2代目トヨタアクア試乗記

0.はじめに

たまたまだが、レンタカーを予約したらアクアが配車された。
タイムズレンタカーなので(タイムズレンタカーの前身はマツダレンタカー)マツダ3のつもりでいたのだが、アクアだった。

せっかくなので備忘録としてインプレッションを残す。

ただ、最初にお断りしておきたい。

当方、トヨタアクアは世の中のクルマの中で最も興味が湧かないクルマだった。
私の中ではもはやダイナやコースターと同じレベルの存在感である。

なぜか。
1つは初代アクアはクルマ好きがアツくなる部分もなく、いかにもトヨタのヒエラルキー上でのみ重要なクルマで、(クルマを見る気も起きないほど)そこはかとなく安普請な雰囲気が漂っていたこと。

もう一つは初代アクア登場の2011年末から2012年に掛けて、私事がバタバタしていた時期だったから。
結婚式場探して、その後急遽単身渡米出張して汗かいていた時期だ。

そんなアクアも2代目にモデルチェンジした。
もしかすると実家のクルマの候補になるかも知れないと思い出した。
実はサイズ、性能、価格のバランスが割と良いのだ。

そんな感じなので、淡々と記す。

1.アクアとは

初代アクアは2011年12月に発売されたハイブリッド専用車。
ベースはヴィッツ(輸出名ヤリス)だが、デザインモチーフをプリウスに似せ、海外ではプリウスCと言う名前で販売。

日本では3代目プリウスのボディサイズが3ナンバーとなった事もあり、小型5ナンバーボディのアクアはヒット作となった。
2013年から2015年にかけて登録車ランキングで1位だったほどだ。

ヴィッツより格上の1.5Lエンジンにモーターと言う割とパワフルな構成かつ、空気抵抗を下げるために全高を抑えたデザインで、スポーティかつ安価なのがヒットの要因か。

2011年当時はハイブリッド車のラインナップはさほど多くないのでよかったが、ヴィッツも同じパワートレーンを使うヴィッツハイブリッドを追加し、今やトヨタはほとんどの車種でハイブリッドを用意している為に存在理由が曖昧になっていた。

そんなアクアは2021年に2代目にモデルチェンジする。

2代目アクアは先代のデザインイメージを踏襲しながら、割とネガを潰した構成に見える。

ハイブリッドユニットも基本的には先代と同じTHS IIを踏襲するが、エンジンやモーターはヤリスハイブリッドと同じ。新型ダイナミックフォースエンジンを採用。
シャシーもBプラットフォームから新しいTNGA GA-Bへ。

ヤリスハイブリッドの兄貴分というわけだ。

2.2代目アクアとは

以下にアクア新旧とヤリス、ライバルであろう日産ノートのサイズ、重量比較を記す。
(サイズは全てmm、重量はkg。アクアやヤリスのグレードはベースのX 2WD)

現行アクア/先代アクア/ヤリスハイブリッド/ノートe-POWER
全長 4050/4050/3940/4045
全幅 1695/1695/1695/1695
全高 1485/1455/1500/1520
前後車軸間(ホイールベース) 2600/2550/2550/2580
車重 1120/1080/1050/1220

アクアの全長全幅は先代と変わらず。
しかしながらホイールベースは50mm、全高は30mm拡大されている。コレにより後席スペース拡大されている模様。
興味深いのが車重。ノートはアクアより100kgほど重い。
このクラスでは無視できない重量差ではある。e-POWERはトヨタTHSよりも簡素な構成のはずだが、ノートはルノールーテシアと同じプラットフォームを使うからだろうか。欧州市場がメインのルノーからしたら高速性能含めしっかり作っておかないとという事か。

プラットフォームもヤリスと同様。
TNGA GA-B採用。サスペンションも共通。

エンジンは1.5LダイナミックフォースエンジンのM15A-FXS。3気筒、ミラーサイクルのポート噴射式、91馬力。
コレに80馬力のモーターが付く。ヤリスハイブリッドと共通。
エンジンとモーター双方をミックスしたシステム出力は116馬力(エンジンは発電と動力双方を担う為、単にエンジンとモーター最高出力の総和ではない)となる。

