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”より少なく、より豊かに。”くらしに寄り添うプロダクトブランド
数年前から個人的にものづくりを行ってきたのですが、この度、新たにプロダクトブランドとして名前を付け活動していくことにしました。
nuff(ナフ)と言います。
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今、複数の商品開発をバタバタと行っている真っ只中ではあるのですが、どのような考えでモノづくりに向き合っていくか、今の考えを共有させて頂こうと思います。
挨拶
SNSではTommyという名前で活動している田口智祥といいます。簡単に経歴をご紹介をしておくと、私は大学と大学院で、工学設計とインダストリアルデザインを学んだ後に、精密機器メーカーに就職し、デザイナーとして、商品企画、プロダクトデザイン、ビジュアルデザインなどを中心に広く携わっています。
なので普段から分業ベースのものづくりには触れているのですが、このブランドでは、デザインから設計、プロモーションまで基本的に私ひとりで行うことになる(必要に応じて外部とタッグを組む)ので、必然的によりこじんまりとした規模感のものづくりが対象になると思っています。
葛藤
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日々新商品が生まれは消えていきます。
既に物で溢れているのに、新たに資源を投入して新商品をつくる必要があるのか、わずかに外観を変えただけの商品に作る価値があるのかと、ものづくりを志して大学生をしていた頃から、違和感を感じていました。
一方、本当に欲しいデザインがないと感じるケースがあるのは確かです。
世の中に商品を提供するからには、作る価値があると言えることが必要条件だと思います。それは、デザインの視点にオリジナリティがあったり、健康的な物作りとなっているなど、なんでも良いと思います。自分のデザインを俯瞰しながら「これは作る価値がある」と「これは作る価値がない」の間で揺れながら、ものづくりをしていくのだろうと思っています。
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使命
現代の生活は、利便性を求め、物で溢れた結果、本来私たちの能力を引き出すはずの物によって、くらしが圧迫されていると感じることがあります。
私の普段のYouTubeやインスタ、ツイッターの発信活動の根底には、部屋と暮らしと仕事は地続きでつながっており、部屋を整えることは心豊かな日々に導くという考えがあります。
単純に”見た目だけスッキリ”させたり、”おしゃれ”にするという意味ではありません。物で溢れ、複雑になった現代の日々に寄り添い、より少なく、より心豊かに暮らすためのモノのカタチを探求していく考えです。
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哲学
暮らしをシンプルにする物って、どんなカタチをしているのでしょうか。
私は「Just Enough 」という言葉に可能性を見出しました。「Just Enough」とは、必要十分で、ちょうどいい様を表す考え方で、ブランド名の由来にもなっています。
Azby Brownの著書「Just Enough: Lessons from Japan for Sustainable Living, Architecture, and Design」では、江戸時代の日本の暮らしに言及し、その「足るを知る」暮らし方、無駄のない、けれど満ち足りた生活を指して「Just Enough」と表現しています。
同じ考え方でプロダクトをデザインするとどうなるでしょうか。
例えば、ナイフ、フォーク、スプーンは、それぞれが切る・刺す・すくうの単一の機能しか果たしません。一方で、お箸はひとつでつまむ、はさむ、すくう、切る、はがすなど、複数の機能を果たすことができます。そして、お箸の構造と造形は単純な2本の棒を組み合わせただけの、より潔いものです。
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このお箸のように、あえて手を加えすぎないからこそ生まれる、用途を限定しない余白のあるカタチこそが、現代の細分化されたデザインを統合し、物と人との関係性をよりシンプルにするのではないかと思います。
「必要十分」と言うと、一般的には「ベストではない」という、ややネガティブな印象を受けるかもしれませんが、そうではありません。
現代では「技術も材料も時間も惜しみなく投入する」と”良いもの”はできてしまいますが、それって本当に必要?と思うわけです。
材料も技術も装飾も必要最小限に留めながら最大限の効果を引き出すことの方がずっと重要であり、「人のより豊かなくらし」と「地球環境のよりよい未来」を両立する、全体で見たときにちょうどいい解を導く大切な考え方だと思います。
製品
昨年リリースしたKOROMO table topは、プロダクトブランドnuffの製品として引き継ぐのですが、まさにこの「Just Enough」の考えに基づいています。
テーブルの天板が劣化したり、雰囲気を変えたい場合、新しく買い替えなくても、手持ちのテーブルの脚や構造をそのまま利用すれば、テーブルトップを乗せるだけで十分です。
KOROMOの構造は、縁が立ち上がっている、お弁当箱のフタのようなカタチをしています。一見単純ですが、その立ち上がりは手持ちの天板を覆い隠す役割を果たすだけでなく、koromo本体の天面の面直方向の反りを防ぐ役割も担っています。
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さらに、ねじれ方向については柔らかいという構造上の特徴があります。 なので、手持ちの天板に多少ねじれがあっても柔軟に変形してフィットしてくれるのです。また、背面には滑り止めシートを貼っただけ。固定の仕組みは不要と判断しました。最小の要素で必要機能を実現する、まさに「必要十分でちょうどいい」デザインと言えます。
今後
次の製品は、ベッドフレームを予定していまして、今リリースに向けて工場と細かい仕様を詰めているところです。
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それではプロダクトブランドnuffをよろしくお願いします。
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