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地方の復活の鍵は何なのか?「地方再興戦略」 木下斉 氏

冒頭下記のキーワードが出てきました
1. まちを1つの会社として捉え、競争を意識する
2. 自治体規模ではなく、都市圏規模から考える
3. 産業史から都市の変遷を意識する

私が注目したのは1と2です。「まちを1つの会社として捉え、競争を意識する」これについては、日本の自治体の箱もの経済の負の遺産の事例や、ヨーロッパーの衰退都市の復活劇、産業を町全体で守り生産者をリスペクトするシャンパーニュ地方の事例などをもとに話されていました。その中でも気にするべきは失敗事例。公的機関が地方創生、街づくりの為にと作った施設がわずか3か月で資金繰りが回らなくなるという事例があるほど、読みが甘いケースが多いといいます。

残念ながらこう言った失敗事例は多くは語られません。

当然です。失敗した事例を「失敗しました!」という公的機関は皆さんも想像はできないと思います。なぜ失敗するのか?を考えられないことにもったいなさを感じますね。

この失敗建設費にばかり視線がいきますが、維持費は実にその3倍から4倍かかってから取り壊されることが多いといいます。町全体でそんな負の遺産を抱えていると考えると苦しさしかありません。

ここでキーワードです。なぜ失敗するのでしょうか?

それは人口増加社会での成功モデルを人口減少社会でも行っているから。
これしかありません。人口増加社会では増床増床でも社会が成長しています。その分消費があるのですが、減少社会では消費は減りますし、意識的にも守りに入るのではないでしょうか?そんな中で箱もの経済を取り入れて施設ばかり作ると痛い目に合うということです。静岡はそうならないように気を付けなければなりませんが、どうでしょうか。

一番の注目は「自治体規模ではなく、都市圏規模から考える」
いつも私も考えている「関係交流人口」と同意ではないでしょうか?政令指定都市の中でも静岡市はおそらく通勤で域外から入ってくる人が少ないと想定されます。それは静岡県内にはもう一つ浜松市という静岡市以上の規模の都市もあるからです。それだけではないでしょうかが・・・。
目立った産業もなく消費都市として成り立ってきた静岡の都市圏規模を上げるためのヒントはなんでしょうか?

サービス業の発展と関係交流人口を活用したビジネス展開だと私は考えています。そんなヒントをもらえたセミナーでした。

ちなみに、政令指定都市内で若者率が最も低いのは静岡でした。少し悲しくなりましたが、受け入れて変えていくべきですね。(中川豊章)


[以下はメモ書きです。]
失敗事例は報告しない→
人口が増えている時期の制作
実態はコンサルに丸投げ状態
建ててから解体廃棄するまで、建物は建てた金額の3~4倍の費用がかかる
地元の負担は建てる時よりも、建てた後である・・・
スペインバスクでは一部だけを再生する為に、集約地点を作る。
車が入れるところの価値が上がった時代は変わり、車が入ってこれない場所の方が、価値が高くなっている。
サービス業の方が地域内でお金が回る。国家戦略特区なら路上でいろいろできる。
ガストロミー(美食)の産業集積
イギリスリバプール
都市中心部においては、都市圏を確保しつつ再開発とリノベを組み合わせる
ナイトタイムエコノミー
余剰ストックが多いストック社会のメリット
貿易用倉庫を活用、リノベーションした美術館
官民ファンドで開発したコンベンションセンター(1ラウンドで2000億円調達)
ロードオブメイヤー(前年の最高納税者→翌年は街の為に働け)
フランス・エペルネー
人口が減った際に所得/人口
必要な費用を人口で割って問題なければいいでしょ
長く続くファミリービジネス(地元資本)が息づく
拡大生産はしない/つくている人をリスペクトする/価格競争にならない
2/3は内需、1/3は県外にでる
遠くで売るほど高くなる(これが重要)
日本では九州で作ったものが東京でも同じ値段。
プロジェクトファイナンス
人口が増えている場合と、減っている場合では人口集積という意味で方法論が異なる、内需中心産業が伸びる。

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