と呼ばれるイメージより「力を発揮できる仕事」ってイメージが強かったな。

転職を繰り返した子も多いのだろう、過去や今の彼女らの働き先を聞くとユニセフとか世界銀行とかモンテッソーリ保育士とか大学で教えてるとかモルガンとか、もーきらびやかでバリキャリ。
33年間主婦をしてる私は小っちゃくなってましたよ。
こういう場違いな思いをするとこにのこのこ来て相変わらずマンガの話しかしない自分はよくよくズレてるんだと思った。
もちろん専業主婦になった人もたくさんいるんだろうが、きっと来ないんだよ。

最初に配属された海外事業本部のプロジェクト課で、「一人前のプロジェクト屋に仕込んでやる」と同じ大学出身の課長(どうやらうちの大学マインドの社員が1人欲しかったらしい)に言われて、
「やりたくありません。5年6年先のことを計画するのは性に合いません。私はもっと今日やって明日結果が出るような短いスパンの仕事が好きだし、向いてると思います」と断ったのを思い出すと赤面する。
なぜ、入社するなり上司に「NO」と言えたのか、自分。

数年後、本社の部長秘書になった時も、数カ月やって部長に「秘書には向いてないと思います」と直訴した。
幸い向こうももっと秘書として有能な人が欲しくなったようで、「そのとおりだ」と言ってスタッフの一員にしてくれた。
英語がもうちょっと流暢だったら楽しい仕事だったと思う。
同期だけど指導者に当たるHMくんに、
「私、半年ぐらいしたら結婚するつもり。だからもっと仕事をしたいとか上に行きたいとかまったく思ってない。そこはわかっておいてもらいたい」と宣言し、結局その部署でもプライベートに調子を崩したのも恥ずかしい思い出。
会社生活に、恥ずかしい話以外何もないじゃないか!

「立食あるある」で話に夢中になっていたのでかなり美味しそうなイタリアンを前菜ちょっととパスタちょっとしか食べられなかった。
最初の乾杯のビール以降はお茶にしておいた。
開場は思いのほか暑く、途中でトイレでこっそりアンダーに着ていたヒートテックを脱いでバッグにしまう有様。
LちゃんやBちゃん、ハグした時汗びっしょりでごめんね。

せいうちくんが今日は出社してるので車を回して迎えに来てくれると言っていた。
開会前に幹事さんに「何時ごろ終了ですか?」と聞いたら、「21時までです。そのあと集合写真を撮るから、ちょっと延びるかも」と言われ、せいうちくんに「21時15分ごろに来て」とLINEで伝えてあった。
しかし実は集合写真は先に撮ってしまおうってことになったらしく、会の半ばでいったん全員集合して何枚かの写真を撮った。
なので散会は本当に21時だった。

でも名残を惜しみながらいろんな人に挨拶したり上着を着たりしていたら実際は15分ぐらいになったのでよかった。
Lちゃんにせいうちくんを紹介したいな、と思ったが、彼女は店の出口のあたりで誰かと熱心に話してる。
「Lちゃん、さよなら。またね!」と大声で言い、帰ることに。
建物内部をぐるっと回ってせいうちくんが待っててくれる正面玄関に来たら、ちょうど10数人の集団がロビーのS社製品の展示を眺めてから帰ろうとしていた。

その集団の少し後ろをついて歩く格好になったら、歩道脇にせいうちくんの車が待っていた。
「えっ、迎えの車?すごーい!誰?」と集団から声が上がるのを聞いて、顔に血が昇った。
やらかしてしまった。
もっと目立たないところを指定すればよかった。
そこへ運転手さんが「せいうちさまの奥様ですね?」と傘を差しかけてくれた。
後部座席右側のドアも開けてくれる。
お礼を言って乗り込んだら、せいうちくんがいた。
「お疲れさま。楽しかった?」

