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【ガラスの海を渡る舟】寺地はるな

こんばんは、となカエです。

7連勤、体力的に回復が難しい年齢なので、
今後は避けたいところ。

あらすじ

大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。
そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。

兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、
コミュニケーションが苦手で、
「みんな」に協調したり、
他人の気持ちに共感したりすることができない。

妹の羽衣子は、道とは対照的に、
コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、
突出した「何か」がなく、
自分の個性を見つけられずにいる。

正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、
祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、
衝突が絶えなかった。

そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。
それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。

『水を縫う』『大人は泣かないと思っていた』の寺地はるなが放つ、新たな感動作!
相容れない兄妹ふたりが過ごした、
愛おしい10年間を描く傑作長編。

Amazonより




感想

兄と妹、交互に視点が変わりつつ、物語が進んでいく。

工房を拠点として、
家族、親戚、師匠、友人、お客さんとの交流が描かれている。

兄は発達障害かな?
でも、親は病院に連れて行ってないから診断名はない。

親がそんな兄にかかりっきりだから、妹は愛情不足に陥ってる。

「お兄ちゃんばっかりずるい」そんな感情に囚われる妹。

兄妹いたら多少はそうなるよね。
端から見たら「充分愛されてるよ」と思っても、
本人からしたら「あっちの方が愛情注がれてる!」
「私はこんだけしかしてもらってない!」
「ずるい!」
私は4人姉妹なので、日常茶飯事でした。

そんな2人が祖父のガラス工房を引継ぎ、
営む中で、商品としてでてくるのが《ガラスの骨壺》

骨壺の話の中で、骨ってちゃんと処理しないとカビるってことを知った。
カビるんだ…
うちも墓に入れてないからなぁ…
大丈夫かな…

感情の起伏が激しい妹に疲れる兄。
うん、わかるよ兄。
私も読んでて疲れたわ…。

そんな兄妹なので、
お互いに苦手意識をもってガラス工房を営むけど、
色々な出来事を通して、
認識が変わっていく。

にしても、ガラスの骨壺って発想がオシャレ。
実際にあるのか検索したら、普通にヒットした。

切子のおしゃれな感じの骨壺もあれば、

シックでモダンな感じもものまで。


ゆっくりと時間をかけて兄妹の関係性と変化が書かれていた。
2人に焦点があたってるので、周りの親戚とかがとにかく憎たらしい。
自分勝手では?と思ってしまう。
でも、実際の親戚に酷似していたので、リアルだなと感じた。

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