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回し読み

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ぺけぽん
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#仕事

勤め先の書類に、僕のパートナーの名前を記入した話。

僕が勤めてる企業は、LGBTQフレンドリー企業ではありません。そんな企業で、誰にも知られず、ある書類で僕の名前にパートナーの名前が並びました。 今日はこのことをお話ししたいと思います。   僕が勤める都内のある中小企業はLGBTQフレンドリーを掲げていません。 映像教材を各社員が必ず1度は観ること、という最低限のLGBT研修は行われましたがそれ以外の取り組みは特にありませんでした。 珍しいことではなく、日本の大多数の企業の大半はLGBTQフレンドリーは掲げていません。 映

ものほしがたり

就職して一人暮らし、六年目の夏目前。 静岡県のとある町のアパートの一室に暮らしていた私は、くたくた毎日二十四時帰宅。 見上げれば、近視の私をすらも押し潰すほどの満天の星空、広すぎる宇宙、こちらを一度も見ない飛行機。 いらっしゃいませ、恐れ入ります、お待たせいたしました、申し訳ございません、ありがとうございます。 頭を数字が駆け巡り、足は常に忙しく駆け回る。 すっかり疲れ果ててしまっていたけれど、「仕事に」ではない、ネガティブに陥りがちな「自分自身に」だったかもしれない。

Gift / また乾杯しよう後書き

2年前のちょうど今頃。 息苦しい夏の終わり。しずかな秋の始まり。 わたしは、ウェディングプランナーを辞めた。 大きな理由は、体調不良によるものだった。 もうすこし正式に言うと、この時点で体調を崩してしまったのでプランナーの職を卒業して同じ会社の別部署に異動したのだが、その1年後に、今度は完全に身体を壊してしまった。 会社が悪かった訳ではない。 わたしが、自分の限界に気付けなかったのだ。 嘘だ。 気付いてはいたけれど、大丈夫だと思っていた。 そう思いたかった。そう

僕らが生きてる日常は「誰かに作られた日常」だ。

誰かに作られた日常だったのかもしれない。 ふと、二時間ほどの限定公開トークイベントを終えた帰路で、そんな気づきが頭をよぎった。 夜の二条城のお堀は静かで、目を凝らして見ると車のヘッドライトに反射する鳥の目が二つ光る。じっと水に浮かんでいる。寝ているのだろうか。プカプカと熱帯夜のおそらくは緩いであろう水の上にたゆたっている。 明日、何があるのか把握してない日々が続いた。 周りからも目に見えて「忙しそうだね」と心配されるほど、スケジュールも僕自身も余裕がなかったのだろう。余裕