そこから自分がいかに無神経であったか、まるでうらやましがられるために夫の地位に付随してくる車を迎えに来させたような格好になってしまった後悔を縷々述べる。
「自分が何者でもないのを思い知ったからこそ、よけいにイヤな行為だったと思うよ。自分に車が来るならともかく、夫の威光にすがってのお迎えなんて!」とぶち上げると、せいうちくんはいつものように穏やかに、
「使えるものは使えばいいじゃない。僕だってこんな生活はほんの一瞬だよ。寒くて冷たい雨の日にキミを迎えに来られて、本当に良かったと思うよ。くたびれて、1人で電車でなんて、とても帰れないでしょ」と言ってくれた。

確かに本当にありがたかった。
「いつも主人がお世話になっています。今日はありがとうございます」とよくよくお礼を言う私を乗せて走り出す車は、運転手さんはさすがプロで、まるで雲に乗っているような軽やかで滑らかな走り。
少しも揺れない。
せいうちくんに今夜のあれこれを夢中で話している間に車に乗っているのをすっかり忘れるほどの乗車感のない運転だった。

1時間ほどで家に着き、運転手さんは外から私に開いた傘を手渡し、
「奥様はこちらをお持ちください」と言って、反対側に回ってせいうちくんに傘を差しかけている様子。
マンションの屋根部分まではほんの10メートルほどなので、傘を畳んでお礼を言って渡すと、「では失礼します」と見送ってくれた。

せいうちくんは毎日こんないい思いをしていたのか。
一緒に暮らしているとただのせいうちくんなんだが、知らないところで日々こんな扱いをされているとすると、ものすごく生活感覚が乖離しそうで、コワイ。
本人はどんなに美味しいお菓子を食べてもアカギのアイスバーを愛しているし、スーパーで売ってるものだろうが本格中華屋で買おうが「月餅に貴賤なし」と言って友人のミセスAからも「この庶民感覚を失う方ではありませんよ」と太鼓判を押されているぐらいなので、きっと変わらないつもりなんだろうけどね。
人間は、楽な方に流れるもんだから、心配。

こうして終わった「40周年同期会」であった。
かつてある大学に入学して在籍していたこと、ある会社で働いていたことをしみじみ思い出した。
そこで持っていた自分のプライドは実はあまり変わっていない。
英語がしゃべれなくなっても、ビジネスの話がわからなくても、私の頭の中では何万人もの私がいつもくるくると走り回っており、その1人1人がけっこう優秀だと自分では思っている。
束ねる主人格にやや問題があるだけだ。

ちょっとだけ名古屋のCちゃんにLINEで愚痴っちゃったら、「社会に貢献することももちろん大事だけど、死ぬ時に『あ~、いい人生だったわ。特段の悔いはない』って思える人が人生の勝者よ。貴女とせいうちさんはどちらも勝ち組だと思うわ」と返事をくれた。
さすがはCちゃん。
私のまわりは才女でいっぱいだ。


今日のマンガは雁屋哲・原作(おお、「美味しんぼ」の原作者がこんなところにも)、池上遼一・作画の「男組」全14巻。
男同士のただの殴り合いのケンカじゃなくて拳法を取り入れたのはこの作品が最初なんじゃないだろうか。
やたらに暑苦しい男の友情の中心・流全次郎と悪の権化・神竜剛次の戦い。
「旋風脚」とかこのマンガで初めて知った気がする。「軍艦島」の存在も。
思えば戦隊モノのような仲間構成だったなぁ。6人いるからちょっと余るか。
イケメン主人公、デカブツ、チビ、クールな知性派、武術者と泥棒の天才。
むしろRPGのパーティーの源流かも。
不良学生の力で不良学生を制する話は昔に本宮ひろ志が「男一匹ガキ大将」で描いてるんだけど、なんとなく「男組」の方がスケールが大きくて、好き。
単純にこちらの方がイケメン度が高いってだけかもしれない。

22年12月6日

珍しく連チャンで人に会う。
せいうちくんのまんがくらぶの同期男性が、京都の大学で教えていて4年前に京都に行った時に一緒に食事をした。
「う雑炊」を奢ってもらっちゃったのとまた会いたいのとで「今度東京に仕事で来ることがあったら会おう」とせいうちくんが言っておいてくれて、今回やっと好機が巡ってきたのだ。

