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日替わり

309
日記。
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2022年8月の記事一覧

歯医者の前においてある
巨大な臼歯に
座ってみたい。
反対側の歩道を
犬と飼い主がゆっくり
歩いている。
白い、大きい、利口な犬。
白い、大きい、頭がいい。
なにもかもを
終わりにしたいような
でも寂しくてそれは
また犬。
今度は日本の犬。
こっちを心配そうに見ながら
通り過ぎていきました。
自分の言葉は
なにも伝わっていない。
壁がある
ぼくにはよくわかる。
でもあいつからは
なにも見えない。

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はるかなカプセル

カプセルをふたつぶ、
たったそれだけで
体が輪郭になった。

端折らずに丁寧にいえば
服用から数時間で
四肢は周囲の物質と同化し、
ふわふわと行き場をなくした。

そこで体を確かめる。
するとたしかにここにある。
眠るまえのまどろみのような
体のいどころを曖昧にして
かろやかになったと感じさせるのが
感冒薬のしくみ。

ぼんやりとした全身のまま、
あの子はまだじぶんの体に
毎日の薬を欠かさずに

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ぱか

ああ、救いようのないぱか。

loveちがい

なにか形を作るときは
愛されるように
愛が届くように
おもいながらする。

じぶんひとりの宗教。
love教。
というかもともと日本人は
love教徒だったじゃんね。

たねやの売り手の向こうの壁に
積みあげられた化粧箱。
あれが過剰包装と言われた
しまいには
もうlove教は終わり。

中身じゃないのだ
loveは。

人間にも同じことが言える。
loveは本性ではなくて、
相手のためにどれだけ

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食べてもらうはずだった梨、子どものころは梨と林檎っておなじかたちだからといって同じもののように扱っていたね、いまとなっては全然違う。ちわわとドーベルマンくらい違う。

まず剥くときがちがう。実もじゃりじゃりしているが皮も硬くて、刃がすべらない感じがする。

ひとのにおいのシャツを着ていて、既に死んだ人やこれから死ぬ予定の私たちのことを考えながら包丁を握る。

愛と恋っておなじかたちだからといって同

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果てしのない道

目を覚ましたとき
果てしのない道の途中にいる。
だれかたちが生き死にを
繰りかえしてきたあとの、
これからも繰りかえしていく、
この道の途中で、
切れ切れの命の線を
見守らなくてはいけない、
そしてその一部品として
悲しみを積んで積んで
最後には手を離す、
離させられなければいけない、
果てしのない孤独。

美しく愉快なもので
きもちを満たす裏側に
夜は鬱蒼と広がっていて、
まだ優しい。
いつか無

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でぶり

細い紐の固い結い目を
太い指の先でほどいて
父親の顔をする。
波の音だけ。
皮のかぶったペニス。

割れて溢れた褐色の酒が
床に広がる。
芳香が満ちる。
がらすのでぶりがきらきら。

永遠に美しいものなんて
この世にはないの。
終わりがあるから、
いつか泥に還っていくから、
美しいの。
どんな気持ちで毀れていくの、
ぼくたちの心臓。

麝香

花にたとえて
殺してという

麝香の花が咲くときも
同じ気持ちでいるかしら

生霊

眠りにおちるすこしまえ、
きょうの続きの夢をみる。
耳元で名前を呼ばれたり、
浮遊する意識の外側を守る
薄っぺらなぼくの体の背面から
架空の両腕が伸びてきて、
現実に抱きよせて
ベッドのうえに戻したりする。
目を覚まして、慌てる。
残る感覚はすべて
子どものころ、
母親に抱かれて寝たときの。
ふたりの心地よさのための
抱合ではなく、
なにか大きな流れのなかに
必然としてある抱合だった。

生きてい

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窓をあけたら
気分が晴れた。

2 bananas

バナナを二本食べちゃった。
I ate two bananas.

笑った顔が見たいよ、
赤ちゃんみたいな。

ちいさい

いらいらしたときは
深呼吸をするとよくて、
深呼吸をするためには
まずは息をすべて吐く、
それから吸うから
新しい空気がちゃんと
体に流れるのです。

好きな人の排泄物なら
全く平気ではないかと
はじめて会った人が
キャベツを半分に切りながら
いうので、
とうもろこしをむきながら
わかりますと答えました。

「クリアはどこですか」と
万券ボーイが言ったとたん、
三人の手が伸びました。
画面中央の「

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じだらく

900mlの料理酒は
すぐになくなってしまうから
1800mlのを買ったら
重かった。

このナムル、
なんか工業用の油の味しない?
そう思ったらそう思えてきて、
とても体に悪いかんじするわ。

なにも思いどおりにならなくて
すごくほっとした。
ままならないせいにする。
よかった、ままならなくて。
もしもままなっていたら
いまごろ私は
もっとまともである。
まともである義務が生じる。
しかし幸いな

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もち歩き可能ほっぺ

ぺこちゃんのほっぺといえば唯一合法でもち歩くことのできるほっぺであるが、それ以外のほっぺをもち歩こうとするのは傷害罪に問われる可能性があり、よくない。

体の着脱が可能ならいいのにと思う。
高一のころからずっと思っている。
うつ病のテニス部員田中くんの
芝のように刈りそろえられた
もみあげが
着脱式に見えたのがきっかけである。
散髪したあと
もみあげが残っているときと
もみあげまで消えているときが

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