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はじまりの「死」

【はじまり】
何かを思い立って行動に移すときの、皆さんの「きっかけ」は何ですか?
音楽を聴いて、心が震えたとき。
綺麗な景色を見て、感動したとき。
憧れの人と出会い、言葉を交わしたとき。

私のきっかけは、大切な人の死と出会ったとき。

物事の「きっかけ」は十人十色ではありますが、
物事から「気付くこと」「学ぶこと」「感じること」があり、
そこから「行動に移し」「自分を変えていき」「希望を見出す」
このゴールまでの道のりは同じであると感じています。

【死がはじまり】
小学1年生の時。
初めて亡くなった人の顔を見たのは祖母でした。
清々しい顔で眠っている祖母の横で、
号泣しながら「ありがとう」と伝える両親を見て、
『死』は「悲しみと感謝を同時に与えるもの」だと私は学びました。

看護学生の時。
人形でなく、実際に初めて人工呼吸を行ったのは祖父でした。
祖父の胸に手を当てて懸命に蘇生を試みましたが、亡くなりました。
『死』は「無力さといのちの儚さを同時に与えるもの」だと私は学びました。

2011年、東日本大震災の2か月後。
健康体そのものであった父が、突然亡くなりました。
父の孫を生み抱いてほしいという夢は叶いませんでした。
しかし、父が亡くなった5年後に私は長女を出産し、母が長女を抱っこして父のお墓参りに行くことができました。
『死』は「限りと夢の続きを同時に与えるもの」だと私は学びました。

【私のゴール】
「死」と聞くと、悲しみや苦しみなど暗いイメージがあるかもしれません。
しかし、祖母や祖父、父、そして看護現場での多くの「死」から私が得たものは、「だからこそ生きる」という前向きなメッセージでした。

ありがたいことに、私は今、生きています。
心臓が動いている限り、身体が動く限り、自分の想いが冷めないうちに。
自分のゴールを目指して生きていきます。

たくさんの「死」と出会えた私だからこそ生きる。

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