うちの駅前で待ち合わせたWくんとすぐそばの、ファミレスより少しグレードが高い程度のイタリアンの店に行く。
ごめんね、手持ちはこんなんしかないんだよ。
それでも白ワインを1本頼み、あとは2人分のコースのパスタを大盛りにしたうえでポルチーニ茸のリゾットをつける。
パスタとピザを1種ずつ選び、なんだか炭水化物まみれだね。

少しやせたようだが元気そうだった。
もともと太ってる人ではないうえ、聞いてみたら6年ほど前にはフルマラソンを走ったんだって。
今もランニングはなるべく続けているとのこと。
「でも、走ってて3回コケたから『年取ったなー』って思う」と言う彼に心の底までは同調できなかったのは、まず日常生活で走る、って感覚があまりに遠いからだ。
歩行者用の信号が点滅しててもバスがまさに発車しようとしていても、決して小走りにすらなれないのが今の我々だからねぇ。
しかし人それぞれに前の自分より老いて衰えた、とは感じるものだろうから、もっと「お互い、歳だねー」と相槌を打つべきだったよ。

親の介護のこと、家庭のこと、どの家も同じような悩みを抱えているなーと感心してしまうほどだった。
特に男の子ってのはどうしてこう、さくっと自立しないんだろうか。
奥さんは大学に行く息子が昼まで起きないので相当イライラしているらしい。
「それはね、Wくんは出勤しちゃうからわからないところなんだよ」と言ったら、嬉しいのか驚いたのかわからない顔で、
「まさに、それを言われる!」と反応していた。

「せいうち家は仲が良さそうで、いいね」と言われた。
そんなに夫婦になるとうまくいかないものなのか?
30年ほど前、京都での結婚式に招待されて見た奥さんはとてもほがらかで優しそうだった。
今はけっこう対立が多いらしい。
温厚なWくんからすると、「私はそれほどうるさいことは言わないんだけどなぁ」って感じらしいが、よく話し合ってるつもりの我が家でも「せいうちくんが私の気に入るように行動したがって困る。もっと自分の好みを前面に押し出してほしい。そしたら話し合いで決められる」なんてケンカをしたりするから、何の衝突もなく仲良し、ってわけにはいかないんだろう。

あとは男性軍2人が仕事の話で盛り上がっていた。
建築工業の教授と鉄会社勤務は話が合うところ多数なようだ。
興味深く聞けたのは研究室への予算のぶん捕り方。
共同研究してくれる民間の会社を探したりするらしい。
Wくんはそういうの苦手で、あまり楽しくないようではあったが。

食事が終わったところで徒歩10分ほどの我が家に来てもらう。
そこでケーキを食べ、紅茶を飲む。
実は内心「うちって片づいてるでしょ。せいうちくんがモノを捨てまくるから」と自慢に思っていたのだが、Wくん曰く「うちの方がモノが少ない」。
奥さんはミニマリストで何か買ってもあまり身辺に置かず、すぐ捨ててしまうそうだ。
それはそれとしてお買い物を消え物としてエンジョイしている、たとえば観劇に行ったりコンサートや遊園地に行ったりと同じような消費の仕方だから、いいんじゃないだろうか。
京都在住の友達がやはりミニマリストなもんで、なんとなく京都にミニマリスト多し、って気がする。
そもそも京都ってごてごてしてないからね。

今から池袋のホテルに戻って明日は八王子で仕事があるという彼に、
「じゃあ泊まっていきなよ。池袋に戻るよりここからの方が八王子には近いよ」と勧めたが、ホテル取ってしまってるせいか遠慮なのか、どうしても首を縦に振らなかった。
40年来の知り合いとけっこう好きであるという日本酒でも飲んで、青春時代を思い出せばいいのに。
次はいつ会えるかわかんないよ。
この歳になると、どの会話が最後になるかわかんないんだよ。
Wくんもせいうちくんも週半ばにも至らず、飲み明かすわけにもいかないから煽ってもしょうがないか。

