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優しさが詰まってる「宙ごはん」町田そのこ

こんばんは、となカエです。

めちゃくちゃよかった…。

タイトルと表紙から「料理関係のドタバタ系かな?」って思ってたけど、全然違った。

うちのおばあちゃんが昔言ってた。
「ご飯は『誰と食べるか』が大切だ」って。

そんな感じのお話し。
kindle unlimitedで読みました。



作品内容

この物語は、あなたの人生を支えてくれる。

宙には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいる。厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海と、イラストレーターとして活躍し、大人らしくなさが魅力的なお母さん・花野だ。二人の母がいるのは「さいこーにしあわせ」だった。
宙が小学校に上がるとき、夫の海外赴任に同行する風海のもとを離れ、花野と暮らし始める。待っていたのは、ごはんも作らず子どもの世話もしない、授業参観には来ないのに恋人とデートに行く母親との生活だった。代わりに手を差し伸べてくれたのは、商店街のビストロで働く佐伯だ。花野の中学時代の後輩の佐伯は、毎日のごはんを用意してくれて、話し相手にもなってくれた。ある日、花野への不満を溜め、堪えられなくなって家を飛び出した宙に、佐伯はとっておきのパンケーキを作ってくれ、レシピまで教えてくれた。その日から、宙は教わったレシピをノートに書きとめつづけた。
全国の書店員さん大絶賛! どこまでも温かく、やさしいやさしい希望の物語。

Amazonより



感想★ネタバレあり★

主人公の年齢によって感情表現を変えてるのがめちゃくちゃうまい。

まだ最初の方の、主人公が園児の時。
友達のマリーちゃんに「かわいそう」と意地悪で言われたとき。
ここの描写がすごくいい。

『かわいそう』、その言葉の持つイメージが、分からなかった。ふっと視線を落とすと、クレヨンの箱の端に灰色があった。赤や黄色など、使われてどんどん小さくなってゆく仲間たちと違っていつまでも新品の顔をしているやつ。黒みたいにはっきりしていないくせに、塗ると絵が一気にくすんで見えるような、扱いづらい色。ああそうだ、『かわいそう』って灰色みたいな言葉だ。世界を、言われたひとを、どこかくすませてしまう言葉。

「宙ごはん」より

ただ「嫌な気持ち」になったって表現するのではなくて、クレヨンの中でもはぐれ物の灰色の状態を説明してからのこれ。
この表現がいい。好き。

そしてここで登場するマリーちゃん。
一時的なキャラかと思いきや、まさかの母の不倫相手のお孫として、再登場したからびっくりした。

不倫をしたカノさんに対して
「それを覚悟で加害者になったんでしょ」と、話すやっちゃんに
「そーだそーだ!」と、言いたくなった。
不倫が好きな人がこの世にいるなんて思ってないけど、
悪いと思ってない人がいるのは知ってる。
ただ、カノさんの背景を知ったら不倫が絶対悪とはハッキリ言えなかった…。
でも、だから許されると思ってもいけないことなんだよ。

やっちゃんが死ぬなんて思ってなかった。
ほろほろと泣き続けてしまった。
でも、ちゃんとやっちゃんの意思が継がれて嬉しかった。
カノさんの中にも、やっちゃんが宿ってたのも感動した。
最初カノさんのこと得意じゃなかったけど、よかった。

飲酒運転、ダメ絶対。
飲酒運転したことある人には車売ったらいけないとかしても、そーゆー人はそもそも感覚違うからなんだかんだで入手して運転するんだろうなとか考えてしまう。


まとめ

主人公《宙》が大人になるまでの話で、色んな家庭内情が交錯してるけど、ここまでまとめあげれてるのがすごい。

これは道徳心が育まれる。

ただ、本当に辛い家庭事情をもつ方で、まだ客観視できない人はしんどいと思うので、避けて欲しい。

ちなみに性的暴力は出てこないです。

でも、交通事故の話はあるから気をつけて。


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