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これからの働き方を考える。フリーランス料理人、なおちゃんにインタビュー!

インタビュー企画第5弾!

今回は、フリーランス料理人として活躍中のなおちゃんにお話を伺いました。

感染症の流行で、今までやっていた仕事が急になくなってしまったなおちゃん。これからの働き方についても聞いてみました。

【なおちゃんのプロフィール】
・農場から食卓までを繋ぐフリーランス料理人
・アドレスホッパー
・世界各国を旅し、各地の料理を再現
・広島県出身
・高校3年間ニュージーランドに留学
・趣味はウクレレとアウトドア

ーなおちゃんが料理人になろうと思ったきっかけを教えてください。

16歳から19歳までニュージーランドに留学して、留学先で日本料理のクラブを作ったのがきっかけです。留学中、日本人よりは英語を話せるけど、ネイティブほど上手に英語を話せなくて周りに劣等感を持っていました。でも料理クラブでみんなに和食を教えたときにすごく喜んでもらえて。「こんな私でもみんなに喜んでもらえるんだ」と思って、それが嬉しくて料理人になることにしました。

それから広島の料亭で2年、金沢の割烹で2年働いて、その後はオーストラリアやニュージーランド、ギリシャで料理人として働いていました。修行した国はそれくらいですが、行った国は全部で35カ国くらいで、各国の料理を覚えて再現しています。

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ー留学をきっかけに、料理人になったんですね。「フリーランスの料理人」になったきっかけは何ですか?

もともとフリーランスになろうと思っていたんじゃなくて、ワーホリ中にしていた「キャンプをしながら旅する生活」を続けたいと思っていたら、成り行きでフリーランスになったという感じです。

2018年までニュージーランドにワーホリに行っていたんですが、キャンプやアウトドアをしながら生活していて、「ずっとこんな生活がしたいな」って思っていました。

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旅をしながらって考えると、日本の料理屋さんで働くのは合わないと思ったので、何か別のキャリアを見つけたいなと思って、いなフリ(田舎フリーランス養成講座)を受講しました。フリーランスって聞くと、web系のお仕事をイメージすることが多いんですが、たくさんのフリーランスの人と会うなかで、web以外にもいろんなフリーランスがあることがわかったので、フリーランスの料理人がいてもいいんじゃないかと。

いなフリ受講中に、料理イベントを企画したり、いなフリの料理人制度をつくりました。受講生や講師で毎日ごはんを準備するのって大変だから、料理人がいたらいいよねって。

なおメシ麻婆

(↑いなフリの料理人は、人数分の料理を作ります。大人数だと大変そう。)

ーそこから、フリーランス料理人としてのキャリアが始まったんですね。実際どんなお仕事をしていたんですか?

いなフリ卒業後、いなフリ中に作った料理をSNSで発信していたら、「うちでも料理を作ってほしい」と依頼が来るようになって、2019年は全国各地でケータリングをして暮らしていました。主に、HafHという宿泊サービスに加盟するゲストハウスで、地元の人と旅人が関われるようなイベントを開催していました。2019年5月に、HafH主催のイベントで私を取り上げてもらったのをきっかけに、社員の方が飲食許可があってイベントができそうな拠点を紹介してくれて、そこを転々としてお仕事をしていました。

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「なおメシ」というネーミングでお仕事をやっています。ちなみに「なおメシ」というネーミングは、友人のぼりさんが考案してくれました。

あとは、去年の7月にマレーシアでクルーズ船の料理人もさせてもらったり、AERAという雑誌やテレビにも3回くらい取り上げてもらいました。去年はアドレスホッパーという言葉が流行り始めた頃だったので、旅しながら料理をして働いているのが面白かったんだと思います。

ー2019年はフリーランス料理人として躍動の1年だったんですね。2020年、お仕事はどんな様子ですか?

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2020年は、働き方をガラッと変える年になりそうです。今までは成り行きでなんとかやってこれたんですけど、今回はそうも行かなくて。

2月から感染症の影響でイベントのお仕事がどんどんキャンセルになっていったんです。イベントやケータリング料理を中心に活動していたので、直接仕事に影響が出てしまって。今までやっていたことが突然できなくなってしまったので、これからどうやって生きていこうか思い悩みました。キッチンカーのお仕事のお誘いをいただくこともあったけど、滞在先の金谷にウイルスを持ち込んでしまってはいけないと思って、断ってしまいました。

外に出向くお仕事をずっとやっていたから、外に出られないしどうしようって本当に悩みました。「フリーランスの料理人として、私にできることは何かな」と考えていた時に、オンラインでマフィンを販売しようと思いついたんです。オンラインで実際に販売している人にやり方を聞いて、何回も試作して、かなり苦労しましたね。材料もちょうどステイホームの時期で売っていなかったので、本当に大変でした。

マフィン

ーなおメシマフィンが誕生するまではそんな苦労があったんですね。完成までの流れを詳しく教えてほしいです。

せっかくマフィンを作るなら、知り合いが育てている食材を知ってもらいたいし、ご当地の食材使うことで食べてくれる人にも付加価値をつけたいって思いがあったんです。実際には、五番地(山梨)近くのお茶や、チバベジのにんじん、あとは地元の広島産のレモンを材料として使ってマフィン作りを行いました。

広島レモン

私は意外と不安になるタイプなので、Instagramのストーリーで「マフィン食べたいですか?」ってみんなに聞いたんです。そうしたら、みんなが「食べたい」と言ってくれて。それで、「よし、作ろう」って。