でも楽しかったので、また10年後ぐらいに会えたらいいね。
その時はWくんと仲の良かったせいうちくんの義弟も呼ぼう。


今日のマンガは武論尊・原作で原哲夫・作画の「北斗の拳」全27巻。
「ひでぶ」とか「オマエはもう死んでいる」とか、知らない人はいないんじゃないだろうか。
胸に北斗七星の形をした7つの謎の傷跡を持つ男、ケンシロウ。
あとは北斗神拳と南斗聖拳を知ってれば充分だと思う。
息子の最初のギャグの持ちネタはラオウの死に方だった気がする。
拳法マンガ大ブームが来たのはたぶんここから。(「男組」では少しインパクトが足りなかった)
その後出版された外伝シリーズを見るに、一番女性に人気があるのはジーザス・クライスト味がたまらないトキなのでは。
コミケにはケンシロウとラオウの薄い本がたくさんありそうだ。
あと、映画の「マッドマックス」シリーズって絶対これ読んだ監督が作ってるよね。
息子が何かを「ぶろんそんっぽい」と言った時、我々の頭には「う~ん、マンダム」しか浮かばなかったが息子の脳裏には「武論尊」という変換以外なかったようだった。
たぶん武論尊さんは男臭さを出したくてそういうペンネームにしたんだと思うが、そこまでは次世代に伝わってないのだろうか。

22年12月7日

今日は5年前に亡くなった高校時代の親友Oくんの誕生日だなぁ。
彼も、生きていれば63歳か。
さまざまに夢を語った高校生活を思い出し、それぞれ別の地方の大学に行ってからの文通を思い出す。
15年近く前に共通のやはり親友と言っていいMくんが亡くなってからは東京にいる友人たち2人に声をかけて、せいうちくんも混ぜてもらって毎年5人でMくんを偲んだ。

何年も会ってなかった人たちがお焼香に行って顔を合わせることになった時、
「これからどうする?毎年飲み会やる?」と聞いたら、現実主義者のOくんが、
「そのうちこの中からまた偲ばれる人が出る。毎年会ったらいいんじゃない?」と提案してくれて、年に1回の行事となった。
彼もまさか自分が真っ先に「偲ばれる」立場になるとは想像してなかっただろう。
11月に1人、故郷の名古屋に帰ってしまった。
もう彼らに会うことはないのかもしれない。

心療内科の通院日でもあった。
月曜に同期会、火曜に京都からの旧友と、人に会い過ぎて疲れましたと言う私の話をうんうんと聞いてくれるドクター。
それでも前ほど悪い状態ではないと思うそうだ。
(しかし逆に「もうずいぶん良くなってますね」とは決して軽々に言わない人でもある)
「まあ、最初の方で出た息子さんの結婚話が進んだ件とか、いい要素がたくさんあるよね。来年は大きな変化の年になりそうだね」って。
「車が迎えに来たのを見せびらかした格好になった。頭がずーんと落ち込む感じ」な件については、
「金持ちは金持ちって威張ってればいいじゃないの」と言われて、
「本当に自分にお金があるなら別ですけど、ただ、今の主人の立場に会社が貸してくれてるだけのものです。自分のものについて威張るのと同じわけにはいきません!」ってムキになっちゃって、
「へぇ~、リベラルなんだねぇ、どこまでも」と少し笑われた。

いつも通りの処方で3週間分のお薬をもらって、次はもう年末。
今年も早い早い。
駅前でアカギのアイスチョコバー20本とがつんとミカンバーひと箱買って、いったん家に帰って冷凍庫に入れてから、アプリで処方箋を送信しておいた薬局に取りに行く。
このシステムは実にうまく回っている。

薬剤師さんがあいかわらず汗をだらだら流している私を見て、水分調整作用のある漢方薬を袋に入れながら聞いてくれた。
「今日は先生と汗でお困りの話はされましたか?」
毎回、他の話に神経が行っちゃって、汗の話は忘れるんだよね。日常こんなに困ってるのに。
「よろしければこちらの薬局から先生宛にFAXを送っておくということもできますが」
ああ、それ、お願いします。
ドクターの電子カルテにその内容が入ってれば、次回の面談の時にこちらが忘れていても話題にしてくれるだろう。
薬局ってそんな風にも使えるんだー。
かしこさがひとつ上がって、「やっきょくからふぁっくす」のじゅもんをおぼえた!


