歯医者の前においてある
巨大な臼歯に
座ってみたい。
反対側の歩道を
犬と飼い主がゆっくり
歩いている。
白い、大きい、利口な犬。
白い、大きい、頭がいい。
なにもかもを
終わりにしたいような
でも寂しくてそれは
また犬。
今度は日本の犬。
こっちを心配そうに見ながら
通り過ぎていきました。
自分の言葉は
なにも伝わっていない。
壁がある
ぼくにはよくわかる。
でもあいつからは
なにも見えない。
貧しい。
生まれてからずっと
死にそうなかんじがしている。
実際みんなそう。
犬が往復してくる。
ぼくはまだ街灯のしたを
動けないでいる。
わからないことを
わからないで片付けて
済むような人は
もう死んでしまうんだね。
生きている意味がない。
わからないままでいいことも
あるのだけれど
好きなもののことなら
わかりたいと思うんじゃないの?
ぜんぶ通りすぎていく。
12歳で死んだぼくの気持ち。
嘘ばっかり、
適当なことばかり、
覚悟もないのに適当なことばかり、
すべてを捨て去ってから言え
すべてを捨て去ってから。
ぼくにはなにもないのに。

五本指ハムスター✌🏻🐹✌🏻