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【映画】さよなら、くちびる

監督:塩田明彦
公開日:2019年5月31

路上で演奏していた孤独な若い女性の二人がディオを組み、ライブハウスを一杯にするまで成長する。そんな二人を支えてきた元ホストのマネージャーの男性。順調に思われた三人の関係だったが、いつしか危うさを孕み始める。そしてついに解散を決意した二人は、彼と共に最後の全国ツアーに旅立つ。

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ここから始まって、ここで終わる。始まりがあればいつか終わりが来る。

始める時はいつだってキラキラしていて、希望に満ちた未来を想像する。

誰もがその気持ちが切れる事なく継続出来れば良いけど、永遠に同じ気持ち、同じ環境なんてあり得ない。

どうしても、その現実を受け止められない自分がいる。

分かっている、分かってはいる。

この幸せな時間が永遠ではないことを。

なんで自分だけ受け止める事が出来ないんだろうか、周りを見ても、自分と同じように悩んでいる人なんて一人もいない。しっかりと終わりがあることを理解している。

表向きは、気にしていないフリをしているが、内心は悲しくて、寂しくて、どうしようもない、処理しきれない感情で胸が張り裂けそうになる。

本心を見せれば、周りは引いてしまうだろう。そう思うと尚更、自分の本音を胸の奥底へ追いやる。

私は今の環境に依存しているだ。

頭の中では色々な夢や構想でいっぱいになっているのに行動に移せない。

もっと、もっと、もっと私はやれる。才能があるし、自信にも満ち溢れている。

自分の人生は自分の為に生きるべきだとも理解はしている。でも、自分が今離れてしまったらあの人は大変になるのではないか、尻拭いをする羽目になってしまうのではないかと申し訳ない気持ちが自分を襲う。

そんな事誰も微塵も感じないのに。

私は偽善者である。

そう思うことで現実から目を背けている。

周りの環境や人を言い訳にして楽になろうとしている。

弱い自分から逃げているだけ、ネガティブ選手権があれば間違いなく日本代表に入ることが出来るレベルで。

自分にとってのキラキラは何だったろうか。

それを思い出すための旅を始めよう。

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