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マンガ読みの年中休業うつらうつら日記(2022年12月17日~12月23日)

コロナ新規罹患者がまた増え始めています。年末、新年が迫るこの時期で、途方に暮れてます。忘年会や新年会を企画したのに、大丈夫でしょうか。一応抗原検査キットを使ってなるべく安全に、少人数で行いたいと思います。新居に引っ越して1年近くたつのに正式なオープンハウスもできてません。誰もが同じように煮詰まり、閉塞感を感じてるでしょう。特に「帰省をとりやめる」ように警告も出ていないようで、政府も混乱しているのか静観なのか。

22年12月17日

いつものように前日のZOOM飲み会の話から。
忘年会の人数調整をしたが、まだ予定の決まっていない人が多く、参加を決めてくれたのは宴会好きの長老といつもヒマなGくんだけだった。
Sくんが言うには、「年末の忙しい時に、いつからいつまでかわからない宴会への返事は難しい」のだそうだ。
いちおうコアタイムを設け、その時間内なら、とSくんも参加予定。
他の人たちは来週のZOOM待ちかな。

せいうちくんが寝るのでいったんZOOMを落ち、夜中に私だけ少し戻ってきたら、ヘロヘロに酔っ払って前後に揺れている長老とSくん、凶暴になってるGくんがいた。
40分間が切れる寸前だったので次の回からはSくんが落ちており、長老とGくんは戻ってきた。
ZOOM会での私の態度が悪かった、と2人から叱られた。

絶望した。わかりやすく簡単に絶望した。
わかってる。これはトラウマに対する過剰反応だ。
今日丸1日かけて、自分にできる限りの人間関係修復を試みて、やっと一段這い上がる。
たとえ相手が正直でなくても理解してくれなくても、自分を丸ごとぶつけるしか私にはできない。
やるだけやったのであとはLet It Be。

自分の人間力のなさが身に沁みた。
他人の言うことで動揺し、思うように行動することができなくなる。
名古屋の実家で母が、姉の息子(私の甥にあたる)に「あなたがいるからみんなが迷惑する」「あなたのせいでみんながイヤな思いをする」ときつく言っているのを何度か聞いた。
私もよく言われたなぁと思った。
もっと甥をかばってあげればよかった。
彼の中で呪いになっていなければいいのだが。
母親たる姉は、自分の母親に従いたい気持ちと息子をかばいたい気持ちの間で大揺れで誰にともなく怒り出し、結果、昔からそうであったようにピリピリした中に母の怒声が響く実家だった。

夜になる頃にはやれることはやったという安心感で少しマシになった。
人から何か言われるのは、「言えばわかる人間」「普段の私はもうちょっといい人間」だと思われている証左だと思うことにしよう。
「何を言っても無駄」と思われてるなら注意してももらえないだろうからね。

せいうちくんが精神的バックアップに回ってくれて助かった。
戦っている相手は生身の人間ではなく、私自身のトラウマだ。
今の人間関係にそんなものを持ち込んではいけない。
友達と自分自身をもっと大事にし、母の呪いから抜け出して生きていきたい。

決定的に酒が飲めない。
アルコールが1滴でも入ると自動的に酔った状態に入り、ハイになる。
からみ酒で人に迷惑をかけてあとから自己嫌悪と二日酔いに苦しむので、ここ1年ほどはほとんど飲まないようにしてきた。
でも忘年会と新年会では飲んじゃおうかな。
「酔っ払っていて覚えていない」と言う人が多いんだから、いいじゃん、って。
それに「シラフのヤツがいる!」と嫌がられることも度々だから、自分ちで飲んでベッドへの最短距離にいられる家飲みでぐらい少し羽目を外してみよう。
長老おススメの二日酔い回避薬「ハイチオールC」を準備して。

