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春
2022年8月31日 22:32
歯医者の前においてある巨大な臼歯に座ってみたい。反対側の歩道を犬と飼い主がゆっくり歩いている。白い、大きい、利口な犬。白い、大きい、頭がいい。なにもかもを終わりにしたいようなでも寂しくてそれはまた犬。今度は日本の犬。こっちを心配そうに見ながら通り過ぎていきました。自分の言葉はなにも伝わっていない。壁があるぼくにはよくわかる。でもあいつからはなにも見えない。
2022年8月30日 23:59
カプセルをふたつぶ、たったそれだけで体が輪郭になった。端折らずに丁寧にいえば服用から数時間で四肢は周囲の物質と同化し、ふわふわと行き場をなくした。そこで体を確かめる。するとたしかにここにある。眠るまえのまどろみのような体のいどころを曖昧にしてかろやかになったと感じさせるのが感冒薬のしくみ。ぼんやりとした全身のまま、あの子はまだじぶんの体に毎日の薬を欠かさずに飲
2022年8月29日 17:57
ああ、救いようのないぱか。
2022年8月28日 13:54
なにか形を作るときは愛されるように愛が届くようにおもいながらする。じぶんひとりの宗教。love教。というかもともと日本人はlove教徒だったじゃんね。たねやの売り手の向こうの壁に積みあげられた化粧箱。あれが過剰包装と言われたしまいにはもうlove教は終わり。中身じゃないのだloveは。人間にも同じことが言える。loveは本性ではなくて、相手のためにどれだけ
2022年8月28日 00:30
食べてもらうはずだった梨、子どものころは梨と林檎っておなじかたちだからといって同じもののように扱っていたね、いまとなっては全然違う。ちわわとドーベルマンくらい違う。まず剥くときがちがう。実もじゃりじゃりしているが皮も硬くて、刃がすべらない感じがする。ひとのにおいのシャツを着ていて、既に死んだ人やこれから死ぬ予定の私たちのことを考えながら包丁を握る。愛と恋っておなじかたちだからといって同
2022年8月26日 23:38
目を覚ましたとき果てしのない道の途中にいる。だれかたちが生き死にを繰りかえしてきたあとの、これからも繰りかえしていく、この道の途中で、切れ切れの命の線を見守らなくてはいけない、そしてその一部品として悲しみを積んで積んで最後には手を離す、離させられなければいけない、果てしのない孤独。美しく愉快なものできもちを満たす裏側に夜は鬱蒼と広がっていて、まだ優しい。いつか無
2022年8月25日 23:59
細い紐の固い結い目を太い指の先でほどいて父親の顔をする。波の音だけ。皮のかぶったペニス。割れて溢れた褐色の酒が床に広がる。芳香が満ちる。がらすのでぶりがきらきら。永遠に美しいものなんてこの世にはないの。終わりがあるから、いつか泥に還っていくから、美しいの。どんな気持ちで毀れていくの、ぼくたちの心臓。
2022年8月25日 00:00
花にたとえて殺してという麝香の花が咲くときも同じ気持ちでいるかしら
2022年8月23日 17:49
眠りにおちるすこしまえ、きょうの続きの夢をみる。耳元で名前を呼ばれたり、浮遊する意識の外側を守る薄っぺらなぼくの体の背面から架空の両腕が伸びてきて、現実に抱きよせてベッドのうえに戻したりする。目を覚まして、慌てる。残る感覚はすべて子どものころ、母親に抱かれて寝たときの。ふたりの心地よさのための抱合ではなく、なにか大きな流れのなかに必然としてある抱合だった。生きてい
2022年8月22日 23:59
窓をあけたら気分が晴れた。
2022年8月21日 23:58
バナナを二本食べちゃった。I ate two bananas.笑った顔が見たいよ、赤ちゃんみたいな。
2022年8月20日 23:59
いらいらしたときは深呼吸をするとよくて、深呼吸をするためにはまずは息をすべて吐く、それから吸うから新しい空気がちゃんと体に流れるのです。好きな人の排泄物なら全く平気ではないかとはじめて会った人がキャベツを半分に切りながらいうので、とうもろこしをむきながらわかりますと答えました。「クリアはどこですか」と万券ボーイが言ったとたん、三人の手が伸びました。画面中央の「
2022年8月19日 20:25
900mlの料理酒はすぐになくなってしまうから1800mlのを買ったら重かった。このナムル、なんか工業用の油の味しない?そう思ったらそう思えてきて、とても体に悪いかんじするわ。なにも思いどおりにならなくてすごくほっとした。ままならないせいにする。よかった、ままならなくて。もしもままなっていたらいまごろ私はもっとまともである。まともである義務が生じる。しかし幸いな
2022年8月18日 17:01
ぺこちゃんのほっぺといえば唯一合法でもち歩くことのできるほっぺであるが、それ以外のほっぺをもち歩こうとするのは傷害罪に問われる可能性があり、よくない。体の着脱が可能ならいいのにと思う。高一のころからずっと思っている。うつ病のテニス部員田中くんの芝のように刈りそろえられたもみあげが着脱式に見えたのがきっかけである。散髪したあともみあげが残っているときともみあげまで消えているときが