トヨタのハイブリッドシステム、THS IIについて改めて説明すると、エンジン動力とモーター動力を遊星歯車機構でミックスしたパラレルハイブリッドだ。
エンジンは動力機としても発電機としても使われる為、発電用と動力用の2モーター式。
遊星歯車機構は動力ミックスだけでなく、変速機としても機能するのが、THSのキモだ。

対する日産e-POWERはシリーズ式ハイブリッドで、エンジンは発電機専用。動力機構はモーターのみとなる。モーターは高速での性能、効率がガタ落ちするが、150km/hまでなら(燃費は悪化するが)加速性能は充分だ。

図らずとも、ノートe-POWERのモーター出力も116馬力だ。

3.バイポーラ式ニッケル電池

アクア最大の技術的トピックは、豊田織機が開発したバイポーラ式ニッケル水素電池の採用だろう。

元来トヨタのハイブリッドはパナソニック製ニッケル水素電池を採用しており、近年はコレをリチウムイオン電池に変更して高性能化を図っていた。

それがここにきてまたニッケル水素電池かよ、とは思うが、そこはハイブリッド用電池と言う用途だからだ。

電池のみでの走行も可能だが、通常はエンジンとのミックスで利用になり、電池は常に充放電を繰り返される。

となれば容量よりも充放電性能が重要で、そこの性能が上げられるのなら安全性も高いニッケル水素電池の利用はアリなのだ。

バイポーラ(双極)式とは、正極と負極を1枚で構成する方式だ。

通常の電池は各セルに正極(+)と負極(-)があり、単体セルで電池として成立させ、それらを配線で接続して高電圧化する。
単体セルだと1.2v(ニッケル水素電池)しかないので、多くのセルを束ねて180〜200vにして使うのだ。

バイポーラは単純にこの配線を無くして、正極と隣のセルの負極をくっつけてしまう、すなわち電極表面は正極、裏面は負極の1枚にする。
電極はそのまま隣り合うセルの電解液仕切り板となり、多くのセルが合体した形になる。

配線が無くなり、スペースや重量節約も去ることながら、内部の電気抵抗が極小化され、高出力化が可能となる。

なぜ今まで出来なかったかと言えば、製造上電解液漏れなどの対応が難しいからだ。
どこか1箇所でも漏れたら使い物にならないどころか危険ですらある。
コレをセル単位で品質管理から、バッテリーパック全体で管理しなければならない。
その製造が可能になった所がブレークスルーなのだ。

そこで気がつく。
コレ、全固体電池ならイケるんじゃない?って事。

そう、全固体電池の最大のメリットは、電解液が無く漏れの危険性がない。即ちこのようなバイポーラ式にするのも容易なのだ。

と言うより、バイポーラ構造など様々な手法で集積密度を上げて高出力化するのがそもそも全固体電池の狙いだ。

全固体電池実用化研究の一端が、このバイポーラ式ニッケル水素電池の登場につながったと言って良いだろう。
素晴らしい。

4.実車検分

グレードはX 4WD。東北地方で借りたために4WDだ。
アクアのグレードは上からZ、G、X、Bの4種類。

最廉価のBはスマートキーも後席パワーウインドウも無く、電池も低容量リチウムイオン電池になる、誰も買わない誰にも売りたくないカタログ上最低価格を表示する為の見せ球モデルであり、実際にはXが最廉価モデルになる。

前輪はエンジンとモーターのハイブリッド、4WDの後輪はモーターによる駆動となる。
後輪モーターは6.4馬力しかないので、雪道などていざという時のアシストのみと思って良い。

リアサスペンションはヤリスと同様に、2WDがトーションビーム式、4WDモデルはがダブルウィッシュボーン式となる。

とは言え、同じダブルウィッシュボーンでもカローラ/プリウスやカムリ、RAV4やハリアー(トレーリングアーム、アッパーアーム、ロワアーム2本の4リンク)とは異なり、シンプルにトレーリングアーム、アッパーアーム、ロワアームの3リンクとなっている。

ダブルウィッシュボーンと聞くだけで高性能と色めき立つ輩が多いが、トヨタは決して高性能化したくて採用したわけではない。

リアサブフレームにモーターを仕込んでもアクアやヤリスのスペースに収められる様コンパクトにする為にこうなったと言うだけだ。

ロワアームが1本と言う事は、コレが2本のカローラ系とは違い、ストロークによるトーコントロールは期待できない(カローラ系のGA-Cは2本の前後アームの長さを変えて、ストロークと共にトーインとなり、よりスタビリティを高めるカタチ)。