今週のマンガは、出たばかりの「このマンガがすごい!2023年版」のオトコ編とオンナ編それぞれの20位以内に入ったものから、最近読んだ作品を紹介しよう。
毎年、この本が出ると「今年のトレンド」について行くべくAmazonにたくさん注文を出すことになるんだけど、なぜか今年はけっこう既に読んでいた。
普段の年より落ち着いてたくさんマンガを読めたおかげかもしれない。
まだ手をつけてないけど、「ONE PIECE」が100巻を超えてなおオトコ編の8位に入ってるのはスゴイなぁ、というのが最大の感想。


今日のマンガはオトコ編1位のモクモクれん「光が死んだ夏」既刊2巻。
え、BLなの?妖怪モノなの?
2巻ではまだよくわからない。たぶん両方。
皆さん、よくこの段階で判断して買えるなぁ。
短編ならともかく、長くなりそうな話を最初から買う勇気が実はあんまりない。
絵は素敵。女性なのかな。
田舎のだるい夏の雰囲気とか、すうっと連れていかれるような感じがする。
この勢いでもののけの世界に連れていかれちゃいそうだ。怖いかも。

22年12月18日

のんびり過ごす。
年末はやることが多く、せいうちくんは年賀状を印刷するのにプリンタが言うこと聞かないので頭に血が昇っていた。
紙送りが正常にできなくなってるようで、もう新しいプリンタを買ってしまう決意だ。
今のは5年使ったらしいから、彼の中では「安い製品で、早晩壊れてくる」ものみたい。
新しいインクカートリッジを入れたばかりなのだけが悔やまれるんだって。
いったん装着したカートリッジには穴があいてしまうので、次に来るプリンタに既にインクが入ってる場合、取り外した今のカートリッジは長持ちしなくて使えないらしい。
「プリンタの値段の半分はインク代だから、そこはダメージが大きい」と悲しんでいた。

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」が終わった。(ネタバレ注意!)
面白かったなぁ。さすがは三谷幸喜。
ラストの尼将軍が美しかった。
ずっと混乱していた人間模様がついに全貌を現す。
なぜ13人なのか、ずっと腑に落ちなくて、1人名将が失われるたびに「こうやって13人から減っていくからかな?」と思っていたのだが、まさか最終回にあんな仕掛けがあろうとは。

「噓つきは、嘘を覚えていなくてはならない」
これこそが私が嘘をつくのを嫌う最大の理由だ。
本当のことは自分にとってひとつしかないが、いったん嘘をつくと偽りの記憶を真実とは別に覚えておかなければならない。
ミステリでよく、「犯人しか知り得ないこと」を知っていてバレる人がいるように、作られた真実には必ず穴があく。
「自分が殺した」のを知っている限り、どこかで自分と被害者しかわからないはずのことを漏らしてしまうのだろう。
最初から嘘をつかない。これが一番早くて楽な道だ。

やっぱりアガサ・クリスティの影響が大きいんだろうな「鎌倉殿の13人」。
三谷幸喜はポワロを野村萬斎演じる探偵「勝呂(すぐろ)」を主人公としたドラマをいくつか書いているから、クリスティの手法は既に自家薬籠中のモノとしているんだろう。
毎年大河を観終わると「これほど面白い大河はこれまでなかった!」と思う年が多いが、今年はその中でも最大級だった。
「どうする家康」についていけるか、心配だ。

ただ、デッキの容量がいつの間にかいっぱいになっており、録画不能状態。
「予約番組が録画できていません」のメッセージを見て、また録画中の赤ランプが20時過ぎても点滅していて録画中にならないのに気づいたのが20時02分。
そこからリアル視聴を始められたのは不幸中の幸い。
録り逃してるのは次の土曜日の再放送で追いかけよう。
そしたら全話そろうから、もう1回初めから観ようかな。
同様に録画し損ねた「孤独のグルメ」や「M-1グランプリ」はどうしようもないが。

恒例の「大河ロス」に陥り、一生懸命Twitterでハッシュタグを探して成分補給している。
毎回見事な絵を描く人、音声字幕を録画している人、1回観ただけでは気づかないような細かいところにチェック入れてくる人など、様々なファンがいる大河ドラマ。
微力ながら声を挙げて応援したい。「今年も大河ドラマは面白かった!」
ここ数年で、ついていけなかったのは「西郷(せご)どん」だけだ。

