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“好き”に理由があっても、なくても

誰しも気持ちがゆるむ、場所や一角、風景ってあると思う。
窓の外とか、コーヒーから立ち上る湯気とか、トイレとか。

そのラインナップに、”冷蔵庫の側面”がある。
ついでに、”洗面台の歯ブラシ置き場”も。

窓の外は、遠くの緑がきれいだし、コーヒーの湯気を見るのは、誰でもくつろぐ瞬間だろう。
トイレは、即座に完全な一人の空間になれて落ち着く。子どもが小さい頃は、よくトイレに逃避行した。

だけど、冷蔵庫の側面と歯ブラシ置き場は、気持ちがゆるむ理由が見当たらない。
トップ画がわが家の冷蔵庫の側面。

なぜその二つが好きなのか。気持ちがゆるむのはなぜなのか。

最近気付いた、共通することがある。
それは、プラスチックがあまり使われていないコーナーということ。

そこらじゅうに、プラスチック製のものがあるわが家。
安くて便利なプラスチックは好きだ。
収納ボックスなんて、全部集めたらすごい数になるんじゃないか。

冷蔵庫に引っ掛けてあるホウキとタワシ。素材は何だろう、とにかくプラスチックではない。
歯ブラシ置き場は、歯ブラシスタンドとトレー、コップ立てもステンレス。歯磨き粉を絞る器具もステンレス。コップはガラスだけれど。

プラではない小物が集まっている。
素材の統一感が好きなのかもしれない。


似た感覚が、記憶の中にあることを思い出した。
それは義実家の台所。
あまりに落ち着くので、こっそりと撮った写真が今もスマホに保存されているくらい。

田舎なので、窓からは緑の山が見え、夏の夜にはカエルの声が聞こえる。
だけど、それを差し引いても、なぜか視覚的に落ち着く。
それを不思議に思って、写真に撮った。

物は多いし、古い。整然と並べられた収納でもない。
だけど、義実家の台所も、プラスチック製品がすごく少ない。

細かいところも、麻紐で結ばれたり、細い竹で突っ張ってあったり。
ズラリと並んだ空き瓶には、輪ゴムやトウガラシが入っている。

やっぱり、プラスチックを使っていない空間が、気持ちをゆるませているんだと、正解を見つけた気がする。

そして、これは生活を心地良くするヒントではないか、とひらめいて、嬉しくなっている。

完全な脱プラスチックは難しいだろうけど、減らしていけば、家がもっとくつろげる場所になるかもしれない!


何かに対して、なぜ好きか、理由がないことの方が当然だし、それを探すことなんて無意味とさえ思っていた。
でも見つかれば、まんまと得した気分になる。




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