ただ、カローラ系はトーコントロールとストロークを成立させる為に、トレーリングアームのボディ取り付け部ブッシュの剛性を落としてる。要はそのままじゃ動かないリンク配置なのだ。

それらに比べると、アクア/ヤリス4WDのリアサスは無理が無く、フリクション低減できそうな構成ではある。

5.運転席検分

パコっと言う音の安物感なドアを開けて運転席を確認する。

右ハンドルの仕立ては素晴らしい。
ブレーキペダルはステアリングコラム右下、その右隣にアクセルペダルがある。ペダルオフセットは無い。
ステアリング位置は僅かに左にオフセットされているが、影響は無いと言って良い。

廉価グレードのXはヤリスやヤリスクロスの廉価グレードと同様にヘッドレスト一体のシートとなる。
このヘッドレスト一体シートは、ヤリスで見た際にシート剛性が低く感じられ、あまりちゃんと見てなかったのだが。

座ってみるとかなり良い。
ウレタン一体成形のシートに薄手のファブリックがくるんであるだけだが、ウレタン形状がしっかりしてる。
ポジションを決めて座ると、面圧も均一で背中に吸い付く。薄手のファブリックは伸縮性があるのかウレタンの感触をそのまま伝え、心地良く身体にフィットする。
サイドサポートも割とあり、肩甲骨のサポートもキチンとしている。

見た目安普請のチンケなシートかと思いきや、ええやないか。

ステアリングはチルトとテレスコあり。
ドラポジも問題なく決まる。

ステアリングホイールは上方にオフセットされてるのが嫌だが、真円だから許す。

運転席環境は満点とはいかないものの、高得点なのは間違いない。

後席検分

後席は割と低く、窓下端が上になるため
閉鎖的な感じになる。

背面は寝かせてるわけではなく、上体を立てたアップライトな姿勢になる上に、サイドサポートは見た目以上に万全。身体がブレない。

座面角も太腿が浮く事もなく、ちゃんと人を乗せて設計されてることがわかる。
収まってしまえば、空間も狭くなく、不満はない。

極めて真面目な設計だ。

今回廉価グレードXの為、内装各部の加飾は少な目。

ダッシュボード上部から下部までハードプラスチック。助手席からコンソール周りまでピアノブラックで構成されている意匠がアクアの特徴か。

改めて乗ると上級グレードとの差はそこまででもない。強いて言えばドアハンドルやパワーウインドウ周りがプラスチック丸出しってだけ。
オートエアコンやメーター周りの仕様も上級グレードと共通。

なるほど、ヤリスの兄貴分だけあって、同じ廉価グレードでもヤリスより明らかに高級だ。

6.走行検分

5月ではあるが、東北地方での配車の為、タイヤは非純正スタッドレス。ダンロップウインターマックスだ。
サイズは純正と同じ185/65R15。

走り出す。ハイブリッドの為、走り出しはモーターで、その後必要に応じてエンジンが加勢する。

動力性能はかなり高い。体感は以前乗ったヤリスハイブリッドよりも速い。
今回採用のハイボーラ式ニッケル水素バッテリーの充放電性能が高いのだろうか。
パワー不足を感じるどころか、端的に速いクルマだ。

幹線道路でアクセルを踏むと、ぐーんとワープするように加速する。コレは楽しい。
エンジン音もさほど気にならない。エンジン始動も意識しなければわからないほどだ。
よくできてる動力ユニットだと思う。

ただ、気になるのが電動パワステの制御。
人工的にも程がある。
停車中の据え切りでは軽く、
少し動き出して10km/hまでは軽い。
10km/hを越えると急に重くなる、と言うか、左右に重い壁がある。ステアリング操作をするなと言わんばかりに。

まっすぐ走ってるだけなのにステアリングフィールが猫の目の様にコロコロ変わるのがあまりにもおかしく、少し悩んで気が付いた。

そうか、LKA(レーンキープアシスト)がオンだ。常に車線中央を走らせる為に、ステアリング操作を邪魔してるのだ。

早速LKAをオフにした。
ちなみにLKAをオフにするには、スイッチ長押しが必要で(モード切り替えではオフにできない)、ACC含めた機能オフになる。
ディスプレイには常時オフ表示になり、コレは「エマージェンシー状態だから普段はオフにするなよ」、って事らしい。