年末年始の特番や1月からの新番組にも備えねばならず、デッキの中身を整理した。
大部分はHDに移動させて、去年からたまっていてこの先観るあてのなさそうなドラマシリーズは消去。
これでやっとまた2テラぐらいの領域を確保できた。
失敗だったのはTV番組表の載った月刊誌。
ドラマ改変期か年末ぐらいにしか買わないので間違えた。
知らずに買った「TVガイド」はジャニーズ推しのためのものだったのだ!
番組はジャニーズが出演するものを中心に紹介されているし、途中20ページぐらいを占領するジャニーズのグラビアページはいらない。死ぬほどいらない。
珍しくリアル本屋に行ったってのに、なんて失敗だ!

そうそう、末次由紀の「ちはやふる」全50巻が「ガラスの仮面」既刊49巻を抜いて少女マンガとしては珍しく長い!って話を先週書いたけど、細川智栄子の「王家の紋章」は50巻どころじゃなかった。
68巻まで出ている。
最新巻は今年の6月に出ている。バリバリの現役じゃないか!
1冊も読もうという気を起こしてないのが畏れ多いような、怖いもの見たさのような気分が広がる。


今日のマンガはオトコ編第2位、藤本タツキの「さよなら絵梨」。
「チェーンソーマン」で大ブレイクした彼は去年も「ルックバック」でオトコ編の1位を取っている。
自主ムービーをテーマにした1巻物の作品。
母親の死ぬまでの闘病をムービーにした主人公が、その気持ちをわかってもらえない。
同級生の女子、絵梨だけが共感してくれて、今度は彼女を主人公にしたムービーを撮る。
それだけの話なんだが、藤本タツキは間の取り方がすごく上手だ。
あたかもリアルな映画のように、時間の流れを自在に操る。
マンガではなかなか難しいと思うんだ。
1冊でけっこう満腹感のある作品だった。さすが2位。

22年12月19日

せいうちくんに、
「なりたい自分になってくれ」と言った。
「還暦近いのに恥ずかしいけど、まだわからないんだ。でも、そう言ってくれる奥さんで、ありがたいよ」という答えだった。
「私は、ただただまっすぐ、正直に、綺麗になりたいんだ」と言うと、
「キミはそれでいい。それでこそキミらしい」と言われた。
生活の苦労、働くこと、お金を稼ぐことを全部彼に押しつけて、ひどい人間だと思う。
だけどそんな自分にできるのは、せいうちくんが奪われてきた「自分らしく生きる」気持ちを取り戻す、もしくは生まれて初めて手に入れるよう勧め続けることだと思う。

出会った頃の彼は勝手だった。
デートしてても、他の男性先輩たちに誘われると「ちょっとだけ飲んでいこう。あとで送っていくから」と言い出すうえ、飲み始めたらすっかり楽しくなっちゃって「1人で帰って」と平気で言う。
うちに来る約束をしていてもやはり男性先輩と飲んでるから遅くなる、と電話があり、やがて「終電なくなっちゃったけど、行く」と連絡が。
それを最後に夜中の3時まで来なかった。
ケータイとかない時代だったので連絡はつかない。

やっと来たせいうちくんに、「なんでこんなに遅くなったの?」と聞くと、「所持金がなくなるところまでタクシーに乗って、あとは歩いてきた」のだそうだ。
そんなの、私の部屋に電話して、「タクシー代がないから着いたら貸してください」と言って全行程車で来ればいいじゃないか。
「深夜、好きな人のところに終電もお金もなく歩いている、ひとりきりの自分」に酔っていたんだと思う。
こっちは明日も会社があるのに。自主休講すればいい学生とは違うのに。
そんな彼に振り回されたのも、私が退職する原因のひとつだった、と今の彼は言う。
「だからキミは僕に金銭的な恩義なんて感じる必要ないんだよ。僕の勝手で、キミが働く機会を奪ってしまった。もっと早く家を出て自由に会えるようにすればよかったのに、考えつきもしなかった当時の自分が情けない」んだって。
20代前半のせいうちくんと30歳手前の息子はなんだかよく似ている。
成長すれば立派な社会の一員として立派にやってくれるのだろう。

