【初心者向け】初めてでも書ける!二次創作小説の書き方~短編・ワンライ向け~

はじめまして。
二次創作字書き・シナリオライターとして活動しております、tona と申します。

この記事では、「字書きとして活動したいけど、小説の書き方が分からない」「アイデアはあるのに形にする段階で挫折してしまう」「初心者だけど将来的に神字書きになる予定!」…そんな方向けに、とにかく一つの小説を完成させる!という方法を発信できればと思います。

絵と違い、文章というのは技術的な意味で誰でも書くことが可能です。
萌えとやる気さえあれば、文才がなくとも今日から誰だって「字書き」になれるのです。
(いわゆる”文才”についてはまた違うお話になると思うので、別の機会に掲載できればと思います)
まずはワンライ・短編などで使える短い小説の書き方から、よければお付き合いください!
字数は大体1000~2000字前後になるかと思います。
あなたの萌えを、あなたの手で作品にしていきましょう。

STEP1 ログラインと○○を決めよう

ログラインとは、「その作品を一言で言うと?」ってやつです。
よくpixivの紹介文や、同人誌のサンプルツイートで見る「○○が××して□□する話」みたいなやつですね。
あなたがこれから書く物語を、一言で言い表してみましょう。

書きたいネタ・妄想は、きっともう頭の中にあるはずですよね?
まだ内容がぼんやりしてても大丈夫です。友達やフォロワーに「こんな小説書く予定なんだ~」と伝える気持ちで。
ポイントは「何ソレ、絶対読みたい!!」とフォロワーが食いつくような一文にすることです。
一行で分かりやすく魅力的に…作れましたでしょうか?

ではもう一つ、作品を書き始める前にできれば決めておいた方がいいことがあります。
それは、読者の感想です。

物語のゴールは結末ですが、創作のゴールは感想です。
この小説を読んだ人に何と言われたいのか、どういう気持ちになって欲しいのか、ツイッターでどんな感想を呟いて欲しいのか。
自分の中でこれを決めておくと、作品の質は驚くほどぐっと上がります。
具体的であるほど、作品の形がご自身でもよく見えてくるはずなので、是非書く前に設定しておくことをオススメします!

例)受けが健気で可愛すぎる/攻めが雄過ぎて最高!!/キスシーンの描写がめちゃくちゃよかったです 
などなど……
これを目指して作品を創っていくんだ、という指針にもなりますし、想定した感想を実際に言ってもらえたら、自信にも繋がると思います。

ところで……字書きが本当に言って欲しいのは、「○○さんの作品はやっぱり最高だぜ!」という、自分の力量や個性に対しての評価だと思います。
が……この感想をもらうのはとてもハードルが高いことです。
どうすれば字書きとして頭一つ抜ける事ができるのか、それについての個人的見解は、後々書かせて頂ければと思います。

STEP2 本文を書こう

今回は短い小説ということで…もう本文書いちゃいましょう。
さっきのログラインを元に、自分が今書こうとしているネタを思い浮かべながら読んで頂けると、より分かりやすいかと思います。

物語の中であなたが書く必要のあるものを並べていきますので、ネタと照らし合わせながら一つずつ付け加えていってください!
では、起承転結に分けて書いていきます。


●場所・時間
●二人の現在の関係

起はこれだけで大丈夫です。順不同で配置してみましょう。
「二人の現在の関係」というのは例えばこんな感じです。

例)もうすぐ初デート、この間告白された、実は浮気を疑ってる、好きだけど言えない、別れを切り出そうとしている、とにかくラブラブ…など

この小説のスタート地点で、彼らはどんな状況に立っているのか?
それを分かりやすく書くのが起の部分です。

またまた例ですが、たとえば「●●しないと出られない部屋」でssを書こうとしている場合。
・●●しないと出られない部屋にいる!
・両片思いだけどまだ付き合ってないor頼み込んで付き合ってもらったけど、コイツは俺とこういうことなんかしたくないだろうな…
こんな感じでしょうか。

では続いて…

承・転

短編ですので、承と転、いわゆる物語の本題の部分は一緒にさせて頂きます。
あなたが考えた萌えネタをぶち込むのはこの部分になります。

さて、肝心の中身の書き方ですが…まずさっきのログラインを、3倍の長さにしてください

例)Aくん(攻め)とBくん(受け)が放課後に新作のアイスを食べに行く話

付き合ったばかりのAくんとBくんが放課後にSNSで話題になってた新作アイスを食べに行……きたいけど、そんなのデートみたいじゃんって恥ずかしくて素直に誘えない……けど結局二人で行くことになって放課後青春デートする話。

あなたが物語の中で書くのはこれだけです。
これ以上は書きません。短い小説で起こせるのは、大体3アクション程度かなと思います。
このくらいなら、なんだか書けそうな気がしてきませんか…?

で…もうお気づきかと思いますが、これはそのまま物語のあらすじになります。
妄想・ネタ・あらすじ、これらを小説の形にするのが…字書きなのです!
この承・転の部分がいちばん長いパートになりますが、作品を投稿する時の高揚感を想像しながら(笑)がんばりましょう!