マフィン作りの様子は、Instagramで随時発信していました。例えば、「マフィンの型が届きました」とか「試作しています」とか「販売開始しました」とか。そうしたらInstagram経由で買ってくれた人がみんなに拡散してくれて、それがすごく嬉しくて、生きがいでしたね。FacebookやTwitterでも宣伝して、友達がみんな買ってくれたんですが、あくまでこれは「友達経済」であって、これ以上は広げられないなと思いました。

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5月は赤字で、説明書きの作成や梱包作業に追われて、いつも夜中まで作業をしていました。疲れても休めないし、食べてくれる人に直接会うことができないのがしんどかったです。オンライン販売なので、ゴールがヤマト運輸なんですよね(笑)「やっぱり人と会うのが好きなんだ」ってことを再確認しました。

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(↑なおメシマフィン。圧巻です。こんなにたくさんのマフィンを見たことがありません!)

8個入りのマフィンをトータルで150〜160セット作りました。160個焼いて20セットに梱包。違う種類のマフィンを作る関係で20セットの注文が来るまで作れなくて、最初に注文をくれた人は2週間待ちだったり、20セット目を注文してくれた人は翌日に届くなど、ムラが出てしまったのが反省点です。shopifyというサイトを使って販売していたのですが、手続き漏れがあって、お客さんにお金が戻ってしまうトラブルもありました。

1人でマフィン作りを継続することは難しいと思い、一旦止めることにしました。フリーランスで料理人を続けるのももうダメかもしれないと、諦めて別の道も本気で考えていました。

なおメシマフィン

ー試行錯誤のマフィン作りだったんですね。マフィンを作り終えたあとは、どのような働き方を考えましたか?

イベントのお仕事がどんどんキャンセルになった時に、「個人って弱いんだな」とか「イベントは不要不急なんだな」とか「もっと自分をPRしてスキルをつけなきゃ」って思ったんですよね。同じ時期に、トラベルライター養成講座を受講している人たちを見て、みんな大変なのに新しいスキルを身に付けようと頑張っているんだなって思って、「私も新しいスキルを身につけよう」と思っていました。

ある時、友人のちづみさんから、「ゼロイチラボ」というイベントで、大阪や東京に料理を作りに来てほしいと依頼が来ました。外に行くイベントは断ろうと思ったんですけど、ちづみさんが私を説得してくれて、やってみることにしました。今思えば、「私のお尻をたたいてくれて、ちづみさん本当にありがとう」って思っています(笑)

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ちづみさんがやっているゼロイチラボとは、ゼロからサイトを作れるようになろうという講座です。自分の周りの人たちの役に立てるし、自分の仕事にもなるということで、ちづみさんに教わって簡単なサイトやオンラインショップを作る勉強をしました。今はshopifyを使って、簡単なサイトやオンラインショップを作ることができるようになりました。

そんなすぐに人の役に立てるのかなって疑問に思っていたんですが、実際に連絡をくれる人がいて、福島のある会社から「自社製品の米粉麺の食べ方を紹介してほしい」とレシピ開発のお誘いを受けました。せっかくなのでレシピ開発とあわせて、オンラインショップも一緒に立ち上げることにしたんです。

マフィンを販売した時に、shopifyで失敗した経験があるので、チャレンジしてみたいけどなかなか踏み出せない気持ちや、不安がよくわかります。ポートフォリオサイトやshopifyで何かサービスを売りたい方がいたら、ぜひ相談してほしいです。

ー料理人に加えて、オンラインショップの立ち上げのスキルを身に付けたんですね。これからの展望があれば教えてほしいです。

今は自分のポートフォリオサイトを作っていて、合宿の料理やパーティー・結婚式の料理をできるよっていう内容をまとめています。発信してみて、連絡が来たらやってみようかなって。お誘いいただいたら何でもやってみたいという気持ちです。

みんなからは明るくてポジティブな人と思われているようなんですが、実はネガティブなところも結構あります(笑)SNSって、本当に悩んでいる人はあまり発信をしないんですよね。表には出さないけど、悩むこともたくさんあります。「悩んでいても、うまくいかなくても、みんなそれぞれなのでそのままでいいんだよ」って伝えたいです。

私は料理をしていたおかげでたくさんの人と出会いました。フリーランスの料理人をやっていると、私の料理を食べたいって言って来てくれるのがすごく嬉しいです。お店で働いていると、お客さんからしたら「そこのお店の料理」なので、作るのは私である必要はないんですよね。

なおメシ2

将来は自分の場所を持ちたいなって思っています。今はキッチンをありがたいことに各地で借りさせていただいているんですが、やっぱり自分の場所があるといいなって思いますね。

楽しいことは最強だし、人生は1度きりなので後悔しないように生きていきたいです。好きなアウトドアでの結婚式料理や野外料理など、なんでも面白そうなことにはチャレンジしていきたいです。

感染症による自粛期間に滅入ってしまった時、山や海に行くと自然のエネルギーをもらえたので、自分にとって自然の中で生きることは必要なんだと再確認しました。

なおちゃんスタンディング

なおちゃん、インタビューありがとうございました!

フリーランス料理人のなおちゃんが、これからどんどんパワーアップしていくのが楽しみです😊なおメシも早く食べたいです!


なおちゃんのこれまでの料理は、Instagramから見ることができます(URLはこちら)。

なおちゃんにお仕事を依頼してみたい方はこちら

これからもゆるっと文章を書いていきます🐢