そういうブチ切れた勝手なところがわりと好きではあった。(もちろんいちいち腹は立つんだけどね)
彼に言わせると、好きなことを全部押さえつけられて勉強ばかりさせられていたので、大学に合格してまんがくらぶに入り、初めて好きなことを思いきり話し合える人たちに出会えて、浮かれていたんだそうだ。
働き始めて、また夫として親として真面目に取り組むうちに「ハジけなくなった」のがつまらない。
まわりにも「穏やかな人」と思われているのは、本人に言わせると「結婚して、大好きな人と一緒に暮らして、幸せになったから」なんだそうだ。

C-C-Bのボーカル&ドラマーの人が亡くなったようだ。まだ60歳なのに。
わりとすぐに体調を崩して故郷に帰っていたらしい。
急に爆発的に売れた、っていうか、企画モノが成功しすぎてたからかな。
忘年会のカラオケは最初は水木一郎のアニソン縛りだったけど、少しゆるんで今年亡くなった歌手の歌縛りになってるから、「Romanticが止まらない」歌えるなぁ。
ご冥福を祈りながら歌おう。


今日のマンガは高野ひと深の「ジーンブライド」既刊2巻。オンナ編第2位。
まだ序盤で話がどう転がるのかほとんどわからないが、謎の純粋培養学園(肉体的にも精神的にもっぽい)がからんでくるみたいだ。
高野ひと深は前作「私の少年」全9巻が「ショタ?」ってびっくりする始まり方だったけど、途中からちゃんと歳の差恋愛の話になっていた。
女性が押しつけられている価値観や立ち位置にヤなものを感じているのは「ジーンブライド」でも伝わってくる。
絵が上品で読んでいて気持ちがいい。この先が楽しみ。

22年12月20日

心臓の定期検診。今年はこれで最後になる。
血圧正常、心音正常。問題なし。
ワーファリン値は「2.0」。狙ってる範囲のジャストど真ん中だ。
2週間前にコロナワクチンを打った時についでに検査してもらったら「2.5」でやや高めだけどいいでしょう、ってなってるので、下降方向。今後数値が低くなりすぎるかもしれない。
そしたらまた薬ふやさなきゃ。
そのへんの判断が長期的でしっかりしてるドクターなので安心。
来月はレントゲンと心電図を取るって。

前回、乳房の影について精密検査を受けたのを話し忘れたので「大丈夫でした」と報告しておく。
「ああ、あそこ、行ったのね。いいクリニックだわね」
「先生も行かれてるんですか?」
「いやー、私はねー、やっぱり患者さんと会っちゃったりするから、よそに行ってるのよ」
なるほど、お医者さんもなかなか苦労が多そうだ。

ついでにこないだ行った皮膚科で「老人斑やそばかすを消すレーザー手術」が今のんでる薬のせいで「光線性過敏症」を起こすため、そこの皮膚科ではできないと言われた話をした。
もっと深度や強さを微調整できる精度の高いレーザー機器がないとダメなんだって。
薬の副作用については今度までに調べておいてくれるそうだ。薬を止めることが可能かどうかも。
でも、皮膚科の先生、やりたそうじゃなかったからなぁ。
昔住んでた近所の形成皮膚科に行ってみようかしらん。
簡単にできると思ってたレーザー治療が難しそうなので、もう顔のことはいいか、と思い始めている。

せいうちくんは素晴らしい人だ。彼を侮る人が多くて困る。
単細胞なのに懐が広い。肝が小さいのに肚が座っている。優しいのにド外れた無神経の持ち主だ。
自分の女房にそこまで惚れられる男の価値がわからない者どもは黙っていろ!(「鋼の錬金術師」を読んだ熱の名残り。はあはあ)