●●して、××して、□□する。
物語の大筋は決まりました。
さてここからが、行き詰まりがちなポイントですよね。

やることは決まってるけど、その間が埋められない…。
どんな会話をさせればいいのかわからない…。

大丈夫です!手っ取り早く完成させるために…
これから下記に、物語を作るための材料を書き並べていきます。
あなたの作ったあらすじに、以下のものを付け加えていってください!

たくさん並べますが、全部じゃなくても大丈夫です。
あなたの小説に必要だと思う要素をピックアップして入れていってください。
(特に描いて欲しいものに関しては太字にしています)

Bくん(受け)は今どうしたいのか(Bくんの欲求・願望)
・その欲求が叶いそうにないなら、何故叶いそうにないと思うのか
・Aくん(攻め)のことをどう思っているのか(本音でも建て前でも)
・Bくんの可愛い部分の描写(仕草や表情、台詞、服装、考え方、性格など)
Aくん・Bくんが言いそうなこと、とりそうな行動
・公式を元にした描写(身長や容姿の設定、生い立ち、くせ、原作内エピソードに言及する台詞など)
・AくんはBくんのことをどう思っているのか匂わせる描写
・Aくんは本当はどうしたいのか、を匂わせる描写
・Aくんが思わずBくんを「好きだ!!」と強く感じるような言動(または、「なんでそんなこと言うんだよ」と心揺さぶられるような言動)
・読者が「多分こうなるだろう」と展開を予想させる一文
・それを上回るかっこいい・かわいい台詞/言動


「●●して、××して、□□する」、あらすじのおおまかなアクションにこれらを付け加えていくことで、小説の形になっているはずです。
あらすじ+キャラクターを魅力的に描く、を同時進行していく感じです。

読者さんは、原作のキャラクターが好きだからあなたの小説に目を通しているということを念頭に置いておけば、自然と萌える作品ができるはず!
よく”キャラクターが勝手に動く”と言いますが、魅力的なキャラが元々いる二次創作というのは、よりそうなりやすいものと言えるでしょう。
「こっちの方がいい」とキャラの心情や言動で展開が変わりそうなら、そっちに転ばせてあげてもいいかもしれませんね…!

(補足ですが、上記は「受けを主人公」として見立てた場合なので、攻めを主人公にしたい場合は、随所反転させると良さげです)

ここまでくれば、あと書くことは二つだけです。

・スタート地点と何が変わったのか
・余韻

これだけです!こちらも順不同で配置して頂ければと思います。

「スタート地点と何が変わったのか」
これは、二人の関係や、AくんのBくんに対する思いの強さの変化、目的を達成した・又はできなかったことへの思い、気持ちが伝わったのか、考えが変わったのか、もしくは何も変わらなくても、やっぱりAくんはかわいかった、などの結論でも大丈夫です。

ここは言葉にしすぎると説明的になりがちな部分ですので、表情や風景、仕草や台詞の一つ程度で個人的にはいいと思っています。
つまり何が言いたいかというと…心情描写をすると、物語が締まって見える、ということです!

補足になりますが、ここで描くものに関する「前振り」を起・承・転のどこかに配置すると、お手軽な伏線になるのでオススメかも…です。
すごくありがちですが、最初は雨が降っていたけれど、結末にはAくんの心情と同じように空がすっきり晴れている…とか、そんな感じで!

続いて「余韻」についてです。

余韻は、「これからこうなるんだろうな」、「ああ…この二人がこうなってよかったな」、「なんでなんでなんでこんなことに……」
と、読者さんが思いっきり読書体験に浸れるようなものであるといいです。

たった2000字程度の小説だけどもっともっと広がりがあるような…。
この話の続きの展開を想像せずにはいられない、そんな終わり方ができるととても良いと思います。
そしてここが秀逸なssって、感想呟かれ率が高い気がします…!

STEP3 作品を見直してみよう

書いた小説を投稿する前に、振り返って最後の見直しをしましょう!
チェックポイントをいくつかあげておきます。

・これどういうこと?と引っ掛かって集中できなくなってしまうような部分はないか
・キャラクターの感情に筋は通っているか、言動に矛盾はないか
・書かなくていい無駄な文章はないか
・最初に設定した「感想」を抱けるような作品になっているか

作品を読み返してイマイチかも…と思った場合は、大体上記のものが原因である場合が多いです。
全部オッケーなら…作品完成です!!

ここまで本当にお疲れ様でした!ちょっと長かったですかね…
二次創作短編・ssの書き方は以上です。
これからばんばん執筆して、素敵な小説をTLに流しまくっちゃいましょう!
このnoteが、あなたの字書きライフの一助となれば幸いです。

また、ここから先は有料記事となりますが、
「作品の個性ってどう出せばいいの?」と悩んでいる方向けに書かせて頂きました。
小説で個性って…難しいですよね。絵と違って絵柄があるわけでもあるまいし…。
気になる方は、よろしければどうぞ!

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