今日のマンガは、長谷川法世「博多っ子純情」全34巻。
この中で第一部と第二部に分かれている。
母親が博多の出なためいつの間にか博多弁と名古屋弁と標準語のトリリンガルになっていたらしく、最初に読んだ時からまったく違和感なくセリフが入ってきたし、むしろ懐かしかった。
青春マンガだろうけど、今で言えば「高校アフロ」みたいな話な気もする。
「やりたいやりたい」と言い暮らしている中坊や高校生の日常生活だ。
しかしいったん「山笠」が始まればすべてを忘れて祭りに走り、幼なじみとの可愛い恋は成りそうで成らなくて、もどかしい。
この作品でヒットした作者は、インタビューや対談などで「よかったです、『博多っ子旅情』」とか「素晴らしいですね、『博多っ子慕情』」とか言われて悲しかったらしい。
「博多っ子純情」ね。
「読んだことない」と言うせいうちくんもなぜか「コペルニクス的転回」略して「コペ転」が初エッチの隠語であり、憧れであるのだけ知っていた。どーして!?

22年12月8日

今日はせいうちくん接待で遅い。
1人でマンガ読んだりスキャンしたり、忘年会や新年会の算段をして過ごす。
年末に2泊3日の半ば合宿な忘年会が出来上がりそうなのと元旦に小さな新年会をやる話が決定したのとで、息子とカノジョに「お正月に泊まりにおいで」と誘っておきながら、候補日はもう1月2日から4日までのどこかしかない。
そして我々は8日間に3回の手巻き寿司を食べることになりそう。

病院の午前の受付の最期の方はわりとすいてるので整形外科に行ってみたら、それなりに混んでた。
でも待合室内での会話を聞いてると、10分前まではもっと混んでいたのだそうだ。
いいタイミングで来たと思いたい。
膝はあいかわらず痛い、両手の腱鞘炎は親指から薬指まで広がってきてるがまだ「ばね指」の症状が出るほどではない、ってことでシップと鎮痛ジェルをもらっておしまい。

去年も点いてた「炎が見える調」の暖房が稼働していた。
よりそれっぽく見せていた「石炭」の部分がなくなって、ガス状に炎だけが上がっていた。
帰ってせいうちくんにそう告げたら、
「脱・石炭化?」と不安そうな顔をしていた。
彼の商売には深刻な問題らしい。

せいうちくんに「お昼食べる時間があったらピザ買って行こうか?」とLINEで相談を持ちかける。
病院のちょっと先にピザ屋さんがあるのだ。持って帰れば半額なので愛用している。
「時間取れそうだから、もらってきてくれる?注文しておくよ」と言われ、少し待って院内処方の湿布を受付でもらってピザ屋さんに行くと、1分ほどで注文のピザが焼き上がるタイミングだった。
実にいい。
思いついた自分を脳内絶賛し、せいうちくんにも「ほめてほめて!」と威張る。
今夜は夕方から出かけて接待だからって、私の夕食の分を少し残しておいてくれた。
昼も夜もピザ。
しかし体重はどちらかというと減っている。
レモンドーナッツやめられたせいだろうか。

綺麗に丁寧にスキャンした「呪術廻戦」を1巻から読み返している。とても面白い。
まだ呪いと呪術と術式などの用語に慣れなくてよくわからないところもあるが、荒木飛呂彦の「ジョジョシリーズ」に非常に似ていると思えるから、何度か読んでいるうちにもっとわかってくるだろう。
それに、記憶力がないので最新巻が出るたびに1巻から読み直して備えるしかないため、この先何度通読することになるかわからない。
好きになれるマンガがあるのは本当に幸せ。
「チェーンソーマン」もこのぐらい慣れてくると面白いかもなんだが。