漸くアホみたいに変わるステアリングフィールから解放されたが、やっぱりあからさまな人工的なフィールは変わらない。
グランツーリスモなどのゲームのステアリングコントローラーの方がまだいいかもしれない。
ステアリングフィールは停車据え切りから低速、その上の速度の2モードのみ。路面状況やそれ以上の速度でフィールは全く変わらない。

操舵時に前輪アライメントによる力学的反力(キャスターアクションにより自律的に直進しようとする力)を無意識のうちに感じながらステアリング操作を行う、私の様な旧人類は怖くてステアリング操作に慎重になる。
ただ国道を真っ直ぐ走ってるだけなのに。

どうも前輪アライメントはゼロキャスターで、機構的自律性はシカトして、電動パワステ制御で真っ直ぐ走らせたいらしい。
そのせいかステアリングをグイッと切れば、ヨーの立ち上がりは速い。

なるほど、とうとうここまできたか。

今時のクルマは電動パワステがほとんどだ。
電動パワステはそのモーター機構の慣性力(イナーシャ)を消したい事、中立ではエネルギー消費低減のためにモーターオフにしたい、と言う思想から、なかなか自然なフィールにはならない。

正直なところ、VWゴルフやポロも人工的だし、最近乗ったスイスポもそうだ。
とは言え、ここまでではない。

更に動力性能は割と高いので、気がつくとなかなかのスピードになってたりする。ちと怖くなった。

またブレーキフィールも気になった。
ハイブリッドなので当然油圧のメカニカルブレーキと発電する回生ブレーキのミックスを自動制御している。

ブレーキペダルはストローク短く、踏力でコントロールさせようとしてるのは理解できる。そこはいい。

ただ、踏力無くほんの少しだけ足を乗せた所から回生ブレーキが入り減速し始める。
その先で油圧ブレーキが加勢する所がリニアでは無く、割と減速力がすぐに強まる。

なので、停止直前にブレーキを緩めてスムーズに止まろうとすると、なんと減速力がいきなり消滅して空走する。シチュエーションによってはココでエンジンがかかり、スルッと前進する。マジか。

慣れてくると、丁寧なブレーキ操作をしない事が解決策だと言う事がわかる。
止まる時はガツっと踏め、と。スイッチみたいなもんだ。

ステアリングフィール、ブレーキフィールは決してトヨタの技術力が低いからこうなっているわけでは無いだろう。

こう言うカタチを狙っていってるはずだ。

トヨタには豊田章男会長という優秀なマスタードライバーがいて、彼のOKが出なければリリースできないとも言われているのだから。

私の様なトーシロは黙っておれ、と言う事だろう。

サスペンション含めた乗り心地はそれほど悪く無い。
ボディはヤリスほどの剛性感は無いが、
コレはドア、リアハッチが妙に軽量設計っぽい質感によるバイアスかも知れない。
開閉する際、あき缶と一斗缶の間みたいな音がするのだ。

乗り心地は当たりこそ柔らかい(スタッドレスのせいか)が、後席のハーシュネスはそこそこあり、息子とカミさんから苦情が来た。
とは言え前席はそこまで感じない。このクラスなら合格だろう。

今さらだが、プリウスと共通の電子式シフトセレクター(シフトレバー)操作性は、論外。
よくもまぁこんなしょうもないものを使うなと毎回感心する。

念の為説明すると、レバーは常に中立にいる。
そこから右下に倒すとD、右上に倒すとR、右長押しでN、Pはレバーと別の独立したボタンを押す。

なぜ操作方法を普通のATセレクターから変えるのだ?なぜレバー位置を中立にもどすのか?