Amazonに注文したプリンタがすぐに届いたのでさっそく年賀状の残りをやってくれている。
運のいいことにインクカートリッジは別についてくるタイプだったので、古いプリンタから取り外したまだ満杯状態のインクを入れて作業を開始していた。
もったいない点が減って、よかった。

最近は「年賀状じまい」を考える人が多いと聞く。
我々もそのうち「しまう」日が来るだろう。
会社関係の人が多いせいうちくんの方が深刻かもしれない。
私に来る年賀状は親しい友人たちだけなので、敢えて「しまう」必要は少ない。
年に1回、互いに無事を確かめ合うために続けていくかもしれない。
「年賀状じまい」は段階的にゆっくり行うといいそうなので、せいうちくんも時機を見てゆっくりやればいいだろう。
1万5千円ぐらいかかって年末の家計簿を圧迫する年賀はがきが少なくなったら、かなりの節約になりそう。
その分、マンガ買おうっと。


今日のマンガはオンナ編第18位、尾崎衣良「真綿の檻」既刊2巻。
「深夜のダメ恋図鑑」が終わってからずっと次回作を楽しみにしていた、シニカルな視点が面白い尾崎衣良。
今回は男女問題じゃなくて母娘問題に少し重心移動しているが、やはり人間関係の「へ?あなたの言ってることっておかしいでしょ?」とツッコみたくなる瞬間をとらえるのが上手い。
ショートストーリー集かと思ったら第2巻の話は「続く」であった。
早く第3巻出ないかな。
自己実現できてない母親のいる実家って、本当に「真綿の檻」だよね。
うちはもっと「爆弾だらけの倉庫」って感じだったけど。

22年12月21日

歯が痛いのと口腔内ケアのために歯医者へ。
虫歯は特に見当たらず、歯周病で歯茎が弱って刺激が伝わるのではないかと。
歯のお掃除をしてもらって、しばらくは安心して過ごせそう。
今の若い人は最初から歯間ブラシとかフロスとか教育されてていいな。
「歯を磨く」しか教わらなかった我々、気づいたら歯周病になってたよ。
最初に「歯のお掃除」を経験した時は鏡を見て絶句するほど歯茎が下がり、隙間に米粒が入りそうな大穴が開いていて驚いた。

もう1件、胃と腸を上から下から内視鏡検査してもらうための予備診察に行った。
5年以上前から年に1回程度受けているクリニックは、今の住所からでも自転車で行ける。
ただ、当日は軽い麻酔をするため車や自転車の運転してはいけないので、タクシー使うんだろうな。

ポリープが見つかった場合、内視鏡に付属の器具でちょんと切り取ることが多いが、ワーファリンとバイアスピリンという血液をサラサラにする薬をのんでいる場合はできない。
「薬は前もって止めることができますか?」と聞かれ、これまであちこちで言ってきた「機械弁への置換を行っているので、無理です」をまた言わざるを得ない。
もしポリープが見つかったら、入院してヘパリンでワーファリンを代替し、あらためて手術を受けることになる。
とりあえず「ポリープを取るのに同意しない」旨のサインをし、見つかりませんように、と祈るしかない。

吝嗇を趣味とする長老は「検査食」を自分で用意するからいい、と断ってその分の費用を浮かしたらしい。
「レトルトのお粥やウィダーインゼリーですませばいいんだ。余計な高い検査食を買うこたぁない」ってのが彼の言い分だ。
それももっともだと思い、私もそうしようと勇んで出かけた。
心臓のクリニックから紹介状をもらったので保険適用内で検査できるところまでは確認したが、お会計の時に「別にかかる費用」として1500円を請求され、「これは内視鏡検査に必要で、保険は適用できません」と言われたものだからついうっかり支払ってしまった。
そのあと来年の2月に検査を入れてもらった時点で検査食を渡され、「ああしまった、この代金だったのか!」と臍を嚙んだが時すでに遅し。
そこでゴネるほどの勇気はなく、結局検査食を買わされていた。
やはり信念を持った吝嗇家のようなわけにはいかないと、自分の気の弱さを思い知った。