3回目ぐらいの通読で、やっと人間関係がかなり整理できた。
夏油(げとう)の頭の中身は羂索(けんじゃく)なのね。
そして五条悟と夏油は昔、仲良しだったのね。
推しキャラが死んでしまうため、たいそう辛かったがその後別な人を推すように努め、しかもなるべく大勢推してるので大丈夫になった。
何巻ぐらいまで続くのかなぁ、わくわく。
会社のリユニオンで「大画面いっぱいの煉獄さんの笑顔」でも何も感じなかった男性に会ったもんだから、アニメやマンガのキャラを推すことができるのは人間として幸せなんだと深く感じている。


今日のマンガはこれも超有名、矢口高雄の「釣りキチ三平」全37巻+2巻、「平成版」全12巻。
釣りはまったく嗜まないので面白くないんじゃないかと不安に思いながら全部読んだ。
驚いたことに、面白かった!
だからと言って釣りを始めようとまでは思わないが、釣りなるものの興味深さ、奥深さを知らしめるのに十分な名作だった。
川、池、湖、沼、そして海。水ある所に魚あり、魚あるところに三平あり。
釣りは釣果と自然をいっぺんに楽しめる優秀な娯楽だ。
もちろん魚紳さんの存在が大きいのは言うまでもない。
立沢克美による「バーサス魚紳さん!」全7巻というマンガが生まれたぐらいだ。
もうちょっとで「釣りバカ三平」と書いてしまいそうになったので、ハマちゃんの釣りパワーもバカにはできないが。

22年12月9日

せいうちくんはお休みを取って運転免許証の更新に出かけた。
朝は思いっきり寝かせておいてまた長時間記録の更新を見たかったが、目覚まし時計をかけるのを何とか断念させるために、
「不眠症の私が昼までとか寝ると思う?起きたら必ず起こしてあげるから、それから考えて」と言っておいたので、約束通り起きたのが9時なら9時に起こさねばなるまい。

「9時まで寝るヤツのどこが不眠症なんだ?」と思う人もいるかもしれないが、寝たのは4時、寝ついたのはたぶん4時半頃だ。
それで目覚ましも何もなく9時に自然に目が覚めてしまう人間は、かなり眠りと相性が悪いと言わざるを得ない。
睡眠薬ものんでいるのに、である。
薬のむ前は2時間ごとに起きちゃってたよ。

夕方、5回目のコロナワクチンを打ちにかかりつけの循環器内科に行く。
ついでにワーファリン値も測ってもらえた。
「2.5」はやや高めだが、高いぐらいの方が安心なので薬の量は当面変えない方針で。
今夜は少し熱が出たりするのだろうか。

全然関係ないが、息子によるとポケモンは今も続いており、彼が小さい頃には百種類ぐらいだったのが今は八百種類ぐらいいるそうだ。
「今の子はそれ全部覚えてるの?あなたも?」と聞いたら、
「いやー、もう全然ダメだね。四百種類ぐらいしか」。
それでも半分は覚えているのか!
しかも「ジョジョ」の登場人物名とスタンド名、能力は百巻以上にわたって全部覚えてる脳みそで。
壮大な記憶力の無駄遣い!


今日のマンガは水島新司の超大作、「ドカベン」シリーズ。「本編」全48巻、「プロ野球編」全52巻「SS編」全45巻、「ドリームトーナメント編」全34巻。
もし「大甲子園」も入れていいなら全26巻。すべて足したら総計205巻。
これはもう、よほどの野球好き。だってこの人、野球以外のマンガほとんどないんだもん。
ドカベンは、最初は柔道部マンガだった。野球部主将の長嶋さんが出てきてから方向は野球に。
いやもちろん作者は野球マンガ描くつもりだっただろうけど。
「巨人の星」の対極にあるような、野球が好きな人が描いて読んだ人も野球が好きになる種類のマンガだ。
もちろん一番の推しキャラは殿馬くんである。

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