見出し画像

「目的」と「手段」を混同すると目的は達成できない

いま行っていること、その「手段」が「目的」に変わっていないでしょうか?

初めは明確に「目的」を捉えていたはずが、時間の経過とともに目的意識が薄れ、気が付いたら「手段」が「目的」になってしまっていた。他の人に指摘されて目的と手段を混同していることに気が付いた。

といった経験がある方もいると思います。

「手段」が「目的」になってしまうと、目的達成が遠のいてしまう上に、その行為自体が無駄になってしまう場合があります。

本記事では、「目的と手段の混同」をテーマに書いていきます。

目的と手段の違い

まず、目的と手段の違いは何でしょうか。最近のトレンドである、ウイルス感染を例に挙げると次のようになります。

目的
・社会的なウイルス感染拡大防止
・社員のウイルス感染防止
手段
・テレワーク率 70% 以上

社会的なウイルス感染の拡大防止や、社員のウイルス感染を防止することを目的に、その手段として、人の外出を避ける、具体的なアクションとしてテレワーク率を 70% 以上にするといった例です。

目的と手段を混同した例

続いて、目的と手段を混同している例を示します。

目的と手段を混同した例
Aさん:「会社から、テレワーク率を 70% 以上にするよう指示が出ているから、デスクワークの自分は出社できないな。でも、家だとテレビを見ちゃって集中できないから、新宿の駅前にあるカフェで仕事することにしよう。あのカフェはいつも混んでるけど、帰りに買い物もできるし、定期券内で行きやすいんだよな。」

上記の例の場合、目的を正しく理解し、目的達成のために行動していると言えるでしょうか?

目的を達成するための手段であるはずの「テレワーク率」を達成することがAさんにとって目的となっています。実際にカフェで仕事をしてウイルス感染するかどうかは別として、これでは、本来の目的である、ウイルス感染防止に対して、感染リスクが非常に高まっています。

少々、極端な例かもしれませんが、上記のAさんは「なぜ、テレワークをしなければならないのか?」を考えていないために、目的と手段を混同している状態になっています。


次に日常の業務で起こりそうな、別の例も挙げてみます。手段は色々あると思いますが、今回はひとつの例として挙げます。

問題提起
新規開発案件で毎回、同じトラブルが起こり、解決に時間を浪費していて、いつも納期に遅れる。
目的
新規開発案件で同じトラブルの再発を防止して開発スピードを向上する。
手段
開発時に起こった出来事を日報として記録する。
目的と手段を混同した例
Aさん:「終業前に、日報を書いてって言われたから、面倒だけど今日やった作業を書くか。」

Aさんの日報:
今日は開発中のシステムで正常に動作しない問題が見つかりましたが、対策をすることで解決できました。以上。

上記の例も、目的を正しく理解し、目的達成のために行動しているとは言えないと思います。上司に日報を書けと言われたから書いている、つまり、「日報を書く」という作業が目的になってしまっているのです。

これでは、次の開発でも同じトラブルが起こる可能性が高くなります。新しいことに挑戦して、今までに経験のない失敗で悩むならまだしも、過去に経験した失敗を繰り返して、時間を浪費するのは非常にもったいないです。

もし、過去のトラブルを忘れていても、日報に記録しておいて、検索して10秒で見つけ出せれば大した時間をかけずに解決できるはずです。また、新人に仕事を託しても、スムーズに問題を解決できると思います。そういったことを意識して、起こった問題と解決策の具体的な内容を記録しておくべきです。

上記の例も最初の例と同様に、Aさんは「なぜ、日報を書かなければいけないのか?」を考えていないために、目的と手段を混同している状態になっています。

目的と手段を混同しないためには?

ここまで、目的と手段を混同している例を挙げました。では、目的と手段を混同しないためには何をすればいいのでしょうか。

1つ目は、「目につくところに目的を書いておく」ことです。

2つ目は、「なぜ、それをするのか?」を問うことです。

特に、日々の仕事において「なぜ?」を意識して働くことは非常に重要だと思います。「なぜ?」を意識して働くだけでも、日々の仕事の進み方や、成果物の良し悪しは変わってくると思います。

何かお役に立てたら、サポートしていただけると嬉しいです!モチベーションを高めて、アウトプットしていきます!