それはそれで仕方ない、と思い切ったところに息子から連絡があった。
彼もカノジョも婚姻届用の戸籍謄本を取ってきたらしい。おそらく婚姻届用紙も。
今度はそっちで頭がいっぱいになり、お祝いの花を贈る手配をする。
花キューピッドで検索したら、結婚祝い用にピンクのバラのアレンジメントがあった。
ピンクのバラの花言葉は「愛情」「やさしさ」「上品」などのほかに「堅実な結婚」というのもあるらしい。
若い2人が結婚するお祝いにふさわしいと思い、注文しておく。
年末年始でお花のお届けが多いのか、時間指定ができない期間だそうだが、届を出した翌日は家にいるそうなので、大丈夫だって。

早くその日が来ないかな。
ずっと育ててきた息子が家を出てひとり暮らしを経験し、カノジョとの同棲も相手のお母さまに認めていただいて、今度は結婚だ。
もう我が家の戸籍からは抜けてしまうんだと思うと感慨無量。
彼らの望む「温かく幸せな家庭」を築いてほしい。

カノジョに「SNSとかで写真を上げてもいいか。いいなら入籍後の写真を送ってほしい」と聞いてみた。
「SNSは無理!」ってことならごく親しい人だけに見せたいから、写真は欲しいなぁ、とも頼む。
「全然大丈夫ですよ!照れくさいけど、嬉しいです。写真、送りますね!」というLINEをもらった。
早くも無理させていないだろうか。心配。


今日のマンガはオンナ編第10位、瀧波ユカリ「私たちは無痛恋愛がしたい~鍵垢女子と星屑男子とフェミおじさん〜」既刊2巻。
「相手の親の太さより毒の有無の方が大事な問題」とさらりと言う友人が私も欲しい。
瀧波ユカリの毒が清々しい。「クズ男子」を「星屑男子」とネーミングするセンスもカッコいい。
オンナ編で読んでるものだけ拾っての話にはなるが、そして私が読んでるってことはそっち方向にいきやすいってことではあるが、女性たちが現実の生活の中で困ってる小さいけど無視できない問題とか母娘関係とかが描かれた作品が多くなったなぁ、と感動した。
女性が発信し、女性が受け止める、できれば男性も発信したい問題があれば提起してもらいたいとマンガの未来を想像してみる。
50年近く言い続けている、「たまには穴のある方の身にもなってみろ!」を今こそ声を大にして言ってもいいのかも。

22年12月22日

せいうちくんは出社。
1人で昼寝していたら夢をみた。

両親と姉と一緒に親の知り合いの人と会食をすると言われた。
出かけていくと、舟宿で客は皆ちょんまげを結ったり着物を着たりの江戸時代風。
先方の息子たちと言われた若者たちも江戸の町人といった風情。
姉と私はなぜか男装で、しかし女とバレてはいるらしく着物の裾からのぞく足首やふくらはぎをガン見されてた。
彼らもICU卒だと紹介されたが、IDを聞いても答えられないので偽物と看破し、教会やキャンパスの話をしてお茶を濁す。

私はがんで余命いくばくもないと言う母親の、父親に対する気持ち、また同様に父親の母親に対する思いを聞き出しに来たのだが、2人に問うても答えはない。
父親は母親の信じる「耳たぶを切り取る」という治療法を黙認しているだけで、何も語らない。
彼らの間に夫婦としての慣れはあっても愛情はないのだと納得するやり取りがいくつかあっただけ。

やがて、相手方の目的は父親の祖先に対する仇討で、皆殺しにするつもりとわかり、両親と姉は2階へ逃れる。
私は斬殺され、死体は牢の囚人の食事用とか肥料用に細かく分解される。
この、肉体を細かに分けられていく夢は前にもみたことがあり、その時は意識の世界でダ・ヴィンチに会えたが、さて今回は誰に会えるかと意識だけがただよっているうち目が覚めた。
パジャマが汗でぐっしょり濡れていた。

