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【千と千尋の神隠し】を見て思うこと。

ジブリ。

この言葉を聞くだけで、様々な作品(風の谷のナウシカ、となりのトトロ、天空の城ラピュタ、魔女の宅急便…などなど)の映像とともに、感情や思い出が蘇ってきます。
ビデオ世代な私ですが、もちろんジブリもビデオに録画しては、それはもう何度も何度も繰り返し見ました。

ジブリの魅力については、また書きたくなったときに綴りたいと思います。

今回はジブリの中でも、比較的大人になってからよく見た、千と千尋の神隠しについて書きたいと思います。

常識の範囲でご自由にお使いくださいのジブリ公式より引用

冷たくそっけないお母さん

冒頭からずっと気になっているのが、千尋のお母さん。
少しの会話の中でも千尋に対してそっけなく、冷たい印象です。何がそんなに気に入らなくて不満なのか、とにかく不機嫌なんです。それとは対照的に、森に迷い込みそうになりながらも引き返そうとしないお父さんは少しデリカシーがなく、子どもっぽい印象です。
映画の冒頭から両親に対して軽い不信感を持ったまま物語が進み、”お金はあとで払えばいいわよ”と、お店の食堂で勝手に食事を始める。そしてハクと出会う、両親が豚になってしまう、釜じいに会う、リンに会う…

このはじめの部分で一番感じたことは挨拶やお礼など、目上の人や助けてくれた人への心遣いがきちんと出来ないということです。リンがめんどくさいながらも、”釜じいにお礼言ったの!世話になったんだろ。どんくさいねえ!”と、言葉はちょっと汚いけれど、大事な部分を千尋に伝えています。千尋はまだ10歳なので、完璧には出来なくてもありがとうございますくらいは言えてほしいなと思うのです。
横柄で身勝手な両親の元で何不自由なく(引っ越し先のお家も3人家族にしては大きめだし、お母さんやお父さんの恰好からしてもアクセサリーをしていたり、貧乏そうには見えない)育った子どもって、急に社会、働く環境に出たとき、どんくさく気が利かない子になってしまうのかなと思ったのです。そして、ついに湯婆婆に会います。千尋がドアを開けようとすると、湯婆婆の顔をした呼び鈴?が”ノックもしないのかい。ま、みっともない子が来たね”と罵ります。ここでまた私は、千尋は出来の悪い子どもなのかもと感じました。
そして、坊の暴れて泣き出す声が聞こえて、湯婆婆は甘い声で坊をなだめます。

常識の範囲でご自由にお使いくださいのジブリ公式より引用

ちょっと忘れがちですが、湯婆婆と坊もまた親子です。(本当の親子かどうかはわかりませんが)そして、千尋のお母さんとは対照的で坊を甘やかし、屋内に閉じ込めています。おもちゃやぬいぐるみが部屋に散乱していることから、欲しいものは買い与え、好きなものばかり食べさせ、体は筋肉もなくブヨブヨで、性格は赤ちゃんのままでわがままです。

徐々に成長する千尋、そして坊も

常識の範囲でご自由にお使いくださいのジブリ公式より引用

千尋は両親の呪いをとくため、油屋で働きます。この世界では働かないと生きていけないからです。でも、現実社会でも、成人したら親元から離れ、働かないと生きていけません。生きる目的は違っても、やはり働くことは人生において必要です。そして働くことや、カオナシとの出会いやハクのこと、リンとのやりとりなどの中で千尋は成長しますよね。
自分で考え、行動出来るようになります。
そして坊も、きっかけはネズミに変えられてしまったことからですが、千尋と一緒に外の世界で冒険します。きっと初めて電車にも乗ったんでしょうね。

ここから私が思うことは、親がどんな親だろうとも、子どもの成長には、外で様々な体験をし、怒られ、学び、挑戦することが大事なんだなということです。

豚の中に両親がいないとなぜわかった?

常識の範囲でご自由にお使いくださいのジブリ公式より引用

最後の、数匹の豚の中に両親がいないことが分かった千尋。
なんでわかったんだろう。
急に両親が豚になった。独りぼっちの千尋。でもハクやリンや釜じいのおかげで働きながらなんとか生き延びた。様々な体験を通して、やっぱり千尋が成長したからなのかなと思います。
物事をきちんと追求し、見極める能力がついたのかなと思います。
(あくまで私の推測ですが)
また、それとは対照的に、ネズミに変えられてしまった坊を見抜けなかった湯婆婆のシーンも印象的です。
子どもを甘やかし、ブクブク太らせて、閉じ込め、わがままに育てる。
それは愛情のようで、親のエゴでしかない。親と子の心の繋がりが薄いという、ジブリからのメッセージなのかなと思います。

この映画は千尋という少女の成長物語だけれど、母親目線でこの映画を見ると学ぶべき点が多くありました。
でも、親の登場するシーンは最初と最後だけで、結局千尋はその他大勢の人との出会いを通して成長しています。
子育てって、親にとってみれば一生子育てなんですけど、一人でできるようになったタイミングに、程よく離れ、見守る。

その大切さを教えてくれる映画だと思います。

一人でじっくりと、または子どもとお話しながらがやがやと、また千と千尋の神隠し、楽しみたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました☺




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