当然レバー位置でどこに入っているかわからないので、メーター内の表示を見るしかない。

こんなセレクターにして、何のメリットがあるのか?
普通のATセレクターから変えた事による混乱だけだろう。

ヤリスやヤリスクロス、カローラは非ハイブリッドモデルもあるせいか、通常のATセレクターだ。
こっちが正解なのはもはやみんなわかってるはずだ。
にも関わらずこんなシフトセレクターを使ってる事が大きなマイナスと言わざるを得ない。

トヨタはプリウスでこのセレクターを世に出し、なんとなく新しいって事で他も追従した。

どのクルマも操作性を変えない、誰でも操作できるユニバーサルデザインと言う視点が欠落してるが、コレで十数年やってるんだからいいだろう、と言う安易な考えで続けてる事に恐ろしさを感じる。
コクピットの哲学が欠落している。

7.ナビについて

余談だが、トヨタディスプレイオーディオが標準装備でApple CarPlayにも対応しており、それは良いのだが。
ディーラーオプションとなるナビソフトの操作性、機能がダメだ。

700m手前から交差点情報をメーター内ディスプレイに表示され、300m手前からは10mごとに距離表示、交差点に着くとココです、まで表示される。ズレは無く測位精度は素晴らしい。

しかし、目的地検索が決定的にダメだ。
曖昧検索非対応。正確に店名などを入力する必要がある。
更に似た様な名前の店名だと、検索結果が現在地から近い順にならず、とんでもない所が上位に来る。

現在地に近い順で検索するなら、更に深い階層で現在地付近を選択してから検索する必要がある。

普通現在地に近い所から検索に決まってるだろうが。ユースケースを理解してない。

また、どうも目的地が座標でしか見てない様で、裏口に誘導されたりする。どの道に面してると言う情報が足りないようだ。
今回観光するのに非常にメジャーな場所を入れたが、このザマなのだ。今時そんなナビがある事に驚いた。

こう言ってはなんだが、無料のGoogleマップやYahoo!カーナビでの経路案内でこのような事は過去に一度もない。

私の世代以下の方々ならGoogleマップなどをスマホで使うのは慣れてるのでそっちを使うだろう。
しかし、私の両親のような高齢者はこのトヨタ純正ナビを使うだろうと思うと、暗澹たる気持ちになる。

ちなみに、今のトヨタ車は皆同様の仕様だ。

ディーラーオプションのナビソフトなんぞ入れず、スマホを接続するのがマストである事はわかった。

8.総括

二代目アクアについて総括する。
パッケージは非常に優秀。
前席、後席共にキチンと座れ、瑕疵は無いと言って良い。非常に真面目な設計だ。
このクラスで評価されてるVWポロと同レベルだと思う。

パワートレーンもパワフルかつ低燃費だ。
今回もちょい乗りが多かったが20km/lの燃費が普通に出る。ハイブリッドの利点を最大限に活かせてる。ココに関してはVWポロよりもずっと良い。素晴らしい。

ステアリングフィールは褒められない。
ただそれより何より、止まるフィールが全くダメだ。
止まる性能は加速や快適性なんぞよりも遥かに重要なのは言うまでも無い。

ブレーキフィールの違和感、そして混濁するシフトセレクターの2点で、残念ながら実家の自家用車として購入する事は諦めた。

私でも時々混乱するシフトセレクターを、齢70代の両親に操作させるなんて、とてもじゃ無いが無理だ。

ただ、客観的に見てもっと売れても良いクルマだと思う。

今回乗ったベースグレードXの2WDなら210万円。
上等なシートやアルミホイールなど装備される最上位のZでも240万円。

大人4人がキチンと座れるパッケージのクルマで、パワフル低燃費なハイブリッドと考えると、この価格帯では他になかなか見つからない。
コスパ抜群だ。

当然その分コスト削ってるなと思わせる、蓋モノ(全ドア)の安っぽさは、スズキバレーノを思い出す感じだ。

そう、スイフトとバレーノ、ヤリスとアクアの関係に似ている。

バレーノは海外戦略車で、Bセグメントの中でも小さ目な旧スイフトをベースに拡大し、幅3ナンバー級のサイズにしたもの。大きさだけならCセグメント最下層をカバーする。日本でも販売した。
走りもパッケージも決して悪い訳ではないが、どうもドアが安っぽい。コレでクルマ全体が安物に感じてしまうのだ。
スイフトでは気にならないのに。

アクアもそんな感じ。ヤリスに膨らまし粉を入れた感じがしてしまう(もちろんそんなに単純な設計では無いだろうが)。

トヨタアクアはそんなクルマだった。

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