さっぱりと洗濯をすることにし、日本海側では大雪で困っているのにこちらはけっこういい天気なので申し訳なくなる。
「日本の背骨」の山脈群、すげえ。


今日のマンガはオンナ編第18位、はるな檸檬の「ファッション!」既刊3巻。
マンガ友達のミセスAが以前貸してくれた「ヅカファン」のコミックエッセイで初めて知ったはるな檸檬。
他に出産コミックエッセイなども描いている。
エッセイに向いている絵ではあるが、今回はストーリーもの。初めて読んだかも。
ファッション業界に詳しくないと無理かなぁと思って読み始めたが、いやあ、これほどディープだとは。
しかしそこをわかりやすく描いてくれて、しまいに共感できるまでに連れて行ってくれるのはヅカファンの話の時と同じ。
どんなジャンルにもオタクあり、の視点だ。
ストーリー上のそこここに仕掛けられた違和感がそろそろ爆発してきそうな第3巻。
続きがものすごく気になる!

22年12月23日

年末の医者じまいでこの週に通院をかなり寄せてしまったので、毎日何かの病院に行ってる感あり。
今日は眼科で緑内障の視野検査。
眼圧は点眼薬のおかげで正常値の範囲内、視野もさらに欠けたところはなし。
つまり進行はしてない。
黒い飛蚊点は見えるが、そのうち消えていくだろうと。
タブレットの見過ぎかドライアイになってるらしくて、それ用の目薬ももらった。
点眼薬3種類とビタミンカプセルもらって、おしまい。次は3カ月後。

Gくんは昔から大好きな太田裕美の歌を24時間歌い続けるチャレンジをしているらしい。
「青春時代の曲はエモい」のだそうだ。
確かに、若い頃に聴いた曲は独特の甘酸っぱい空気と一緒に記憶の中にしまわれている。
初めて聴いたS&Gの透明なコーラス、心の奥のさみしさにじかに触れてくるような森田童子の細い声、NSPの不思議な芯を持ったメロディライン、暗い部屋のステレオで数十回繰り返しかけたHot Butterの「Pop Corn」のリズム、全部鮮やかによみがえる。
この感動だけは、言葉で誰に伝えることもできない気がする。
33年前、家出して私の部屋に転がり込んできてくれたせいうちくんと一緒に聴いた森田童子だけは共有できているかもしれない。

新年まで会う機会はないだろうと思っていた息子からまた突然「今夜は行っても大丈夫かな?」と聞かれた。
明日は娘の面会に行く予定だったけど、コロナが広がってきたので施設が厳戒態勢に入り、NGが出た。
そのかわりのテレ面談は来年になりそう。
時間ができたので朝早くから遠くの八百屋まで自転車で遠征しようと思っていたんだが、息子が来ると早起きが難しくなるんだよね。
でも、もう数日で他の戸籍を作っちゃってお別れなんだと思うと、会っておきたいじゃないか!
独身の彼に会う最後の機会になるだろう。
いかん、それだけで泣いちゃいそう。


今日のマンガはオンナ編第1位、トマトスープの「天幕のジャドゥーガル」既刊1巻。
面白い!むちゃくちゃ面白い!!
みんな、こういうマンガにどうやってたどり着くんだろう。「このマンガがすごい!」を買っていてよかった。
まず絵が上手い。最初は入り込めないタイプの絵かと思ったら、正確なデッサン力からデフォルメされた登場人物の表情や風景に引き込まれる。
森薫「乙嫁語り」に似た文化を描いているのも嬉しい。
もっと昔の、チンギス・ハーンの時代のようなのに親しみが持てる。
最後まで出てこなかった「ジャドゥーガル」という言葉の意味は「魔女」が近いらしい。
1人の小娘奴隷が知恵と知識を身につけて歴史に名の残る女性になる過程の話のようだ。
オトコたちが戦闘マンガに明け暮れている間に、オンナたちはしたたかに賢くなりつつある。

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