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【ドラム】MPS-10の開発に関わった話

KORGからパーカッションパッド、MPS-10が去年の11月12日より発売された。
シンセサイザー王手メーカーであるKORGが満を持してRolandやYAMAHAに対抗してきたように見える。
実はこれの機構部分の開発に携わらせてもらった。販売していつの間にか結構経ったので、そろそろ色々言っていいかと思いましたので、今回はMPS-10について。

開発ね、いやあ、大変だった。実に。過去一大変だったかもしれない。

この製品、e-mergeと同じチームで開発が行われたらしい。僕はサウンドやらプログラム系やらとはあまり関わらなかったが、本体の機構設計チームとはほぼ毎日やりとりしていた。
外観とか叩きごこちにはかなりのこだわりがあって相当試作を重ねてようやく今の形になった。2年はかかったか。
実は量産になった今も相当苦戦しているのは内緒だ。今はお休みしているがまた春から作り始めるみたい。もうやりたくねえ

とまあ内部事情はさておき、このMPS-10を販売していた楽器屋に聞いてみたが、実はコンシューマーもあまり何が凄いのかよくわかっていないらしいことを聞いた。

なのでここでは一つ個性的な機能を紹介しておく。こんな苦労したのに売れてないのは悲しいし。
個人的な魅力機能、『CC(コンティニュアンスコントロール)パッド』だ。
同社の商品でDJやシンセサイザーの傍らに置いておく機器に『カオスパッド』というものがある。

表面を指でなぞってサウンドをうにょーんと変化させるフィルタリング(音をこもらせたりシャリシャリにさせたりするやつ)がリアルタイムでできるやつなのだが、MPS-10に搭載されたCCパッドは平たく言うとそれがスティックで操作できる機能だ。しかも128段階と相当細かく叩き分けできる。
今まで加工音はドラム演奏をお休みして同期演奏に任せるところを、これを使えば自分のタイミングでフィルターのかけ具合をコントロールしながら演奏できる。思いつきそうで思いつかなかった。凄いよこれ革命だよ。
発表前から実機をモニタリングさせてもらっていたが、知らない機能がまだ出てきて底が知れないヤツだ。

自分が欲しいと思っていたジャンル楽器の開発に携わったのは本当にいい経験になった。もー本っ当に大変だったけど(2回目)

とりあえずパーカッションパッド買い替え検討している方、MPS-10はいいぞ。

自宅に鎮座するMPS-10試作機(もらった)

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