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Day204+α : 妊娠中の家族のサポートを考える

突然、切迫早産による「安静」を言い渡され、「どうしたもんか…」と考えたのは、日常の家事について。
私と夫、たった二人、されど二人。
元々、東京⇆名古屋の二拠点で生活していたし、それぞれに家事はできるのですが、それでも直面したことを書き綴っていきます。


資格試験が24日後に迫る夫

平時であれば、夫は全身全霊でサポートをしてくれるような人です。
(どちらかというと、私の方が家事は大雑把なので…)
ただ、国家資格の試験が24日後に迫っており、今はそちらを最優先にして欲しい!というのが私の思いだし、彼も突然の事態に戸惑ったと思います。

家族のサポートなしで日常生活が送れない状況になってしまい、途方に暮れました(表情には出さないけれど、夫の方が途方に暮れていたと思います)。

そこでSOSを母に出したのでした。

付かず離れずな関係だった両親

親子の関係って、家族によってそれぞれだと思います。
同居していたり、日常のあれこれを話せる人もいれば、年に数回しか会わない、話さない、連絡しない…なんて人もいるでしょう。

私の場合、大学で上京をし、就職してからは経済的にも独立し、実家に帰るのは年に2回ぐらい、両親が東京に来ることがあれば、食事を一緒にしたりする…程度。
転職を決めた時も事後報告、結婚を決めた時も「結婚式はしないから」と特に相談もせず、「あなたの決めたことなら…云々…」と長〜いLINEが届くことはありましたが、そこはさすが親。

あなたは【こう】と決めたら、意見を変えないから

と、基本的には口出しもせず、私がしたいようにさせてくれていました。

なので、妊娠を伝えた後も(もちろん喜んでくれました)「何か手伝えることがあれば言ってね」と言われていたものの、それまでの関係性が急に変わることもありませんでした。
唯一変わったのは、私が名古屋に引っ越しをしたので、距離的に実家が近くなった(愛知県なので)ことぐらい…と思ってました。

距離的に近いことの恩恵

まさか日常生活にサポートが必要になると思っていなかったので、母に電話をする時、なぜか緊張しました。
「病院行ったら、切迫早産って言われて、自宅安静が必要になったの。で、買い物とか、食事の準備とかでサポートが必要で…(モゴモゴ)」
と、話し始めると
「あら、大変!明日、時間あるから、行くわ!そこで話した方がはやいでしょ?」と母。

翌日、早速やってきた両親。
病院で言われたこと(安静 = 横になっていること・立ち仕事はNG・買い物に行けない…etc)、夫の試験が迫っているので負担をかけたくないこと、などを話すと、
「じゃあ、明日以降、来られそうな日を後で連絡するから、この日に来てほしい、っていうリクエストをちょうだい。前日までに買ってきて欲しいものあれば、連絡くれれば買っていくし、作ってほしい料理あれば、教えてくれれば作るから。」
と、なんとも頼もしい母の言葉。

ありがたい…ありがたすぎる…

そして何より、母は料理が上手いのです。
私が塩分を控えるように言われていることを伝えても、特にめんどくさがる様子もなく
「了解。他には?糖質は大丈夫なの?」などなど、他のリクエストも細かく聞いてくれたのでした。

スケジュールを決め、依頼内容も事前に共有

その日の夜、早速、父・毋それぞれのスケジュールが送られてきました。
母は多趣味な人で予定が多く、父は常勤ではありませんがまだ働いているのですが、それでも空いている日時を細かく書き出してくれていました。

週に2回程度、時間を決めてきてもらうことにしました。
半日前までに、

  • 買ってきてほしいもの

  • 作ってほしいもの

  • やってほしいこと

を連絡。
すると、大きな保冷バッグに色んなものを詰めてきてくれるのでした。

両親が初日に持ってきたのは、
祖母の家の家庭菜園(というには立派すぎる畑)で収穫した梅で作ったシロップ。

なんだか楽しそうな両親

これまで、両親に生活のサポートをお願いしたことがなかったので、当初は複雑な心境でした。
けれど、定期的にうちにきて、両親と話しをしていると、「申し訳ない」という気持ちは薄らぎ、「感謝」の気持ちが強くなりました。
と、いうのも、両親は来るたびに楽しそうな様子。

特に母は、自分自身の妊娠・出産や、私と兄がまだ小さかった頃のエピソードなどを話してくれ、知らなかったこともたくさんあり、そして自宅での安静生活って恐ろしいほど暇なので、いい息抜きにもなりました。

そんな中、母は
「あなた達(私と兄)が高校卒業してからは、本当に何もしてあげてなくて、二人ともちゃんと独立してくれて、もちろん嬉しいんだけど。だからこうやって、料理作ったり、おしゃべりする時間ができて嬉しいわ〜。」
と、言ってくれました。
私にとって、一番身近な【家族】はもちろん夫なんですが、両親とこういうことをきっかけに長い時間を過ごせるのも、悪くないな、と思ったのでした。

家族という不思議な存在(に感謝)

妊娠をすると、「身近にサポートをお願いできる人はいますか?」と聞かれることがあります。
当初、私は「なんでこんなこと聞くんだろう?」「一人で産んで育てる、ぐらいの気持ちじゃダメなのかな?」って思っていました。
(誰もが暮らしやすい社会を目指すのであれば、一人で産んで育てられる、ぐらいの社会の仕組みやサポートが必要ですよね〜。理想論なのはわかっていますが…)
私の想い描く理想が、「妊婦だからといって、誰かにサポートを頼むことなく普通(=妊娠前と同様)に過ごす」「妊婦だって、たくましく」だったのもありますね。

やっぱり妊娠って大変なんだ

これは妊娠・出産に対する自分自身の知識のなさと偏見から生じた考え方で、実際に自分が妊婦になっても切迫早産の診断を受けるまで変わりませんでした。
身体的にも精神的にも大きな変化があるにも関わらず、職場でも、友人の前でも「今までと変わらないよ」と振る舞っていた私。
自分自身がそう(=今までと変わらない状態で)ありたかったのもありますが、できないことが増えること、サポートを頼むこと、に対する強い抵抗感があったんですね。

でも、いざ人に頼らなければどうにもならない状態になってみると、自分の意地やプライドみたいなものがスッとなくなって、「思い通りにならない」ことを受け入れる準備ができてきました。

(申し訳ない…ではなく)ありがとう、と言おう

急な休職を職場に申し出た時も、安静が必要になったことを夫に伝えた時も、家事のサポートを両親に依頼した時も、「申し訳ない」という言葉が出てきました。
その気持ちに偽りはありませんが、この言葉を言うことで、自分もそして周りもネガティブな方向に感情が引っ張られる気がしました。

付かず離れずな関係だった両親との関係は本当に不思議で、家族というものの存在に助けられ、感謝してもしきれない自分がいます。
15年近く一緒には暮らしていませんが、それでも私のコアな部分を理解してくれているという安心感は、何にも変え難いですね。
(もちろん、家族だから遠慮がなくてイラッとすることもありますが…笑)

自分自身でコントロールできないことが起こった訳で、誰も私が悪いと思っていない(と思うの)です。
なので、感謝の気持ちを伝えよう、「ありがとう」って言おう、と決めました。
妊娠中の家族のサポートは、いつどのように必要になるかわかりません。
パートナーでも、親でも、兄弟でも、義理の親、そして友人でも構わないので、「サポートしてほしい」と言える人を大切にしていきたいですね。

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