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日記。
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2023年5月の記事一覧

capital

たからものばこはみられたくない、私がなにを宝物と思うかは私が決めたいからです、それ偽物だよばかみたいと物知りの人から言われたときにだって恥ずかしがらずにいられるほど強くはないのだ。

みんながいいと思う本物ばかり集めて悦に入ってる浅薄のくせに、いろんな人に愛されてみたいという奇形特有の欲望についてはしたり顔でたしなめる人の面影に火をつけて遊んでいる。

笑い種にすればいいじゃんと言っていたが、そん

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まぶしい水

死〜
ミュレーション
怪現象

わたしみた
大変なものを見た

尊敬できる人になんかであわないほうが得。仮にわたしのこれからが余命なのだとしたら犬とか飼う。抱っこして寝たい。

きれいな形のズッキーニに袋を被せながらうっかり大好きな声を思いだした。

アスファルトに溜まった電柱が風に震える。あの子が通りすぎて、ちがう人のふりをした。幽霊になってしまった。被害者ヅラして祟りたくないな。ひとりで生きて

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烙印

ひともじずつ捺されたちいさな馬と鹿が、すこしずつ肌色にほどけていく過程を鏡のまえで鼻歌にする、助けあっているという錯覚。きょうは手の震えがある。

友達って一種の関係妄想だとおもう、巣からとびだす燕尾がかすかに動いているのをみて安堵。風が気持ちいい遅刻。生きててくれなきゃ困る。

家族で相談して生まれかわるために薬を飲んだ。

脳裏に焼きつくような文言。つくづく人というのは……。夏のはじめというこ

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わからせ屋

「だれの」と不満げに吸い殻をにらむ。「ああ、おなじか」自分の吸口とおんなじ柄だったので安心する。だれの? お前の前髪は、耳たぶの穴は、押し返してくる肉は、押し入ってくる肉は、優しい指は、だれの?

人間のかたちの戦闘機に乗り込んで戦う少女たちのアニメーションを見る。所有する、依そんするということがこの作品の根幹にあるテーマである。一話では結婚という言葉が記号的に用いられている。行動原理が社会制度と

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なにものでもないあなたたち

めまぐるしく、祝いと呪いが押し寄せ、私は私でしかないというあたりまえを思い知らせる花々。そしてあなたたちにもなぜか、からっぽであることを求めていることにも、あらためて気づく。すべての荷物を降ろしてから来てほしい。

私は私でしかない、しかもからっぽの。
「ぼくはぼくという容れものに入っているけれど、死んだらどこにいくの、という怖さ」
わかるけれど、あなたはもともと容れものでしかないんだよ。中身がじ

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