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自分をまもることばかりうまくなっているのが嘆かわしい。
非ロマンティックで健全な生活。

健康のためのYouTubeをみるばかり、メイク動画などもみなくなって久しい。

たとえば、東京に住むということはそれだけでロマンティックだった。あるいは知らない喫茶店へ行くことを楽しみに寝る夜。

今夜はグーグルマップを眺めてもなんだかぱっとしない。今年のテーマ「近所で過ごす」というのがよくないのだろうか。

コーヒーを売る仕事はたしかに、夢があってロマンティックだったなあ。まぎれもない事実だ。

それでいうと、仕事の前にドトールで朝食をとるなんて言うことは、従属へのちいさな抵抗でありロマンティック活動のと言えるのかもしれない。


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起きて朝食をとり、映画館へ行った。
その映画館はうんざりするような、横浜に存在するすべての「酒と女とエロ」を200メートル四方に集めたようなエリアにある。仕方がないのだ。ここが一番近いし、○○ランドや○○学園を横目にたどり着いてさえしまえば、それなりにすてきな映画館なのだ。

「枯れ葉」という映画。なんか周りで話題だったので。ぜんたいに暗くてパターソンを思いだしたら、アキ・カウリスマキ監督とジム・ジャームッシュ監督は同年代として関係があるらしい。

こういう、薄汚い労働者の話はどうにも苦手だけれど、ある種の力を感じた。こういう生活でも、何か大きな物事を成し遂げなくても、幸せを手にする彼らの小さな抵抗はすてきだった。

せわしないファミリーレストランでこれをかいている。
座面にもアルコールをシュッシュッ、テーブルにアルコールスプレーを直接噴霧するのはだめだよ、お客さんや食事にかかる可能性があるから、と教えてくれた人を思いだす。食べ物にかかってもOKだとしたって、たしかに隣でシュッシュッとされると少し身構えるものである。

・・

そのあともう一度映画館へ戻って、「ゴースト・ワールド」をみた。いかにもなアメリカンダイナー、70年代のファッション、インテリアがすてきだった。女版ホールデン・コーンフィールドのような女の子の強烈な行動。なにもかもにうんざりしてしまう気持ちと、いざ自分が気分よく生きていくためにすべきことの二律背反について考えさせられた。印象に残ったセリフはレコード屋のおっちゃんの、「体制を変えたいなら大企業に就職しな」。


ちょっと話はそれるけれど、最近視覚情報って大事だなと思ってる。なぜなら、音楽やPodcastを聴いていても、言葉が頭の上をするするとすり抜けてしまって、心にとどめるべき言葉の連なりというものを見逃している気がするから。
歌詞カードを追ったり、ミュージックビデオを観たり、そういうことをもっとしてみたい。Applemusicで歌詞を追うのもいいかもしれないけれどなんとなく味気ない。

ながら○○とか、やっちゃうけれど、腰を据えて物を見るって、忘れたくないなあというのが、映画館で合計3時間半過ごして得た教訓である。

今年も、より不便でロマンティックなものを愉しんで生きたい。
高級ステーキと寿司を前に決めごとをしてわらってるださいおとなをいつか笑い飛ばせるように。たとえばこんな大変なことがつづいて不安定に思考停止に陥っている人々の心を惑わす、闇からの足音に気がつけるように。

と書きつつYouTubeをあさっていたら元気が出たので張りつけておく。

https://youtube.com/shorts/NwauHbmFwTc?si=YAjbs2KuFs0PRpWP